Sweet Child O' Mine

人間が暮らす地上のはるかはるか上空。

 

ここは天国と呼ばれる場所。

 

これから人間の子供として地上に向かう天使たちに神様が必ず尋ねることがひとつある。

 

「人間として地上で快適に過ごせるように何かひとつ能力を授けてやろう。ひとつだけだから慎重に選びなさい。お前はどんな力が欲しいのだ?」

 

ある者は明晰な頭脳を、またある者は強靭な肉体を授けられ、天使たちは地上へと旅立っていく。

 

当然ながら、地上に向かう天使がいる一方、天国に戻ってくる天使もいる。

 

この日も地上での役割を終え、約半世紀ぶりに天国へと戻ってきたひとりの天使がいた。

 

ここからは神様と天使の会話をご紹介しよう。

 

天使「神様、お久しぶりでございます。ただいま戻ってまいりました。今回は面白おかしく過ごすことができました」

 

神様「ごくろうだった。それにしても…お前は地上で何をやってきたのだ? 昨日からわしは人間たちからの苦情処理で大わらわだ。彼らはどうやらお前がこちらに戻ってくるのが相当に気に入らないらしい」

 

天使「へへへ。ご面倒おかけします」

 

神様「これほどまでに人間たちに愛されるとは…。地上に向かう前、お前はわしにどんな能力を願ったのだ?」

 

天使「神様、わたしはね、「誰よりもでっかいハートをください」って言っただけですよ」

 

神様「やれやれ…わしとしたことが少しばかりでっかく作り過ぎてしまったようだな…」