Dasa-T Sells... But Who's Buying?

こんにちは。僕です。

酷暑とか新型コロナとか石田純一さんとか色々大変ですね、世間は。

みなさんはどのような大変な夏を過ごしておられますか?

 

つい先日、Twitter(新世代mixiのようなサイト)に下記のような投稿をしたところ、多くの反響がありました。

 

 

 

まあ、ひとことで言えば「アーティストグッズ、ダサいのに買ってしまう問題」についてですね。

「いつ着るねん!」というありえないダサさのデザインなのに、ふと気が付けば購入が完了していた…なんてことを経験された方も多いのではないでしょうか。

例をひとつ挙げておきましょう。

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ダサT見本(Iron Maiden来日公演より)

これは極端な例ではありますが、これほどキチガイじみた 普段使いしづらいアイテムというのは山ほど存在するわけであります。

みなさんのご自宅にも“パジャマにもしたくないレベル”のダサTが眠っていることでしょう。

 

 

 なぜ人はダサいアーティストグッズを買ってしまうのか。

 

 なぜアーティストはダサいグッズを出してしまうのか。

 

 

Twitterにも投稿した通り、「ライヴ会場という場の非日常性が正常な感覚を狂わせる」というのが前者の疑問に対するわたくしの結論です。

 

では、後者…つまりアーティストがダサいグッズを販売してしまう理由はなんなのか?

 

ミュージシャンでもない普通のおじさんのわたくしですが、(イマジネーションの世界で)アーティスト側の立場に立って考えてみました。

 

先輩バンドマンと後輩バンドマンの対話形式でお楽しみください。 

 

 

 

 

 

後輩「先輩、今日は対バンよろしくお願いします!」

 

先輩「おう、よろしく。ところで…お前んところのグッズ、随分とオシャレじゃねえか?」

 

後輩「そうなんですよー。なんていうか…ロックTってカッコいいのが少ないじゃないですか? だからデザイナーさんに頼んでオシャレなの作ったんですよー!」

 

先輩「なあ…お前は服屋なのか? 職業欄にアパレルって書いてるのか?」

 

後輩「えっ。ミュージシャンって書いてますけど…」

 

先輩「へえ、そうかい。まあ、俺はカート・コバーンって書いてるけどな」

 

後輩「それはやめた方がいいですよ…。ていうか、アパレル業界に恨みでもあるんですか、先輩は…。ほら、あのWhitesnakeのデイヴィッド・カヴァデールだってブティックの店員だったし…」

 

先輩「お前はなんにもわかってねえな! カヴァデールが服屋だったのは俺だって知ってるよ。じゃあ、なんでWhitesnakeはオシャレなグッズを出さねえんだ? 」

 

後輩「それは…カヴァデールに訊いてくださいよ。とにかくカッコいいグッズを出した方が良いに決まってるじゃないですか! 売る側も買う側もWin-Winですよ!」

 

先輩「お前もまだまだだな…。ちょっと昔話をしよう。うちのバンドがまだ駆け出しだった頃の話だ…」

 

後輩「先輩にもあったんですね、駆け出しの時代が…」

 

先輩「若い時の俺も今のお前と同じように考えたんだな。若者受けしそうなデザインのグッズを作ってライヴで売ったよ。あれはすげー良く売れた」

 

後輩「いいじゃないですか! それのどこがいけないんですか?」

 

先輩「俺も有頂天だったよ。今までの何倍もグッズが売れて、ライヴ後の打ち上げも豪華にやれたしな。でもな、ホテルに戻って寝ようとしても眠れねえんだ…」

 

後輩「えっ。枕が変わると眠れないタイプですか?」

 

先輩「そうじゃねえ。グッズが売れた理由を考えちまうんだよ。みんなが買ってくれたのは、俺たちの音楽が良かったからじゃなくてグッズのデザインが良かったからなんじゃないかと思うと眠れねえ」

 

後輩「それは考えすぎですよ…。先輩のバンドが好きだから買ってくれたに決まってるじゃないですか」

 

先輩「お前の言いたいことはわかる。でもな、絶対にそうじゃねえと言い切れるか? 「演奏は糞だったけど、シャツのデザインは好きだ」っていう客がいなかったとは言い切れないだろう」

 

後輩「たしかに断言はできないですけど…。あ! だから先輩は…?」

 

先輩「ようやくわかったか。そうだよ。俺たち…いや、多くのバンドがダサいグッズを出す理由はそれだ。間違いねえ」

 

後輩「ダサいグッズが売れることが、自分たちが良い音楽をやり続けている証になるってことですね!?

 

先輩「正解だ。俺たちが今回のツアーで売ってるシャツを見たか? 山賊が頭蓋骨を杯にして酒盛りをしてるイラストだ。正気じゃねえ。服屋で売ってたら買うか?」

 

後輩「絶対に買わないですね

 

先輩「だろ? 正気の人間なら絶対に買わないデザインだ。でもな…ここは服屋じゃねえ。ライヴハウスだ。俺たちが良い演奏をすれば、そのありえないほどダサいシャツが飛ぶように売れる」

 

後輩「なるほど…。さっき先輩が言ってた「デザイン性だけで買った」という人が入り込む余地が無くなりますね」

 

先輩「だろ? 買ったやつらはデザインが良くて買ったんじゃねえ。俺たちに惚れて金を出したんだ」

 

後輩「俺、目が覚めました!次のライヴでは、先輩たちのグッズがマシに見えるほどダサいシャツを出しますよ!そして、それを全部売り切るような演奏をしてみせます!」

 

先輩「よし、やってみろ! 売れ残っても俺のせいじゃないからな!」

 

 

 

 会話ばかりで読みづらかったでしょうか。

 

これがバンドマンでもなんでもない普通のおじさんが考えた「アーティストがダサいグッズを販売してしまう理由」でした。

 

バンドマンのみなさまにおかれましては、「全然ちっげーよ!」とか言ってぶん殴りに来ないでください。

 

よろしくお願いいたします。