どうも。バイアグラ100ml男こと僕です。
過酷な暑さが続いておりますが、みなさまにおかれましてはいかがお過ごしでしょうか。
焼き鳥とビールで夏を乗り切っていきましょう。
今回は、今年の2月にPart 3を投稿してからほったらかしにしていた『Welcome Back To The Japangle』の続編を書いていこうと思っております。
早いものでガンズの来日公演から約半年が経とうとしています。
今さら更新するのも気がひけますが、あのまま中途半端にしておくのも気持ちが悪いので、あと2回くらいで完結させておいた方がいいでしょう。
つい先日、音楽ライターの増田勇一さんのトークショーを観させていただく機会があったのですが、その中で増田さんが「昔は事実だけを並べたライヴレポートなんて意味がないと思っていたけれど、今はネットの普及によってファンの感想が真っ先に飛び交うようになった。そういう時代だから、事実を整理して伝えていくのが記事を書く人間としての役割だと考えるようになった」という話をされていました。
その後に「主観ばかりの記事を書くと、読者の方から「そんなのは自分のブログでやれ」という意見を頂戴する事もある」という話が続くのですが、今回はその主観ばかりを垂れ流していきたいと思います。
ある意味、単なるファンの特権とでも言いましょうか。
「それはお前の推測だろ!」と言われそうな妄言を書き散らかしてやりますよ。
詳細なライヴレポートなどを期待されている方はごめんなさい。
詳しく書いてらっしゃる方のブログや音楽雑誌を読んでいただくか、もしくはエロサイトなどに飛んで良い時間を過ごされてください。
今回はそういうのは抜きで、来日公演を観て考えた事だけを書かせていただく回にしたいと思います。(おそらく次回もそんな塩梅です)
まずガンズにスラッシュとダフが戻って来た理由ですが、これはもうわからないとしか言いようがありません。
本人達が詳細な経緯を明らかにしていませんし、これからもするつもりはないのかもしれません。
スラッシュの言葉を借りるなら、アクセルとの間にあった緊張状態が“時間切れになった”のかもしれないし、口さがない連中の言う通り“お金のため”なのかもしれません。
ただ、リユニオンが発表されるよりも以前から、アクセルの前でスラッシュの話題はタブーではなくなっていたという話も聞きますし、本物かどうかわかりませんが、ハッキングされて流出したとされるベータさんのメールの中には『スラッシュとのリユニオンについて』というタイトルの物が散見されました。
スラッシュの方もリユニオンについては「Never say never(絶対に無いとは言わない)」という態度を表明するに留まっていましたが、きっとどこかの時点で直接的もしくは間接的な接触があったのでしょう。
今回のツアータイトルにもなった『Not In This Lifetime』は、スラッシュとのリユニオンについて訊かれたアクセルが発した辛辣すぎる言葉だという事はみなさんご承知の通りかと思われます。
そこまで言い切った相手と和解するという事に対し、「おいおい!アクセル、言ってる事と違うじゃん!」という向きもあるでしょうが、逆にあのアクセルがそこまで言い切った相手と和解した事にこそこのツアーの価値があると言っても過言ではないでしょう。
このツアータイトルを提案した人はまさに天才だと思います。
2016年4月1日、Troubadourの看板の画像を見た時は本当に震えました。
その経緯を考えれば、わたくしが西野カナのごとく震えたのも不思議ではないでしょう。
ガンズがロックの殿堂入りを果たした2012年4月、式典への参加を表明していたアクセル(とイジー)が直前になって出席を取りやめた時、全ガンズファンが絶望のどん底へ突き落とされました。
壇上に並んで立つ事すら出来ないのか
別に一緒に演奏して欲しいとまでは望んでいなかったのに。
アクセルとスラッシュが気まずさを押し殺して、無名だった自分達が築き上げた物に対して、そしてファン達に対して敬意を表するために式典に出席してくれればそれでよかったんです。
それすらも出来ないほどにこじれてしまった二人の関係。
この機会に少しでも関係が修復できれば、バンドなんて一緒にやらなくていいから、普通に友達として会話が出来る仲になれば…と思っていたわたくしのささやかな願いは完全に吹き飛びました。
これは最低でも10年はリユニオン無しだな…と思いましたよね。
みんなもそうだと思う。
そんな状況の中、おぼろげな噂が出始めたと思ったら、それがどんどんと真実味を帯びていき、ついに実現してしまったスラッシュとダフの復帰。
2015年の年末にはほぼ間違いが無い雰囲気になっていたとはいえ、やはりコーチェラ出演が発表された時には心臓止まるかと思いましたよね。
みんなもそうだと思う。
今まで「ガンズという洋服にはスラッシュなんてボタンは存在しないんだ!」くらいの事を言い続けてきたアクセルが、どこかのタイミングで「あ。これはボタンの掛け違いなんじゃね?」と気付いてくれたのではないか。
リユニオン後のステージにおけるあまりにも自然な二人の姿を見て、ふとそんな事を考えている自分がいました。
本当に自然に笑い合っているアクセルとスラッシュの姿に、「つまらない意地張ってないで、もっと早くに仲直りしたらよかったんじゃねーの?」と思うファンが続出したとかしないとか……
2016年4月からガンズだけではなく、あの世界最強のロックバンドAC/DCのフロントマンとして各地のステージで歌い続けたアクセル。
そのパフォーマンスを目にした誰もが感じたのは、アクセルのヴォーカリストとしての充実ぶりでしょう。
もちろんリユニオン以前が充実していなかったとは言いませんが、日によっては会場に到着したらスタッフからマイクを受け取り、そのままステージに上がる事もあったアクセル。
喉が温まるまで時間がかかるというレビューも少なくなかったように思えます。(しかし、低調な日でもNightrainになるとエンジン全開になる事が多いのが不思議)
そんな出たとこ勝負のアクセルを変えたのがAC/DCへの参加です。
楽曲によっては最初の一音からアクセルベタ踏みのようなエネルギーの出し方を求められるバンドであり、デビュー当時から多大な影響を口にしていた敬愛する大先輩バンドなので、万が一にも不甲斐ないパフォーマンスを見せる事など出来ないと考えたのでしょう。
改めてヴォーカルコーチに師事し、自らを徹底的に鍛え直すというストイックすぎる行動に出たアクセル。
しかも、「生まれて始めてリハーサルの恩恵を知った」と語るほど(まあ、これは半分ジョークですが)真摯な姿勢でAC/DCの楽曲に取り組んでいました。
フロントマンにアクセルを据えた全世界注目AXL/DC初日。
多くのガンズファンがペリスコ等でアクセルの勇姿を不安混じりに見守った事でしょう。
忠実なAC/DCファンからブーイングを浴びたりしないかしら…と祈るような気持ちで見つめていたツアー初日のポルトガル リスボン公演。
その心配は杞憂に終わりました。
それどころか…
アクセル、あんたはこんなに凄い子だったの!
いや、凄い人だというのは重々承知でしたが、本当に感服するほどのパフォーマンスでした。
アクセルみずから「一番タフな曲だ」と語っていた“Hells Bells”も見事に歌いこなしていました。
これはもうトレーニングの賜物としか言いようがありません。
35年以上の長きに渡りバンドの声を務めたブライアン・ジョンソンの後任というポジションは、少しでも不手際があれば熱心なAC/DCファンから大ブーイングを浴びてもおかしくないリスクの方が大きいような役回りですが、それを見事にやってのけたアクセルを心から誇らしく思ったのを覚えています。
しかも、世紀のリユニオンとも言われるガンズのツアーとほぼ同時期ですよ。
そんなのを引き受けて喉を潰すような事があれば、ガンズもAC/DCも共倒れになってしまうので、普通であればわざわざそのようなリスクを背負う馬鹿はいないでしょう。
しかし、それを引き受けてしまうのがアクセル・ローズ。
しかも自分から「何か自分に手伝える事があるかな?」と連絡したといいます。
あの大事な時期にアクセルをこころよく送り出したバンドメンバーもさすがだと思いますが、背負わなくてもいいリスクを率先して背負いに行ったアクセルに拍手喝采を贈りたいです。
自分の身に置き換えたら絶対にそんな事出来ないですよ。
若くて気力も体力も充実していて、1週間に7回演奏しても大丈夫という状況ならともかく、アクセルはもう50代半ばですからね。
世紀のリユニオンを危険に晒す愚行だと非難されてもおかしくはないわけです。
なんでアクセルがそんなリスキーな仕事を引き受けたのかな…と考えてみたのですが、
これはもうAC/DCとそのファンのためだとしか思えないというのが結論でした。
ガンズが全盛期のラインナップで復帰するというタイミングで、自分の敬愛するAC/DCが不幸な出来事によりツアーを中止せざるを得ないという事が、アクセルの目にはとてつもなく理不尽に思えたのではないでしょうか。
振り返ってみれば、アクセルはいつだって理不尽にも権力に蹂躙される弱者のために売られてもいない喧嘩を買ってきた人です。
近年は動物や死刑囚といった自分の生活半径からはかけ離れた立場の人(や動物)のために立ち上がったりもしていました。
そんなアクセルですから、AC/DCが助けを必要としていると聞いて、反射的にファイティングポーズを取って立ち上がってしまったのだと思いました。
かつてはその脊髄反射的な喧嘩っ早さにより物議を醸してきたアクセルですが、今回ばかりはそれが良い方向に転んだように感じます。
今回のリユニオンツアーにおいてアクセルが絶好調なのは、AC/DCの助っ人を買って出た事と無関係ではないでしょう。
AC/DCのタフなセットを最後まで歌いこなすために受けたヴォーカルトレーニング。
これが非常に功を奏していると思われます。
このままAC/DCという偉大なバンドが永遠の眠りに就くとは思いたくありませんが、ブライアン・ジョンソンが不幸にも健康を損なった事が、アクセルのヴォーカリストとしての寿命を延ばす結果となったという事は否定しがたい事実である言えます。
歴史に「もしも」は無いというのは承知しております。
しかし、もしもブライアン・ジョンソンが健康を害する事がなければ、アクセルはヴォーカルコーチを雇って自らを徹底的に追い込んだでしょうか。
わたくしは無神論者ですが、ロックの神様がいるのであれば、随分と酷な事をするな…と思ってしまいます。
ベースのクリフも引退を表明し、アンガス・ヤング以外は総入れ替えとなってしまった形のAC/DCですが、世界最強のロックバンドとして再び戻って来る事を心から祈っております。
あれほどまでに感銘を受けるライヴを観せてくれるバンドはそういないですよ。
どんなバンドであれ、ライヴでの調子を掴むまでには多少なりとも時間を要するものですが、AC/DCは最初の一音を出した瞬間にグルーヴの尻尾をがっちり捕まえて、最後の一音を出し終わるまでそれを決して手放さないんです。
あの気持ちよさをひとりでも多くのロックファンに体験してもらいたい。
どうか復活してくれますように……
なんかAXL/DCの話ばかりになってしまったような気もしますが、次回はガンズの来日公演で感じた事をひたすらに垂れ流し、この『Welcome Back To The Japangle』シリーズを終わりにしたいと思います。
最後にわたくしが横浜アリーナで撮影し、よくわからない外人がネットに投稿してベータさんから「いいね!」をもらった フォロワーさんから「よく撮れてるね!」とお褒めの言葉を頂戴した写真をシェアしてお別れいたしましょう。
見てください、アクセルのこのじっとりとした眼。
これを撮れただけでもわたくしがこの世に生まれてきた意味があるというものです。
という訳で今日はここまで。
7月20日、ニューヨークのアポロシアターで一体何が起こるんでしょうか。
深呼吸しながらその日を待つ事といたしましょう。