ナイトクラビング

お元気でしょうか。

わたくしはそこそこ元気です。

夜な夜な近所の公園に繰り出しては、ノルマ3000回などを自分に課して一心不乱に素振りをしております。

 

さて、春は別れの季節なんて事をよく申しますが、どうやら秋も別れの季節だったようです。

下北沢にGladiatorさんというロックバーがございまして、ガンズ関連イベントなどでいつも使わせていただいていたのですが、今月29日をもって惜しまれつつも閉店という運びとなりました。

新たな生活をスタートさせるマスターの今後の活躍をお祈りすると共に、素晴らしい思い出を残してくれたGladiatorに感謝いたします。

29日までは通常営業のようなので、興味のある方は足を運んでみてはいかがでしょうか?

ロック好きなら楽しめること間違いなしです。

 

Rock Bar GLADIATOR|下北沢に狂い咲く毒と華の桃源郷 - ロック・バー グラディエーター

 

まあ、わたくしは毎晩のように夜遊びに出るタイプではありませんが、やはり夜の街にはそこでしか経験できないような面白い事が潜んでいますよね。

つい先日、前述のGladiatorさんにお邪魔した時の話。

ふと気が付けば終電も逃してしまい、仕方ないので職場に戻って朝まで仮眠しようかと考えていたところ、居合わせた常連の方(とそのお友達)に「ラーメン屋さんがあるので一緒に行きませんか?」と声を掛けていただきました。

本来であれば日本一の人見知りであるわたくしですが、何度かお顔を見かけた事のある方だったという安心感もあり、図々しくもお言葉に甘えさせていただく事にいたしました。

 

よくよく聞けばそのラーメン屋さんには誰も行った事が無いらしく、お店に電話をして確認をすると、親切にも迎えの人を寄越してくれるとの事。

Gladiatorさんを出て、そのすぐ近くの通りで待っていると、向こうからスケボーに乗って疾走して来る白人男性が。

そのまま我々の横を華麗にすり抜け…と思いきや、 3メートルほど手前で急減速してスケボーを降りると、柔和な笑顔でこちらに近付いてくるではありませんか。

 

「サッキノ電話ノ人? 」

 

えー!

ラーメン屋さんがわざわざお迎えに来てくれるだけでも驚きなのに、それがスケボーに乗った外人さんだなんて事あります?

完全に予想の斜め上すぎて真夜中の下北沢でひとり身震いいたしました。

 

その外人さんの案内でたどり着いたのは、下北沢駅北口付近のバラックのような商店街。

その中にあるカウンター席が5席ほどの本当にこじんまりとした飲み屋。

お世辞にも綺麗とは言えない店構え。

見た目はラーメン屋には見えないけれど、案外こういうところが名店だったりするんですよね。

わたしにはわかります。

 

どうせ頑固な店主が「メニュー?うちにはラーメンしかないよ!」とか言うんでしょう。

わたしにはわかります。

わかってはいるけれど、一応ラーメンの品揃えを店主に確認する我々。

しかし、店主から返って来た言葉に我々は耳を疑いました。

 

「あー。うちはフード置いてないから。食べたかったらそこのコンビニで買って来て」

 

えっ。

フードの置いてないラーメン屋ってなによ。

あたしたちがベロベロに酔っているからって馬鹿にしているんでしょう。

あたしたちはね、わざわざ電話で確認してから来ているんですからねっ!

 

 

ふと横を見ると、さっき道案内をしてくれた外国人が店外で普通にビール飲んでる。

 

 

お前、客かよっ!

 

 

なんかもう訳がわからなくなってビールを一杯だけ飲んで店をあとにしました。

夜の街って素敵やん。

 

 

話は変わって、今度は夜の渋谷で体験した話。

友人のくりこさんとロックバーで飲んでいた時、ニコというフランス人と仲良くなりました。

どういうきっかけだったかは微塵も覚えておりません。

ロックバーを出て駅に向かう道中、「フランス人のナンパを見せてやる」などと挑戦的な事を言い出すニコ。

それは後学のためにも是非拝見したいと盛り上がる我々。

するとニコ、「一番有名なフランスの曲を知っているか」と我々に問い掛けて来ます。

 

正直な話、あまりフランスの曲は知らなかったけれど、なんとかいくつかの曲名を挙げる我々。

しかし、ニコは悲しげに首を振り、「いや、違う。一番有名なのはコレだよ」と歌いだしたのは…

 


ダニエル・ビダル オー・シャンゼリゼ

 

そう。フランスには縁の無い日本人でも知っている『オー・シャンゼリゼ』です。

これでナンパなんて出来んのかい、と訝しむ我々を尻目に「お。向こうから女の子来た。見てろ」と出陣するニコ。

お手並み拝見といきましょう。

 

女の子をぴったりとロックオンし、20メートルほど並走しながら「オー シャンゼリーぜー」と歌い上げるニコ。

当然の事ながら、辞書で「無視」という項を引いたら凡例として載っているのではないかと思うほどの完全無視。

その後も何人かの女の子に対してシャンゼリゼナンパを試みましたが、清々しいほどの前例玉砕。

「そりゃそうだよね」以外の感想が浮かばないほどの完封負けぶりでした。

 

みなさん、夜の街で『オー・シャンゼリゼ』を歌う外人に言い寄られても絶対について行かないでくださいね。

 

まあ、なんと言うか。

夜の街って面白いね。

 

 

冒頭でも触れましたが、下北沢Gladiatorさんは泣いても笑っても今週末が営業最終日。

興味のある方はこの期を逃す手はないですよ。

ナイトクラビングを楽しみましょう。