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Rumbo Tapes

巷ではデング熱の感染拡大に沸いておりますが、みなさまにおかれましてはいかがお過ごしでしょうか。

気が付けば学生たちの夏休みも終わり、快適だった通勤電車の乗車率も赤丸急上昇中でございます。実に不愉快。

 

一口に学生と言っても小学生から大学生まで幅広い訳でありますが、やはり一番楽しかったのは将来への不安など微塵も感じていなかった小学校時代。

とりわけ給食の時間が好きだった人も多いのではないでしょうか。

 

わたくしの小学校時代のクラスメイトに吉井君という男の子がおりまして、給食を実によく食べる児童でした。

食べるスピードもさる事ながら、2度3度とおかわりに行くその旺盛な食欲。

間違いなく給食費の元は取れているであろうと思わせるような食べっぷりを日々披露していました。

 

その豪快な食べっぷりを大いに気に入った当時の担任教師。

颯爽とおかわりに向かう吉井君を呼び止め、「今日からお前はクラスの給食大臣だ!」と唐突に大臣ポジション任命を宣言。

かくして吉井君は我がクラスの給食について、全権限を一手に握る事となったのです。

 

最初のうちはいただきますの挨拶を給食大臣が担当するなど取るに足らない役割を担っているだけでしたが、いつの間にか「おかわりに行く前には給食大臣の承認を得る」という規則を作るなど徐々に増長。

さらには休みの生徒の分のプリンを給食大臣が優先的に獲得する職権乱用まで見受けられる事となり、クラスの不満は日に日に高まっていきました。

 

そんなある日、給食大臣の横暴ぶりはついに頂点へ。

配膳前の給食が入った鍋の蓋を開け、そこにおのれの箸を突っ込み、鍋からダイレクトに給食を食べるという前人未到の暴挙に出た給食大臣。

さすがにその大胆すぎる行動には女子生徒から「先生!吉井君が!」という悲鳴が上がり、現職大臣がまさかの現行犯逮捕。

給食大臣、任期途中での緊急更迭となりました。

 

まあ、わたくしのこの話を通じて何が言いたいかと申しますと、知恵の浅い者に権力を与えてはいけない、という事であります。

あなたの周りにもいないでしょうか。

馬鹿なのに何故か権力を持っている人間。

そんな人間がいない世の中を目指して頑張っていきましょう。

 

どうでもいい昔話にスペースを使ってしまいましたが、今日も懲りずにGuns N' Rosesのブートレビューでございます。

今回は定番タイトルについて書いていきたいと思います。

そのタイトルとは…

 

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ド定番スタジオデモ集、『Rumbo Tapes』です。

我が家にあるのは『Rumbo Tapes』ですが、タイトル違いが多数出回っており、『In The Studio』や『Slashin' Pumpkins』などのタイトルで所有されている方も多いのではないでしょうか。

近年ではデジタルリマスターを施したという触れ込みの『Wanderin' In Sunset』なるタイトルも登場しております。

個人的にはこのブートで初めてガンズの完全未発表曲に触れ、道を踏み間違えブート収集を始めるきっかけとなった思い出深いタイトルです。

また、大学時代にガンズ好きの先輩に貸したところ、そのまま借りパクされるという苦い思い出もあり、いまだに返却をお待ちしているところであります。

Y尾さん、これをお読みでしたら速やかにご返却ください。

 

手に入れた当初は、Rumbo Studioで録音されたUse Your Illusion制作時のデモ音源集という認識で聴いておりましたが、調べてみると必ずしもそうとは限らず、色々な時期の音源が入っているようです。

音源の出処などはよくわかりませんが、ガンズのブートを収集する上では避けて通れない1枚ですので、1曲ずつレビューしていきたいと思います。

クレジットなどよくわからない部分もありますので、事実誤認がございましたらご指摘くださると非常にありがたいです。

まずは収録曲の紹介から。

 

1.  The Garden

2.  Don't Cry

3.  Yesterdays

4.  Sentimental Movie

5.  Bad Obsession

6.  Crash Diet

7.  Anything Goes

8.  Bring It Back Home

9.  Back Off Bitch

10.Ain't Goin' Down

11.Move To The City

12.Too Much Too Soon

13.Just Another Sunday

14.Welcome To The Jungle

 

以上、全14曲が収録されています。

ライヴの隠し録り音源と違い、デモ音源なので音質は概ね良好。

未発表曲はもちろん、既発曲についてもオフィシャル音源との違いを聴き比べる楽しみがあります。

では、早速1曲ずつ聴いていきましょう。

 

1. The Garden

 

Use Your Illusion収録曲のデモ音源。

チープなアコギの音がいかにもデモという印象。

注目すべきはオフィシャルではアリス・クーパーが担当していたパートを歌うアクセルでしょう。

あの禍々しいパートを歌うアクセルの歌唱も新鮮で悪くないのですが、オフィシャル版の「これぞショックロックの帝王!」と言いたくなるようなアリスのパフォーマンスを聴いてしまうと、この勝負はアリスの勝ちだと言わざるを得ません。

 

2. Don't Cry

 

Use Your Illusion収録曲のデモ音源。

この『Rumbo Tapes』収録曲の中で唯一オフィシャルリリースされている音源です。

Don't CryのシングルB面で「Don't Cry(demo)」として入手可能。

 

このバージョン最大の特徴はアクセルのヴォーカル。

意識的に高音を抑えた優しい歌い方をしています。

オフィシャルとのあまりの違いに、初めて聴いた時は「これって…イジー?」などと思ってしまいました。(ちゃんと聴けば完全にアクセルなのですが…)

そして、ギターソロにところに「Don't you cry cause I'll be comin' back home to you..」といった語りが入っています。

これはアクセルの声に聞こえないのですが、誰の語りなのでしょうか…。

後半はオフィシャルに近い高音ヴォーカルを聴かせるアクセル。

前半の歌い方との対比が楽しめます。

 

3. Yesterdays

 

Use Your Illusion収録曲のデモ音源。

他のブートで聴けるアクセルとウエスト・アーキーンの弾き語りではなく、ちゃんとデモとして録音されたもの。

チープなドラムトラックはリズムマシーン使用でしょうか。

出だしから「When I was young...」と歌っていたりして、歌詞や歌いまわしがオフィシャルと異なっていて面白いです。

 

 

4.  Sentimental Movie

 

完全未発表曲。

「ダフとスラッシュのデュエット曲」などと紹介しているサイトがありますが、その真偽については定かではありません。

今回のレビューをするにあたり、インターネットで関連資料を検索したところ、スラッシュ自身がファンから質問に対して、「俺はSentimental Movieって曲については、なにひとつやってないんだよね。アクセルとウエスト・アーキーン、それにもしかしたらイジーも加わって、ヘルハウスでつるんでる時に録音したんじゃないかな。俺がそれにソロか何かを加えたかどうかは…ちょっとわからないな」と答えている記事を発見したので、おそらくスラッシュは歌っていないと思われます。

 

スラッシュが歌っているかどうかはともかく、ダフらしいけだるい曲調に女々しい歌詞、そして素晴らしいギターワークが聴ける一曲なので、これが好きだという方も多いのではないでしょうか。

実はこの曲には88年1月のライヴバージョンが存在していて、かなり以前からあった曲だという事が判明しています。

ちなみにその時にダフと一緒にヴォーカルを取ったのは、バンドの腰巾着古くからの友人であるDel Jamesだったそうです。

興味のある方はライヴバージョンも探してみてください。

 

5.  Bad Obsession

 

Use Your Illusion収録曲のデモ音源。

ここで歌っているのはアクセルではなく、イジーの朴訥としたヴォーカルが聴けるので、イジーファンは要チェック。

全体的にかなりチープな雰囲気のデモです。

インタビューなどでスラッシュやダフが口を揃えて「イジーのデモはかなりラフで、俺たちがそれをいじくり回して曲にするんだ」というような事を話していますが、これもそんなイジーデモのひとつなのかもしれません。

 

6.  Crash Diet

 

完全未発表曲。

ガンズの未発表曲の中でも非常に人気が高く、ファンサイトなどでも隠れた名曲として語られる事が多いです。

「6人目のメンバー」として知られるウエスト・アーキーンのペンによる楽曲との事。

かなり完成度を誇り、何故アルバムに収録されなかったのか理解に苦しむほど。

メタリックな曲調がアルバムにそぐわないと判断されたのでしょうか。

 

中間のウエスト・アーキーンが弾いていると思しき無茶弾きのようなソロはいただけませんが、もしもオフィシャルリリースされていたら、あのパートをスラッシュがどのように料理したのか、それが非常に気になります。

ちなみにアメリカのハードロックバンドAsphalt Balletが1993年発表の『Pigs』というアルバムの中で同曲をカバーしており、アルバム自体は現在では中古でしか手に入らないようですが、興味のある方はYoutubeなどでチェックしてみてください。

 

7.  Anything Goes

 

Appetite For Destruction収録曲のデモ音源。

歌詞とメロディがAppetite For Destructionで聴けるものと全く違います。

Hollywood Rose時代にMy Way Your Wayという曲名で演奏していたバージョンに近いもので、とにかく言葉を矢継ぎ早に畳み掛けていく攻撃的なヴォーカルです。

個人的には、こちらの方がオフィシャルリリースよりも好き。

 

8.  Bring It Back Home

 

完全未発表曲。

かなりレイドバックした曲調で、初めて聴いた人は「え?これがガンズ?」と驚いてしまうのではないでしょうか。

ガンズの楽曲の中でどれに一番近いか考えてみましたが、強いて言うならばChinese Democracy収録のThere Was A Timeかもしれません。

何故か冒頭にJust Another Sunday(後述)の音源の一部がサンプリングされています。

また、メインリフがVelvet Revolverのヒット曲Slitherのそれと酷似しており、スラッシュはここでボツになったリフを大切に取っておいた事がわかります。

もしもBring It Back HomeがUse Your Illusionに入っていたらVelvet RevolverのSlitherは生まれなかった訳で、スラッシュ的には「ボツ曲をリサイクルして一儲けしたぜ!」とホクホクなのではないでしょうか。

 

9.  Back Off Bitch

 

Use Your Illusion収録曲のデモ音源。

オフィシャルリリースは1991年ですが、デビュー前から演奏していた楽曲だけあって、ほぼ完成されている印象です。

イントロにハンドクラップが入っているのがオフィシャルとの違いでしょうか。

また、アクセルのヴォーカルは随所にオーヴァーダブが施されており、オフィシャルでは聴けないフレーズもいくつかあります。

 

10.Ain't Goin' Down

 

アルバム未収録曲のインストバージョン。

『Rumbo Tapes』の裏ジャケにはHeartbreak Hotelと記載されていますが、それは誤りで、実際にはAin't Goin' Downです。

この曲はCDやレコードという形態では手に入らないのですが、ガンズのピンボールマシンで使用されており、完全な未発表曲という訳ではありません。

他のデモ音源とは異なり、こちらは正式にレコーディングされたものの、なんらかの理由でアルバムには収録されなったようです。

ここで聴けるのはインストバージョンですが、アクセルのヴォーカルが入った物も出回っていますので、興味のある方はそちらもどうぞ。

 

ストレートでノリの良いハードロック曲で、悪い言い方をすればとても単純な曲。

そのあたりがUse Your Illusionから漏れた理由でしょうか。

ちなみに1986年頃から存在している楽曲で、アクセルが「これは新曲だ」と紹介しているライヴ音源も出回っており、そちらは歌詞や歌い回しが若干違います。

 

 

11.Move To The City

 

Lies収録曲のデモ音源。

正確にはデモ音源というよりも、スタジオでのアコースティックセッションという感じでしょうか。

大人数でバカ騒ぎしながら演奏しています。

冒頭には「I'm a West Cost junkie, an East Coast monkey, got another dick under my arm!!!」という合唱があり、そこから曲が始まるバージョンです。

 

12.Too Much Too Soon

 

完全未発表曲。

60年代っぽい雰囲気を持った楽曲で、ビール片手に踊るのにピッタリなノリの良さがあります。

ベースラインがとて心地よく、ベースを聴いているだけでも楽しくなります。

ガンズの楽曲としては異色ですが、イジーのソロアルバムあたりになら違和感無く収まりそうな楽曲。

アクセルもすごくのびのびと歌っていて、アルバムから漏れはしたものの、実はメンバーのお気に入りだったのではないかと思います。

シンプルな曲のわりにエンディングは若干しつこい印象。

曲終わりに機関銃掃射のような音とセリフが入っています。

 

13.Just Another Sunday

 

完全未発表曲。

アクセルの好み丸出しの王道ポップス曲です。

誰か名のあるポップ歌手のヒット曲のカバーだよ、と言われても納得してしまいそうな出来となっています。

後半では女性ヴォーカルとのデュエットが聴けるのですが、このヴォーカルが誰のものかは不明。

おそらくゲストヴォーカルを迎える予定だったのだと思いますが、アクセルが誰を候補として考えていたのか非常に興味があります。

 

14.Welcome To The Jungle

 

 Appetite For Destruction収録曲のデモ音源。

言わずと知れたガンズの代表曲です。

 一説によると1985年頃のデモ音源だそうです。

テープの劣化からか音が不安定になる場面もあり、確かに他の音源よりも時代が古そうな感じがあります。

 

このジャングル、とにかくテンポが遅いです。

もしもこのテンポで正式リリースされていたとしたら、スリリングなバンドという印象は受けないでしょう。

アクセルは代名詞となっている「シャナナ」ではなく、ここでは「ナナナ」と歌っています。(一部のみ「シャナナ」あり)

ギターワークもまだこなれていない感じで、発展途上の段階の音源だと思われます。

 

 

以上、全14曲を駆け足でレビューしてみましたがいかがだったでしょうか。

ガンズのスタジオデモ集は結構な種類が出回っていますが、未発表曲をまとめて聴けるという点では、この『Rumbo Tapes』(同一音源別タイトル含む)が一番ではないでしょうか。

定番タイトルという事もあり、入手も比較的容易ですので、興味を持たれた方はしかるべき街へ足を運んでみてください。

では、またの機会にお会いしましょう。