「俺はおもちゃじゃねえ!」というトイプードルの叫び。
どうも。僕です。
みなさま、いかがお過ごしでしょうか。
花粉症対策しておりますか。
僕はしておりません。
薄々お気付きかもしれませんが、先週の日曜日にGuns N' Rosesのトリビュートバンド Guns Love Rosesのライヴを観てまいりました。
バンド名にピンと来ない方もいらっしゃるでしょうか。
Gunmen Showersと言えばおわかりになるでしょうか。
どうでしょうか。
簡単に経緯をご説明しましょうか。
時は遡り、2017年1月8日の事。
場所は渋谷duo MUSIC EXCHANGEであります。
Legend Of Rockの新年イベントで第1部のヘッドライナーを務めていたGunmen Showersのライヴ中盤に“それ”は起こりました。
ヴォーカルのNaxlさんによる突然の改名宣言。
唖然とする我々を尻目に、ステージ上のスクリーンには新バンドのロゴが映し出される用意周到さ。
新バンド名『Guns Love Roses』。
まったく知らなかったので驚愕いたしました。
Gunmen Showersの演奏終了後には、早くも新バンド名義による次回ライヴのフライヤーが置かれており、その手際の良さに感服。
「Advice For Masterbation」を旗印に約10年間活動を続けて来たGunmen Showers。
ガンズ愛をシャワーのように振り撒くガンマン達
そのような意味合いを持って命名されたバンド名だったと聞き及んでいます。
Gunmen Showersも非常に良いバンド名だったと思いますが、新バンド名のGuns Love Rosesはよりストレートにガンズ愛が伝わるバンド名になっていますよね。
ライヴの告知をする際、バンド名の後に(as Guns N' Roses)が付いていなかったとしても、「あ。これはガンズのバンドだね」とわかるのもポイント高いと思います。
こんなに良いバンド名が未だに空いていたというのがすごい。
ストレートすぎて誰も思いつかなかったのでしょうか。
いつかGunmen Showersのライヴ行ってみたいナーと思っていた方、今後はGuns Love Rosesの動向にご注目ください。
ライヴハウス受付の女の子に「Gunmen Showersさん」と発声させる楽しみが
という訳で、2017年冒頭に突然の改名を果たしたGuns Love Roses。
【Champagne】が【Alexandros】に改名した時のようなインパクトがあったと言ったら言い過ぎでしょうか。
その後、本家Guns N' Rosesの来日公演を挟み、ガンズ愛が盛り上がりまくっているファン達の気持ちをすべて引き受けるような日程での改名後初ライヴ。
しかも、Gunmen Showers時代からセットリストの内容に定評のあるワンマン公演です。
これが盛り上がらない訳がありません。
期待に胸膨らませながら会場のある渋谷へ。
チーマーと呼ばれる荒くれ者達が我が物顔で闊歩している街だと聞いておりますので、殴る蹴るの暴行を受けた末に金品などを奪われる、という悲惨な目に遭わぬよう姿勢を低くして物陰などに隠れながら小走りで雑踏を走り抜けます。
奇跡的に悪漢に呼び止められる事なく会場に到着。
本日の会場は渋谷La.mama。
有名バンドを数多く輩出した事でも知られる名門ライヴハウスです。
こんなに有名な会場ですが、個人的には初めてお邪魔いたしました。
広くはないけれど居心地の良いハコで、バーカウンターでは「開場から開演までの間はハッピーアワー」という素敵なシステムが導入されており、それを知っていればもっと早く来たのに!と非常に悔しい思いをしたのが僕です。
ビールを飲んだりTwitterのフォロワーさんにご挨拶したりしていると場内暗転。
ベーシストのDuffyさん前あたりにビールを飲み飲み移動します。
本家GN'RのNot In This LifetimeツアーではIt's So Easyが不動のオープニングナンバーとして演奏されていますが、Guns Love Rosesの歴史に第1曲目として刻まれるナンバーは何になるのか。
直球ど真ん中か。
はたまた予想外の変化球か。
鳴った瞬間にそれとわかるけたたましいリフ。
Naxlさんがのっけから噛み付くような勢いで歌い出したのは…
Perfect Crime!!!!!!!!!!!!!!
91年のツアーではオープニングナンバーとして演奏される事も多々あったスピードチューン。
本家と同じIt's So Easyで来るのではないかという僕の予想は見事に外れました。
水面下での秘密裏の改名プロジェクトという完全犯罪をやってのけたGuns Love Rosesなので、この選曲はむしろピッタリなのかもしれません。
Perfect Crimeのスタジオ音源は91年発表の『Use Your Illusion 1』に収録されていますが、楽曲自体は85年頃からすでに存在しており、スティーヴン・アドラーが叩いているライヴ音源の一部を聴く事が出来るサイトなどもあるようです。
実はPerfect Crimeがオープニングに選ばれたのには伏線があります。
僕のような品行方正な人間には縁の無い世界なのですが、アンダーグラウンドで出回っている日本公演のBootlegのひとつにその秘密が隠されています。
日本ツアー最終日1月29日のさいたまスーパーアリーナ公演を収録したとある音源、それを聴いていると曲間に結構な頻度で「パーフェクトクラーイム!」という同曲の演奏を求めて絶叫している男性がいる事に嫌でも気付かされるでしょう。
本家ガンズでは92年以降演奏された記録の無いいわゆる“超レア曲”というカテゴリーに入る一曲ですが、セットリストの“演奏される可能性がある曲”リストには名前が載っており、それを知っているがゆえの頻回な絶叫であると思われます。
まあ、みなさまもご承知の通り、結論から言えば上記公演の日だけでなく、今回の日本ツアーでPerfect Crimeが演奏される事はありませんでした。
日本の次の公演地であるニュージーランドおよびオーストラリアにおいてもそれは同様だったようです。
「パーフェクトクラーイム!」という絶叫があまりにクリアに録音されているため(録音者の付近にいたのでしょう)、一部ではパーフェクトクライムおじさんと命名され、「この音源のタイトル『パーフェクトクライム』でいいじゃん」と言い出す人まで登場する始末。
今回のGuns Love Rosesのライヴにおいても、曲間に「パーフェクトクラーイム!」と絶叫するというパーフェクトクライムおじさんトリビュートを実践する人が登場するのではないかとまで危惧しておりました。
気の毒なパーフェクトクライムおじさんの魂を救済するため、一肌脱いだのが他ならぬGuns Love Rosesの面々。
のっけからPerfect Crimeをぶちかまし、パーフェクトクライムおじさんの御霊を見事に成仏させる事に成功しました。
ひとつだけ気掛かりなのは、パーフェクトクライムおじさんが渋谷La.mamaにいたのかどうか不明だという事だけ。
お知り合いの方がいらっしゃったら「あなたのためにPerfet Crimeやってくれたバンドがいるよ」とご本人に教えてあげてください。
1曲目から文字数を費やしてしまいました。
Perfect Crimeに続くのは、本家ガンズのオープニングナンバーIt's So Easy。
『Live Era』で聴けるのと入りが同じバージョン。
こういう細かいネタを織り交ぜてくれるのが素晴らしい。
バンド名が変わっても心意気は微塵も変わっていませんでした。
そこからはハードロックの金字塔『Appetite For Destrction』からのナンバー3連発。
Out Ta Get MeからThink About Youの流れに悶絶いたしました。
Think About Youのラストで「Only....you...only....」と悩ましく歌い上げるNaxlさんの姿に腰をガクガクさせた婦女子が続出したのではないでしょうか。
あれは18禁レベルですよ。
Naxlさんの「14...14 beers...14 beers...14 Years」という曲紹介から、Izzlyさんがリードヴォーカルを務める14 Yearsへ。
もしかしたらイジー・ストラドリンが日本で飛び入りするのではないか…という夢が叶わなかった今、ここでこの曲が聴けるのはとても嬉しい。
緊張しながらもきっちり歌い上げたIzzlyさん、次はDust N' Bonesもよろしくお願いいたします。
Gaslashさんのギターソロも最高で、あのラン奏法のフレーズは非常に気持ち良いナーとうっとりした次第です。
Gunmen Showers時代から「え!これもやっちゃうの!?」という目玉のひとつだったGet In The Ringは大盛り上がり。
本家がライヴ演奏する事は今後も無いと思うので、「Get in the ring!! Get in the ring!!」という合唱をしたかったらGuns Love Roses観に来るしかないですよ、奥さん。
92年の東京ドームを思わせる衣装で登場したNaxlさんの姿に「It Tastes Good, Don't It?挟むやつ?ねえ?挟むやつでしょ?」とドキドキしたRocket Queen(挟みませんでした)。
途中でGaslashさんのギターにトラブルがありましたが、見せ場のスライドソロ直前に普及し、何事も無かったかのようにソロを弾き始めたのはさすがでした。
Rocket Queenが終わり、みなさんお待ちかねワンマン名物DuffyさんのMCタイム。
某所で本家ダフ・マッケイガンに会う事が出来た話、ダフが着ていた大吟醸シャツを探し回った結果、ダフの奥様スーザン・マッケイガンが直接ブランド名を教えてくれるという神対応で無事に注文成功した話などを昭和のバラエティ番組を思わせる話術で披露するDuffyさん。
当日が誕生日だった音楽ライター 増田勇一氏にスポットライトを当て、みんなでお祝いをするというサプライズも。
Comaのリフを弾き始めて場内をどよめかせたのもこのタイミングだったかな。
笑わせた後にかっこいいところをしっかりと見せてくれるのも魅力のひとつ。
初披露のYou Can't Put Your Arms Around A MemoryからのNew Roseという本家ダフのソロコーナーを再現してくれました。
日本公演でダフがやっていた「イチ!ニー!」という日本語でのカウントも飛び出し、そのトリビュートが現在進行形である事に感激。
そのベースには元プリンス(The Artist Formery Known As Prince)が使用していた記号がペイントされていたのにも唸らされました。
愛がすごい。
New Roseで熱く燃えた後は、バンドにとってのチャレンジタイム。
王子風の衣装でピアノへ向かうアクセルさん。
そう。大作November Rainです。
去年の代官山公演で初披露された同曲ですが、今日が2度目の演奏。
Naxlさんのピアノに導かれるようにして演奏がスタートします。
この繊細な曲を細かいニュアンスまで聴き取ろうと息を殺して見守るオーディエンス達。
前回よりも明らかに精度の上がったNaxlさんの歌とピアノのコンビネーション。
原曲のストリングスパートをギターで再現するGaslashさん。
IzzlyさんとDuffyさんのコーラスワークも実に見事。
各メンバーがお互いの音を頼りにしながら、丹念にNovember Rainの世界観を作り上げようとするような素晴らしい演奏に心奪われている自分がいました。
November Rainといえば「名ギターソロベスト〇〇」のような企画では必ず上位にランクインするSlashのギターソロ。
今回は初演の時のようにお立ち台に上げる事はなかったGaslashさんですが、まさに必殺と呼べるようなギターソロを披露してくれました。
“楽曲内楽曲”と呼んでも過言では無いようなあのギターメロディ。
普段は本当に温厚で謙虚なGaslashさんですが、あれを弾いている時はもっとドヤ顔でオラオラしていても誰も文句言わないと思いますので、もっとドヤ顔でオラオラしてシャッターチャンスにしてください。
(オラオラしないgaslashさん)
しかし、バンドサウンドの中に生ピアノを入れるというのはやはり難しさがつきまとうようで、今回もサウンドチェックのほとんどをNovember Rainのサウンドバランスに費やす事になったと終演後に聞きました。
何度やってもハウリングが起こってしまうため、ベースの音量を下げる事で解決したそうですが、これは会場が変わる度に悩まされる問題かもしれません。
また、ハードロックのセオリーとしては半音下げチューニングというものがあります。
文字通り弦楽器などのチューニングを半音下げて演奏する事ですが、生ピアノのチューニングを半音下げるわけにはいかないため、Naxlさんはレギュラーチューニングのピアノを半音低く演奏する…つまり、鍵盤の中の黒いところを多用して演奏せざるを得ないので相当大変な様子。
電子ピアノで半音下げる、などの選択肢もあったと思いますが、再現度にこだわって茨の道を選んだNaxlさんに全俺が敬礼しました。
Guns Love Rosesによる濃密な音楽的冒険November Rainが無事に目的地に到着。
MadlerさんのドラムフレーズがDouble Talkin' Jiveの始まりを告げます。
それに乗るアグレッシヴなリフには頭を振る以外に何が出来るでしょうか。
当然のようにヘドバンの嵐であります。
個人的には今回のライヴで最も感銘を受けたのが、このDouble Talkin' Jiveでした。
エスニックなテイストが入って来る中盤パート、通常であればここからはスラッシュの見せ場となり、アクセルは楽屋に引っ込んで行くところなのですが、それを無視するかのようにアジテーションを始めるNaxlさん。
こ…これは…
Rock In Rio 2バージョンやっ!!
そして、そのままWelcome To The Jungleに雪崩込む展開。
1991年伝説のRock In Rio 2初日の再現に高田純次ダンスを披露したくなるほど興奮しました。
おそらくあの場にいた全員が高田純次ダンス踊りたくなってたと思う。
ガンズファンはそういう生き物だ。
Guns N` Roses - Double Talkin` Jive (Rock In Rio 91`)
(Rock In Rio 2 放送バージョン+ Axl cam + Slash camのミックスというやばいヤツを見つけました。神かよ)
全世界のガンズファンに見せたいDouble Talkin' Jive~Welcome To The JungleのRock In Rio 2トリビュートの後は、誰もが愛する名曲Sweet Child O' Mine。
92年東京ドームのようにSail Away Sweet Sister~Bad Timeのイントロ付き。
ざらついた声がアクセルそっくりで震えました。
エンディングも92年東京ドームそのままに「チャアーーイ!チャアーーイ!」の絶叫パートがあり、「うわー!ビデオで観たやつやー!」と感激しましたよ、あたしゃ。
個人的には普通に終わるSCOMが好きですが、92年東京ドームをベースにするならエンディングはアレじゃないとね。
最高の最高。
これ(※画像参照)の小さいやつを手に登場したNaxlさん。
「I found this in Gakuya」などと言って笑いながら吹き鳴らします。
本家とはサイズもボリュームも違いますが、その音色が告げるのは同じくNightrainの発車の合図。
いわゆるヒットチューンではないけれど、ひとたび演奏されれば場内に熱狂の渦を巻き起こすハードロックナンバー。
終演後、Naxlさんと「Nightrainも色々なバージョンありますよね」という話で盛り上がったので、いつか違うイントロによる同曲が聴ける日が来るかもしれません。
メインリフから始まるバージョンが好きです。よろしくお願いします。
(えらくうるさい音で鳴るやつ)
最後を飾るのはもちろんParadise City。
Naxlさんのホイッスル(本家アクセルと違ってジャストのタイミングで吹く)に合わせて女性物下着が投げ込まれるのはGunmen Showers時代からのお約束。
紙吹雪を噴射するのは無理でも、こういう演出を定番として続けてくれるのは凄くいいナーと思っているので、これからも末永く投げ込ませてくださいますようお願い申し上げます。(女性陣、頑張って投げ込んでください)
余談ですが、Paradise Cityのリフもヘドバンには最適のリズムですよね。
翌日は頚部痛からの頭痛で死にそうになっておりました。
それでも振らずにはいられない首。
ロキソニンが手放せない日々です。
本編が終了し、ここからは予想のつかないアンコール。
定番の最終曲であるParadise Cityをやってしまえば、そこから先は想定外の延長戦という雰囲気なんですよね。
何をやっても許されるという感じ。
そんな雰囲気の中、バンドがゆったりとねっとりと奏で始めたのは…
You're Crazy!!!
初来日公演のオープニングでもプレイされた『GNR Lies』に入っているバージョン。
しかも、途中で「Suck on this!!!!」というNaxlさんの絶叫と共にFastバージョンに転換する豪華バージョンですよ。
こんな一粒で二度おいしい的なバージョンをやられたら、こちらはもう腰をガクガクゆわせるしかないじゃないですか。
1988年トレド公演をベースにしているようなので、トレド公演が好きな方は是非Guns Love Rosesのライヴにお越しください。
Guns N' Roses - You're Crazy - 1988-05-01 - Toledo Sports Arena, Toledo, Ohio
(Lies→Appetiteに転換する流れがかっこよすぎるトレド公演)
楽しすぎたワンマン公演の最後を飾るのは、1987年6月のロンドンはマーキー公演でのMCそのままからのWhole Lotta Rosie。
こういうMCトリビュートもGuns Love Rosesの魅力のひとつであります。
去年はAXL/DCというロック界激震のトピックもあったので、このタイミングでWhole Lotta Roseiのカバーをやるというのは非常に意味のある事であり、なによりもAXL/DCを観に行けなかった僕が嬉しい。
AC/DCのライヴは我が人生最良の音楽体験のひとつだったので、今後もAC/DCという物語が続いていくのであれば、次こそは来日して欲しいナーと思っております。
噂になっているアクセルをフロントマンに据えた新作はどうなるんでしょうね。
まずはAXL/DCのツアーDVDがリリースされますように…。
Guns Love Rosesとしての初ライヴはGunmen Showers時代と同じように、とてつもないガンズ愛に溢れた空間が広がっていました。
Naxlさんの「えー。昼間なのでお安いお値段で提供しております」というMCに対し、Madlerさんが「安いんだよね。昼キャバみたいなもんで」と返した時、「もうGunmen Showersじゃないんだから!」とNaxlさんが指摘したのが唯一違いを感じた瞬間でしょうか。
つまり、以前と変わらず最高だって事ですよ。
振り返ってみれば、16曲中6曲が本家の来日公演では聴けなかった曲。
それだけ楽しめて2000円なんて幸せすぎすよ。
(豪華すぎるGuns Love Rosesのセトリ)
次回のライヴ予定は
4月16日(日)
六本木Club Edge
毎年恒例のワンマンライヴとなっております。(厳密には対バンあり?)
ガンズが好きな方なら楽しめること請け合いです。
約2ヶ月先の話ですが、手帳には「ラヴちゃん六本木」とお書きください。