ふと気が付けば春の足音。
どうも。季節に敏感にいたい僕です。
みなさま、3月はいかがお過ごしでしたか。
例のやつには行かれましたか。
ええ。例のやつです。
みなまで言わずとも「例のやつ」だけでおわかりでしょう。
おわかりになりませんか。
ええ。Download Festival Japanです。
待望の日本初開催だったやつです。
いやー。楽しかったですね。
場内の導線がどうかしているレベルで酷かったり、ちょっと客を詰め込みすぎだったりで運営面では改善すべき点はありましたが、楽しいか楽しくないかで言ったら圧倒的に楽しい1日でしたね。
最後の最後で発表されて日本のロックファンを狂喜乱舞させたGhostが実に素晴らしかったですね。
人間椅子がOzzfest出演をきっかけに躍進したように、Ghostも今回のDownload Festival Japanで一気にファン層を拡大したのではないでしょうか。
彼らの演奏が終わった後の満足感が尋常では無く、「今日はGhost優勝!」などと先走りながら幕張メッセ内をふらふらと歩いておりました。
が、あの日の主役はGhostではありませんでした。(※個人の意見です。)
そう。彼らの後には帝王が控えておりました。
最後のワールドツアーを宣言した帝王Slayer。
場内にいたすべての人間がひれ伏すしかない圧巻のパフォーマンス。
スラッシュ四天王の中で一番エクストリームな音楽性なのに、なんでこんなにたくさん名曲をお持ちなんですか…。
トム・アラヤ先生なんてわざわざステージの端っこまで来て、フロアの隅っこにいるファンの姿まで笑顔で眺めるという横綱相撲。
こんなにお元気なら最後のワールドツアーとか言いつつも、地球を何周もしてまた日本に戻って来てくれるんじゃないの。
まあ、やめるやめる詐欺はロックバンドあるあるですからね。
などと失礼な事を考えてしまうほど、一切の衰えを感じさせない完璧なライヴを披露した帝王Slayer。
客席にピックやドラムスティックを投げ込み、ステージ袖に捌けて行くメンバー達。
最後に残ったのはトム・アラヤ。
感慨深そうに長々と客席を眺めた後、ドラムライザーの元へ歩み寄り、何か紙片のような物を手に取ります。
ん?セトリ投げるん?
と思ったが、そういう雰囲気でもなさそう。
紙の大きさが明らかにセトリより小さい。
あ!カンペだ!何か読むんだ!
そう思ったのとほぼ同時。
ファンに向かって語り始めるトム。
「ワタシタチノ サイゴノ ショーデス」
先ほどまで盛大なSlayerコールが巻き起こっていた会場が静まり返り、一瞬の静寂が。
そして、それを打ち破るように沸き起こる悲鳴にも似た声。
ファンの悲痛な叫びを受け止めながら更にトムは続ける。
「トテモ カナシイ。I will miss you. サヨナラ。イツカ マタネ」
しっかりとした発音の日本語でそれを伝えると、ファンに手を振り、「アリガトウゴザイマシタ」とステージを去ったトム。
スピーチを終えて舞台袖に消えるまで、客席を一瞥もしなかったトムの姿が今でも忘れられない。
帝王としての威厳を示すと同時に、ファンの顔を見てしまうと悲しみが増してしまう。
そんな複雑な背中だったのではないかな、アレは。
なんにせよ、ライヴを観た後にこんなに悲しい気持ちになったのは生まれて初めて。
あまりにも素晴らしい演奏だったので、そこからの落差が激し過ぎて完全に打ちのめされた。
周りの人達もお通夜みたいな顔になってたな…。
引退を宣言したバンドが数年のうちにそれを撤回したくらいでは誰も怒らなくなった昨今の音楽業界。
数年後にSlayerが復活ツアーを発表したところで誰も怒らないだろうし、むしろ歓迎する声の方が多いくらいだろう。
しかし、わざわざ日本語で「最後のショーです」と宣言する事によって、その可能性を完膚なきまでに潰していくあたりにSlayerらしい潔さが見えた。
殺気に満ちた妥協なきショーがやれるうちに終わりたいのかな…と。
そうなると、「いつかまたね」というトムの言葉に違和感を覚える。
何故わざわざこのフレーズを入れたのか。
最後のショーだったんじゃないのか、今のが。
「いつかまたね」なんていう含みを持たせる意味ある?
ここから先は完全にわたくしの推測なので、熱心なファンの方にぶん殴られるかもしれませんが…
いつかまた会える日が来るかもしれないから、その日のために君達の心の中にSlayerが入るスペースを空けておいてくれよ
そんな意味を込めての「いつかまたね」だったのではないかな、と思ったのが2019年3月21日Slayerを観終わった直後のわたくしです。
まあ、結局はトムおじさんからの「寂しいから俺たちの事を忘れないでよ」というメッセージだったんですよ、アレは。
まあ、そんな根拠の無い推測をしてたら涙が出ましたよね。
Slayer観て泣く人生なんてありえないわー、と思ったけれど、ジェフ・ハンネマンが亡くなった後のライヴで、「Still reigning」(今なお君臨す)の演出で号泣したのを忘れておりました。
泣けるよね、Slayer。
(写真:すごかったスレイヤーのみんな)
長めのブログを書こうとすると途中でお蔵入りになってしまうマイライフなので、今回のような短めのブログを定期的に上げていけたらいいナーと思ったマイライフでした。
よろしく哀愁です。