守るべきものを見失わない。それが基本だ

どうも。意外に思われるかもしれませんが、僕です。

2月からブログを放置しておることに気付きまして、そろそろ何か更新しておこうかなと思い、(概念としての)フルチンでパソコンに向かっております。

まあ、そんな“とりあえず更新”ではありますが、わたくしが最近考えていることとかね、わたくしのマインドの中にある大切なメッセージとかをね、この場を借りて発信していこうかな、と思ってます。

 

えー。みなさん、最近ライヴとかフェスとか行かれてますか。

特に洋楽界隈は円安とかコロナとか色々な要因があるせいか、チケットの値段がどんどん高騰していてファンは金銭的に青息吐息なのだけれど、それを抜きにしてもちょっと気になることがありませんか。

 

 

なにが。

 

アップグレードチケットの乱発ぶりが。

 

 

ゴールドだのプラチナだのVIPだの上級国民だの ネーミングは様々ですが、あの手この手で我々の財布をこじ開けようとしてくるわけですよ。

価格に入場券が含まれているのは良心的なパターンで、「入場券は別にお買い求めくださいね。お買い求めにならない方は知りませんよ。かしこ」といった特別重加算税みたいなやつも少なくないわけです。

 

せっかくなので一例を挙げておきましょうか。

 

コロナ前の話ではあるけれど、2017年のGuns N' Roses来日公演では“VIPスタンディングチケット”という約3万円くらいの券種が売り出されておりましてね。

まあ、わたくしもそれを購入したわけであります。ガンズのことが好きなので。

 

価格が3万円で、その名称が“VIPスタンディングチケット”ですよ。

VIPとは“Very Important Person”、つまり重要人物という意味ですから、これはステージからほど近い場所に設けられた快適な場所で優雅にライヴを鑑賞できることが約束されているものだと思うじゃないですか。普通はね。

 

それがまあ、蓋を開けてみれば単なるスタンディングエリアでね。

しかも3万円払ってすっかりVIP気取りの客が「俺は特別なんだぞ」って顔して前方に向かって力任せに押し込んでくるわけですから、それはもう地獄の様相を呈しておりました。

「VIPってなんだろう?」という素朴すぎる疑問を抱きながら力尽きた人も少なくなかったことでしょう。

これがVIPに対する正当な扱いだったら、庶民は熱々に焼けた砂浜に裸足で立たされても不思議じゃないですよ、ホント。

 

まあ、他ならぬVIPがそんな扱いなわけで、「それじゃあ、救いは…正義は一体どこにあるんだ!?」と言いたくなるのだけれど、救いも正義もアップグレードチケットにありました。

早い話、“VIPスタンディングチケット”を購入した客に「もっとお金を払えるならもっとすごいサービスあるんだけどナー」と囁きかける悪魔の商法です。

 

いやー。このアップグレードが本当にすごくてね。一度経験してしまったら二度と一般VIPには戻れない快適さなわけですよ。

物販の優先レーンや会場への優先入場、アップグレードチケット購入者だけが立ち入りを許される超快適なスタンディングエリアなど至れり尽くせり。

人口密度がとんでもないことになっている一般VIPエリアとは天と地ほどの違いで、思わず「やはり金は正義」などという下卑た台詞が漏れてしまうレベルなわけです。

“ライヴキッズをダメにするチケット”と称しても大袈裟ではないかもしれません。

 

まあ、それは別にいいんですよ。

お金をたくさん出した人が前の方で観られる、というのは理屈としては納得できる。

資本主義ですよ、資本主義。神の見えざる手です。

(高いチケット買ったのに全然良い席じゃなかった…という悲しいケースもあるだろうけど、それはまた別の話)

 

でもね、それは単独公演に限った話にして欲しいナーと思うのはわたくしだけでしょうか。

今年開催された某フェスでは、高額なゴールドチケットを買わなかった客はカスみたいなポジションでしかステージを観ることができない卑劣なエリア分けになっておりまして、「フェスでそれをやるのは違うんじゃないのかい?」と激しい怒りを覚えた次第。

 

あれは何年前だったか、SUMMER SONICにプラチナチケットが導入されたときは、“フェスに興味があるけれど体力に自信がない人”“フェスを安全・快適に楽しみたい人”のための券種というニュアンスだったと思う。

「鑑賞エリアはステージからちょっと遠いけど、安全にフェスを楽しめますよー」みたいなね。いわば快適に過ごすことに特化したチケットなわけです。

そういう趣旨なら完全に賛同できるのだけれど、「高いチケット買わないと真ん中で観られませんよ。買わない人は端っこですよ」というのは違うだろ、と。

 

お金は無いけど体力だけはあります!みたいな若いキッズが朝から最前エリアに張り付いて、ずっと憧れていた世界一好きなアーティストのステージをキラッキラした瞳で見つめる…てな感じのエモい光景を見たいんですよ、あたしゃ。

体力は無いけどお金はあります!みたいな中高年ばかりがスクリーンに映っていたら興醒めするし、演奏しているアーティストもテンション上がらんでしょう。

 

まあ、わたくしもすでにおっさんで朝から晩まで前方エリアで暴れ倒すなんてことは出来ませんが、フェスに関してだけは“アップグレードチケットは脇役”ということにしておいて欲しいナーと切に願っております。

よろしく哀愁でございます。