みんな元気でやっていってね

あ。いわゆるひとつの僕です。

最近のニュースと言えば、わたくしが応援している横ベイ(元・大洋ホエールズ)がクライマックスシリーズを勝ち抜いて日本シリーズ進出が決定したこと。

福岡の怖い人たち(元・南海ホークス)に虐殺される未来しか見えませんが、そこはひとつ玉砕覚悟で死中に活を求めてもらえればと思う次第であります。

 

本日のテーマはですね、先日わたくしが体験したことでございます。

個人的にすごく考えさせられる出来事だったので、自分の考えをまとめるプロセスも兼ねてブログとして残しておこうと思った次第です。

まあ、考えたからといって明確な答えが出るわけではないのだけれど、「自分だったらどうしたか」などを考えながら読んでいただけたら幸いであります、はい。

 

 

先日観に行ったとあるライヴでの出来事です。

会場のキャパは150人で、その日はソールドアウトの大盛況。

身動きができないほどの混雑ではないけれど、バーカウンターに飲み物を取りに行くのはちょっと気合いが必要だぞ、といった人口密度でした。

わたくしはと言えば、会場後方のPAブースの真横に陣取り、客席の熱狂も含めてステージを堪能しようという構え。

 

開演と同時に場内のボルテージは急上昇し、オーディエンスは1曲目から早くもここが先途とばかりに暴れ倒します。

バンドはのっけから絶好調で、ステージから全方位にエネルギーを照射するような圧巻の演奏でオーディエンスを迎え撃ち。

「これはすごい夜になりそうだ」と思ったところで、PAブース前で異変が発生しました。

 

ライヴ開始から2~3曲目あたりで、どうやら倒れてしまった人がいる模様。

わたくしは倒れた瞬間を見ていないので詳細は不明ですが、立ち上がれるような状態ではなさそうなので、周りの人やPAブースのスタッフによって救護活動が開始されました。

会場後方で発生した事案ということもあり、ステージ上のメンバーも含め、会場にいた半数以上の人は要救護者が発生したことに気付いていなかったのではないでしょうか。

 

結論から言えば、倒れた方は会場から救急搬送され、医療機関で治療を受けて無事に帰宅することができたそうです。(ご本人がそのようにツイートしているのを見て、本当に安堵しました)

しかし、それは結果的に軽症で済んだから「ああ。よかったナー」と言えるだけであって、あの場で自分がどうするべきだったか、本当にあの対応がベストだったのか、ということをずっと考えております。

 

あの日、救護をおこなう上で一番ネックになったのが、会場の暗さとスピーカーから流れる大音量だったと思います。

バンドが演奏を続けるなかでの救護となったため、照明の落ちたフロアは視界不良で、相手の耳元で大声を出さないと意思疎通が難しい状況でした。倒れた方を搬出する際の導線の確保も難しかったはずです。

また、あの状態でモッシュピットなどが発生した場合、救護が物理的に妨げられたり、要救護者が踏まれてしまうなどの危険性があったことも否定できません。

 

これは今でも自分の中で結論が出ていないのですが、この時わたくしはステージに向かって「演奏を止めてくれ」という意味の意思表示をするべきかどうか迷っていました。

もしも倒れた方が重篤な状況だった場合、演奏を止めてフロアの照明を付けて救護に当たるのがベストです。

場内で要救護者が発生したことがわかれば、観客の中に医療従事者がいて救護活動にあたってくれる可能性もありますし、搬出・搬送の導線確保もスムーズになるでしょう。

 

そんな緊急事態においても、わたくしが「演奏を止めてくれ」アピールをしなかった理由は

 

PAブースのスタッフが救護にあたっていたこと→演奏続行・停止の判断は会場側のスタッフに任せたい

・演奏を止めた責任を負いたくない

 

というもので、後者については自分のずるさが滲み出ていて嫌になりますね。

今回は軽症で済んだけれど、もしも命に関わるような事態になっていたら一生後悔していたはず。

倒れたのが自分の家族だったら「なんで演奏を止めてくれなかったんですか」と恨み言のひとつも言いたくなってしまうかもしれない。止めても止めなくても結果が変わらなかったとしても。

 

その一方、アーティストが命を懸けて上がるステージを邪魔してはいけないという気持ちも確かにある。

つい先日、観客の体調不良によってライヴを中断したアーティストが後日、「演出や流れがあるから中断したくなかった」「不完全燃焼になってしまった」(大意)と語って炎上した事案あったけれど、「それだけは絶対に言ったらアカンやろ」と思いつつも、流れが途切れてしまったこと自体には同情を禁じ得ない自分がいるのも事実。

ライヴの一時中断によって、その日生まれるはずだった熱が永遠に失われてしまうことだってあるはずで、最終的にそれを背負わなければいけないのは当のアーティストであることを考えると、一観客の立場として「客席でアクシデントがあったら演奏を即停止しろ」とは言いづらい。

その点に関してはアーティスト側が「どこにラインを引くか」にかかっているのではないでしょうか。

 

ここ数年、ライヴ会場で痴漢被害にあった場合、「遠慮せずに俺たちに伝えてくれ。すぐに演奏を止めて犯人を捕まえる。演奏が中断することは気にしなくていい」と公言するバンドが増えてきた。

わたくしは実際に演奏を止めて痴漢被害に対処する場面に遭遇したことはないのだけれど、加害者に対する怒りの声があがることはあっても、被害者に対して「ライヴを止めやがって」とブーイングが起こることはないだろうと推察しております。

音楽をやってる人たちが“音楽よりも優先されるべきこと”をしっかりと見極めて、ファンに周知徹底してくれるって本当に素晴らしいことですよ。

 

どの程度の怪我や急病で演奏を止めてOKとするかの判断は難しいけれど、少なくとも意識消失・意識障害を伴う場合は救護優先にするべきなのではないかナーと思う。

ライヴ会場が悲しい思い出のある場所にならないためにも、何かしらのルールの整備が進んだらいいナーと考えてしまった2024年10月でした。

まあ、この記事を目的として「自分の考えをまとめるプロセスも兼ねて」などと偉そうなことを言ったけれど、最後までまったくまとまらなかったよね。