Welcome Back To The Japangle Part 1

みなさん、生きてますか。

とんでもない2017年最初の1ヶ月でしたね。

残り11ヶ月をどうやって生きていったらいいんですか。

冒頭にいきなりクライマックスをぶち込まれても困るんですよ。

 

という訳で僕です。

待望の…という形容詞が陳腐に感じるほど待ち侘びたGuns N' Roses日本ツアーを観てまいりました。 

彼らが3都市以上を回る日本ツアーを敢行するのは2007年夏以来。

今回は大阪、神戸、横浜、さいたまの4都市5公演を9日間で駆け抜けるというスケジュール。

関係各所を拝み倒して休みを取り、総額20万円を超えるチケット代に青息吐息となりながらも全5公演完走する事ができました。

各公演の詳細なライヴレポなどは僕の力量では不可能なので、自分の眼を通して見た今回の日本ツアーについて思いつくままに書いていきたいと思います。

非常に長くなりそうなので、できれば何回かに分けて書いていきたい気持ちのマイハートです。

 

 

2017年1月20日(金)

 

一生忘れられないであろう9日間はこの日の夜から始まりました。

完全にうわの空で仕事を終え、前日から職場のロッカーに入れておいた私服に着替えると、何度も何度もチケットを確認してから品川駅へ。

現地で友人のくりこさん(元ソフトボール部)と合流し、駅弁とビールを手に意気揚々と新幹線に乗り込みます。

思えば2007年の日本ツアーを一緒に回ったのも彼女でした。

約10年ぶりのガンズおっかけだと思うと、時の流れの速さを実感いたします。

 

僕もくりこさんもアクセルとスラッシュが並び立つ姿を観るのは初めて。

ビールを飲みながら明日のライヴについて語らっていると、新幹線はついに運命の地 新大阪駅に到着。

この時点で時刻は21時半頃でしたが、とりあえずホテルにチェックインを済ますと、そこからロックバーを2軒ハシゴ。

2軒目に訪れた老舗ロックバーでは、カウンター前に山村紅葉に酷似した人物が立っており、「うわー!ミステリーの女王の愛娘やー!」などと驚愕したのですが、よく見ると元Faster Pussycatのブレント・マスカットが遊びに来ていただけであり、ものすごく上機嫌で写真撮影などに応じていました。

Faster Pussycatなど微塵も聴いた事がないであろうくりこさんも「デビュー当時からのファンです」とでも言いたげな顔をしてツーショットを撮ってもらってご満悦。

初日からロックスターに遭遇するという幸先の良いスタートを切る事ができました。

なんやかんやでホテルに戻ったのが午前3時過ぎ。

今になって思えば、睡眠時間の少ない9日間はここから始まったと言っても過言では無い…。

 

 

2017年1月21日(土)

 

Guns N' Roses日本ツアー初日 京セラドーム公演当日。

体調を崩す事なく、無事にこの日を迎えられた事に心から感謝しました。

万が一の事があってはならぬと、こまめにうがい手洗いに勤しみ、よく火が通った食べ物しか口にせず、保険適応外で処方してもらったタミフルを飲み、段差での転倒や交通事故などに細心の注意を払って生活してきた甲斐があるというものです。

朝食を手早く済ませると、同じホテルに泊まっていたフォロワーさんも誘って3人でタクシーに相乗りして京セラドームへ向かいます。

ちなみに今回2泊した梅田某所にあるビジネスホテルですが、検索エンジンでホテル名を検索すると「ホテル名 幽霊」という素敵なワードが浮かび上がり、怖がりなくりこさんを恐怖のどん底へと突き落としていました。

 

関東では絶滅したはずの二重駐車という道路交通法どこ吹く風な荒業をタクシーの車窓から目撃し、「やっぱり大阪はすごいナー」などと感心しているうちに京セラドームに到着。

閑散としていた2009年の同会場公演の光景が嘘のように、数多くのファンが早くから集散し、特設ボードの前で記念撮影などに興じていました。

サポートアクトのBABYMETAL効果もあるのでしょうが、この様子ならガラガラの客入りに気まずい思いをする事もなさそうです。

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 (写真:撮影スポットや待ち合わせ場所に大活躍の大型看板)

 

スタンディングエリア30000円(公演により若干の差あり)という強気の価格設定が話題となった今回のツアー。

VIPスタンディングと銘打たれたチケットですが、実際には単なるスタンディングエリアの入場券であり、3万円払った人達が押し合いへし合いでボロ雑巾のようになるというVIP=Very Important Personの語義を根本から覆すキチガイのような 画期的なアイデアに驚嘆した次第です。

さらに熱心なファン向けにアップグレードチケット3種類まで販売され、我々の家計は破綻寸前にまで追い込まれる危機的状況。

記念すべき初日は最高の環境で体験したいと思い、約70000円を投じてアップグレードAを購入いたしました。

20世紀最大の音楽家のひとりとして永遠にその名を残すであろうポール・マッカートニー卿の来日公演18000円を3回観てもまだ余るという狂気の値段設定ですが、今回のリユニオンが実現するまでは「アクセルとスラッシュがいるガンズを観れるなら50万出してもいい!それでも安い!」などと嘯いていた僕です。

余裕の表情を浮かべながら、冬のボーナスを見込んで次々とアップグレードチケットを購入し、朝昼晩と醤油を染みこませたポケットティッシュを食べるという日々を送りました。

ちなみにアップグレードチケットの最上位であるAは、

 

・バックステージツアー(ステージ上での記念撮影付き)

・特設ラウンジでの飲食の提供

・グッズの優先購入

・専用エリアへの優先入場

・おみやげ

 

などの権利が付属しており、目玉であるバックステージツアーはファンならば一度は夢見た事があるであろうプレミア感のある企画。

さすがに全公演Aだと確実に破産するので、神戸は指定席、横浜およびさいたまはVIPスタンディングを優先入場権が付属しているCにアップグレードするという作戦で、出費を抑えつつ最前列を狙っていく事にしました。

結果的にこの作戦が功を奏し、大阪、横浜、さいたま初日を最前列で観る事に成功。

決して法外な値段ではなかったと思えるほどの満足感を覚えました。

 

先物販開始の時間が近付いてきたので、アップグレードAB(Cだけは優先販売の対象外)が集まる専用列へ。

並んでいたのは約20名ほどだったでしょうか。

地獄のようなBABYMETAL行列を尻目に、まったくストレスを感じる事なく買い物を完了いたしました。

事前の計算では物販でも正気の沙汰ではない金額を使う見込みだったのですが、蓋を開けてみれば全5公演で5万円未満に抑えるという大ファインプレイ。

持ち帰りが大変そうなリトグラフなどを諦めたのが功を奏した結果のようです。

ちなみに僕の周りの最高額は10万円弱。

ちょっとした家賃のような金額をティーシャーツなどに費やす漢気に乾杯しましょう。

 

お目当ての品を購入し、物販ブースから脱出して来た我々。

一般列に並んでいるフォロワーさんに挨拶をしに行く事といたしました。

買ったばかりのグッズを片手に一般列へ向かうと、そこには出荷を待つ家畜のように 日本人らしく整然とした長蛇の列が。

その先頭にいるのが某GN'Rトリビュートバンドのアクセル役とスラッシュ役のお二方。

聞けばアクセル役のお方は朝8時から並んでいるとの事。

この時点ですでに5時間ほど並んでいる計算になります。

開場時間はさらにその3時間後。

のっけからこんなに無茶をして体力が保つのか他人事ながら心配になります。

 

このエピソードには後日談がありまして、先頭に並んでいた(有)石井商会あくせるさん(面倒なので実名を出します)は、グッズを購入した僕とくりこさんが余裕の笑みを浮かべながら近付いて来る姿を見て、「あ。すべてをお金で解決する人達だ。憎い。非常に憎い」と修羅の心境となり、その場で他公演のアップグレードBを購入するという荒業で物販行列問題を金銭で解決したそうです。

ちなみに石井商会あくせるさんは、奥様にバレないようにカードの締め日などを入念に確認してから各種買い物を済ませる慎重派。

さいたま公演初日の終演後、Knockin' On Heaven's Doorの合唱パートでスクリーンに大写しになった事を喜びつつも、

 

「カミさんには指定席だと言ってあるので、あの映像が世に出たらまずい事になる」

 

と非常に深みのある表情で語っていた姿は、今回の日本ツアーにおける個人的MVPとして永遠に記憶の中に留まり続けるでしょう。

良い子のみなさん、将来はこういう気の毒 素敵なおじさんになれるように頑張ってくださいね。

 

関西ガナーのみなさまや他地域からの遠征組のみなさまに挨拶しているうちにアップグレードAの入場時間に。

誓約書にサインをさせられた上、身分証を確認されるなど物々しい雰囲気にビビりつつも、無事に手続きが終了し、リストバンドを巻いてもらっていよいよ京セラドームの中に足を踏み入れました。

バックステージツアーの準備が整うまで会場内待機です。

ちなみに期待していたおみやげはベースボールキャップ

ただでさえベースボールキャップなどをかぶるキャラではないのに、誇らしげに刺繍されたVIPの文字がキツさに追い打ちをかけます。

これがあと3個も我が家に来るのか…と思うと目眩すら覚えるレベル。

アメリカツアーは写真集とか入っててすごく豪華だったのにー。

大満足だった今回のツアーで数少ない不満点がこのおみやげ。

少なくとも僕の周りで喜んでた人はいなかったですよ。

 

まあ、そんな不平不満はさておき、話をバックステージツアーに戻しましょう。

係員の先導で列が動き出し、スタンド席の階段からグラウンドへゆっくりと降りて行くアップグレードAチーム。

緊張のあまり足が震え、このまま階段から転げ落ちて四肢を複雑骨折、1公演も観れずに奇跡のリユニオンツアー終了、己の骨がリユニオンするのを待ちわびる日々…という悲劇が起こるのではないかと真剣に心配していた事を告白いたします。

 

グラウンドに鎮座する巨大なステージセットや整然と並べられた膨大な数のパイプ椅子、そして四方を取り囲んだ無人のスタンド席という光景はまさに圧巻。

学校の社会科見学などもそうですが、普段は入れない空間に入れてもらうという体験は非常に興奮しますね。

数時間後にはこの空間が何万という人々で埋め尽くされるのだと思うと、かろうじて静けさを保っているこの瞬間が非常に貴重なものに思えました。

 

アリーナ席、スタンディングエリアを通り過ぎ、さらにはステージセットまで通り過ぎ、客席からは窺い知る事のできない裏手へ回る我々。

先程までは日本人スタッフの姿が目立ちましたが、裏手に回るとそのほとんどがガンズ側スタッフと思しき外国人ばかり。

バンド側の領域に足を踏み入れたのだナーと緊張感が高まります。

 

そして、ステージ裏に設置されたスロープを登ると、少し前までガンズメンバー達がサウンドチェックをしていたであろうステージに出ました。

ドーム公演なので当たり前の話ですが、とにかくデカい。ひたすらにデカい。

端から端まで何メートルあるの?と言いたくなるような大きなステージで、こんなところで息の合った演奏をするプロのミュージシャンって本当に凄いな、という素朴な感想を抱いたのが僕です。

すぐに写真撮影が始まったので機材をじっくり見ている時間はなかったのですが、ディジー・リードのキーボードにDFR(Dizzy Fuckin' Reedの略かな)という文字が入っていたのと、ステージモニターのひとつにGuns N' Roses AC/DCという文字がプリントされていたのが印象に残っております。

余談ですが、ステージ上から素早くスタンディングエリアの形状を確認し、確保したいポジションの目星を付ける事も忘れませんでした。

 

ステージ最上段に並ばされ、流れ作業的に記念写真をバシャバシャ撮られる我々アップグレードAチーム。

後日、出来上がった写真を見ましたが、驚くほど引きの構図となっており、可能な限りズームしても「あ。これは俺だね」程度の1枚となっておりました。

バックステージツアーに同行したスタッフさんからは撮影禁止を厳命されていたのですが、特別に自撮りを1枚だけ許可するという太っ腹なんだか何なのかよくわからないお許しが出たため、ガンズのロゴが映し出されたスクリーンをバックに自撮りさせていただきましたよ。

が、スクリーンが巨大すぎて、どんなに腕を伸ばしてもロゴの全体像をフレームに収める事は不可能。

ステージ上での自撮り感が微塵も感じられない1枚がスマホに保存される事となりました。

 

最大の目玉であるバックステージツアーが終わり、次はParadise Cityラウンドと名付けられた飲食スペースへ。

ここではアルコール類を含めた飲食物が無料で提供されるのですが、最大の懸念事項であるトイレ問題を危惧した僕とくりこさんはコップ1杯の水しか口にしないというストイックさを発揮。

基本的にはビールがあればいくらでも飲んでしまうのが我々ですが、ガンズのライヴを目の前にするとここまで自制心が働くものかと自分自身でも感動いたしました。

やればできる。

「約7万円の水。約7万円の水」と念じながら飲んだお水の味は格別でした。

 

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 (写真:飲み食い自由のパラダイスことParadise Cityラウンジ)

 

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 (写真:Paradise Cityラウンジ内で唯一の見所)

 

楽しげに飲み食いしている人達を尻目に、まるで計量直前のボクサーのように1gでも減らそうとトイレで水分を絞り出すこと数回。

ついに入場の時がやってまいりました。

しかも、今回は整理番号1番という奇跡が起こり、アリーナに最初に足を踏み入れるのが他ならぬ自分な訳であります。

生まれて初めての整理番号1番がガンズだなんて夢にも思いませんでした。

そもそも、こういう番号っていうのは業界にコネがあったり、反社会的組織のお方だったりしないと手に入らないものだと思っておりました。

ガンズの公式ファンクラブNightrainに感謝しないといけませんね。

50ドルのティーシャーツを送ってくるだけのファンクラブとか言ってすいませんでした。

 

Paradise Cityラウンジを出て、スタッフに先導されながら再びグラウンドへ向かう我々。

緊張のあまり腰が抜けてその場にへたり込み、整理番号1番なのに全員に抜かされるなどという失態を晒す事の無いよう気を確かに持って一歩一歩確実に進んでいきます。

頭の中ではMegadethの名曲“Crush 'em”の「Enter the arena and hit the light」というフレーズが延々とリピートされ、身体の震えが止まりません。

今日はとにかくアクセル前狙いという事だけは決めていたので、入場したら黒豹のような俊敏な動きでお目当てのポジションへ走り込むだけです。

 

アップグレード組専用のエリアの目の前まで来ると、左右に分かれたブロックのどちらを選んでも良いという内容の説明を受け、いよいよ入場スタート。

迷う事無く右手ブロック、つまりスラッシュ側を選択し、アクセル前の柵に飛び付く事に成功。

あまり運動神経の良くなさそうなくりこさんも無事に僕の隣りをゲットしました。

ほどなくしてアップグレードCの入場も始まり、見知った顔が次々と最前列の柵を確保する姿に心の中で大拍手。

朝8時から物販に並んでいた石井商会あくせるさんも最前列をゲットしたひとりでしたが、入ってきた時点でもう死にそうな顔をしており、アップグレードで優先的に買えた喜びに改めて浸る事ができました。

石井さん、その節は誠にありがとうございました。

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(写真:とにかくアクセルを近くで見たい一心で確保したステージ前)

 

と、ここまで書いた時点で約6500文字。

ライヴにたどり着く前にパート1終了となりました。

次回はライヴを観ながら思った事を中心に書きたいと思います。

そして、大阪で起こった奇跡とは!?

パート1だけで終わらないように頑張りたい。

 

「ここまで読ませて開演すらしてないんかーい!」という批判は甘んじて受けます。

では、おやすみなさい。