Guns N' Roses祭

来てますね。

なにが。

台風が。

 

毎回書き出しに困っておりまして、前回と同じ手法を採用してみました。

なんのひねりもない男でございます。

台風でスラッシュが来日できなくなると非常に困りますので、どうにか空の便に影響が無いような方向で手打ちにできないか考えております。

台風、ダメ、ゼッタイ。

 

 

こんな愚にもつかないブログを書いて人生を浪費しているわたくしですが、いま猛烈な首の痛みと格闘しております。

泣きながら七転八倒し、「疼痛コントロール!疼痛コントロール!」などと喚き散らしている有様であります。

 

それはなぜか?

 

それは昨日10月4日、Guns N' Roses祭なる宴に参加して来たからであります。

会場はかの有名な目黒鹿鳴館

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ガンズのトリビュートバンドが5組も出演する一大イベント。

これはもう喜び勇んで観に行かせていただくしかないでしょう。

観たことがあるのはTwitter等でもお世話になっているGunmen Showersさんだけですが、他のバンドもガンズナンバーだけを演奏する訳ですから、これが楽しめないはずがないので、期待に胸膨らませて会場へ向かいました。

 

ガンズ関連のライヴではほぼ100%相棒になってくれるくりこさんと目黒駅で合流。

人見知りかつ方向音痴のふたりなのでお約束のように道に迷ったりしましたが、地図を頼りになんとか会場へ。

ちなみにくりこさんも当ブログを読んでくださっており、「ブログで自分を登場させる時は、もっと人格者であるように記述するように」という半ば恫喝に近いような要求をされましたが、ブログに嘘偽りを書きたくないので丁重にお断りいたしました。

真実を追求するブログ『セックス、ドラッグ、うがい、手洗い、ロックンロール』を今後ともご愛顧くださいませ。

 

会場前にいらっしゃったTwitterのフォロワーさん数名にご挨拶をして、いよいよ会場へ潜入。

ドリンクは350mlの缶ビールをチョイス。

これが600円っていうのは普通に考えると明らかに高いのだけれど、ライヴ会場に入った途端、なぜか金銭感覚が麻痺してバカスカ購入してしまうから不思議ですよね。

誰か科学的に説明してください。

 

なぜかヌンチャクを振り回しているお客さんなどを眺めながらビールを飲んでいると、ほどなくして場内暗転。

いよいよ世紀の大イベントGuns N' Roses祭開幕であります。

 

はじめにお断りしておきますが、バンドとバンドの合間に必ずビールをおかわりしていたため、記憶がかなり曖昧になっている部分がございます。

事実誤認等がございましたらご容赦ください。

ビールが止まらなくなるような空間を提供したGuns N' Roses祭が悪いのさ。

責任転嫁。まさに社会の屑。

それではしばしライヴレポートにお付き合いください。

 

 

〇 Hooligan's Holiday

 

トップバッターは女性ドラマーを擁するHooligan's Holidayさん。

バンド名からお察しになった方もいらっしゃると思いますが、普段はMotley Crueのコピーバンドとして活動しているそうです。

たしかにギターの方はミックみたいだし(アンディ・マッコイも入ってる)、ベースの方はニッキーみたいだった。

そんな彼らがGuns N' Roses祭のオープニングナンバーとして演奏し始めたのは…

 

Since I Don't Have You!!!!!! 

 

さすがにこれは予想できなかった。

ていうか、この曲が演奏されているのを聴くこと自体が初めてだったん。

この曲に限らず、いわゆる定番曲をあえて外したセットリストを組んでくれていて、観ててすごい楽しかったです。

Black LeatherやNew Roseといったスパゲッティ曲が嬉しかったナー。

特にBlack Leatherは大好きな曲なのでイントロが始まった瞬間、思わず叫びました。

ベースの方がNew Roseでカンペをガン見だったのはご愛嬌。

初期の隠れた名曲Shadow Of  Your Loveまで披露してくださり、1組目の時点でもう大満足ですよ。楽しすぎる。

ヴォーカルの方が「またガンズバンドやろう」とおっしゃっていたので、次はさらにレア曲を披露してくださるのではないかと期待しております。

 

 

〇 Jun & 8Balls

 

ガンズ本家の名作ライヴビデオ『Use Your Illusion World Tour 1992 In Tokyo』のオープニング場面がスクリーンに映し出され、ビデオとシンクロするようにしてNightrainがスタート。

この演出は最高だと思ったので、次はビデオに合わせて「バンザーイ!!マザーファッカーズ!!」を絶叫したいと考えております。

 

初めて観るバンドだったので普段の様子は存じ上げないのですが、この日は完全に1992年の東京ドームをベースにしたライヴでした。

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この画像を見れば雰囲気は察して頂けるのではないでしょうか。

ピンボケなのは当方の腕の無さによるものであります。

 

このバンド、どうやら単なるコピーバンドではなく、自らを「コスプレバンド」と称しているようで、衣装まで1992年東京ドームを再現しておりました。

ガンズのコピーバンドといえば普通はオリメンを想像しますが、Jun & 8Ballsさんはギルビー・クラーク、マット・ソーラム、ディジー・リードまで揃えたこだわりの編成。

マットおじさんやギルビー役がいるバンドを観れるとは思わなかったので感激しました。

ヴォーカルのJunさんは本当にアクセルが大好きのようで、表情やステージアクションまでアクセルを完コピ。

あの歌ってない時の口の開け方とかそっくりだったなー。

しかも何度も何度もお色直しをするところまで再現していて、東京ドームのビデオを観ているような気持ちになってきたん。

 

正直な話、歌が上手いとか声が似ているとかそういうヴォーカルじゃないんだけど、表情と動きがあまりにもアクセルで、途中からアクセルにしか見えなくなってきたんだよね。

身長150cmくらいの恐山のイタコにアクセルの生霊を憑依させてステージに送り出したらあんな感じなんだろうナーと思ったり。(褒めてます)

隣りで観ていたくりこさんも終始笑顔。

なんていうか本当に愛があるライヴで、ヴォーカルのJunさんを抱きしめたくなった。

愛が歌唱力を超える瞬間というのを初めて目の当たりにしました。

また絶対に観たいバンドがひとつ増えてしまった。

 

ちなみにヴォーカルのJunさんは、出番終了後はこのアクセルで会場内をウロウロ。

驚異の再現力に涙が滲みました。

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〇 Gunmen Showers

 

今年はついにサマソニックにも出演を果たしたGunmen Showersさん。

この日はドラマーのマドラーさんが欠席ということで、アコースティックセットという初めての試みでの出演。

しかも、ヴォーカルのナクセルさんはアメリカから帰国して、本番20分前に会場に到着するという超綱渡り的なスケジュール。

間に合ってくれて本当によかった。

 

ライヴはLiesバージョンのYou're Crazyからスタート。

本番ギリギリに到着するという悪条件を微塵も感じさせないナクセルさんのヴォーカルには惚れ惚れしました。

この人はアクセルに似てる似てないという以前に本当に歌が上手い。

アコースティックセットというごまかしの利かない状況でそれが改めてよくわかりました。

 

ちょっと危うい場面もあったPatienceは、最後の「just a little patience yeah yeah」のパートが本当に心地よかった。

ベースのダッフィーさんのコーラスも温かみがあってよかったです。

イジー役のイジリーさんは本当にアコギ姿がハマっていて、そのままPatienceのPVに出演できそうなクオリティ。

 

個人的にもっとも感動したのは、アコースティックバージョンのCivil War。

ギターのガスラッシュさんがイントロのアルペジオを弾き始めた時は戦慄が走りました。

ナクセルさんの衣装チェンジが上手くいかなかったのは微笑ましいハプニングとして記憶に留めておきましょう。

アメリカ帰りのナクセルさん、Peace is closerパートもサラリと歌い上げる語学力の高さを披露。女子の心を鷲掴み。

まさに名演といえる演奏で、最後まで緊張の糸を途切れさせない集中力には脱帽しました。

この日の演奏の映像があったらなんとしても手に入れたいです。

 

そして、このアコースティックセットのあまりの素晴らしさに最前列の女性ファン3名が順繰りに泣き始めるという大ハプニング。

なんて素敵なイベントなんでしょうか。

貸して差し上げたハンカチのびしょ濡れ具合がGunmen Showersさんの演奏の素晴らしさを物語っておりました。

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アコースティックセットにチャレンジ中のGunmen Showersさん。

くりこさんから「股間中心に撮って!」という指示が飛びましたが黙殺しました。

くりこさんのちんこ好きには困ったものです。 

 

 

〇 Guns N' Rise

 

少なくとも感涙者3名を出すという伝説的なセットを終えたGunmen Showersさんに続いて登場したのは、普段は福生を中心に活動しているというGuns N' Riseさん。

他の出演バンドと比べてかなり若い印象のバンドでした。

こんな若者がガンズのトリビュートバンドをやっているなんて日本の将来も明るいのではないでしょうか。

 

彼らはオリジナルラインナップの時期を下敷きにしているようで、伝説の1988年Ritz公演などで聴けるようなテンポの速い荒々しい演奏を披露してくれました。

ラウドでダイナミックなMy Michelleは死ぬほどかっこよかった。

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相変わらず写真の腕前がアレですが、アクセル役の方はグラム時代を彷彿とさせるような色気のあるルックス。

スラッシュ役の方はダイエットに大成功したとのことで、その鍛え上げられた腹筋に筋肉大好き女子たちが大騒ぎ。

わたくしも絶対に腹筋を割ってやろうと決意いたしました。

 

ベースの方は短髪黒髪で、その見た目にダフっぽい部分はなかったのですが、Duff McKagan's Loadedのティーシャーツをしっかり着てくるあたり、筋金入りのダフファンだとお見受けしました。

日本一のダフファンであるじょのさんに引き合わせたい。

 

 

〇 (有)石井商会

 

Guns N' Roses祭のトリを飾るのは(有)石井商会さん。

開演前からジミー・ペイジばりの白髪の紳士が客席にいるなーと思っていたら、なんとその方がリードギタリストとしてステージに立っていて驚愕しました。

白髪のスラッシュというのも斬新ですね。

 

そんな(有)石井商会さん、なんとあの大作バラードNovember Rainからライヴをスタート。

この曲から始まるなんて誰が予想できたでしょうか。

あの感動的なソロを目の前で観ることができて俺は幸せであります。

またしても感涙者を出す始末。

さすがにヴォーカルの方もピアノを弾きながら…という訳にはいかず、ディジー役の可愛らしい女の子がキーボードをプレイしておられました。

 

ガンズ本家ではほとんど演奏されたことのないHair Of The Dogには思わずガッツポーズ。

こんなにサノバビッチと叫んだ日は今までありませんでした。

さらには複雑な展開を持つ名曲Estrangedまで披露してしまう(有)石井商会さんの驚異の演奏力。

もしかしたらガンズの楽曲すべてを持ち歌にしているのではないでしょうか。

Crash Dietとかも是非お願いしたい。

 

(有)石井商会さんのガンズ愛は留まるところを知らず、なんとあのバケットヘッドをステージに呼び込み、ヌンチャクパフォーマンスを披露させるという暴挙へ。

なんですかこれは。2001年Rock In Rioですか。2002年サマソニックですか。

そしてついに『Chinese Democracy』からタイトル曲を披露。

いやー!ついにチャイデモ曲をプレイしてくれバンドにめぐり合うことができました!

The BluesやRhiadもレパートリーにしているということなので、次は是非その2曲も聴いてみたいです。

せっかくバケツさんがいるならOh My Godも…と思うのは贅沢でしょうか。

 

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ちなみにショルキーに持ち替えたディジー役の女の子がこちら。

ふとももが眩しすぎて気が付いたら激写しておりました。

このふとももだけで入場料2500円の元が取れたようなものです。

 

最後は出演バンドすべてのアクセル役が登場し、5アクセルという浅田真央ちゃんのような異空間がステージに誕生。(スケートのことよく知りません)

あのDon't CryのPVでアクセルが次々と登場する意味不明の場面を超えるカオスでございました。

「やはり祭りの最後はかくあるべし」と言いたくなるような大騒ぎで大団円。

最高のイベントをありがとうございました。

 

 

会場を後にする前にGunmen Showersのガスラッシュさんやダッフィーさんにご挨拶していると、見覚えのない紳士から「りょうさん」と名前を呼ばれ驚愕。

慌てて脳みそをフルスキャンしましたが、やはり見覚えがなく絶望するわたくし。

失礼を承知で「えっと…どなたでしたっけ?」と尋ねようと思った時、先方から「Gunmen Showersのマドラーです」と自己紹介してくださり、すべての謎が氷解。

ステージ用のヅラもかぶってないし、まったくわかりませんでした。

当たり前ですけど、普段はどこにでもいるような普通の方なんですよね。

 

マドラーさんから「Summer Sonicのブログありがとうございました。読ませていただきました」と言っていただいて大感激。

楽しいライヴを観せてもらって活力をもらってるのはこっちなのに、ブログを読んでいただいた上にお礼まで言われるなんて…。恐縮しきり。

僕は物書きでもなければ評論家でもない、ただガンズが好きなだけの男なのだけれど、自分が書いたものを読んでくださる方がいて、その感想を直接頂ける機会があるなんて本当に幸せなことだと思いました。

更新ペースの遅い当ブログですが、ライヴの翌日にこうやって更新できたのはマドラーさんのおかげです。

この場を借りてお礼を申し上げます。

 

 

次はスラッシュの来日イベント。

無事にスラッシュが来日できますように。

つるの祭りの悲劇が繰り返されませんように。

 

苦悩するスラッシュ

 ついに来ますね。

誰が。

スラッシュが。


ライヴコンサートではなくファンイベントという形式のようですが、先日リリースされた新作『World On Fire』のプロモーションの一環で来日するとの発表がありました。

しかしながら生のスラッシュを拝めるのは厳正な抽選によって選ばれた幸運なファン20名だけ。

これは狭き門すぎるでしょう。

当たる気がしません。


そしてスラッシュのファンイベントと聞いて思い出すのが、1stソロアルバムリリースに伴うプロモーション来日の際に開催された通称 つるの祭りの悪夢。

あれに参加された方の中には、未だにあの針の筵のような光景を夢に見てうなされるという気の毒な後遺症に苦しんでおられる方も多数いらっしゃると聞いております。

あのような悲劇を二度と繰り返してはいかんのです。


ストップつるの祭り。


今回はスラッシュのため、そして我々スラッシュファンのためにmixi日記からつるの祭りの回を転載したいと思います。

前置きが長いですが(これがわたくしのmixi日記の特徴でした)、そのうちつるのが出て来ますのでご安心ください。

ちなみにつるの祭りは2010年4月22日に開催されておるようです。

もう4年も前の話なのに未だに怒りがくすぶっているのは何故でしょうか。



【以下、mixi日記より加筆修正の上転載】



来たる4月25日。

いよいよ後輩の結婚式ということで色々と準備をしております。

とりあえずピン札を確実に手に入れる方法を募集中です。



教会で執り行われる結婚式ということで、讃美歌を歌うんだって。
しかも、新婦から「でっかい声で歌ってください」とのリクエスト付き。
讃美歌なんて歌ったことないですよ俺。
普段聴かないよね讃美歌なんて。


歌詞は当日もらえるので、とりあえずメロディだけでも把握しないといかん。
というわけでyoutubeで讃美歌をチェックすることに。
が、どういうわけか讃美歌とゴスペルを完全に勘違いしていた俺。
「天使にラヴソングを」のウーピー・ゴールドバーグ的な動画を検索しまくってました。


「オー!ハッピーデイズ オー!ハピィーデェーイズ」とえらくソウルフルに歌いあげる黒人シンガー。
こんなん結婚式で歌わないと思った。
あー。早めに気付いてよかった。
完全に気分はウーピーで参列するところでしたよ。


俺のバイブルである「冠婚葬祭マニュアル」。
冠婚葬祭がある時は熟読しております。
そこに書かれていた媒酌人についての記述に驚愕。
一般的に新郎新婦側から媒酌人への謝礼は、媒酌人が包んだ金額の1.5~2倍が相場なんだとか。


ということはですよ。
もしも100万円包んだとしたら、150~200万が戻ってくるということに。
これはおいしい。
ローリスク・ハイリターンですよ媒酌人というヤツは。
俺も媒酌人やりたい。

週末のスケジュールは可能な限り空けておきたい。


もしも俺が媒酌人を依頼されたら、ありったけの貯金をご祝儀で包もうと思った。
これを何回か繰り返せば、あっという間に金持ちですよ。
ヤミ金で借金してでも大金を包みたいと思った。


ていうかこんな考えのヤツに媒酌人は絶対に依頼したくないと思った。
なによりも媒酌人は夫婦で担当するらしいので俺には権利すらないと思った。
みなさん、媒酌人を引き受ける際は無欲でいきましょう。
お祝いとして全財産を包んでおきながら、謝礼を受け取る前に音信不通になるくらいの無欲で。


まあ、そんな金銭にまつわる薄汚い話はさておき。
これからが本題ですよ。
長すぎる前置きを読んでうんざりした人はエロサイトへ飛んでください。
家族にバレたら困る人は、観終わった後には履歴を消してください。


というわけで行ってきました。
我らがスラッシュのイベントへ。
「超プレミアイベント」と銘打つだけあって、150組300名に対して
2000通以上の応募があったんだとか。
ちなみにくり子さん(カラオケ屋の店員を恫喝するご婦人)は見事に落選しました。
可哀そうなので誘ってあげたら、わざわざ現代の秘境である山梨からやって来ました。
果てしないガンズ愛を感じた。


今回の超プレミアイベント。
会場は山手線随一のお洒落タウン恵比寿。
俺みたいなケミカルウォッシュ野郎にはLiquid Room以外ではまず行かない街ですよ。
だって建物が基本的に煉瓦造りなのだもの。
3匹のこぶたかっ!


開場時間の30分前に恵比寿駅改札に集合。
当選ハガキの地図によれば、会場までは徒歩2分だとか。
これは30分もあれば楽勝で着いちゃって時間が余っちゃってしょうがないですよ。
10分前に待ち合わせればよかったんじゃないかっつーくらいの。
こんだけ近いんだから適当に歩いたって着いちゃうっつーくらいの。


が、そこは稀代の方向音痴である我々。
極寒の恵比寿で見事に路頭に迷う。
恵比寿ガーデンプレイスというクソ分かりやすい目印があるにも関わらず楽勝で反対方向へ突き進み、わりと恵比寿らしからぬ寂しい道に出てみたり。
結局、会場に着いたのは開場時間ギリギリ。
あぶなかったー。

あやうかったー。
30分前の待ち合わせを提案したくり子さんの大ファインプレイ。
日頃の行ないが悪いせいで落選して可哀そうだから誘ってやった甲斐がありました。


会場は恵比寿MBL Cafeというスポーツバー。
英国風(たぶん)の庭園が付いてて若者が喜びそうなお洒落スポット。
しかし、降りしきる雨の中、その庭園で待たされている我々には恵比寿という街の小洒落っぷりに感心できるような余裕は皆無。
むしろ「なんで屋根がないんだろうなー。不思議だなー。こわいなー。やだなー。やだなー」と俺の中の稲川淳二がえらく嫌がってました。


いい感じに身体が冷え切ってきたところでようやく開場。
イベント会場となるのは2階フロア。
某テーマパークの某ホーンテッドマンションを彷彿とさせる円形の会場でした。
とりあえず前から4列目の椅子をキープする我々。
わりと右手の方だけど、まあステージは普通に見えそうな感じ。
この位置でスラッシュが拝めるならいいか。


座ってビールなんぞを飲んでいると(ワンドリンク制だったのです)、爆音で流れていたスラッシュのアルバムがフェイドアウトしていき、ステージ上には高級そうなスーツを着た恰幅の良い紳士が登場。
なんかね夜な夜な高そうなワインとか飲んじゃってるような感じ。
くり子さんが「ファンファン大佐に似てるね」って呟いたけど
一瞬誰のことかわかんなかったよ。
それが岡田真澄のことだと気付いたのは約5秒後。
久々に仮面ノリダ―のことを思い出した。
まあ岡田真澄を思い出した俺のリアクションが「死んだよね」という身も蓋もないものだったことは秘密にしておこうか。


レコード会社のお偉いさんだという岡田真澄
ひとしきりお礼やら注意事項やらをしゃべってステージから退散。
いかにも「業界人」て感じのお方でした。


岡田真澄氏と入れ替わりでステージに登場した金髪の男子。

見覚えあるなー。誰だっけなー。

と頭の中のタレント名鑑をめくってみると…



つるの剛士でした。



あんまりテレビを観ない俺ですが、さすがにこの人は知っている。
山田まりやと付き合っていたことで有名な人ですよね。
会場も「あ。この人知ってる」「あの山田まりやの」的なほどほどのリアクション。


つるの氏に続いてステージに登場したのは、日本が生んだ世界のメタルゴッド、「六本木ハードロックカフェ―」の名フレーズでお馴染みの音楽評論家 伊藤政則氏。
大先生が登場した瞬間、会場は割れんばかりの歓声に包まれました。
いやー。生で見ると怪しさ倍増。
「どこで売ってるんだよっ!」と言いたくなるような素敵な服をお召しでした。
しかも異様にテンションが高く、話が受けようがすべろうがお構いなし。
大声でしゃべりまくってました。


さあ、次はいよいよスラッシュかっ!
と思いきや、まずはその前に「なりきりスラッシュ大会」の開始。
その名の通り、スラッシュになりきった一般参加者がギターを弾きまくるだけの企画。
優勝者には豪華景品が贈呈されるんだとか。


「出る人いるのかなー」と思ってたけれど、実に50名以上の応募があったそうな。
その中から会場に来ているのは、厳しい審査を通過した4名の精鋭。
さっきから会場の右端の方で一心不乱にギターの練習をしまくっております。


審査員は伊藤政則先生、ギター雑誌の編集者2名に加え、なんと! スラッシュと一緒に来日している奥様のパーラさん。
パーラさんはいかにもロックスターと結婚しそうな豊満なお身体が眩しい美女。
物静かなスラッシュとは対照的にえらく元気な方でした。
ちなみに会場後方にはスラッシュの御子息がおふたり。
まだちっちゃくてすげー可愛かったなー。
やっぱり将来はもじゃもじゃになっちゃうんだろうか。
遺伝子の壁をぶち破って欲しいと願わずにはいられません。


熾烈なギターバトルが繰り広げられた「なりきりスラッシュ大会」。
見た目完全にスラッシュな人。
ギター歴2年の女の子(ジャングルのエンディングを1分ジャストで完奏!)
自称「世界一小さいスラッシュ」な人(スラッシュの手癖フレーズをかなりマスター)
大分からはるばるやって来たというスラッシュフリークな人。
上手い下手はあれど、スラッシュファンの前でスラッシュのフレーズを弾くなんて
相当な度胸がないと出来ることじゃない。
俺にはできん。技術的にも度胸的にも。


優勝したのは大分からやってきた平山さん。
スラッシュ風ヅラは奥さん手作りだとか。
理解のある奥さんで素晴らしい。
頭の後ろでSweet Child O' Mineのイントロを弾くという荒業まで披露。
さすがにスラッシュでもそれはやってないんじゃ…。


優勝賞品はギブソン社提供のエピフォン・レスポール(スラッシュモデル)。

Epiphone by Gibsonという訳ですな。
ギブソンのスラッシュモデルじゃないところがミソ。

そして、そのプレゼンターとしてギター片手にステージに登場したのが…



スラッシュ! 



なりきりじゃない本物のスラッシュ!
それまでのぬるま湯感が一変。

一気に熱を帯びる場内の空気。
あのもじゃもじゃも腕のタトゥーも紛れもなく本物。
おなか周りも分厚くて、他の出演者より一回り大きい感じだったなー。
なにはともあれ俺のヒーローの一人を目の前で見れて感激しきりですよ。


大分のスラッシュ(平山さん)にギターを手渡し、サインまで入れてくれる本物のスラッシュ。
微笑ましいくらいに感激しまくる大分のスラッシュ(平山さん)。
いいなー。これは一生の宝だ。
「子供にも渡しませんっ!」って叫んでたな、大分のスラッシュ。
棺桶の中に入れてくれってことか。
ていうか大分までギター2本背負って帰ったのかしら。
それも大変な話だな。


さあ、本番はここからですよ。
ついにスラッシュが、本物のスラッシュが登場したわけですから。
これはもう大変な盛り上がりを見せるに違いない。

生涯忘れ得ぬ素晴らしい思い出の一夜に。
これはもう参加できなかった人は一生後悔する伝説の一夜ですよ。


…と期待を煽っておいてアレなんですが、主役のスラッシュを差し置いてつるの氏がしゃべりまくり、挙げ句の果てにはギターまで弾いてしまうという「つるの祭り」としか言いようがないイベントでした。
百歩譲ってギター弾くのは許すとしても、蝉の物真似は完全に要らないだろ。


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(写真:スラッシュを差し置いてギターを弾くつるの)


スラッシュの表情を窺い知る事は出来ませんでしたが、例のもじゃもじゃの向こう側では般若になっていたのではないでしょうか。
わざわざLAから長時間かけて日本までやってきた挙げ句、初対面に近いような日本人にセミの物真似を披露されてるスラッシュの気持ち。
それを想像するだけで日本人代表として切腹してスラッシュに詫びたくなる。


結局、スラッシュのギター演奏は無し。
まあ、元々演奏の予定は無かったんだと思うけど。
バンドはおろかシンガーも連れて来てないんだからね。

途中で伊藤政則先生が仕切る質問コーナーがあったのが救いか。
とりあえず今回の収穫としては…


・来年日本ツアーをやる予定
・VRは新ヴォーカリストを探して活動再開する予定
・スラッシュの子供は可愛い


そんなところでしょうか。
とりあえず、つるの氏がレコード会社のイチオシだってことはわかった。
サマソニに出演したり、スラッシュと対談したり。
レコード会社的には「あの元ガンズのスラッシュと共演したつるの剛士!」っていう事実が欲しかったんだろうなあ。
芸能界って嫌だなあ。


スラッシュは客席に手を振って逃げるように退散。

最後は故・岡田真澄が再び登場し、関連グッズが当たる大抽選会。
スラッシュのサイン入りピックアップやらワウペダルやらが賞品なのだけど、もう本人は帰った後だし、観客の大半はつるの祭りで虚脱放心絶望しているので、大した盛り上がりもなく淡々と終了。


この抽選会もスラッシュがやってくれたら嬉しいなあ、と思ったのだけど、
よくよく考えたらあのガンズ・アンド・ローゼズのスラッシュですよ。
かつて「世界一危険なバンド」の看板ギタリストだった人ですよ。
そんな抽選会なんてやるわけないじゃんか。
アクセルだったら絶対やらないだろ。
下手に愛想ふりまかない方がロックスターらしくて逆にいいかもしれん。


こんな素敵なイベントのために山梨からやってきたくり子さん。
やるせない。

やりきれない。

ふがいない。


が、一番の被害者は、くり子さんを恵比寿に行かせるためにわざわざ有給休暇を取って子供の面倒を見ていた彼女の旦那さんだな。
とりあえず彼にはサマソニでつるの氏のステージを観てもらいたいと思った。


ちなみに受付で「今日の資料が入っております」と手渡された封筒。
中にはつるの氏関連の資料。
どんだけイチオシなんだよっ!と思った。
これはスラッシュのイベントやぞっ!
カッチカチやぞっ!
悔しいですっ!
何故かザブングルの物真似をして悔しがりたいと思った。



【以上、mixi日記より加筆修正の上転載】



まあ、こんな訳なんですが、改めてふつふつと怒りが込み上げてきますね。

今回のイベントはみんなが満足するような構成になっていますように。

つるの、ダメ、ゼッタイ。

俺、ギルビー・クラークに借りがあるんだ

9月も中旬に入り、陽もすっかり短くなった今日この頃。

みなさまにおかれましてはいかがお過ごしでしょうか。

婦人服売り場などを徘徊する日々でしょうか。

 

さて、私事ですが、すっかりブログのネタが尽きております。

ネタが尽きている時は過去のmixi日記からのリサイクルが定石。

という事で、今回は2008年に誰も気付かないうちに粛々と執り行われた元Guns N' Rosesの雇われギタリスト、ギルビー・クラークの来日公演を転載いたします。

ギルビーに興味が無いという奇特な方は、すぐにこのページを閉じて旅に出てください。

 

 

【以下、mixi日記より加筆修正の上転載】

 

2008年3月15日 土曜日。

ついに目撃しました。

ギルビー・クラーク日本ツアー’08初日を!

これでめぼしいガンズメンバーは完全制覇。

オリジナルメンバーではないとは言え、一度は観ておかねばと思ってましたよ。

だって、あの黄金期のガンズのツアーでギター弾いていた人ですよ。

あのアクセルがイジーの後任として一度は認めた人ですよ。(のちにアクセル自身の手によって解雇)

なによりもソロ作品の出来が異常に良いので、仮にガンズの楽曲をやらなかったとしても十分に楽しめるはず。


会場は高田馬場ESPホール。

音楽専門学校の校舎内にあるライヴスペースが会場となってます。

ちょうど2年前にスティーブン・アドラーを観たのと全く同じシチュエーション。

出待ちしてサインを貰ったという一生の思い出がある会場です。

まあ、あまりの音のラウドさに一発で難聴になったという苦い思い出も付いてくるのだけど。

生まれて初めて耳鼻科で聴力検査を受けて、突発性難聴という診断を頂戴しました。

無事に治って良かった。

16時半開場というロックンロールのライヴらしからぬ時間設定だったのだけど、仕事終わらせて駆け付けましたよ。

相棒はくり子さん。

ガンズ関連のライヴがある時は相棒率100%。頼りになります。

カラオケ屋の店員を恫喝するという悪癖が無ければ更に良い人なのだけれど…。


高田馬場駅で待ち合わせして一路会場へ。

…と思ったら、会場までの行き方が全く分からない我々。

2年前はどうやって行ったんだよ!って話ですが。

分からないんだから仕方ないじゃないの。

辺りを見回すと「NO MUSIC NO LIFE」とプリントされたオレンジ色のパーカーを着た若者を発見。

こいつは音楽好きに違いない。

ギルビー観に行くに違いない。

なんか地図みたいの持ってるし。

なによりもギルビーを観に行きそうな顔をしている。

これは間違いない。

即座に若者の尾行を開始する我々。

そんな我々の存在には微塵も気付かず、ずんずん高田馬場を突き進む若者。

うむ。こいつに付いて行けば迷う事なんてありえない。

…と思ったのもつかの間。

おもむろに足を止める若者。

しばし逡巡した末、牛丼の松屋へ突入。

なぬー!!

ここまで来て我々を見捨てる気なのかっ!?

この非国民がっ!

絶望的な気分になりましたが、ここで突如として2年前の記憶が甦るという奇跡が起こり、なんとか会場まで無事に到着。

まさに全米が号泣するであろうレベルの奇跡体験。

いやー。よかった。人間やれば出来る。

あまりの嬉しさに抱き合って号泣する社会の屑がふたり。



という訳で近くのコンビニでビールを調達して会場前のベンチで乾杯。

やはりライヴ前にはアルコールの補給が重要ですよ。

ほろ酔い気分でまだ見ぬギルビーに想いを馳せる。最高だ。

…と上機嫌になったのもつかの間。

会場の人に「一応学校なんでお酒は…」とやんわり注意されちゃいました。

やんわりってとこが音楽専門学校だね。

わりと寛容。

きっちり飲み干しました。

ほどなく開場しフロアへ突撃する我々。

チケットには「スタンディング」とバッチリ書かれていたのだけど、我々の眼前には椅子が並べられたフロアが…。

なんじゃこりゃ。

スタンディングじゃないのかい。

仕方なく2列目の座席に腰を下ろす。

なんだよー。ちょっと騒げると思ったのにさー。

チケットあんまり売れてなくてスタンディングにしちゃうと後ろがスカスカになっちゃうから、仕方なく椅子席にしたんじゃないかと勝手に邪推しております。


フロアの端っこには物販コーナー。

グッズを買うとギルビーのサイン会に参加できるとの事。

すわっ!これはチャンス。

ライヴ盤はちょうど持ってなかったので、これ幸いとばかりに即購入。

サインは持参したギルビーの1stアルバムに入れてもらうつもりだけれど。


今宵の前座はCheap Trickのコピーバンドで、その名もCheap Track。

内容は割愛しますが、リック・ニールセン役の方が投げたピックを頂きました。

ちゃんとCheap Trackって入ってんの。

こだわるなー。

あ。サレンダーは名曲ですね、やはり。


わりと長いインターバルの後、ついにギルビー登場。

他のメンバーはアフロな髪形のベーシストと太ったグラムロック系のドラマーだけ。

リズムもリードも一人でこなすつもりなのかギルビーは。


メンバーが定位置につき、いよいよ演奏開始!

…と思いきや、おもむろにチューニングを始めるギルビー。

微調整とかいうレベルではなく全面的にやり直してる感じ。

ステージに出る前にやっとけよ!

わりと間抜けなオープニングになってしまい実に残念。


気を取り直してライヴ開始。

いやー。思った以上に良いわ。

さすがに良い曲を書くね、ギルビーって男は。

バンドも上手い。

適当な人選でお茶を濁さない辺りにギルビーの誠実さを感じるね。

「歌えること」が条件なんじゃないかと思うくらい歌が上手いメンバー。

的確なバッキングヴォーカルがビシバシ決まる。

歌えるって素晴らしい。


ギルビーの「初めて日本に来た時に戻ろう」みたいなMCで始まったのは、Knockin' On Heaven's Door。

イントロで早くもテンション上がってしまう場内。

ギルビーのコードストロークをうっとりと眺めてましたよ。

やはりかっこいい。

繰り返し観たガンズの東京ドームのビデオで演奏している人が目の前にいるんだもんなあ。

だがしかし、初めて来た時はドームだったのに、いまやこんな箱でプレイしている彼。

人生って厳しい。

イントロが終わりいよいよ歌い出し。

ギルビーのバージョンはどんなだろうと期待していたら…

「Mama take this…」と歌い出したのはなんとベーシスト。

お前が歌うのかよ!

あの場にいた全員が心の中でツッコミを入れたこと間違いなし。

が、やっぱり上手い。

ふつーに感動してしまった。

お約束のコール&レスポンスもやってくれたし。

 

ちなみに翌日のライヴでSweet Child O' Mineを演奏したのですが、ギルビーのSCOMはどんな感じなんだろうという観客の期待をよそに「She's got a smile...」と歌い出したのはドラマーだったそうです。
2日連続の「ずこー!」ですね。

セットは割とカバー曲が多め。

ストーンズやらガンズやらビートルズやら。

It's So Easyってギター1本でやっちゃえるんだね。

いつ聴いても燃える。

場内「FUCK OFF!!!」の大合唱。


ライヴとは直接関係ないのだけど、我々の目の前に神がいました。

その神は、アクセルの顔写真がプリントされたTシャツを着込み、その上かParadise CityのPVでアクセルが着ているような白いライダースジャケットを羽織った青年。

最初はいたって普通のガンズファンかと思っていたのだけど、演奏が始まった瞬間に様相が一変。

いきなりアクセルばりの横揺れを繰り出してくる青年。

最初は上半身だけだったのだけど、次第に下半身も揺れ出す。

まさにスイチャイのPVで見れるようなアクセルステップですよ。

しかもすげー似てんの。

だんだんアクセルに見えてきたから怖い。

ガンズ関連のライヴがあったら彼を探してみてください。


チューニングの問題とかありつつも無事にライヴ終了。

いよいよ待望のサイン会ですよ。

ギルビーだけかと思ったら、バンド全員出席。

どうしよう。名前とか知らないけど。


何を言おうか迷ってるうちにくり子さんの番に。

一生懸命に名前のスペルを説明してる姿がキュートでした。

そんなこんなで遂にわたくしの順番に。

ドラマーと握手して「素晴らしいショーでした」とお決まりのヨイショを一発。

持参したギルビーのソロアルバムにサインを入れてもらう事に。

スペルを確認してサインしてくれるドラマー。

ありがとうありがとう。

いよいよギルビーと御対面。

名前を呼んでくれようとしたのだけど、ドラマーが書いたスペルが「TYO」に見えたらしく「トヨ?」とか言われる始末。

「R・Y・O!」と説明したら、書き直してくれました。

親切な男だ、ギルビーってヤツは。

何を言おうか迷っていたのだけど、苦し紛れに「This is one of my favorite record!」とか口走ったら喜んでくれました。

よかったよかった。

上機嫌なギルビーに「明日もここでやるから観においでよ!」って言われたけど、あいにく翌日は仕事があるので観に来れない。

本来であれば「いやー。本当は明日もすっごく来たいんだけど、残念ながら仕事があるんだ。また日本に来てくれたら次は全部行くよ!」とか言えればいいのだけれど、非常に残念な英語力しか持ち合わせていないわたくし。

もごもごした挙げ句、その口から飛び出して来たのは「ノー!」というド直球な一言。

とても悲しげなギルビーの顔が今でも忘れられません。

(※ ギルビーはこの時を最後に来日しておらず、もしかしたら自分のせいではないかと夜な夜な自分を責めております)

出てはいけない場面で出てしまったNOと言える日本人。

後でくり子さんに「嘘でもいいから行くって言いなさい」と叱責されましたよ。

本当にごめんなさい。

ていうかさ、ライヴ終了後にサイン会なんて、すげードサ回り的な空気があるよね。

演歌歌手的な。

 

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ちなみにこれがギルビーバンド一同のサイン。

シルバーでTYOと書かれたのをギルビーがゴールドでRYOに訂正してくれました。

こんなナイスガイの心を俺は…。

 

個人的には後味の悪い結末となってしまいましたが、ライヴの内容はすごく良かったので、また来日してくれたら是非観に行ってあげてください。

僕も必ず会場に足を運んで、この日の無礼を謝るつもりです。

ギルビーがいまだに覚えていて、「あれはお前だったのか!」と首を締められない事を祈るばかり。

 

【以上、mixi日記より加筆修正の上転載】

 

えー。みんな大好きなギルビー・クラークのライヴレポでございました。

あれを観た方はほんのひと握りかとは存じますが、ギルビーのソロは本当に良い曲が多いので、「どうせ雇われだろ」とか言わずに聴いてみてください。

まずはガンズメンバーがこぞって参加している『Pawnshop Guitars』がオススメです。

中古盤なら激安で手に入ると思いますので是非。

Rumbo Tapes

巷ではデング熱の感染拡大に沸いておりますが、みなさまにおかれましてはいかがお過ごしでしょうか。

気が付けば学生たちの夏休みも終わり、快適だった通勤電車の乗車率も赤丸急上昇中でございます。実に不愉快。

 

一口に学生と言っても小学生から大学生まで幅広い訳でありますが、やはり一番楽しかったのは将来への不安など微塵も感じていなかった小学校時代。

とりわけ給食の時間が好きだった人も多いのではないでしょうか。

 

わたくしの小学校時代のクラスメイトに吉井君という男の子がおりまして、給食を実によく食べる児童でした。

食べるスピードもさる事ながら、2度3度とおかわりに行くその旺盛な食欲。

間違いなく給食費の元は取れているであろうと思わせるような食べっぷりを日々披露していました。

 

その豪快な食べっぷりを大いに気に入った当時の担任教師。

颯爽とおかわりに向かう吉井君を呼び止め、「今日からお前はクラスの給食大臣だ!」と唐突に大臣ポジション任命を宣言。

かくして吉井君は我がクラスの給食について、全権限を一手に握る事となったのです。

 

最初のうちはいただきますの挨拶を給食大臣が担当するなど取るに足らない役割を担っているだけでしたが、いつの間にか「おかわりに行く前には給食大臣の承認を得る」という規則を作るなど徐々に増長。

さらには休みの生徒の分のプリンを給食大臣が優先的に獲得する職権乱用まで見受けられる事となり、クラスの不満は日に日に高まっていきました。

 

そんなある日、給食大臣の横暴ぶりはついに頂点へ。

配膳前の給食が入った鍋の蓋を開け、そこにおのれの箸を突っ込み、鍋からダイレクトに給食を食べるという前人未到の暴挙に出た給食大臣。

さすがにその大胆すぎる行動には女子生徒から「先生!吉井君が!」という悲鳴が上がり、現職大臣がまさかの現行犯逮捕。

給食大臣、任期途中での緊急更迭となりました。

 

まあ、わたくしのこの話を通じて何が言いたいかと申しますと、知恵の浅い者に権力を与えてはいけない、という事であります。

あなたの周りにもいないでしょうか。

馬鹿なのに何故か権力を持っている人間。

そんな人間がいない世の中を目指して頑張っていきましょう。

 

どうでもいい昔話にスペースを使ってしまいましたが、今日も懲りずにGuns N' Rosesのブートレビューでございます。

今回は定番タイトルについて書いていきたいと思います。

そのタイトルとは…

 

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ド定番スタジオデモ集、『Rumbo Tapes』です。

我が家にあるのは『Rumbo Tapes』ですが、タイトル違いが多数出回っており、『In The Studio』や『Slashin' Pumpkins』などのタイトルで所有されている方も多いのではないでしょうか。

近年ではデジタルリマスターを施したという触れ込みの『Wanderin' In Sunset』なるタイトルも登場しております。

個人的にはこのブートで初めてガンズの完全未発表曲に触れ、道を踏み間違えブート収集を始めるきっかけとなった思い出深いタイトルです。

また、大学時代にガンズ好きの先輩に貸したところ、そのまま借りパクされるという苦い思い出もあり、いまだに返却をお待ちしているところであります。

Y尾さん、これをお読みでしたら速やかにご返却ください。

 

手に入れた当初は、Rumbo Studioで録音されたUse Your Illusion制作時のデモ音源集という認識で聴いておりましたが、調べてみると必ずしもそうとは限らず、色々な時期の音源が入っているようです。

音源の出処などはよくわかりませんが、ガンズのブートを収集する上では避けて通れない1枚ですので、1曲ずつレビューしていきたいと思います。

クレジットなどよくわからない部分もありますので、事実誤認がございましたらご指摘くださると非常にありがたいです。

まずは収録曲の紹介から。

 

1.  The Garden

2.  Don't Cry

3.  Yesterdays

4.  Sentimental Movie

5.  Bad Obsession

6.  Crash Diet

7.  Anything Goes

8.  Bring It Back Home

9.  Back Off Bitch

10.Ain't Goin' Down

11.Move To The City

12.Too Much Too Soon

13.Just Another Sunday

14.Welcome To The Jungle

 

以上、全14曲が収録されています。

ライヴの隠し録り音源と違い、デモ音源なので音質は概ね良好。

未発表曲はもちろん、既発曲についてもオフィシャル音源との違いを聴き比べる楽しみがあります。

では、早速1曲ずつ聴いていきましょう。

 

1. The Garden

 

Use Your Illusion収録曲のデモ音源。

チープなアコギの音がいかにもデモという印象。

注目すべきはオフィシャルではアリス・クーパーが担当していたパートを歌うアクセルでしょう。

あの禍々しいパートを歌うアクセルの歌唱も新鮮で悪くないのですが、オフィシャル版の「これぞショックロックの帝王!」と言いたくなるようなアリスのパフォーマンスを聴いてしまうと、この勝負はアリスの勝ちだと言わざるを得ません。

 

2. Don't Cry

 

Use Your Illusion収録曲のデモ音源。

この『Rumbo Tapes』収録曲の中で唯一オフィシャルリリースされている音源です。

Don't CryのシングルB面で「Don't Cry(demo)」として入手可能。

 

このバージョン最大の特徴はアクセルのヴォーカル。

意識的に高音を抑えた優しい歌い方をしています。

オフィシャルとのあまりの違いに、初めて聴いた時は「これって…イジー?」などと思ってしまいました。(ちゃんと聴けば完全にアクセルなのですが…)

そして、ギターソロにところに「Don't you cry cause I'll be comin' back home to you..」といった語りが入っています。

これはアクセルの声に聞こえないのですが、誰の語りなのでしょうか…。

後半はオフィシャルに近い高音ヴォーカルを聴かせるアクセル。

前半の歌い方との対比が楽しめます。

 

3. Yesterdays

 

Use Your Illusion収録曲のデモ音源。

他のブートで聴けるアクセルとウエスト・アーキーンの弾き語りではなく、ちゃんとデモとして録音されたもの。

チープなドラムトラックはリズムマシーン使用でしょうか。

出だしから「When I was young...」と歌っていたりして、歌詞や歌いまわしがオフィシャルと異なっていて面白いです。

 

 

4.  Sentimental Movie

 

完全未発表曲。

「ダフとスラッシュのデュエット曲」などと紹介しているサイトがありますが、その真偽については定かではありません。

今回のレビューをするにあたり、インターネットで関連資料を検索したところ、スラッシュ自身がファンから質問に対して、「俺はSentimental Movieって曲については、なにひとつやってないんだよね。アクセルとウエスト・アーキーン、それにもしかしたらイジーも加わって、ヘルハウスでつるんでる時に録音したんじゃないかな。俺がそれにソロか何かを加えたかどうかは…ちょっとわからないな」と答えている記事を発見したので、おそらくスラッシュは歌っていないと思われます。

 

スラッシュが歌っているかどうかはともかく、ダフらしいけだるい曲調に女々しい歌詞、そして素晴らしいギターワークが聴ける一曲なので、これが好きだという方も多いのではないでしょうか。

実はこの曲には88年1月のライヴバージョンが存在していて、かなり以前からあった曲だという事が判明しています。

ちなみにその時にダフと一緒にヴォーカルを取ったのは、バンドの腰巾着古くからの友人であるDel Jamesだったそうです。

興味のある方はライヴバージョンも探してみてください。

 

5.  Bad Obsession

 

Use Your Illusion収録曲のデモ音源。

ここで歌っているのはアクセルではなく、イジーの朴訥としたヴォーカルが聴けるので、イジーファンは要チェック。

全体的にかなりチープな雰囲気のデモです。

インタビューなどでスラッシュやダフが口を揃えて「イジーのデモはかなりラフで、俺たちがそれをいじくり回して曲にするんだ」というような事を話していますが、これもそんなイジーデモのひとつなのかもしれません。

 

6.  Crash Diet

 

完全未発表曲。

ガンズの未発表曲の中でも非常に人気が高く、ファンサイトなどでも隠れた名曲として語られる事が多いです。

「6人目のメンバー」として知られるウエスト・アーキーンのペンによる楽曲との事。

かなり完成度を誇り、何故アルバムに収録されなかったのか理解に苦しむほど。

メタリックな曲調がアルバムにそぐわないと判断されたのでしょうか。

 

中間のウエスト・アーキーンが弾いていると思しき無茶弾きのようなソロはいただけませんが、もしもオフィシャルリリースされていたら、あのパートをスラッシュがどのように料理したのか、それが非常に気になります。

ちなみにアメリカのハードロックバンドAsphalt Balletが1993年発表の『Pigs』というアルバムの中で同曲をカバーしており、アルバム自体は現在では中古でしか手に入らないようですが、興味のある方はYoutubeなどでチェックしてみてください。

 

7.  Anything Goes

 

Appetite For Destruction収録曲のデモ音源。

歌詞とメロディがAppetite For Destructionで聴けるものと全く違います。

Hollywood Rose時代にMy Way Your Wayという曲名で演奏していたバージョンに近いもので、とにかく言葉を矢継ぎ早に畳み掛けていく攻撃的なヴォーカルです。

個人的には、こちらの方がオフィシャルリリースよりも好き。

 

8.  Bring It Back Home

 

完全未発表曲。

かなりレイドバックした曲調で、初めて聴いた人は「え?これがガンズ?」と驚いてしまうのではないでしょうか。

ガンズの楽曲の中でどれに一番近いか考えてみましたが、強いて言うならばChinese Democracy収録のThere Was A Timeかもしれません。

何故か冒頭にJust Another Sunday(後述)の音源の一部がサンプリングされています。

また、メインリフがVelvet Revolverのヒット曲Slitherのそれと酷似しており、スラッシュはここでボツになったリフを大切に取っておいた事がわかります。

もしもBring It Back HomeがUse Your Illusionに入っていたらVelvet RevolverのSlitherは生まれなかった訳で、スラッシュ的には「ボツ曲をリサイクルして一儲けしたぜ!」とホクホクなのではないでしょうか。

 

9.  Back Off Bitch

 

Use Your Illusion収録曲のデモ音源。

オフィシャルリリースは1991年ですが、デビュー前から演奏していた楽曲だけあって、ほぼ完成されている印象です。

イントロにハンドクラップが入っているのがオフィシャルとの違いでしょうか。

また、アクセルのヴォーカルは随所にオーヴァーダブが施されており、オフィシャルでは聴けないフレーズもいくつかあります。

 

10.Ain't Goin' Down

 

アルバム未収録曲のインストバージョン。

『Rumbo Tapes』の裏ジャケにはHeartbreak Hotelと記載されていますが、それは誤りで、実際にはAin't Goin' Downです。

この曲はCDやレコードという形態では手に入らないのですが、ガンズのピンボールマシンで使用されており、完全な未発表曲という訳ではありません。

他のデモ音源とは異なり、こちらは正式にレコーディングされたものの、なんらかの理由でアルバムには収録されなったようです。

ここで聴けるのはインストバージョンですが、アクセルのヴォーカルが入った物も出回っていますので、興味のある方はそちらもどうぞ。

 

ストレートでノリの良いハードロック曲で、悪い言い方をすればとても単純な曲。

そのあたりがUse Your Illusionから漏れた理由でしょうか。

ちなみに1986年頃から存在している楽曲で、アクセルが「これは新曲だ」と紹介しているライヴ音源も出回っており、そちらは歌詞や歌い回しが若干違います。

 

 

11.Move To The City

 

Lies収録曲のデモ音源。

正確にはデモ音源というよりも、スタジオでのアコースティックセッションという感じでしょうか。

大人数でバカ騒ぎしながら演奏しています。

冒頭には「I'm a West Cost junkie, an East Coast monkey, got another dick under my arm!!!」という合唱があり、そこから曲が始まるバージョンです。

 

12.Too Much Too Soon

 

完全未発表曲。

60年代っぽい雰囲気を持った楽曲で、ビール片手に踊るのにピッタリなノリの良さがあります。

ベースラインがとて心地よく、ベースを聴いているだけでも楽しくなります。

ガンズの楽曲としては異色ですが、イジーのソロアルバムあたりになら違和感無く収まりそうな楽曲。

アクセルもすごくのびのびと歌っていて、アルバムから漏れはしたものの、実はメンバーのお気に入りだったのではないかと思います。

シンプルな曲のわりにエンディングは若干しつこい印象。

曲終わりに機関銃掃射のような音とセリフが入っています。

 

13.Just Another Sunday

 

完全未発表曲。

アクセルの好み丸出しの王道ポップス曲です。

誰か名のあるポップ歌手のヒット曲のカバーだよ、と言われても納得してしまいそうな出来となっています。

後半では女性ヴォーカルとのデュエットが聴けるのですが、このヴォーカルが誰のものかは不明。

おそらくゲストヴォーカルを迎える予定だったのだと思いますが、アクセルが誰を候補として考えていたのか非常に興味があります。

 

14.Welcome To The Jungle

 

 Appetite For Destruction収録曲のデモ音源。

言わずと知れたガンズの代表曲です。

 一説によると1985年頃のデモ音源だそうです。

テープの劣化からか音が不安定になる場面もあり、確かに他の音源よりも時代が古そうな感じがあります。

 

このジャングル、とにかくテンポが遅いです。

もしもこのテンポで正式リリースされていたとしたら、スリリングなバンドという印象は受けないでしょう。

アクセルは代名詞となっている「シャナナ」ではなく、ここでは「ナナナ」と歌っています。(一部のみ「シャナナ」あり)

ギターワークもまだこなれていない感じで、発展途上の段階の音源だと思われます。

 

 

以上、全14曲を駆け足でレビューしてみましたがいかがだったでしょうか。

ガンズのスタジオデモ集は結構な種類が出回っていますが、未発表曲をまとめて聴けるという点では、この『Rumbo Tapes』(同一音源別タイトル含む)が一番ではないでしょうか。

定番タイトルという事もあり、入手も比較的容易ですので、興味を持たれた方はしかるべき街へ足を運んでみてください。

では、またの機会にお会いしましょう。

Fenders Ballroom 1986

充実していた8月も終わり、気が付けば9月になっておりました。

今年はまだ野球観戦にもビアガーデンにも行っていないというのに、このまま俺の夏が終わってしまうのでしょうか。

可愛い売り子さんに可愛いバドガール

それを横目にビールをガブガブと飲んでアイアン酩酊するまでは夏に去って欲しくはないものですね。

夏よ、もうしばらく俺のそばにいておくれ。

 

まあ、そんな話はどうでもいいとして、今回はガンズのおブートレビューです。

今宵のネタはこちらでございます。

 

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ジャケット写真が無いので、ライヴ当日のバックステージ写真で失礼いたします。

1986年3月21日、カリフォルニア州ロングビーチにあるFenders Ballroomという会場でのライヴをオーディエンス撮影したブートDVDでございます。

ダフが敬愛するジョニー・サンダースの前座として出演したライヴで、どうやら不完全収録のようですが、デビュー前のGuns N' Rosesの荒々しい姿を確認できる貴重な1枚。

 

1986年といえば、RoxyやMusic Machine、それにTroubadourなどが定番アイテムですが、このDVDは知名度としてはそれらと比べると遥かに劣ります。

西新宿にあるブートDVDの老舗A店のサイトでも「レアアイテム!」という位置付けになっていました。

そもそも当映像が発掘され、ファンの間で出回り始めたのはそれほど昔の話ではありません。

それまではガンズ音源の収集家として有名なJohn.M氏のサイトでもこのライヴの事は紹介されていませんでした。

発掘されたのは今から約10年ほど前でしょうか。

当時ガンズの音源トレードをしていた某氏から、「最近発掘された1986年のライヴ映像です」というコメント付きでDVDを頂戴し、こんなライヴが存在した事を初めて知りました。

1986年の映像という事で個人的には非常に嬉しかったのですが、

 ・画質がそれほど良くない

 ・演奏時間も短く、セットリストもそれほど珍しくない

 ・演奏内容も凡庸

などの理由からかそれほど話題にはなりませんでした。

Youtubeなどに僕が所有している物よりも画質が良好なバージョンがアップされているので、興味がある方はご覧になってください。

西新宿で売買されているブツのクオリティは定かではありませんが、実際に購入するかどうかはYoutubeなどで確認してからでも遅くはありません。

正直な話、「マストバイ!」と高らかに叫べるようなDVDではありませんので…。

 

とりあえずセットリストなぞを紹介しておきましょうか。

今までのレビューでも当然やるべき事だったのですが、今更ながらそれに気付いて赤面しております。

 

1. Out Ta Get Me

2. Welcome To The Jungle

3. Nightrain

4. My Michelle

5. Rocket Queen

6. Don't Cry

7. Back Off Bitch

 

こんな感じになっております。

ラスト2曲が1986年っぽい部分でしょうか。 

研究家のサイトによると不完全収録との事で、この続きが存在するのかどうかが気になるところです。

 

映像は会場後方からのオーディエンスショット。

スタッフによる撮影なのか一段高くなっている場所から撮っているようで、観客の頭が画面のほとんどを占めるような場面は見受けられません。

メンバーの下半身およびドラムのスティーヴンの姿は前方の観客の頭で写っておりませんが、ズームも的確で手ブレによるストレスも皆無です。

画面は暗く粗い印象で、テープの劣化のせいか乱れる部分が幾度か見受けられます。

某A店の評価ではYでしたが、まあ1986年の映像だという事を加味すれば十分に合格ラインでしょう。

音質に関してはスラッシュの音が大きく収録されており、非常に生々しいサウンドが聴けます。

スラッシュファンの方はそれだけで嬉しいのではないでしょうか。

 

ちなみに映像では確認できないアクセルの下半身ですが、バックステージ写真などを見ると例のお尻丸出し衣装を着ているようで、もしかしたらジョニー・サンダースに「お前はホモのバイク乗りか?」と暴言を吐かれたのはこの日なのではないかと妄想をたくましくしてしまいます。

繰り返しになりますが、映像ではアクセルの生尻は確認できません。

それを目当てに購入するような行為は絶対におやめください。

薄目で見てもアクセルのお尻は見えません。

 

DVDはOut Ta Get Meで始まります。

右側の前髪を後ろに撫で付けたアクセルが歌い踊る姿は非常にかっこいいのですが、いかんせんテンポが遅いのが残念。

この曲は相手の喉笛を噛みちぎるくらいの勢いで演奏してもらいたいものです。

この日はOut Ta Get Meに限らずテンポが遅めの演奏となっており、個人的にはそこが非常に不満の残る部分となっております。 

途中でアクセルとスラッシュのマイクシェアがありますので、その筋のマニアの方にとってはその辺りが注目ポイントでしょうか。

 

アクセルの「Welcome to the fuckin' jungle!!!」という叫びで始まるWelcome To The Jungle

最後のパートでは何故か「シャナナナ」をやらないアクセルに違和感を覚えます。

そして唐突に出しゃばって来たスラッシュのスクリームでエンディング。

なんなんでしょうか、あの叫びは。

 

続くNightrainの演奏前、いそいそと寄り添ってきたスラッシュのほっぺたになんとアクセルがキスのプレゼント!(にように見える)

今となっては天地がひっくり返っても見られないであろう衝撃シーン。

興味のある方はYoutubeなどでご確認の上、各自の自己責任においてお買い求めください。

ちなみのこのライヴはアクセルとスラッシュの仲が非常に良く、ふたりでベタベタしているシーンが目立ちます。

この蜜月がずっと続いていれば…と思わずにはいられません。

 

Nightrainの後半ではアクセルが「I'm on the...I'm on the...I'm on the...」という謎のアドリブも披露。

初期のライヴはアレンジがしっかり固まっていないところが面白いです。

特にNightrainはMusic Machineでは別のイントロが付いていたり、色々と試行錯誤している部分が見受けられます。

 

Nightrain終わりのMCでは、アクセルの「俺、もう48時間ばかり寝てないんだよね」という寝てない自慢が炸裂。

「だから?」という空気が場内を支配します。

さすがにファンといえどもイラっとしてしまう瞬間をご堪能ください。

 

寝てない自慢からのMy Michelleで、ようやくアクセルが上半身裸に。

下半身は見えませんが、お尻丸出し&上半身裸だったのでしょうか。

なんたるいかがわしさ。

CCガールズのライバルとして登場したTバックスというセクシーグループを思い出したのは僕だけでしょうか。

 

ガンズ随一のダンスチューンとしてグルーヴィーにフロアを揺らすRocket Queenは…

アクセルが出だしからいきなりトチります。

Rocket Queenの歌い出しはアクセルにとってはまさに鬼門。

このライヴ以外でも盛大にトチっているシーンが多々見られます。

さらにスラッシュの音だけで馬鹿デカく、残念ながら演奏がスべっているように聴こえてしまい、Rocket Queenの持ち味であるグルーヴが感じられません。

やはりこの曲はベースとドラムがキモなんだナーと思い知らされます。

 

Don't Cryではイントロが上手くいかずやり直し。

集中力を失っている証でしょうか。

91年以降、スタジアムバンドへ成長したガンズでは見られないような凡ミス。

良くも悪くも初々しさを感じます、

 

最後はレア曲Back Off Bitch。

後にUse Your Illusionに収録される楽曲ですが、91年以降は数えるほどしか演奏されておらず、これが普通にセットに入っているのは86年のライヴならでは。

個人的にとても好きな曲なので、これが聴けるのは素直に嬉しい。

この曲のギターソロは名演だと思っております。

しかし、間奏でアクセルが「うぉーおおおーおー」と歌うパートにダフ(イジー?)が調子っぱずれにコーラスをかぶせてくるところでは思わず脱力。

これに心を揺らさないガンズファンがいたら、すでに悟りを開いていると判断しても差し支えないと思われます。

 

鬼気迫る演奏を聴きたい!という方にはオススメできませんが、先輩ミュージシャンの前座として悪戦苦闘するガンズの姿も見てみたいというマニアの方は持っておいても損は無いでしょう。

定番タイトルを一通り制覇した後にでもコレクションに加えてみてはいかがでしょうか。

収録時間が短い関係からか、ボーナス映像が付いて販売されているケースが多いようです。

僕が譲ってもらった時は、同じく86年のアコースティックライヴをオマケに付けてもらいました。

このライヴもなかなか貴重なのでいずれご紹介できればと思っております。

 

では、今宵もマニアックかつどうでもいい話にお付き合い頂いてありがとうございます。

素敵なブートライフをお過ごしくださいませ。

サマソニック最終日

サマソニック終了から約1週間。

いまだに疲れが抜けないのは気のせいでしょうか。

浴衣姿の美人にマッサージをされたい今日この頃であります。

 

あれほど楽しかったサマソニックですが、さすがに1週間も経つと記憶が薄れてまいります。

忘れないうちに一気に書き上げてしまいましょう。

それではいきますよ!

サマソニック最終日にズームインっ!(空元気)

 

 

昨年末にサマソニック開催が発表された直後に予約した幕張メッセ近辺のホテル。

その一室で死んだように眠るわたくしを叩き起すiPhoneのアラーム。

昨日の疲れが澱のように堆積してはおりますが、いよいよサマソニック最終日の開幕であります。

メッセ側に面した部屋のカーテンを開けると外は快晴。

元々の予定では日曜日が雨天と聞いておりましたが、この様子ではどうやら大丈夫そうです。

 

前日のArctic Monkey終わりにコンビニで買った朝食を死んだ魚の目で食べていると、くり子さんから「今日は早めにおいでよ!」とメールが着信。

チェックアウトの時間よりも幾分早めにホテルを出発し、メッセ駐車場で合流する事に。

昨年はホテルのチェックアウトの際、Zebraheadのステージに飛び入りする予定だった岡本夏生さんと遭遇したのですが、今年はそのようなサプライズは皆無。

ごく普通に宿泊代を支払ってホテルを後にしました。

 

メッセ駐車場でくり子さん夫妻と合流し、最終日の充実と無事を祈念して乾杯。

と祈念したのはいいのですが、前日とはうって変わってメタル色の薄いラインナップに戸惑い気味の我々。

タイムテーブルとにらめっこしても愛読誌『Burrn!』に載っているようなバンドの名前は見つかりません。

記念すべき最終日の幕開けをどうするべきか。

決められないまま時間だけがいたずらに過ぎていきます。

そんな焦りと苛立ちの中、我々はついにひとつの結論を得ました。

 

観るのは別にバンドじゃなくたっていい。

 

それはまさに天啓でした。

漆黒の闇を切り裂く一筋の光。

万有引力の法則に気付いた時のニュートンも同じような感覚を覚えていた事でしょう。

一気に気持ちが軽やかになった我々。

どこまでも晴れ渡る空の下、欽ちゃん走りで幕張メッセへ移動するのでした。

 

〇 ゴー☆ジャス

 

サマソニック2014年の最終日、その幕開けはお笑いSHOW TIME。

イジリー岡田さん司会でおなじみのサマソニック憩いの場であります。

大勢の芸人さんが登場する中、我々のお目当ては宇宙海賊ことゴー☆ジャス

キッスのメンバーを彷彿とさせるメイクと地球儀を使ったネタで有名な芸人さんです。

彼の「マダガスカル!」というネタをどうしても観たいがためにやってまいりました。

 

数組の芸人さんがネタを披露した後、ついに満を持してゴー☆ジャス登場。

果たして念願の「マダガスカル」を観る事は出来るのでしょうか。

最初のネタは雪山で遭難したという設定のもの。

寒さで死にそうな相方を必死で励ますゴー☆ジャス

 

「まだ助かる!まだ助かる!」 

 

その強引なフリに騒然となる我々一同。

「キター!キター!」という言葉が自然と口をついて出ます。

そしてついに訪れた歓喜の瞬間。

 

「はい!ここ!マダガスカル!」

 

ありがとうございます。

始まって20秒で目標達成です。

ちなみにサマソニックでのマダガスカル体験は、2002年サマソニックのおける伝説のGuns N' RosesのセットでMadagascarを聴いた時以来、実に12年ぶりでございます。

次のマダガスカル体験はいつになるのでしょうか。

 

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ネタを披露するゴー☆ジャス氏(写真はチリを指しています)

 

出来ればイジリー岡田さんの高速ベロも観たかったのですが、朝イチという事もあり「まだ舌の準備が出来ていない」と披露してくれませんでした。

残念ですが、無理に披露して舌を断裂などという惨事を招いてもアレですので、また来年にでも観せていただく事としましょう。

 

念願のマダガスカルに大満足した我々。

くり子姉さんの盟友ハヤサカ氏(なでしこ)と合流し、メッセ内でお昼ご飯を。

各自思い思いのソニ飯を食べながら作戦会議。

やはりこういう作戦会議もサマソニックの醍醐味のひとつ。

自然とビールも進みます。

 

メッセ内にいる美人売り子さんと記念撮影などしてご満悦の俺&くり子さんの旦那。

この記念撮影システムによって売り上げは相当伸びている事でしょう。

来年は浴衣姿の売り子さんもいたらいいと思った。

 

 

木村カエラ

 

幕張メッセというセーフティーゾーンを飛び出して炎天下のマリンへ。

たしかに暑いが去年ほどの酷暑ではない。

去年がいかに暑かったか察して頂けるようなエピソードを幾つかご紹介しましょう。

 

・俺氏、バンドをひとつも観ないうちに死亡。ホテルへ戻って身体を休め、トリのMetallicaだけをなんとか観る。

Man With A Missionの演奏中、スニーカーを履いているにも関わらず足の裏が焼けるように熱く、Fly Againを聴いた時点でマリンから退散する。

・BFMVティーシャーツに身を包んだくり子さんの旦那、あまりの暑さでBFMVが熱演を繰り広げる中、マリンのスタンド席で気絶。何を目当てに来た人なのかわからなくなる。

 

今年は暑いながらも正気は保てているので大丈夫そう。

こまめな水分補給とアルコールの過剰摂取に気を付ければ最後まで乗り切れるでしょう。

 

という訳で木村カエラですよ。

サマソニックで彼女を観るのは2007年以来かな。

あの時はギター弾きながら歌ってたけど、ひたすらに可愛かった印象しかない。

客席からの声援に応えて、「ありがとー。じゃあ、ちょっと頑張っちゃおうかな」とか言っていた姿に萌え死にしました。

 

あれから7年。

あの時とは違ってギターは手にしておらず、赤いワンピースのような衣装を着て、ステージ上をひらひらと歌い踊る彼女。

観客の扱いも手馴れたもの。

「簡単な振り付けだからみんなもやってね」という『OLE! OH!』は可愛かったナー。

時間が短かったのが残念だったけど、青空がよく似合う楽しいステージでした。

来月の横浜アリーナを観に行く予定なので、改めてカエラ聴いてみましょうかね。

バラードよりも『BEAT』みたいな曲が好き。

 

去年のミスターチルのようなJ-Pop大物枠で出演のドリカムトゥーはパスする事に。

オリジナルメンバーでの出演なら観に行ったかもしれん。

観た人が口を揃えて言っていたのは、「MCがちょっと…ネ」という事。

誰も演奏の事に触れていなかったのが気がかり。

 

次に観る予定のGuns N' RosesトリビュートバンドGunmen Showersまで時間があるのでメッセへ戻ってビールタイム。

ぼっちだがそれはそれでいい。

Gunmen Showersの出演時間が16:15なので16時頃にメッセを出れば十分に間に合う計算。

 

と思ったら、16時頃にくり子さんから「もうガンシャやってる」という衝撃的なメールが。

えー!16:15からじゃないのっ!?

知らないうちにタイムテーブルが変わってたの!?

もうマリンへ向かって泣きながら全力疾走しましたよ。

その途中、くり子さんから再度メールが。

 

「サウンドチェックだった」

 

なんだよそれっ!

反射的に「この役立たずがっ!」というメールをくり子さんに送ってしまいました。

反省。

どうやらサウンドチェック代わりにNightrainを演奏したようです。

なにはともあれガンシャさんのライヴに間に合ってよかった。

 

 

〇 Gunmen Showers

 

マリンスタジアム外のSIDE-SHOWに登場するのは、「Advice For Masterbation」を旗印に活動するGunmen Showers。

我らがGuns N' Rosesのトリビュートバンドであります。

以前にワンマンを観に行かせてもらった時は、定番曲はもちろんの事、Get In The RingやGarden Of Edenなどのレア曲まで披露してくれる超本格派。

ガンズが好きなら絶対に楽しめるライヴを見せてくれるバンドです。

 

オフィシャルバーでビールなぞを買っていると、ステージから「Gun! Men! Showers!」という絶叫が聞こえ、猛ダッシュでステージ前へ。

真昼間のSIDE-SHOWにも関わらず結構な人数が集まっておりました。

オープニングナンバーはガンズの存在を世に知らしめた名曲Welcome To The Jungle

NaxlさんはAxl特有の高音の唸り声が本当に似ていて毎回感動する。

演奏もさすがの安定感で、一緒に歌っていて本当に心地が良い。

 

Welcome To The Jungleに続くのは定番のIt's So Easy。

「FUCK OFF!!」と無数の中指が突き上げられるが、実にピースフルな空間。

「やっぱり俺はガンズが好きだ!」と再確認できる幸せな時間でした。

 

上半身裸にサスペンダー姿のNaxlさんが歌いだしたのは…

Sail Away Sweet Sister!!!

この数時間後に大トリとして登場するQueenの楽曲ですよ。

言葉は悪いけど、SIDE-SHOWっていうのはサマソニック全体から見たら、もう場末みたいに小さなステージじゃないですか。

でも、そんな小さなステージから発信される、大トリを務める世界的大物バンドへの心のこもったトリビュートになんだかすごく感動してしまった。

そしてSail Away Sweet SisterからGrand FunkのBad Timeへ。

92年東京ドームのAxlのガラガラ声まで忠実にカバー。素晴らしい!

 

そこから世界屈指の有名なイントロリフを持つSweet Child O' Mineへ。

ギターのGaslashさんのソロが素晴らしかった。

そしてリズムギターIzzlyさんの腕回しが炸裂!

Sweet Child O' MineのPVにおけるイジーの腕回しが大好きな我々にとっては至福の時間。

くり子さんと一緒になってぐるんぐるん回しておりました。

お笑いステージのイジリー岡田さん、そしてGunmen ShowersのIzzlyさん。

ふたりのイジリーがサマソニックに華を添えてくれました。

 

最後はもちろんParadise City。

いつの間にかPVと同じ白いジャケットに着替えているNaxlさん。

こういうところに本家への愛を感じるよね。

いつか本家ばりに紙吹雪の噴射もよろしくお願いいたします。

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4曲だけとはいえ、素晴らしい熱演に大喝采。

「あ。ガンズだ」と足を止めた人も多かったんでしょう。

最終的にはかなりの人数がSIDE-SHOW前に集まっておりました。

メンバーのみなさんはおそらく普通に仕事を持ってらっしゃる方で、いわゆる週末ミュージシャンというスタンスなんだろうけど、トリビュートの対象への果てしない愛、そして自らのたゆまぬ努力によってサマソニック出演を果たしたんだよね。

ライヴ終了後、汗だくのまま記念撮影に延々と応じる姿にも感動。

だって、次のリッチー・サンボラが終わってマリンから出て来たら、まだ記念撮影やってるんだもの。どんだけいい人なんですかっ!

Gunmen Showersのみなさん、本当にご出演おめでとうございます!

 

 

ビールを飲みながらガンシャさんの余韻に浸っていると…

トラックに乗った水着美女が放水しながら登場!

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ずぶ濡れになりながらも必死にシャッターを切りまくった結果が上の画像であります。

永久保存したい素晴らしいショット。

今回のサマソニック、サマソニガールという存在意義のよくわからない募集をしていて訝しいと思っていたのですが、まさかこういう役割を与えられていたとは。

これなら大賛成であります。

来年はサマソニガールを倍増…いや、3倍増にしていただき、場内のいたるところに配置していただきたい。

それによってチケットの値段が跳ね上がるのはやむを得ないと思っております。

 

そんなサマソニガールのおっぱいに興奮しているわたくしの元に、「リッチー・サンボラがIt's My Lifeやってる!」との情報が入り、慌ててマリンスタジアム内へ。

まさかここまでベタな曲をやってくるとは予想外。

 

 

〇 Richie Sambora & Orianthi

 

今回のラインナップで浮いている感が否めないリッチー・サンボラ。

スタンドに適当な席を見つけて座る頃には、残念ながらIt's My Lifeは終わっておりました。

スタンド上段から見る感じでは、アリーナ前方はかなり埋まっている印象。

リッチーとオリアンティが並ぶと非常に見映えがいい。

スーパーギタリストふたりが並んでプレイするなんて、ギター小僧にはたまらないものがあるんだろうナー。

わたくしはギター小僧ではないのでオリアンティの胸元ばかりに大注目。

 

正直なところリッチーのソロはあまり詳しくないのですが、やはり彼は歌が上手い。

ギタリストにしては上手い、というレベルではなく惚れ惚れするくらいの歌いっぷり。

こんな人がバンドにいたらジョンはさぞかしやりずらかっただろうナーと同情してしまった。

ブルーズっぽい曲(Stranger In This Townかな?)は素晴らしい出来だったな。

 

堂々たる演奏を繰り広げるリッチー&オリアンティですが、場内が一際盛り上がるのはやはりBon Joviのヒット曲。

I'll Be There For Youで「おおっ!」と思ったのも束の間、Bon Joviの代名詞的大ヒット曲Livin' On A Prayerまで飛び出したのには悶絶。

まさかサマソニックでLivin' On A Prayerを合唱する日が来るとは思わなかった。

去年のシンディ・ローパーの時も思ったけど、こういう全人類共通の問答無用の大ヒット曲を持ってる人は強いよね。

 

そして待ちに待ったWanted Dead Or Alive

リッチーの出演が発表された時から、この曲の掛け合いパートをやるのが今回のサマソニックの目標のひとつでした。

ウォンテー

 ウォーンテー

  デッドオラーイ

生きていて良かったと思った。

来年のサマソニックでもこの手の夢を叶えたい。

 

Avril Lavigne

 

リッチーの後を受けて登場したのは、日本でも絶大な人気を誇るアヴリル・ラヴィーン

トリ前のTBAが彼女だったのは少し意外だったけれど、オーディエンスの年齢層を若返らせるのには間違いなく一役買っているはず。

 

で、肝心のパフォーマンスですが…

すいません。ほとんど気絶していたのであまり覚えておりません。

What The Hellとかやっていたような…。

まあ、長丁場のフェスではこういう魔の時間帯が必ずありますよね。

それがたまたまアヴリルの出番にやって来てしまっただけという事で…。

よく眠れたという事は、それだけ心地の良い演奏だったのではないかな、と。

 

いつの間にか陽が落ちたマリンスタジアム

アリーナへひっきりなしに人が流入し、スタンド席も次々と埋まっていきます。

サマソニック2014年の大トリを迎える雰囲気が段々と出来上がっていく場内。

いよいよ伝説のバンドがステージに立つ訳であります。

 

 

Queen + Adam Lambert

 

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新ヴォーカルにアダム・ランバートを迎えて活動を再会したQueen

待望の来日はサマーソニックの大トリというバンドとしての格に相応しい大舞台。

場内には異常な期待感が充満していました。

 

イントロSEとしてProcessionが厳かに鳴り響き、オープニングナンバーNow I'm Hereがスタート。

フレディの後任というハードルの高すぎる仕事を堂々とこなすアダムの姿に一安心。

ブライアンとロジャーは前回ポール・ロジャースと来日した時よりもかなり老けた印象だが、その演奏に衰えは感じられず。

特にブライアンのギターは一聴しただけで彼の演奏だとわかるくらい特徴的。

あの温かみのある太いトーンとフレージングはまさに絶品。

彼が参加したというGuns N' RosesのAtlas Shrugged、早く聴きたいナーと思ってしまった。

 

Love Of My Lifeではスクリーンにフレディが登場し、悲鳴混じりの大歓声に包まれる場内。

スクリーンの中のフレディは、まったく違和感なくバンドの演奏に合わせて歌を披露。

実際はバンドがフレディに合わせてるんだろうけど、あまりの違和感の無さに「フレディが生き返った!」と絶叫してしまった。

まさにこの世とあの世が繋がった瞬間。なんなんだこれは。

 

本編最後はBohemian Rhapsody

イギリスでは史上最高のシングル曲に選ばれるほど愛されている超名曲。

しかしながら、ポール・ロジャースとの再結成の時は、フレディの歌入り音源を流すというウルトラCを披露し、オーディエンス全員が膝から崩れ落ちるという惨事を招いたのも記憶に新しいところ。

アダム・ランバートを迎えたQueenはこの超名曲にどう向き合って行くのか。

 

そのような経緯もあり、固唾を呑んで見守った訳なんだが、アダムが普通に歌い出したので一安心。

堂々とした歌いっぷりで最初のパートを終えたアダム、誰かを紹介するような仕草を見せると…

 

フレディ・マーキュリー!!

 

再びスクリーンに登場し、アダムの後を引き継ぐように歌い出すフレディ。

この演出には本当に鳥肌立った。

もう誰が生きていて誰が死んでいるのかわからなくなるような異空間が出現。

どうせならAnother One Bites The Dustの時にジョン・ディーコンの御霊も呼び出して欲しかった。(死んでない)

 

志半ばにしてこの世を去ったメンバーの偉大さをファンと分かち合って、その功績を祝福出来るというのは感動的だよね。

もちろん亡くなってしまった事は悲しいのだけれど、世界各地で同じようにフレディがスクリーンの中に蘇って、その偉大な歌声を聴かせてくれているという事実は素直に嬉しい。

使い古された言い回しだけど、肉体は滅びてもその音楽は生き続ける、という事だよね。

 

アンコールはWe Will Rock YouWe Are The Championsという超お約束ナンバーで大団円。

ロックフェスティバルの最後にこれほど相応しい終わり方があるのでしょうか。

そして打ち上がる花火。

「ああ。終わったんだなあ」という感想以外持ち得ないでしょう。

 

マリンスタジアムを出た後、メッセにクラフトワークを観に行ったのですが、直前に観たQueenの余韻が強すぎて、そのストイックな演奏が身体に入って来ませんでした。

もう身体が「今年のサマソニックは終わったんだヨー」と主張しているようで、数曲観ただけで退散する事に。

クラフトワークが悪いんじゃなくて、これはもうタイミングが悪かったとしか言いようが無い。

 

開催前は「ラインナップが弱い」と言われていたサマソニック。

が、参加してみたら例年以上に楽しめました。

好きなバンドがガチガチに詰まっているよりは、ある程度余裕のある感じの方がいいのかもしれません。

もう朝から晩までマリンで暴れていても大丈夫という年齢でもないので…。

来年のサマソニックはどのようなラインナップになるのでしょうか。

では、また来年。

サマソニック初日

某演歌歌手の暴行疑惑、正直どうでもいいですよね。

それよりも我々の夏が終わってしまった事の方が大問題。

そう。夏の祭典Summer Sonic閉幕でございます。

秋には『秋の黒シャツ祭り』ことLoud Parkや日本初開催のKnotfestなどが控えておりますが、俺の夏が去って行ってしまった事に寂しさを覚えますね。

今回はそんなひと夏の思い出、サマソニック2014について書き記していきたいと思います。

行かれた方も行かれなかった方もしばしお付き合いください。

まずは初日の様子からズームイン!(空元気)

 

8月16日、午前2時45分。

枕元のiPhoneがけたたましく鳴り響き、サマソニック2014の開幕を告げます。

近所のご家庭は一見寝静まっているように見えますが、我が家と同じようにサマソニックの開幕を告げるアラームが鳴り響いている事でしょう。

今年も無事に起きれた事をロックの神様に感謝。

蛇足になりますが、アラームとは全然関係の無いタイミングで目が覚め、「ぬわー!寝過ごしたっ!俺のサマソニック閉幕っ!」と真っ青になってiPhoneの時刻表示を確認したらまさかの0時30分で、「馬鹿野郎。まだ始まってもいねえよ」と吐き捨てて再度就寝したというエピソードも併せてご紹介させて頂きます。

どれだけわたくしがサマソニックを楽しみにしていたかわかって頂けるでしょうか。

 

身支度や飲み物の準備が完了し、いよいよ自宅を出撃。

心配された帰省ラッシュ渋滞などにも巻き込まれず、5時前には幕張メッセ駐車場に到着。

今年の「着いたよー」ツイートは午前4時52分でございました。

友達にも「着いたよー」とメールを送りますが、見事なまでに返信は無し。

寝坊にもほどがありますよ。

ちなみに朝のメッセ駐車場はこんな様子。

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朝ビールや会場周辺の散策などをしているうちに午前8時前。

いよいよリストバンド交換の時刻であります。

去年ほどの酷暑ではないけれど、やはり炎天下で並ぶのはキツい。

汗が猛烈な勢いで汗腺から噴出していきます。

メタル系ティーシャーツを着ている人が多いのは初日のラインナップの影響でしょうか。

去年のLoud Parkティーシャーツに輝くKing Diamond様のお名前を目にすると物悲しい気持ちになるのは僕だけでしょうか。

 

そんなおセンチな気持ちになっているおっさんの柔肌を焦がすような炎天下に耐え抜き、いよいよリストバンド交換開始。

係員さんの「チケットのミシン目にあらかじめ折り目を入れてくださーい!スムーズな交換にご協力くださーい!」というアナウンスに応え、チケットのミシン目を入念に折り曲げて準備万端。

もう触れただけで取れてしまうのではないかと心配になるくらいに折り曲げてやりましたよ。

交換列も順調に進み、いよいよわたくしの順番に。

「さあ。スムーズに切り離してくれたまえ。超高級ステーキのようになんの抵抗もなく切り離れるはずだ。遠慮はいらない。さあ!」

とチケットを差し出したところ、係員のお兄さんは差し出されたそれをもぎる事もなく、まさかのチケット全回収。

予想外の展開に泣きながらリストバンドを装着されるという醜態を晒してしまいました。

間違った情報、ダメ、ゼッタイ。

 

いきなり出鼻をくじかれましたが、気を取り直してグッズ購入。

今年はあまり心惹かれる物が無く、単独ライヴに行く予定のVintage Troubleティーシャーツとポスターのみお買い上げ。

いったん車に戻って友人のくり子さん夫妻の到着を待つ事にしました。

ちなみにくり子さんは「MegadethやGhostの物販はメッセだよ」というメールを送ってあげたにも関わらず、マリンの物販に並んだ挙げ句、「MegadethもGhostも売ってなかった!」と憤慨するというウルトラCを披露。

どうしたらいいんでしょうか。

 

なんとかくり子さん夫妻と合流し、2日間の充実と無事を祈念して乾杯。

例年であればビール飲みながらダラダラするところですが、今年は朝イチから積極的に行動しますよ。

10時前には幕張メッセの最深部Rainbowステージへ。

朝イチにも関わらず早くもかなりの人出。

やはり今年の目玉であるところのあのグループ目当ての人たちでしょうか。

いずれにせよ朝から活気があるのは良い事だ。

 

〇 White Ash

 

2014年のサマソニックは彼らのライヴでスタート。

いくつか音源は持っているのだけれどライヴは初見。

会場に詰めかけたオーディエンスのほとんどは次に登場するグループのファンかと思っていたのだけれど、意外なほどに良い反応をもらっておりました。

「僕ら、軽音楽サークルでArctic Monkeysのカバーバンドとして結成したんですけど、ついに同じイベントに出させてもらう事ができました!」というMCには場内大喝采。

こういうのって一気に好感度上がるよね。

「東京モード学園のCMソングです!」と言って始めた曲は良かったナー。

ちょっとタワレコあたりで探してみましょうかね。

またライヴを観に行きたくなったバンドがひとつ増えました。

こういうのがフェスの良いところ。

 

TOKIO

 

今回のサマソニック最大のサプライズ

まさかのジャニーズ枠。

出演が発表された瞬間、「やったー!絶対観る!」と狂喜した人も多いのではないでしょうか。

他ならぬわたくしもその一人であります。

 

期待に胸膨らませて集まったオーディエンスがRainbowステージを埋め尽くし、フロア前方は始まる前から数メートル単位で左右に揺さぶられる始末。

TOKIO目当てで集まったライヴ慣れしていないであろう女の子達の悲鳴があちこちから聞こえてきます。

こんなカオスはAir Jam2011でHi-Standardが復活した時以来ですよ。

もうこの時点で伝説のアクトになる予感がビシバシとしております。

 

そんなフロアの危険な空気を感じ取ったRainbowステージMCのお姉さん。

「前方の人が苦しそうなので、自分なりのチワワ2匹分だけ下がってあげてください!」という謎すぎる呼びかけを披露。

会場が経験した事の無いようなざわつき方をしておりました。

可愛い女の子だから許されましたが、これがサッシャだったら完全に事故になってますよ。

ああいう「キティちゃんの体重」みたいな曖昧な指示はやめよう。

 

衝撃的なMCの余韻が残る中、ついにフロアの照明が落ち、民族大移動よろしく前方へ詰めかけるオーディエンス。

昼過ぎにして早くもヘッドライナー級の盛り上がりを見せるRainbowステージ。

そんな中、ついにジャニーズが誇るロックバンドTOKIO降臨であります。

まさか俺がジャニーズ事務所所属のタレントさんを目撃する日が来るとは思わなかった。

気が付いたら「リィィィィダァァァァ!」と城島リーダーに向かって絶叫していたん。

 

1曲目は名曲『宙船』。

「お前のオール」という歌詞は下ネタなのか否か。

そんなどうでもいい事が気になっております。

野太い合唱が響く中、フロアの混乱は雪だるま式に大きくなり、冒頭1分にして前方エリアから脱出して行く老若男女が続出。

ここまでの状況は予想外であります。

 

2曲目は個人的に待望していた『Ambitious Japan!』。

城島リーダーの「I get a true love!!!」というコーラスが聴けただけで感無量であります。

それにしても思った以上に演奏がしっかりしている。

5弦ベースを操る山口くんは歌も上手いし、ミュージシャン然とした雰囲気でかっこよかったナー。

 

リーダーの例のコーラスを聴けた時点で目標達成だったのですが、 想像以上のかっこよさに最後まで観る事に。

もうね、ジャニーズとかアイドルという肩書きはどうでもよくて、ロックバンドとしてすごくよかった。

20年のキャリアは伊達じゃないですよ。

メンバー紹介の時、国分くんが「いろいろやりすぎて自分が何をやってる人かわからなくなるけど、音楽やってる時が一番幸せです!」って叫んでたけど、ステージを見ていたらその言葉に嘘偽りが無い事はよーくわかった。

ドームを満員にするようなアイドルでもなく、バンドとしても「本当に演奏できるの?」と懐疑的な目で見られ、ジャニーズなのに村や島を開拓させられたりして、本人達の中では色々と葛藤があったと思うけど、それを完全に乗り越えてロックバンドとして堂々と演奏している姿がとてつもなくかっこよかった。

日本で一番愛されているバンドって実はTOKIOなんじゃないかとふと思ったん。

 

最後は「デビュー曲のサマソニバージョンだ!」という紹介からのLOVE YOU ONLYで場内狂乱。

長瀬くんに煽られて場内大合唱。やはり大ヒット曲は強い。

ついにクラウドサーファーまで登場。

TOKIOクラウドサーフなんて最高じゃないですか。

びっくりして泣いちゃう女の子もいたけど、今日ばかりはTOKIOがアウェイ側なのでご容赦ください。

いつかあの子が自ら進んでクラウドサーフがあるようなライヴに足を運んでくれたら胸熱であります。

 

最後は城島リーダーの「これから走って帰ります」というMCで朧げにスベりながら終了。

彼らの裏で演奏していた敬愛するVintage Troubleを断念してまで来た甲斐があった。

今度は彼らのホームにこちらから足を踏み入れるべきかなとも思ったん。

チケット争奪戦が凄そうだけど、今度はフルセットで観れますように。

 

 

TOKIOで完全に体力を消耗してしまい、しばしの休憩タイム。

着ていたNapalm DeathティーシャーツとCarcassタオルは完全に死亡。

TOKIOになんちゅー組み合わせやねん!」とか言わないの。

昼ご飯を食べ、水分を補給して体力の回復に務める。

朝から晩までマリンの前方エリアを確保するような体力はもはや俺には無いのだ。

ちなみに「わたくし」「俺」「僕」など一人称が安定しないのは芸風であります。

 

華原朋美

 

本当に気まぐれ的な塩梅で華原朋美ちゃんを観るためにGardenステージへ。

このステージは本当に別世界という雰囲気。

芝生の上に張られたテントの群れがサマソニックじゃないみたい。

ステージ前は屋根付きのスペースになっているけれど、そこには入らず、芝生に座ってのんびり観るスタイルの人が多い感じ。

とりあえず屋根があるところまで移動して開演を待つ事に。

お客さんの年齢層は高め。

 

開演まで残り数分となった頃、屋根付きのエリアへ続々と人が押し寄せて来て驚愕。

何事かと思ったら、どうやら雨が降ってきた模様。

ほんの数分でぎっしりと埋め尽くされるGardenステージ。

結論から言えば、この雨が超ファインプレーとなりました。

 

雨のおかげで人がパンパンに詰まった客席。

そこにタイミング良く登場して来る華原ちゃん。

「華原ちゃんを観るために大観衆が集結した」という図式が完成した訳であります。

これは演者のテンションも上がるでしょう。

観る側としてもある程度の人口密度があった方が盛り上がり易いというもの。

あの雨のタイミングはまさに神業であったと言わざるを得ません。

 

初めて生で観る華原ちゃん。

一時期の危うく不健康なイメージはどこへやら、天使のような可愛さでした。

しかも出し惜しみという言葉なぞこの世に存在しないのではないかと思ってしまうほどの鉄板セットリスト。

元彼の嫁の持ち歌まで堂々と披露する始末。

ちなみにオープニングは大ヒット曲『Keep Yourself Alive』で、これは翌日のヘッドライナーであるQueenの有名曲と同名異曲。

華原ちゃんのQueenに対するリスペクトに胸が熱くなり、思わず涙ぐんでしまった。

みんなもそうだと思う。

 

ライヴが始まる前は、Gardenステージという事もあり、ヒット曲をアコースティックアレンジか何かにして、かったるく自己満足的に披露するのかと思いきや、ベタベタのカラオケ音源に合わせて熱唱する華原ちゃん。

そこには微塵の迷いも感じられませんでした。

まさに「ミュージックステーション 華原朋美特集」とでも言いたくなるようなステージに狂喜乱舞する年齢層高めなオーディエンス達。

TOKIOの時にも思いましたが、やはりミリオンセラー級の大ヒット曲っていうのは本当に強い。

ファンとかファンじゃないとかそういう垣根を楽勝で越えるんですよ。

「あ、これがポップなんだな」と思った。まさに人口に膾炙している。

 

誰もが知っている楽曲と誰もが知っている華原朋美という歌い手のストーリー。

MCはそのストーリーの方へ自虐的に光を当てるようなものが多かった。

「みんなは20代を大切にしてね。わたしの20代は…ほら、ほとんど病んでたから」には場内大爆笑。

これはどん底の時期を乗り越えた今だから笑える事だよね。

彼女の音楽のファンという訳ではないけど、すごくお客さんにちゃんと向き合おうとしていて、なんだか応援したくなってしまった。

歌も衰えてないし、容姿も復活したし、MCも面白いし、これは再ブレイクありうるんじゃないだろうか。

普段の俺だったら、「あんなカラオケは認めないよ!」と吐き捨てるところですが、なんだかほっこりするような良いアクトでした。

 

Gardenステージからの帰り際、『タモリボキャブラ天国』でお馴染みのX-Gunのお二人を目撃。

こんなところまで90年代だナーと感心した。

 

 

〇Ghost

 

さあ、いよいよメタルの時間でございます。

待望の初来日を果たした北欧のオカルトメタルバンドGhost。

個人的に今回のサマソニックでかなり期待しているバンドです。

こんな雰囲気のバンドです、と言えば、メタラーのみなさまなら察して頂けるかと思いますが。

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丑三つ時にはまだほど遠い午後5時、いよいよGhostがMountainステージに登場。

神殿の内部のようなバックドロップが吊るされたステージに楽器隊(真ん中の人以外)が登場し、荘厳な雰囲気の音楽を奏で始める。

50分ほどの持ち時間しかないのに、とにかく荘厳な音楽を奏で続けるGhost。

なによりも雰囲気作りが大切なバンドだという事がよく伝わって来た。

 

そしてついにヴォーカルの髑髏(真ん中の人)が登場。

メタル meets ムード歌謡と言う表現が相応しいような楽曲に乗せて巧みな歌唱を披露。

この人、見た目からは想像できないくらい歌が上手い。

そして大御所演歌歌手のようなステージアクション。

こんなに馬鹿馬鹿しい独自の世界観を持つステージは久々に観た。

完全にGhostに取り憑かれてしまいましたよ僕は。

 

そのおどろおどろしい世界観を守るためにMCなどは無いのかと思いきや、意外なほどによくしゃべる。

「コンニチハ」に始まり、「これがこの国での初めて公演だ。ありがとう」といった定番の挨拶までしっかりとこなす髑髏ににやけてしまう。

更には「お水が欲しいけど…続けましょうか」とフェスならではの進行を気にするいい人ぶりには萌え死にですよ。

北欧のデーモン閣下というポジションなんでしょうか。

 

Twitter確認したら観た人は軒並み絶賛だったし、近いうちに再来日をセッティングしてくれれば、結構な動員があるんじゃないかと思うん。

今回の来日を足がかりにして、日本でも人気おばけになりますように。

 

 

Megadeth

 

まだまだメタルの時間は続きます。

お次はBig4の一角にして、震災以降まったく日本に見向きもしなくなったデイヴ・ムステイン率いるMegadeth

実に5年ぶりの来日であります。

そして恥ずかしながら個人的には初Megadeth

まさに待望の初Megadethなのです。

裏でやっていたロバート・プラント爺を蹴った事を後々後悔するハメになるのでしょうが、一時の感情に流されてMountainステージに留まる事を決意。

これで残すBig4はAnthraxだけに…。

 

スクリーンに10年前に作成されたと言われても納得してしまうようなダサいCGアニメーションが映し出され、それがMegadethのロゴに変わると場内大歓声。

みんな、やっぱりMegadethを待ち詫びていたんだね。

割れんばかりの大歓声の中、白シャツに黒チョッキという衣装で登場したムス様。

そして、勢いのあるダウンピッキングの嵐で始まったのは…

 

Hangar18!!!

 

いきなりの名曲炸裂にテンションが振り切れる場内。

スクリーンには「18」という桑田真澄氏を彷彿とさせる数字が繰り返し登場。

久しぶりの来日という事もあり、日本では披露していない近作からの曲を織り交ぜてくるかと思いきや、フェス向きのグレイテストヒッツなセトリでした。

『Criptic Writings』好きとしてはShe-Wolfもさることながら、Trustを演奏してくれたのは嬉しかったナー。

そのうち『Criptic Writings』完全再現で来日してくれないでしょうか。

 

去年Metallicaがトリを務めたフェスで、Metallicaよりも小さいステージのトリ前という事で、ムス様のご機嫌がどうなるか心配しておりましたが、観客の熱狂的な反応を受けて終始上機嫌。

変なクネクネするアクションを連発しておられましたが、あれはなんだったんでしょうか。

あまりの機嫌の良さで、自分を大写しにさせたカメラにキスをする大サービスまで。

終演後には、自分の唾液をまぶしたギターピックを投げたり、キスをしたリストバンドを投げたりと過剰なファンサービスも。

俺だったら体液(汗を除く)が付着してないヤツが欲しいけどな。

 

バンドのパフォーマンスは概ね良好でしたが、ムス様のヴォーカルは声量のわりに聴き取りにくいような気がした。

あれは音響というよりも発声の問題なのかもしれないと思ったり。

なによりも驚いたのは、あれほど容姿端麗だったムス様にも寄る年波が迫り狂っていた事。

あご髭は白く、豊かだった髪量にも若干の翳りが…。

本格的におじいちゃんになってしまう前に何度も来日して欲しいナーと願わずにはいられません。

次のアルバムからは日本飛ばししないでちゃんと来てね。

 

 

Arctic Monkeys

 

Megadeth終わりでマリンへ駆けつけ、途中から本日のヘッドライナーArctic Monkeysへ。

俺が到着した時点で聴きたかった1stの曲もすでに終わっていた。

最新作の濃密な楽曲はかっこよかったナー。

ヴォーカルのリーゼントもイカしていた。

 

俺の隣にいた男が終始自己陶酔したような気色の悪い踊りを踊っていてうざかったのだけれど、あれは間違いなく自称DJだと思った。

なにかしらの不幸が降り注ぎますように。

 

すいません。

あまりArctic Monkeysに詳しくないので気の利いた事も言えませんが、ドラムの人がコーラス頑張っていたね。

あと、誰も気付かなかったかもしれないけど、~~~っていうステージセットの中にAMの文字が隠されていたん。

あれに気付いたの俺だけじゃないかと思っている。

 

分厚い雲が垂れこめていたので心配したけど、最後は無事に花火が上がってサマソニック初日終了。

Dancing ShoesとかI Bet You~聴きたかったけど仕方ないね。

ホテルに戻って気絶するようにして就寝。

いよいよ翌日は再結成Queenだっ!