Sweet Child O' Mine

人間が暮らす地上のはるかはるか上空。

 

ここは天国と呼ばれる場所。

 

これから人間の子供として地上に向かう天使たちに神様が必ず尋ねることがひとつある。

 

「人間として地上で快適に過ごせるように何かひとつ能力を授けてやろう。ひとつだけだから慎重に選びなさい。お前はどんな力が欲しいのだ?」

 

ある者は明晰な頭脳を、またある者は強靭な肉体を授けられ、天使たちは地上へと旅立っていく。

 

当然ながら、地上に向かう天使がいる一方、天国に戻ってくる天使もいる。

 

この日も地上での役割を終え、約半世紀ぶりに天国へと戻ってきたひとりの天使がいた。

 

ここからは神様と天使の会話をご紹介しよう。

 

天使「神様、お久しぶりでございます。ただいま戻ってまいりました。今回は面白おかしく過ごすことができました」

 

神様「ごくろうだった。それにしても…お前は地上で何をやってきたのだ? 昨日からわしは人間たちからの苦情処理で大わらわだ。彼らはどうやらお前がこちらに戻ってくるのが相当に気に入らないらしい」

 

天使「へへへ。ご面倒おかけします」

 

神様「これほどまでに人間たちに愛されるとは…。地上に向かう前、お前はわしにどんな能力を願ったのだ?」

 

天使「神様、わたしはね、「誰よりもでっかいハートをください」って言っただけですよ」

 

神様「やれやれ…わしとしたことが少しばかりでっかく作り過ぎてしまったようだな…」

 

Dasa-T Sells... But Who's Buying?

こんにちは。僕です。

酷暑とか新型コロナとか石田純一さんとか色々大変ですね、世間は。

みなさんはどのような大変な夏を過ごしておられますか?

 

つい先日、Twitter(新世代mixiのようなサイト)に下記のような投稿をしたところ、多くの反響がありました。

 

 

 

まあ、ひとことで言えば「アーティストグッズ、ダサいのに買ってしまう問題」についてですね。

「いつ着るねん!」というありえないダサさのデザインなのに、ふと気が付けば購入が完了していた…なんてことを経験された方も多いのではないでしょうか。

例をひとつ挙げておきましょう。

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ダサT見本(Iron Maiden来日公演より)

これは極端な例ではありますが、これほどキチガイじみた 普段使いしづらいアイテムというのは山ほど存在するわけであります。

みなさんのご自宅にも“パジャマにもしたくないレベル”のダサTが眠っていることでしょう。

 

 

 なぜ人はダサいアーティストグッズを買ってしまうのか。

 

 なぜアーティストはダサいグッズを出してしまうのか。

 

 

Twitterにも投稿した通り、「ライヴ会場という場の非日常性が正常な感覚を狂わせる」というのが前者の疑問に対するわたくしの結論です。

 

では、後者…つまりアーティストがダサいグッズを販売してしまう理由はなんなのか?

 

ミュージシャンでもない普通のおじさんのわたくしですが、(イマジネーションの世界で)アーティスト側の立場に立って考えてみました。

 

先輩バンドマンと後輩バンドマンの対話形式でお楽しみください。 

 

 

 

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絶滅種の記録

これは今から数十年後の物語。
地球からはるか遠くに位置する惑星M。
惑星探査省と呼ばれる省庁の一室でふたりのM星人が向かい合っている。
ひとりは惑星探査から戻って来たばかりの若いM星人。
もうひとりはやや年配で、若いM星人の上司に当たる。
以下はふたりの会話である。

 

「地球の探査結果をご報告いたします」

 

「我々ほどではないが、高度な文明を持つ惑星だったな。よろしく頼む」

 

「事前の推測の通り、それなりに文明の発達した惑星でした。環境問題や人口問題など、かつて我々も直面した問題を抱えているようです」

 

「なるほど。そのあたりを乗り越えられるかどうか、今後も定期的な観察が必要かもしれないな。ほかには?」

 

「数十年前に疫病が大流行して大きな被害が出たようです。ほとんどの国は最終的にウイルスを制圧することに成功しましたが、ニッポンという島国だけが壊滅しています」

 

「その国はいわゆる発展途上国なのかね?」

 

「いえ。かつては世界有数の経済大国で、文明もそれなりに発達しています」

 

「ふむ。ウイルスの特定ができなかったとか?」

 

「いえ。かなり初期の段階でウイルスの特定はできています」

 

「感染を防ぐ手段がなかったとか?」

 

「いえ。他人との接触を避ければ感染を防ぐ事ができます。この知識は地球上で共有されていたようです」

 

「原因もわかっている。予防法もわかっている。それにもかかわらずニッポンという島国だけが壊滅してしまった理由がわからんのだが」

 

「わたしも不思議に思って調べてみたところ、どうやら経済活動を止めることができず、感染が爆発的に拡大してしまったようです」

 

「なんてことだ。それはまるで…自殺しているようなものではないか」

 

「ええ。我々には理解できない非合理的な選択に思えます」

 

「他の人種は生き残ったのに、どうしてニッポン人だけ…」

 

「そうおっしゃると思って理由を調べてみたところ、ニッポン人に関する興味深い文献を見つけました。彼らは他の人種からこのように呼ばれていたそうです」

 

「なんだね?」

 

「エコノミックアニマル、と」

 

「なるほど。自然淘汰だったというわけだな」

A Kind of Magic

どうも。僕です。

今回は申し遅れませんでした。

むしろ唐突すぎる自己紹介かもしれません。

 

それにしてもアレですね、コロナですね。

流行っていいコロナと流行ってはいけないコロナがあるとしたら、今回のコロナは明らかに後者。

楽しみにしていたライヴやイベントが続々と延期もしくは中止になって悲しい限り。

生活物資の買い占めまで起こったりして、時はまさに世紀末ですよ。

YouはShockなどと叫びながら屋外に飛び出していきたい心持ちであります。

 

もう世の中のムードは自粛自粛で、大勢の人が集まるイベントなどを開催しようものなら非国民扱い必至ですよ。

社会科の教科書で見た、集会所に憲兵が乗り込んで来て「解散!解散!」などと烈火のごとく怒られるやつですよ。

下手に抵抗しようものなら蟹工船を書いた人みたくなってしまうわけです。

そんな社会情勢なものですから、職場の歓送迎会なども自粛の方向でしょう。

春は出会いと別れの季節ですが、「あ。よろしく」とか「あ。今までありがとうございました。これからも頑張ってください。どもですー」くらいの挨拶で済ませるしかないわけですよ。

味気ないですね。

 

普段はあまり意識していなくても、いざ自粛と言われると気になってしまうのが人間の性というもの。

わたくしも職場の飲み会に思いを馳せるマイライフになってしまいました。

そんな時、ふと思い出したのが、とある年におこなわれた職場の忘年会。

今日はその時のお話をさせていただくことにいたしましょう。

 

 

あれはわたくしが社会人2年目の時だったでしょうか。

事務系部門の忘年会の幹事に任命されまして、色々と準備をしておりました。

出欠のお伺いに奔走したり、ビンゴ大会の景品を準備したり。

そんな日々の中、後輩のT君という子がわたくしの席にこそこそとやって来てひそひそと言うわけです。

 

 りょうさん、僕、忘年会で手品をやりたいんですけど…

 

T君が手品を嗜むとは知らなかったので一瞬面食らいましたが、おそらく1年目の職員は何か余興をやれと言われるはずなので、こちらも軽い気持ちでオーケーを出しました。

どうやらT君、その年の納涼会で同期のM君がモノマネを披露してお偉いさんに気に入られたことに嫉妬していたようで、忘年会で挽回してやろうという魂胆らしい。

とりあえずTo Do Listに「T君、手品」とだけ記録し、忘年会当日まで通常業務と準備に追われる日々を過ごしました。

 

忘年会当日。

会場となるホテルの宴会場に姿を現したT君に「予定通りでいいんだよね?」と問いかけると、恥ずかしそうな笑顔で「まかせてください」との返答。

今になって思えば、この時点でネタの内容を確認しておくべきでした。

 

忘年会は飲めや歌えやの大騒ぎで、前述のM君も納涼会で披露したのと同じネタを繰り出し、大いに場を盛り上げております。

そんな中、ついにT君の手品タイムがやってまいりました。

身長155センチくらいの小男で、仕事ぶりは褒められ1割叱られ9割、でも何故か憎めないキャラ。

職場の寮にデリヘルを呼びまくり、最終的には寮の全部屋のポストにデリヘルのチラシが入るという事態を引き起こした伝説の男。

それがT君です。

 

説明が遅れましたが、わたくしが勤務していた職場というのはかなり規模の大きな事業所でして、事務系だけでもホテルの大きな宴会場を使用するんです。

世が世なら渡辺徹と榊原郁恵がゴンドラに乗って颯爽と登場するんじゃないかっていうくらいの宴会場ですよ。

ですから、社会人1年目にしてそんな大会場で手品を披露するというT君の強心臓ぶりを心の中で褒めたたえていたわけです、わたくしは。

同期のM君と張り合いたい、という下心が見え見えだったとしても、それはそれで微笑ましいことじゃないですか、などとポジティヴに受け止めていたわけです。

 

反社の人との関係も噂される事務長を筆頭に多くの職員が見守る中、少しひきつったような笑顔で登場したT君。

その手には東急ハンズの手品コーナーで1100円くらいで売ってそうな明らかに初心者向けの手品セットが。

正直、この時点でかなり嫌な予感がしました。

 

白いテーブルクロスが掛けられた長机に何やら小さな物品を置き始めるT君。

近くまで行って確認すると、どうやらコインマジックをやるつもりらしい。

この巨大な会場で、前方2列くらいの人しか見えないレベルのコインマジック。

そのチョイスのおかしさに眩暈がしましたが、ここまで来たらもう止められません。

 

今となってはどんなマジックだったか微塵も覚えていませんが、仕掛けが成功した後、前方にいた数人が小さく拍手をした事だけはぼんやりと記憶に残っています。

わざわざ貴重な時間を割いた挙句にこの体たらく。

幹事としてどのようにオチを付けるべきか頭をフル回転させていると…

T君が懐から何かを取り出たかと思うと、パン!という破裂音が。

 

ふがいなさのあまり自決したかな?と思いましたが、どうやらウケなかった時のためにクラッカーを仕込んできた様子。

しかも、クラッカーも大してウケず、ついにT君は会場から逃亡。

それを見た同期のM君が発した「逃げた!捕まえろ!」というセリフは会場にいた全員の総意だったでしょう。

この惨劇以降、T君は全裸という一番簡単でウケの良い芸を披露する汚れ芸人に堕し、彼が全裸で歌うTOKIOの“AMBITIOUS JAPAN!”見たさに多くの人が飲み会に参加するという現象を引き起こしました。

 

みなさまにおかれましても、コロナ騒ぎが終息して日常生活が戻って来た場合でも、宴会の余興のチョイスには最新の注意を払っていただきたい。

よろしくお願いいたします。

 

怪作『ヘヴィ・トリップ』の感想を早く言いたい

明けましておめでとうございます。

令和2年ですね。

みなさま、お正月はいかがお過ごしでしたか。

タレントの三田村邦彦さんのWikipediaなどを読んでお過ごしでしたか。

 

あ。申し遅れました。僕です。

本年もよろしくお願いいたします。

 

そんな申し遅れがちな僕ですが、昨年末に映画を観てまいりました。

本日はその話をさせていただきたく、こうしてパソコンの前に座っておるわけです。

まあ、「座っておるわけです」などと書いたものの、実際にはキーボードを演奏する小室哲哉よろしく立ったままパソコンに向かっているのですけれど、読んでいる人にはそのあたりはわかりませんので、「座っておるわけです」などと書いた次第です。

そんな話はどうでもいいですね。本題へ入りましょう。

 

年の瀬の新宿で観て来た映画。

それは『ヘヴィ・トリップ 俺たち崖っぷち北欧メタル』なる作品であります。

タイトルからしてB級感がムンムンしておるのですが、そこに宣伝写真を追加するとB級どころかC級へ一気に転落いたします。

こちらをご覧ください。

 

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馬鹿さ加減しか伝わってこないフライヤー

 

どうですか。馬鹿でしょう。

初期Sodomのアーティスト写真のような真剣であるがゆえの面白みが醸し出されております。

この作品、単なる馬鹿映画で片づけることもできるのですが、実のところ僕は非常に感銘を受けまして、こうしてブログを書いている次第であります。

 

まだご覧になっていない方のためにネタバレは極力避けていくつもりですが、予備知識を入れずにご覧になりたい方はこのあたりで離脱なさってください。

タレントの三田村邦彦さんのWikipediaなどを読むことをおススメします。

もうすでにご覧になった方、多少の予備知識が入っても差し支えないという方はこのまま読み進めてください。

読み終わった後は、タレントの三田村邦彦さんのWikipediaなどを読んで頭を切り替えるのもいいでしょう。

『ヘヴィ・トリップ 俺たち崖っぷち北欧メタル』の日本語版公式サイトへのリンクを貼っておきますので、どんな映画なのか興味を持ってくださった方はそちらをご確認いただければ幸いです。

 

http://heavy-trip-movie.com/

 

 

物語の舞台はフィンランドの田舎町。

結成から12年間、1回のライヴ活動も無く、ギタリストの実家の地下室でカバー曲を延々と練習しているだけの名も無きアマチュアメタルバンドを巡る物語です。

「名も無き」と表現したのは比喩ではなく、物語の冒頭では本当にバンド名すら決まっていません。

 

主人公はヴォーカリストのトゥロ。

長身長髪の若者ですが、非常におとなしい性格で、一部の住人からは「変な音楽をやっている変わり者」として徹底的に馬鹿にされています。

ロックスターになることを夢見ながら、介護施設で入居者の対応をする日々を送るトゥロでしたが、ある日のバンド練習後に転機がやってきます。

ライヴをやろう、という提案が持ち上がったのです。

そのためにはオリジナル曲が必要だ、というわけで作曲活動も開始。

とあるハプニングからリフが生まれ、見事なキラーチューンを完成させたトゥロ達。

そこに大チャンスが到来し…。

 

 

ここから先はネタバレせずに語ることが不可能なので、ストーリー紹介はこのあたりで終わりにしましょう。

まあ、簡単に言えば、田舎町で細々とメタルバンドをやっている社会不適合の若者達を題材にしたスラップスティック・コメディ映画です。

映画の後半、物語が一気に展開するあたりからのドタバタぶりは壮絶で、筒井康隆先生のお好きそうなドタバタの連続は一見の価値あり。

前半も笑えるシーンが盛りだくさんなのですが、後半はそれが一気に加速し、爆笑のドミノ倒しと表現したくなる馬鹿馬鹿しさ。

ポリティカル・コレクトネスなどどこ吹く風と言わんばかりの危ないネタも満載で、誰かを傷つけるジョークはダメだけど、こういうので笑ってはいけないという風潮もおかしいよナー、などと思ってしまった次第です。

 

ヘヴィメタル、それもブラックメタルが題材ということで、「そういうのはちょっと…」と敬遠してしまう方もいるかもしれません。

たしかに「メタルを知ってるから笑える」ネタがあるのは事実ですが、大ヒットした『アンヴィル! 夢を諦めきれない男たち』と同じように、メタルを知らない人にも伝わるように作られている作品だと思います。

メタルの生真面目さ、馬鹿馬鹿しさ、メタラーであることの悲哀、メタルへの愛情。

それらは音楽の知識がなくても十分に感じ取れるはずです。

 

基本的にはコメディ映画ですが、非常に泣ける作品でもあります。

ダーウィン・アワード』と『スタンド・バイ・ミー』を足して、『メタリカ 真実の瞬間』や『アンヴィル! 夢を諦めきれない男たち』、『スパイナル・タップ』あたりの要素を混ぜ合わせ、そこにトナカイの血と吐瀉物をぶっかけたような味わいです。

最大の泣き所は、主人公のトゥロがとある決心をするシーンなのですが、このシーンでは“爆笑しながら泣く”という貴重な体験ができるはず。

劇場でパンフレットを購入した方は、上映後までページを開かないことをおススメします。

何の予備知識も入れず、そのシーンを目撃して欲しい。

 

映画のキャッチコピーとして使用されている「後悔するなら、クソを漏らせ!」というフレーズは劇中に登場する台詞(実際には少し違う)なのですが、この言葉が作品のアティテュードを見事なまでに表現しています。

「中途半端なまま一生を終えるくらいだったら、失敗してもいいからスッキリしたい」ということです。

劇中で実際に使われているフレーズを聞けば、この意図がより鮮明に伝わると思います。

ポジティヴな意図を込めたフレーズを排泄物と絡めてくるあたり、この映画の馬鹿さ加減がわかるでしょう。

 

このフレーズから連想したのが、ニール・ヤング“Hey Hey My My”という楽曲でした。

その中で登場する「It's better to burn out than fade away」という一節。

カート・コバーンが遺書の中で引用したフレーズとしても有名です。

彼は「だんだん消えて行くくらいだったら燃え尽きた方がマシなんだ」と解釈したのでしょう。

僕が『ヘヴィ・トリップ』を観て“Hey Hey My My”を連想したのは、「燃え尽きてしまってもいいから、一瞬の輝きだったとしてもいいから、大きく燃え上がりたい」という 強い意志を感じ取ったからだと思います。

永遠に凡庸だと思っていた日常を一瞬だけでも大きく変えるチャンス。

そこにすべてを賭けた若者達の物語です。

どうですか。観たくなってきたでしょう。


Neil Young- My My, Hey Hey (Out Of The Blue)

 

そして観終わった後に頭の中で流れたのが、Thunderの“Higher Ground”という楽曲。

「この街で一生を終えたくない」と歌われる歌詞の内容は物語にピッタリです。

Thunderはブラックメタルバンドではありませんが、歌詞を読みながら聴いてもらえば、僕の言いたいことがなんとなく伝わるのではないでしょうか。

英国の至宝Thunderをまだご存じない方は、この機会に是非。


Thunder - Higher Ground

 

カルト映画的なノリで紹介してきましたが、実際のところ客入りはかなり良いみたいです。

僕が観に行った回もほぼ満席でした。

上映後には盛大な拍手まで起こる盛り上がり。

年末年始は満席で立ち見が出るほどの大盛況だったようなので、これから音楽ファン以外の一般層にも飛び火するかもしれません。

関連グッズのデザインも秀逸で、映画館では倹約家の僕も思わず買ってしまったほど。

まかり間違って社会現象になるなんて可能性もゼロではないので、今のうちに劇場へ足を運んでみてください。

Twitterの公式アカウントの中の人も面白いでフォロー推奨です。

 

 

最後に私事をひとつ。

少し前から「川崎りょう」名義でライター活動を開始いたしました。

今のところ執筆したのが10本弱、名前が出るような仕事はゼロなのですが、今年も引き続き頑張っていきたいと思っております。

書かせていただける場所がありましたら、Twitter等でご連絡いただければと思います。

よろしくお願いいたします。

 

【2020.1.6追記】

当記事の内容に関して、Twitter上で「ブラックメタルではない。あれはデスメタルだ」との指摘をいただきました。

本来ならばその方に直接返信するべきなのですが、当該ツイートを削除されてしまったようなので、この場を借りてご説明したいと思います。

 

正直なところ、劇中でオリジナル曲として演奏されている楽曲は、ブラックメタルではないと僕も思っています。

しかし、僕があえて「ブラックメタル」と表現した理由は、

 

・メンバーのひとりがコープスペイントをしている

 (コープスペイントブラックメタルバンドに特徴的な白黒のメイク)

・物語の終盤、とあるメンバーが着ている衣装にプリントされた文章

 (ネタバレになるので詳細は避けますが、ブラックメタルについて言及されています)

 

以上の2点にあります。

劇中でバンドが標榜している音楽ジャンルは、広義ではブラックメタルに属するものであるとメンバー自身が認識している、と解釈しました。

誤解を避けるために「ヘヴィメタル」と書けばよかったかもしれませんが、上記の理由から「ブラックメタル」と表現した次第です。

ヘヴィメタルを聴かない方からすれば、デスメタルブラックメタルも大差ないと思いますが、この場を借りて回答させていただきました。

 

Gunners Circus開催されたってよ(2)

いつの頃からでしょうか。

職人さんが目の前で握ってくれる昔ながらのお寿司屋さんを「回らない寿司」などと呼ぶようになったのは。

本来であれば、回転寿司の方を「回る寿司」と呼んで区別するべきだと思うのですが、今の世の中、もう回転寿司の方が主流になったということでしょうね。

もしも居酒屋業界で立ち飲みが主流になった場合、従来の居酒屋を「立たない飲み屋」と呼ぶようになるのでしょうか。

それは誰にもわかりませんね。

 

とある日曜の夜、回転寿司屋さんに行った時の話です。

あれは22時くらいだったでしょうか。

いわゆる夕飯どきはすでに過ぎていたと記憶しております。

お店に入ってすぐのレジ付近に立ち、店員さんが来るのを待っていましたが、待てど暮らせど声がかかる気配はありません。

仕方がないので、順番待ちの用紙に名前を書き、ソファーに座って案内を待つことにしました。

しかし、待てど暮らせど声がかかる気配はありません。

店内の様子をさりげなく窺ってみると、特に混雑しているような感じでもない…。

どうやら圧倒的にマンパワーが足りていないようです。

これもある意味、“回ってない寿司屋”だナー、などと思いました。

あ、申し遅れました。僕です。

 

そんな申し遅れがちな僕ですが、今回は前回の記事の続き、Gunners Circus第二部の模様についてレポートしていきたいと思います。

大盛況となった第一部カフェイベントについては、前回の記事をご参照ください。

 

sasayaki-okami.hatenablog.com

 

第二部:ライヴイベント

12月1日、第一部から約1ヶ月のインターバルを経て第二部の開催となりました。

今回は、Guns N' Roses(以下、ガンズ)のトリビュートバンドGuns Love Roses(通称:ガンラヴ)が出演するライヴイベントです。

ここで簡単にガンラヴについてご紹介しておきましょう。

 

ガンラヴは2005年結成、東京を中心に活動する5人組トリビュートバンド。

結成当初はGunmen Showersというバンド名だったが、2017年にGuns Love Rosesに改名。2014年にはSummer Sonicにも出演した実力派バンド。

ジー・ストラドリンおよびスティーヴン・アドラー在籍時の初期ガンズを再現するというポリシーで活動を続けている。

 

メンバーは

・ヴォーカル Naxl

リードギター Gaslash

リズムギター Izzily

・ベース Duffy

・ドラム Madler

 

活動歴などを詳しく知りたい方は、ガンラヴのファンサイトをご確認ください。

ていうか、ファンサイトのあるトリビュートバンドって…

 

Guns Love Rosesファンサイト 

https://gunsloverosesjp.wixsite.com/glrjp

 

 

ライヴイベントの会場は中野heavysick ZERO。

10月のカフェイベントの会場から少し歩いた場所にありました。

会場の公式ホームページによると、キャパは80~100名のようです。

地下2階のラウンジスペースに降りると、フロアはすでに大盛況。

Gunners Circus公式アカウントがTwitterで「当日券3枚だけお出しできます!」と告知していた通り、チケットは完売状態だったようですね。

Sold Outの会場でガンラヴを観られるなんて素晴らしいことです。

 

開演時間が迫っているとのアナウンスがあり、お客さんは上階のライヴスペースへ移動開始。

入ってみて驚いたのはステージの大きさ。

まだメンバーが登場する前で楽器が置かれているだけの状態ですが、本当にここで演奏ができるのか心配になるほどの狭さです。

いや、普通に演奏するだけなら問題はありません。

しかしガンラヴはガンズのトリビュートバンド。

棒立ちでパフォーマンスをするわけではなく、特にアクセル・ローズ役のNaxlさんは激しく歌い踊るわけです。

渋谷Music duo exchangeなどのライヴハウスで演奏するガンラヴを観慣れているせいか、始まる前から少しばかりの不安を抱いてしまいました…。

 

ガンズが過去に行なった特定の公演を再現することもあるガンラヴ。

今回のGunners Circusでは、1986年9月13日のMusic Machine公演をベースにしたセットリストを演奏することがあらかじめ発表されていました。

同公演はガンズ最古のプロショット映像が残されていることで知られ、客席には1990年にバンドに加入することとなるキーボーディストのディジー・リードがいたと伝えられています。

古い映像なので画質は良くありませんが、初期ガンズの荒々しいかっこよさは十分伝わってくるのではないでしょうか。

Youtubeのリンクを貼っておきますので興味のある方は是非。

(余談ですが、この日の“Nightrain”のイントロは面白いアレンジになっています。)


Guns N' Roses Music Machine, Los Angeles, CA 09 13 1986 DVD

 

とりあえずよさげな位置を確保し、瓶ビールなどを飲んでいると、我々が入って来たのと同じ扉からメンバーが続々と登場。

演者も同じ入り口なのかー。

ヴォーカルのNaxlさんは長細い板のような物を持参。

なにかナーと注視してみると、どうやら姿見のようです。

ライヴ中、頻繁にお色直しをするNaxlさんならではの必需品ですね。

 

ステージ上にメンバーが揃い、準備が完了したところで場内暗転。

Naxlさんご本人による「Guns!! Love!! Roses!!」のアナウンスに続き、場内の空気を切り裂くように鳴り響いたのは…

 

 Welcome To The Jungle!!!!!!

 

ガンズがブレイクするきっかけとなった初期の代表曲。

同曲のPVの冒頭に登場する、大きな荷物を抱えてバスを降りてくるアクセルのコスプレまで披露してくれるNaxlさんの姿に場内は大盛り上がり。

ビデオの中のアクセル同様、口に茎(?)まで咥えて完璧な仕上がりでした。

完全につかみはオッケーです。


Guns N' Roses - Welcome To The Jungle

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お色直し番長Naxlさん


 

 

テンションをマックスまで振り切ったまま“Welcome To The Jungle”がエンディングを迎えると、ドラムのMadlerさんが次の曲に繋がるリズムを叩き出します。

軽快にスタートしたのは、『Appetite For Destruction』収録曲の中でもひときわキャッチーな“Think About You”。

本家ガンズではあまり演奏される機会がありませんが、ファンの間で人気が高い隠れた名曲です。

「はじめて聴いた時、“Nightrain”と“Think About You”好きになりがち」というのが『Appetite For Destction』あるあるですので覚えておいてください。

 

この日のガンラヴは、攻撃の手を一切緩めようとしない超アグレッシヴな布陣。

Mr.Brownstone”と“Rocket Queen”という横揺れダンサブルチューン2連発で中野heavysick ZEROを揺らしにかかります。

冒頭から『Appetite For Destruction』4連発。

もう耳と眼が幸せすぎて昇天です。

ここまでのセットリストは、予告通り1986年のMusic Machine公演とまったく同じ。

もしかしたら本編は同公演の完全再現か…?

 

そんなことを考えていると、NaxlさんがベースのDuffyさんを中央へ呼び込みます。

ステージ中央のマイクスタンドの前に立ったDuffyさん、ぐるりと客席を見回した後、「はいっ。そういったわけでございましてね!」とガンラヴ名物Duffy漫談を開始。

これまでの4曲で作り上げた初期ガンズの空気感はどこへやら、完全に昭和のテレビ番組の世界へ我々を誘う話術はさすが。

さんざん客席を笑わせたところで、再びミュージシャンの顔に戻ったDuffyさん。

ジョニー・サンダースの名曲“You Can't Put Your Arms Around A Memory”からThe Damnedの“New Rose”へ。

カバーアルバム『The Spaghetti Incident?』からの2曲を演奏し、ダフ・マッケイガン役としての役割をきっちり果たしてくれました。

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MCの達人Duffyさん

 

この2曲を挟んでくるあたり、どうやら1986年Music Machineの完全再現というわけではなさそうです。

先が読めなくなったので、ますますこの後の展開が楽しみになってきます。

ステージ下手の定位置に戻ったDuffyさんのベースラインからパンキッシュな“It's So Easy”がスタート。

再び『Appetite For Destruction』モードへ戻るようです。

その推測を裏付けるように、同アルバムからの“Out Ta Get Me”へ雪崩れ込みます。

演奏前の反抗的な名MCは、ガンズのもっとも有名な公演である1988年2月2日The Ritz公演から採られたもの。

あんなかっこいいMCを反抗期に聴いていたら人生変わっちゃうだろうな…。

ちなみに“It's So Easy”も“Out Ta Get Me”もMusic Machine公演では演奏されていない楽曲です。

The Ritz公演の“Out Ta Get Me”を貼っておきましょうかね。

自分の人生にあれこれ口出ししてくる奴らなんて必要ないぜ!というアクセルのMCに膝をガクガクさせながら観てください。


Guns N Roses-Out ta get me-the Ritz-1988-LIVE

 

急上昇した場内をクールダウンさせるように始まったのは、ボブ・ディランの名曲“Knockin' On Heaven's Door”。

本家ガンズも初期からずっと演奏し続けている定番曲です。

コーラスパートでの「俺が1回歌うから、続けて君たちも歌ってちょ♡」というNaxlさんのお願いに抗える者は誰もおらず、「Kno-Kno-Knockin' on heaven's door」のコール&レスポンスはバッチリ。

静かな高揚感をもたらすGaslashさんのギターソロも素晴らしかった。

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地毛のスラッシュ役ことGaslashさん

 

「もうクールダウンは十分でしょ?」と言わんばかりに始まったのは、『Appetite For Destruction』随一の高速チューン“You're Crazy”。

こんなん首がもげそうな勢いで振るしかないじゃないですか、奥さん。

楽器を嗜まない僕には想像することしかできませんが、この曲を演奏するのってすっごい楽しいんじゃないかナーと思っております。

ミスったら大惨事になるスリリングな曲調は、猛スピードで車やバイクを運転する興奮に似ているのではないでしょうか。

本家ガンズにも演奏してもらいたい楽曲ですが、今のアクセルがこのスピードについていけるのか…。

 

『Appetite For Destruction』祭りはまだまだ続きます。

印象的なアルペジオから一転、激しく展開する“My Michelle”を叩きつけた後は、Naxlさんの「今夜俺たちはNightrainに乗るのさ!」というMCからの“Nightrain”へ。

さらには、世界一有名なリフのひとつである“Sweet Child O' Mine”で完全に勝負あり。

この曲はイジー・ストラドリンのバッキングフレーズも最高だし、スティーヴン・アドラーの温かみのあるドラムパターンも素晴らしいんです。

ガンラヴのライヴを観る機会があれば、“Sweet Child O' Mine”演奏中のIzzilyさんにも是非ご注目ください。

完全にイジー・ストラドリンその人ですから。

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ジーの性格まで考慮したトリビュートをする男Izzilyさん

 

楽しい時間には必ず終わりがやって来ます。

ガナサーことGunners Circusも例外ではありません。

Madlerさんのおおらかなリズムに合わせ、会場全体が手を打ち鳴らします。

そう。ガンズのライヴにおける不動の最終曲“Paradise City”。

この曲のイントロが鳴り響くと、喜びと寂しさが同時に胸の中を駆け巡ってしまうのはガンズファン特有の条件反射でしょう。

 

Naxlさんのホイッスルを合図にステージに投げ込まれるのは、女性物の下着類。

つまりブラジャーです。

ガンラヴのライヴ名物ブラジャー投げ。

開演前に関係者の方が配って回っているので、是非ブラジャー投げに参加してみてください。

 

曲が一気にスピードアップする後半、ここが先途とばかりに暴れ狂うオーディエンスたち。

ここまで来るとMusic Machineのセットリストのことなんて微塵も頭にありません。

目の前で鳴らされている音を無心で楽しむだけ。

Naxlさんの「Good!! Fuckin'!!! Night!!!」の絶叫でライヴ終了。

なんと『Appetite For Destruction』から11曲という大盤振る舞い。

幸せ過ぎるでしょう。

競泳女子200メートル平泳ぎで金メダルを獲得した岩崎恭子選手ではありませんが、「今まで生きてきた中で一番幸せです」と言ったりしたい気分になりました、僕は。

 

アンコールを求める声に応え、バンドが再びステージに登場。

あれだけたっぷり聴かせてもらったのに、まだ続きがあるんですか!?

競泳女子200メートル平泳ぎで金メダルを獲得した岩崎恭子選手ではありませんが(以下略)

Naxlさんの「Hey Fuckers!! Suck on Guns N' fuckin' Roses!!!」が叫ぶと、Madlerさんがドラムを連打。

そこに絡みついてくる少しひっかかるようなギターリフ。

 ガンズの自主制作ミニアルバム『Live !?*@ Like A Suicide』の冒頭を飾る“Reckless Life”です。

アンコールでも初期ガンズで攻めまくる姿勢がありありと伝わってくる選曲に感涙したのは僕だけではないでしょう。

 

『Live !?*@ Like A Suicide』からの選曲はまだまだ続きます。

オーストラリア出身のならず者集団Rose Tattooの“Nice Boys”はライヴ初披露。

イントロが始まった瞬間、ベースのDuffyさんが「どうだ!」と言わんばかりに僕の方を見ていたのを今でもはっきりと覚えております。

「Nice boys don't play rock n' roll!!」のコーラスはテンション上がりますね。

今回限りではなく、これからも頻繁に演奏していただきたい名カバー。

 

「This is a song about your fuckin' mother!!」から始まったのは、もちろんAerosmithの“Mama Kin”。

これも『Live !?*@ Like A Suicide』収録曲です。

アンコールのテーマは完全に“1986年”ですよ、これは。

いい感じにスカスカなエアロの名曲に身を委ねながら、心は完全に1986年。

気持ち良すぎる。

 

Gunners Circusを締めくくったのは、1986年からやって来た新曲でした。

Naxlさんが「Listen up, you guys」呟くと、Madlersさんがカウントを開始。

そう、去年リリースされた『Appetite For Destruction』リマスター盤の目玉となった“新曲”(この呼称にはいまだに違和感があるけれど…)“Shadow Of Your Love”です。

この曲は「ガンラヴのテーマソング」と呼びたいほどハマっていて、初めて聴いた時はあまりの完成度に戦慄したのを覚えています。

一緒に聴いていた人たちも「え!?音源と同じじゃない!?」と狼狽えていたレベル。

ガンラヴ未経験の方には、「ねえ!シャドウだけでいいから!シャドウだけでいいから聴きに来て!ねえ!」と泣きながらお誘いしたいレベルで凄いんです。

技術的なことは分析できませんが、「シャドウはガンラヴに合ってるんだよね」というひと言で済ませたい感じ。

この日のシャドウも最高のシャドウでございました。

徹頭徹尾、初期ガンズで押し切ったガンラヴに大拍手。

 

 

まだ来年の予定は未定だというガンラヴですが、是非Twitterアカウントなどをフォローしてライヴ予定をチェックしてみてください。

今回は演奏されませんでしたが、『Use Your Illusion』からのレア曲もレパートリーにしているので、ガンズファンであればきっと楽しめるはず。

Gunners Circusでのセットリストを紹介しておきしょう。(赤字はMusic Machine公演で演奏された曲)

 

 1 Welcome To The Jungle

 2 Think About You

 3 Mr. Brownstone

 4 Rocket Queen

 5 You Can't Put Your Arms Around A MemoryNew Rose

 6 Out Ta Get Me

 7 It’s So Easy

 8 Knockin' On Heaven’s Door

 9 You’re Crazy

 10 My Michelle

 11 Nightrain

 12 Sweet Child O’ Mine

 13 Paradise City

 14 Reckless Life

 15 Nice Boys

 16 Mama Kin

 17 Shadow Of Your Love

 

 

台風による順延、そして2日間に分散しての開催。

Gunners Circusスタッフのみなさまの苦労が偲ばれます。

来年以降の開催は未定とのことですが、ガンズファンが集まれる場所を作っていただいたことに感謝したいと思います。

本当にありがとうございました。

ガンズ来日が決まった際には、「帰って来たガナサー」開催に期待しております。

 

最後に“温泉のお湯を飲んじゃうおじさん“ “微笑みの天使”ことMadlerさんの写真でお別れしましょう。

待ち受けにすると幸せな気持ちになれますよ。

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微笑みの天使Madlerさん

 

Gunners Circus開催されたってよ(1)

師走ですね。

「師(先生)が走るくらい忙しいから師走だ」と習った記憶があるのですが、どうやら師というのはお坊さんのことのようですね。

12月は読経イベントなどが多く、あちこちのイベント会場でお坊さんがひっぱりだこだったんだとか。

もしも街中をお坊さんが疾走している光景を見かけたら、手を合わせて「師走だなぁ」などと呟くのも一興ではないでしょうか。

あ、申し遅れました。僕です。

 

そんな申し遅れがちな僕ですが、Gunners Circusへ行ってまいりました。

「Gunners Circusってなによ!銃社会反対!安全な社会を!」などと我が家の前でデモをされても困りますので、Gunners Circusについて軽く説明を。

Gunners Circusとは、アメリカのロックバンドGuns N' Rosesのファンイベントで、今年で3回目の開催となります。

銃を撃ったり、称賛したり、などというイベントではないことをご理解ください。

詳しくは当ブログの下記記事をご参照いただければ幸いです。

 

sasayaki-okami.hatenablog.com

 

当初は10月12日に開催される予定でしたが、日本各地に大きな被害をもたらした台風19号の上陸と重なったため、急遽日程を変更。

カフェイベントを10月27日、ライヴイベントを12月1日へそれぞれ変更して開催する運びとなりました。

今回は第一部カフェイベントの模様をレポートしていきます。

 

 

第一部:カフェイベント

10月27日、“GUNSBUCKSカフェ”というコンセプトでGunners Circus第一部が開催されました。

会場は中野駅からほど近い多目的イベントスペース“nakano f”。

2階にカフェスペースを有する綺麗な会場です。

展示はもちろん、演劇やアコースティックライヴなどにも対応可能だとか。

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開場前に設置されていた看板

 

会場に到着し、入り口のドアを開けると、そこはバンドTシャツの国でした。

とはいっても売り物ではなく、れっきとした展示品。

関西のコレクター ロッピンさん(口癖は「ボウリング、何ピン倒してもロッピンです。よろしくゥ!」)所有のガンズTシャツを100枚展示するという凄まじい物量の企画です。

それもただのガンズTシャツじゃありませんよ、ええ。

ロッピンさんコレクションの中でも特に選りすぐられたレア物の数々。

つまり100枚を遥かに超える数のガンズTシャツを所有していることになりますね。

バンドTシャツ100枚持ってます、という人はそれなりにいるでしょうが、同じバンドのTシャツだけで100枚以上となると…

完全にキチガ 関西から車を飛ばしてTシャツを運んでくれたロッピンさんの情熱とガンズ愛に敬礼するしかありません。

展示品の詳しい内容はロッピンさんのホームページをご参照いただければと思います。

 

ロッピンさんのコレクションはこちら

https://muuseo.com/6pins_gnrmuseum

 

Gunners Circusのレポはこちら

https://muuseo.com/6pins_gnrmuseum/diaries/17

 

質・量ともに尋常ではないコレクションの数々に圧倒されます。

SNSを通してGunners Circusの様子を知った世界一のガンズコレクターも食い付くほどの品揃えでした。

鑑定したら全部でいかほどになるのか…などと下世話なことは考えてはいけませんね。

個人的には2007年の日本ツアーでも販売されていたロビン・フィンクのTシャツを持って来てくれたのが嬉しかったです。

当時、「こんなん買う人いるのかな?」とスルーしてしまった自分を恥じております。

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1991年12月31日 マイアミ公演限定Tシャツ

 

1階奥のスペースは物販コーナー。

Gunners Circusオリジナルの商品が多数販売されていました。

Tシャツやアクセサリーなど他では手に入らない品ばかり。

特製のガンズ年表はマニアックにもほどがあると言いたくなるレベルの力作で、記憶の片隅にかろうじて残っているレベルの小ネタや初めて知る豆知識が満載の一冊でした。

ガンズ関連の調べ物をする際は、ネットや雑誌のバックナンバーを確認するよりも頼りになりそうです。

これを作るのはさぞかし大変だったでしょう…。

ロッピンさんと同じく、これもガンズ愛ですね。

美空ひばりさんの“愛燦燦”を絶唱したくなったのは僕だけでしょうか。

 

さらにはファンアートの展示、ガンズの消しゴムハンココーナーまで同じフロアに展開。

1階だけでもかなりの情報量です。

ハンコはブックカバー用紙やしおりが置かれており、無料で使用できるという気前の良さ。

押しまくって世界にひとつのオリジナルグッズを作った方も多かったのでは。

僕もオリジナルのしおりを愛用しております。

 

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ファンアート展示コーナー

 

2階に上がるとそこはカフェスペース。

1階スペースだけでは展示しきれなかったレアTシャツの数々が壁を彩っていました。

準備されたカフェメニューはどれもガンズにちなんだものばかり。

バンド名をあしらったラテアートやメンバーの顔がプリントされたクッキーの完成度には感動すら覚えました。

この完成度の陰には数多くの試行錯誤があったのでしょう…。

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GN'Rラテアート

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Guns N' Cookie

 

主だったメニューをざっと紹介すると…

 

・スパゲッティ・インシデント?

 1993年リリースのカバーアルバム『The Spaghetti Incident』が元ネタ。

 ジャケット写真にならって具無しに見えるが、実は奥に具がぎっしり。

 

・タコ・ビル

 名前はもちろんタコスで有名なファストフード店が由来。

 ガンズファンにはアクセル・ローズの大好物として有名である。

 “ビル”はアクセルの本名から採られたもの。

 

・コーマ・カレー

 Gunners Circusの公式ホームページには載っていないメニュー。

 その実態はキーマカレー。“Coma”という楽曲をもじったもの。

 

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スパゲッティ・インシデント

 

空腹だった僕はコーマ・カレーをオーダーしました。

あまりの美味しさにその場で卒倒し、昏睡状態に陥る事態に。

Gunners Circus調理担当Kさんの家の子になりたいと本気で思いました。

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コーマ・カレー

 

他のメニューについてもSNS上で絶賛の嵐。

どのテーブルでもガンズ話に花が咲いていて、「これぞファンイベントやー!」と心の中の彦摩呂が絶叫しておりました。

こんなカフェがあったら足繁く通ってしまうナーと思ったマイライフです。

 

元々は「ガンズ喫茶やりたいね!」がGunners Circusの出発点だったことを思うと、まさに大願成就ではないでしょうか。

スタッフのみなさま、本当にお疲れさまでした。

「次はガンズキャバクラなんていいんじゃないの?」と言っていたおじさんがいたとかいなかったとか…。

 

次回は第二部ライヴイベントの模様をお送りしたいと思います。

よろしく哀愁です。

 

あ、最後に余談をひとつよろしいでしょうか。

Gunners Circusの片隅に僕の猫ちゃん消しゴムハンコを置いていただいたんです。

僕が作ったわけではなく、才能溢れるガンズファンの方が彫ってくださった逸品なのですが。

普通に考えれば「ガンズ関係ねー!」というアイテムです。

ところがなんと、このハンコを目当てに横浜から来てくださった方がいらっしゃって、普通の天パのおっさんこと僕は大感激。

ガンズのことをまったくご存知ないのに横浜から来てくださったんですよ。

本当にありがたい話です。

 

せっかくなのでガンズの名前だけでも憶えて帰っていただこうと思い、その方の帰り際に「ガンズ・アンド・ローゼズっていうバンドのイベントなんです。よろしくお願いします!」と猛アピール。

その方は少し困ったような感じで「ええと…ガンズアンドもにょもにょ…」と言いながら帰って行かれたので、たぶんガンズファンを増やすことには大失敗したと思いました。

このブログを読んでらっしゃるかわかりませんが、ガンズ・アンド・ローゼズというバンドです。よろしくお願いします。


Guns N' Roses - Welcome To The Jungle