Welcome Back To The Japangle Part 2

どうも。

薄々お気付きかもしれませんが、僕です。

セコムしてますか。

僕はしておりません。

 

今回のブログは、前回記事「Welcome Back To The Japangle Part1」の続きとなります。

Part1では、長々と書いておきながら、肝心のライヴまでたどり着かないという体たらく。

お詫びのしようもございません。

 

が、どうぞご安心ください。

このPart2では、しっかりとライヴ内容について書いていきたいと思います。

ただし、内容は大阪公演に限定したものではなく、大阪公演を基本としつつ、日本ツアー全体の感想になっておりますのでご了承ください。

ですので、  「それは大阪の出来事ちゃうやんけっ!このボケがっ!ドアホっ!六甲おろし歌いながらお好み焼きひっくり返すヘラで滅多打ちにしてまうぞ!」などというお叱りはどうぞご勘弁くださいますよう重ねてお願い申し上げます。

では、2017年1月21日の京セラドームへタイムスリップいたしましょう。

せいやっ。

 

 

無事にアクセル前の最前列を確保した僕とくりこさん(通称:チーム人見知り)。

ここからはただ開演を待つのみです。

場内BGMはRamones縛りというコンセプトのようで、ひたすらに彼らの名曲が場内に鳴り響いています。

久しぶりに聴くRamonesは非常に心地良く、ジョーイ・ラモーンのディープな声が持つ魅力を再確認すると同時に、「あれ?スタジオ盤ってこんなに遅いんだっけ?」と違和感を抱きました。

ライヴだと曲の終わりに「1 2 3 4!!!」のカウントがくっつくような勢いで演奏してるんだもんね。

初めて聴いたラモーンズはライヴアルバムだったのですが、1枚物のCDに40曲近くの楽曲が収録されていたのを覚えています。

スピードアップしすぎでしょう。

でも、それがいい。

 

余談ですが、他の公演においても場内BGMは日替わりで特定のアーティスト縛りという選曲になっておりました。

僕の記憶に間違いが無ければ

 

 ・神戸 Cheap Trick

 ・横浜 Deep Purple

 ・さいたま David Bowie

 ・さいたま Queen

 

だったと思います。

去年4月のラスベガス公演はDeep Purple縛りだったと聞きましたが、今回のツアーはすべてそのような趣向なのでしょうか。

Ramonesを含めた上記5アーティストに何か共通項はあるのかと考えてみましたが、ひとつ思い浮かんだのが「ロックの殿堂入りを果たしている」という事でした。

ガンズもアクセルが式典をドタキャンするという事件を起こしてはいますが、バンドとしては2012年に殿堂入りしています。

単なる推測に過ぎませんし、殿堂入りしているから場内BGMに選ぶというのも説得力に欠けるので、どなたかメンバーに会う機会があれば訊いてみてください。

 

RamonesとプロモーターのCreativeman主催公演の宣伝を交互に見聞きし、「あー。ワイルドハーツ行きたかったナー」だの「こんなガンズ破産まっしぐらの時期にデッドデイジーズ発表するのは商売下手すぎでショー」などのぼんやり考えているうちに開演時間がやってきました。

ほぼ定刻通りに場内が暗転すると、オープニングアクトであるBABYMETALのバンドロゴがスクリーンに映し出され、オープニングSEが流れ出します。

X JAPANオマージュの「ベビーメタール メタール メタール メタール」のリフレインに導かれるようにしてメンバーが登場し、Metallicaの名曲OneのごとくギターリフとドラムがシンクロするBABYMETAL DEATHがスタート。

正直な話、我々のいるアップグレードエリアはそれほどの盛り上がりではありませんが、後方からは大きな歓声が聞こえてくる事から考えると、BABYMETALがサポートアクトを務める事がかなり動員に寄与しているのではないかと推測できます。

さすがに30分やそこらの出番のために約30000円のVIPチケットを買うBABYMETALファンは多くはないだろうと思っていましたが、アップグレード専用エリアの外で観た横浜とさいたま初日には決して少なくない数のBABYMETALファンがスタンディングエリアで野太い声援を送っていましたし、さいたま2日目のアップグレードC入場時には、我々の前にBABYMETALファンのおじさま2人組がいらっしゃいました。

30分のために5万円近く払うというのはかなり勇気のいる行動だと思いますが、いまやドームクラスのアーティストとなった彼女たちを真近で観る機会を買ったと考えれば熱心なファンの方にとっては決して高い買い物ではないのかもしれません。

 

それにしても面白いのは、ヨーロッパツアーを発売と同日に全公演即売させたガンズと東京ドーム2日間を完売させたBABYMETALの組み合わせでも京セラドームが満員にならないという事実。

こういうのは単純な足し算として計算できるものではないのだナーと思いました。

まあ、ネットではサポートアクトの人選について賛否両論あったようですが、個人的にはBABYMETALもMan With A Missionも好きなので嬉しかったです。

Man With A Missionの日はベースの方のピックをゲットする事が出来て大満足。

Fly Again楽しかったですね。

 

あくまでもガンズ来日についてのブログなのでBABYMETALの演奏について詳しく書く事は控えますが(面倒臭がり屋とも言う)、YUI-METALのあまりの可愛さにくりこさんと二人で悶え死んでおりました。

おそらくBABYMETALを最前列で観られる機会は今後一生無いでしょう。

貴重な体験をさせていただきました。

上手に撮れたYUI-METALの画像をアップしたいところですが、大手芸能事務所アミューズ所属のタレントさんの画像を個人ブログにアップしてよいのか判断つかず、個人で楽しむ範疇に留めておきたいと思います。

デジカメの画面を見ながら「ゆいちゃーん!」などと叫んでいるおっさんがいたらそれが僕です。

 

最後にSU-METALが「It's time for Guns N' Roses!!!」と観客を煽り、全力で歌い踊るBABYMETALのステージが終了。

10代の女の子があんなに凄い事をやっている姿に毎回涙ぐんでしまうのが僕ですよ。

さあ、ここからいよいよガンズ待ちタイムに突入。

思えば2009年12月の京セラドーム公演では、ガンズの登場が21時、終演が0時半という伝説の終電逃しギグが繰り広げられ、僕も極寒の大阪の夜に放り出されたひとりでした。

ガンズのライヴは開演が異常に遅れる、というのがパブリックイメージとして定着していますが、リユニオン後は大幅な遅延は皆無のようで、〇時間遅れで観客大暴動!といったニュースは未だにお目にかかっていません。

 

ステージ上ではBABYMETALの撤収が終わり、ガンズ側のスタッフが最終確認のために各所をチェックして回っています。

ガンズに向けて機材の入れ替えはないようで、BABYMETALは自分たちの機材を撤収するだけなので、順調に行けばそれほどまたずに開演の運びとなりそうな予感。

ガンズのために買ったデジカメの性能チェックのため、バンドロゴが描かれたバスドラなどを撮ったりしているしていると、スクリーンにガンズのロゴが映し出され場内は大歓声。

しかも、銃の代わりに日本刀があしらわれた日本ツアー特製のバンドロゴ。

CGで作られたそのロゴがグリグリと動くんですよ。超かっこいい。

それが終わると『Appetite For Destruction』のレイプジャケットに出て来るロボットが登場して、オーディエンスに向かってワインボトル(Nightrainのボトルなのかな?)を投げるというアニメーションが。

 

オリジナルメンバーがアクセルだけだった時期もスクリーンにはさまざまな映像が流されていましたが、その9割5分くらいが糞ダサい代物で、もしかしたら腕の良い映像担当者を雇う金銭的余裕が無いのでは…と心を痛めておりました。

You Could Be Mineで流れるチープという言葉すらもったいないくらいダサいF1の映像に至っては、これを作って持って来たヤツを足払いでひっくり返して、みんなでYou Could Be Mineを歌いながら足蹴にしたいレベルの酷さ。

あれを流すくらいだったら「しばらくお待ちください」という静止画像を延々と流しておいた方がマシです。

しかし、莫大な予算が使えると思しき今回のリユニオンツアーはすごかった。

映像の本当にクオリティが高くてかっこいい。

Comaに関してはIron Maidenの『Somewhere In Time』感がありますが、あれはあれで良いと思いました。

 

前述の映像がしばらく繰り返し流れた後、スクリーンから突如銃声が。

ガンズロゴのピストルがマシンガンに代わり、そこからも銃弾の嵐。

それが今回のNot In This Lifetimeツアーにおいて開演が近付いている合図だと知るオーディエンスからは大歓声が。

いよいよアクセル、スラッシュ、ダフが揃うガンズを観る事になるのだと思うと、緊張のあまり号泣しながら嘔吐しそうになりますが、そのような醜態を晒すと屈強なセキュリティに急病人として担ぎ出される事となりますので、意味も無く絶叫したりして緊張を無理やり紛らわしました。

 

そして、いよいよ運命の時が。

場内暗転。

 

1996年にスラッシュが脱退し、将棋倒しのようにラインナップが崩壊したガンズ。

ロック界最大の犬猿の仲のひとつとなってしまったガンズ。

アクセルがスラッシュとの再合流を「Not in this lifetime(今生では無いネ!)」とまで言い切ったガンズ。

ロックの殿堂入り式典でオリジナルファイヴとして同じ壇上に上がる事すら叶わなかったガンズ。

もうリユニオンとかどうでもいいから、みんな健康にそれぞれの音楽をやって、数年に一度は来日してくれたらそれでいいから、とまで思ったガンズ。

 

暗闇の中、各メンバーが配置に付くのが見える。

 

この人生ではありえなかった事が

誰かが死んで再現不可能になるはずだった事が

もう諦めていた事が

 

 

ついに今、この目の前に

 

 

照明がステージを照らし、怒号のような歓声の奥から鳴り響くベース音。

このツアーで不動のオープニング曲であるIt's So Easyのベースライン。

ステージを右から左へ見渡すと、たしかにアクセル、スラッシュ、ダフの3人が。

本当に来てくれたんだね…。

 

始まる前までは、あの3人が出て来た瞬間にちんこが 号泣昇天かな…などと思っていましたが、そのような事もなく興奮の嵐。

喉も裂けよとばかりにIt's So Easyを絶唱しておりました。

が、ふと横を見ると、くりこさんが大号泣中。

普段は店員さんを破竹の勢いで恫喝しているQueen Of 恫喝の彼女が泣いている姿を見て、事の重大さを再認識した次第。

まあ、そりゃ泣きますよね。

逆に自分がなんで泣いていなかったのか不思議です。

 

まあ、とにかくオリジナルスリーがかっこいいこと。

目の前で歌い踊るアクセルに失禁寸前です。

続くMr.Brownstoneでは場内を心地よいグルーヴで左右に揺さぶり、ガンズのライヴを観る喜びに4年ぶりに浸らせてもらいました。

鉄板のアペタイト曲2連発の後は、リユニオン後初となったTroubadour公演で披露され、世界中のガンズファンを驚愕させたChinese Democracyへ。

2002年に初めてガンズを観て以降、何度となくライヴで聴いてきた曲ですが、他ならぬスラッシュがメインリフをプレイするのを観て感無量。

スラッシュにとっても、“自分の関わっていないガンズ曲”という意味で、非常に新鮮さを感じる事ができたのではないでしょうか。

アクセルが歌う“自分の関わっていないスラッシュ/ダフ曲”というのも聴いてみたいところですが、今の時点でそれを望むのは時期尚早ですかね。

 

そんなChinese Democracy後半で事件発生。

 

なんと!

アクセルが突如として我々のいるブロックに向かって手を突き出し、激しく手を上下させたのです。

うわっ!なになに!

写真撮るのやめろって事?

 

2017年のライヴ初陣で早くもアクセルの機嫌を損ねてしまったのではないかと戦慄しましたが、そこからの展開は我々の想像の斜め上を行くものでした。

これからどのようなお叱りを受けるのかと身を固くしている我々に向かい、アクセルが取った行動は…

 

 

満面の笑顔でのお手振り!!

 

 

なんなんですか、このおじさんは…。

あまりの出来事に我々がいた一角は全員腰が抜ける始末。

ライヴそっちのけで「何?今の何?」という声が飛び交っておりました。

おじさん、可愛すぎるでしょう…。

 

このツアーを通して目立ったのが、アクセルの可愛すぎる挙動。

前述のお手振りは毎回見受けられましたし、それ以外にも

 

・スタッフ通せんぼ事件(スポットライトの当たらない場所で、ステージ袖に引っ込もうとするスタッフを全力で阻止。たぶん観客の2割も気付いてない)

・ぬこ帽子事件(猫が大量にあしらわれている帽子をかぶって登場。Don't Cryを歌いながら自分で猛烈に照れ笑いをしてしまい、観客全員を大虐殺)

・ダフの肩でひと休み事件(Sweet Child O' Mineのラストで、エンディングに向かってギターを弾きまくるスラッシュの姿を、ダフの肩に腕を置きながら見守る)

松方弘樹R.I.P.)事件(Sweet Child O' Mineのラストで、架空の釣り竿のリールを回して他メンバーを一般釣りしてご満悦)

・Sorry腕振り事件(Sorryのサビで、24時間テレビのラストにおけるサライの如く、左右に腕を振る事を観客に要求。ガンズ史上、最も陽気なSorryが誕生した)

・ノキノンひとり遊び事件(Knockin' On Heaven's Doorの演奏中、前述のSorryのように観客に左右に腕を振るよう要求。が、すぐに自分でリズムを思い切り乱してご満悦)

 

などの50過ぎの中年男性とは思えないような可愛い行動を連発。

ライヴが終わるたびに、「今日のアクセルも異様に機嫌がよかった!」という感想が飛び交っていました。

今までのアクセルのイメージからは想像がつかない行動に戸惑いつつも、ツアーを楽しんでいる雰囲気が伝わってきて嬉しかったです。

リユニオン以前も曲終わりで身体を揺さぶったり、陽気なおじさんの一面は垣間見えていましたが、今回の日本ツアーではそれが特に顕著だったような気がします。

ぬこ帽子アクセル、オフィシャルの映像で残ってたら最高なのにな…。

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(写真:ぬこ帽子で観客全員を虐殺したぬこおじさん)

 

冒頭から歌いまくり騒ぎまくりでライヴを楽しんでいた僕ですが、ついに涙腺崩壊の時間がやってまいりました。

7曲目に演奏された名曲Estranged。

ここでは溢れる涙をこらえる事ができませんでした。

僕のように英語の苦手な人間には耳慣れないEstrangedという単語。

そもそもどのような意味かと調べてみると…

 

es・tranged

/istréindd/
[形]〈夫・妻が〉別居している(主に新聞用語);〈人が〉(心情的に)遠ざかった, 疎遠になった*1;〈表情などが〉よそよそしい

 

と出て来ました。

親密な関係だった者同士が疎遠になってしまった状態、という意味で理解してよさそうですね。

この曲が収録されているのは、バンドが飛ぶ鳥を落とす勢いだった1991年に発表された『Use Your Illusion 2』。

普通に読めば、心が離れそうになっているカップルの関係を歌った曲だと理解する事ができそうですが、僕はこれはアクセルがバンドの行く末を案じている曲だと考えています。

 

「心は老いても 俺はまだ28歳」という歌詞から、アクセルがこの曲に取り組んでいたのが1990年前後だったのではないかと推測できます。

1990年頃のガンズに何が起こっていたのか?

ちょうどその時期、ドラマーのスティーヴン・アドラーが薬物依存の問題でバンドから解雇を言い渡され、『Appetite For Destruction』期のオリジナルファイヴが崩壊しています。

おそらく他のメンバーも同じように飲酒や薬物問題を抱えていたでしょうし、デビューアルバムが天文学的な成功を収めた事により、バンドを取り巻く環境の激変、各メンバーのエゴの肥大、次作へのプレッシャーなどにより、同じ家にメンバー全員で住んで練習に明け暮れていた下積み時代の連帯感は知らず知らずのうちに薄れていったのではないかと推測できます。

 

 

このままではバンドが潰れてしまう

 

 

そんな危機感を抱いたアクセルがラヴソングの形式を借りて書き上げた曲。

それがEstrangedなのではないか。

僕はそう考えています。

アクセルのPersonal babyと評され、あのイジーですら「長い曲なのにすべてのパートがスムーズに流れていて無駄がない」と絶賛する同曲ですが、楽曲の各所に登場する印象的なギターメロディは、アクセルがスラッシュに対して「すげえギターメロディを作ってくれ」と“発注”して出来上がったものだそうです。(歌詞カードには「スラッシュ、キラーなギターメロディをありがとう」とアクセルからのお礼が載っています)

スラッシュのギターメロディが印象的な楽曲は他にもたくさんありますが、わざわざEstrangedだけ発注エピソードが残っているのは何故か?

 

この楽曲に向き合って、俺の言いたい事を汲み取って欲しい

 

そんなアクセルの願いがあったのではないかな、と思ってしまうのは僕だけでしょうか。

アクセルの心情が吐露されていると思われる歌詞について触れていきましょう。

 

 Well I jumped into the river
 Too many times to make it home
 I'm out here on my own, an drifting all alone
 オレはそこを帰るべき家とするために

   何回となく川に飛び込んだ

   オレはここを出て オレ自身の中にいる たった一人で漂流してる

 

アクセルにとっての「帰るべき家」、これはガンズの事でしょう。

俺はバンドを守るために、ひとりで悪戦苦闘しているんだぞ!と他のメンバーに対してのあてこすり的なニュアンスも感じられます。

同曲のMusic Videoでアクセルだけが身体を張って海に飛び込むシーンがあるのは、ここの歌詞に由来しているのではないでしょうか。

「たった一人で漂流してる」というフレーズからは、バンドを運営していくにあたり、アクセルが感じていた孤独を感じ取れます。

 

  If it doesn't show give it time
 To read between the lines

 ここの意味がわからなかったら 時間をかけて

 行間を読み取ってくれ

 

わざわざ歌詞の内容に言及するという手法を取っており、アクセルにとって真意を伝えたい誰かが明確に存在していた事がよくわかります。

 


 I see the storm is getting closer
 And the waves they get so high
 Seems everything we've ever known's here
 Why must it drift away and die

    嵐が近づいてくるのが見える
 波もやけに高くなってきた
 オレ達の知ることのすべてがここにあるのなら
 それを漂わせたまま見殺しにするなんてことはできない

 

直前では「行間を読んでくれ」などと言っておきながら、ここはやけに直接的な表現ですね。

これからバンドが経験するであろう危機について警鐘を鳴らしています。

そして、このバンドがダメになっていくのを見過ごす事はできないという力強い決意。

アクセルがガンズという帰るべき家を守り通すという宣言をしているようです。

 

後年になって、メンバーへのインタビューや関係者の証言などから、各メンバーが保有するバンドに関する権利をアクセルが“強奪”したという事実が明らかになっていますが、どこかの時点でラインナップを守る事よりもバンドの名前を守る事の方がアクセルにとっての優先事項になったのかな…と考えられます。

話題となった「アクセル、Guns N' Rosesの名称買い取り事件」などはその最たるもので、自分がいれば法律的にガンズが成立するという誰にも手出しのできない状況を見事に作り上げました。

 

オリジナルメンバーがアクセルひとりとなった時期には、

 

ガンズのコピーバンド、独裁者、アクセルと愉快な仲間達

 

などと心無いロックリスナーからボロクソに言われていましたが、今回のリユニオンが実現したのは、その手法のすべてが正しかったとは言えないけれど、アクセルが必死にガンズという帰るべき家を守り通してくれたからではないかと思います。

僕は前のラインナップが大好きだったのですが、今回のリユニオンが発表された時、メンバー総入れ替えではなく、アクセルが守って来たバンドにスラッシュとダフが戻ってきた、という形になったのが本当に嬉しかった。

アクセルとディジー以外総入れ替えで、スラッシュ、ダフ、イジー(or ギルビー)、スティーヴン(or イルカおじさん)のラインナップだったりしたら、大喜びで「おかえりなさい!」とは叫べなかったような気がします。

アクセルが今まで頑張って来た事を全部チャラにしちゃうの!?ってガッカリしたはず。

いわゆるハイブリッドガンズと呼ばれるラインナップに落ち着いて本当によかった。

 

 

そんな個人的な思い入れのあるEstranged。

当然の事ながら、それまでの大騒ぎぶりはどこへやら。

唇を噛み締め、涙目になりながら聴いておりました。

(映像作品『Appetite For Democracy』は映画館で2回観ましたが、どちらもEstrangedで涙を流したのが僕です)

 

そして、僕の涙腺がついに決壊したのが

 

 I'll never find anyone to replace you
 Guess I'll have to make it thru, this time
 Oh this time without you

   キミの代わりなんて一生かかっても見つけられるはずがない
   だからオレはこの時を自分でなんとかしなければ
   Oh キミ無しで今は・・

 

「今回はお前たち抜きでやらなきゃいけないようだね」とアクセルが歌うこのパート。

アクセルは花道前方まで出て来て、この孤独な“Without you”という歌詞をマイクに乗せて我々に届けます。

しかし、その歌詞とは裏腹に、アクセルのすぐ後ろにはスラッシュとダフがしっかりと仁王立ちし、「もうお前はひとりじゃないんだよ」とでも言いたげな顔で演奏しているのです。

その姿に気付いた時、もう涙が止まりませんでした。

これはもう反則でしょう。

 

実はこの演出(なのかな?)に気付いたのは神戸公演だったのですが、それ以降の公演においてもアクセルが“Without you”という言葉を発する時には同じフォーメーションを取っていました。

その度に涙腺が危うくなり、この曲を聴いた5回中3回は涙を流すという有様。

おじさん達には本当にしてやられました。

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(写真:かっこよすぎるおじさん3人組)

 

ふと気が付けば、もう10000万字近くを費やしてしまいましたね。

ほとんどEstrangedについての妄想に近いような個人的な思い入れに終始してしまいました。

前回予告した大阪での奇跡やライヴの全体的な感想、その他もろもろのエピソードについては次回以降の記事に譲りたいと思います。

ここまで読んでくださった方、本当にありがとうございました。

街中で僕を見かけても、「このEstranged号泣おじさんがっ!」などと罵声を浴びせながら空き瓶などを投げないようにしてください。

イジメ、ダメ、ゼッタイ。

*1:from ...

Welcome Back To The Japangle Part 1

みなさん、生きてますか。

とんでもない2017年最初の1ヶ月でしたね。

残り11ヶ月をどうやって生きていったらいいんですか。

冒頭にいきなりクライマックスをぶち込まれても困るんですよ。

 

という訳で僕です。

待望の…という形容詞が陳腐に感じるほど待ち侘びたGuns N' Roses日本ツアーを観てまいりました。 

彼らが3都市以上を回る日本ツアーを敢行するのは2007年夏以来。

今回は大阪、神戸、横浜、さいたまの4都市5公演を9日間で駆け抜けるというスケジュール。

関係各所を拝み倒して休みを取り、総額20万円を超えるチケット代に青息吐息となりながらも全5公演完走する事ができました。

各公演の詳細なライヴレポなどは僕の力量では不可能なので、自分の眼を通して見た今回の日本ツアーについて思いつくままに書いていきたいと思います。

非常に長くなりそうなので、できれば何回かに分けて書いていきたい気持ちのマイハートです。

 

 

2017年1月20日(金)

 

一生忘れられないであろう9日間はこの日の夜から始まりました。

完全にうわの空で仕事を終え、前日から職場のロッカーに入れておいた私服に着替えると、何度も何度もチケットを確認してから品川駅へ。

現地で友人のくりこさん(元ソフトボール部)と合流し、駅弁とビールを手に意気揚々と新幹線に乗り込みます。

思えば2007年の日本ツアーを一緒に回ったのも彼女でした。

約10年ぶりのガンズおっかけだと思うと、時の流れの速さを実感いたします。

 

僕もくりこさんもアクセルとスラッシュが並び立つ姿を観るのは初めて。

ビールを飲みながら明日のライヴについて語らっていると、新幹線はついに運命の地 新大阪駅に到着。

この時点で時刻は21時半頃でしたが、とりあえずホテルにチェックインを済ますと、そこからロックバーを2軒ハシゴ。

2軒目に訪れた老舗ロックバーでは、カウンター前に山村紅葉に酷似した人物が立っており、「うわー!ミステリーの女王の愛娘やー!」などと驚愕したのですが、よく見ると元Faster Pussycatのブレント・マスカットが遊びに来ていただけであり、ものすごく上機嫌で写真撮影などに応じていました。

Faster Pussycatなど微塵も聴いた事がないであろうくりこさんも「デビュー当時からのファンです」とでも言いたげな顔をしてツーショットを撮ってもらってご満悦。

初日からロックスターに遭遇するという幸先の良いスタートを切る事ができました。

なんやかんやでホテルに戻ったのが午前3時過ぎ。

今になって思えば、睡眠時間の少ない9日間はここから始まったと言っても過言では無い…。

 

 

2017年1月21日(土)

 

Guns N' Roses日本ツアー初日 京セラドーム公演当日。

体調を崩す事なく、無事にこの日を迎えられた事に心から感謝しました。

万が一の事があってはならぬと、こまめにうがい手洗いに勤しみ、よく火が通った食べ物しか口にせず、保険適応外で処方してもらったタミフルを飲み、段差での転倒や交通事故などに細心の注意を払って生活してきた甲斐があるというものです。

朝食を手早く済ませると、同じホテルに泊まっていたフォロワーさんも誘って3人でタクシーに相乗りして京セラドームへ向かいます。

ちなみに今回2泊した梅田某所にあるビジネスホテルですが、検索エンジンでホテル名を検索すると「ホテル名 幽霊」という素敵なワードが浮かび上がり、怖がりなくりこさんを恐怖のどん底へと突き落としていました。

 

関東では絶滅したはずの二重駐車という道路交通法どこ吹く風な荒業をタクシーの車窓から目撃し、「やっぱり大阪はすごいナー」などと感心しているうちに京セラドームに到着。

閑散としていた2009年の同会場公演の光景が嘘のように、数多くのファンが早くから集散し、特設ボードの前で記念撮影などに興じていました。

サポートアクトのBABYMETAL効果もあるのでしょうが、この様子ならガラガラの客入りに気まずい思いをする事もなさそうです。

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 (写真:撮影スポットや待ち合わせ場所に大活躍の大型看板)

 

スタンディングエリア30000円(公演により若干の差あり)という強気の価格設定が話題となった今回のツアー。

VIPスタンディングと銘打たれたチケットですが、実際には単なるスタンディングエリアの入場券であり、3万円払った人達が押し合いへし合いでボロ雑巾のようになるというVIP=Very Important Personの語義を根本から覆すキチガイのような 画期的なアイデアに驚嘆した次第です。

さらに熱心なファン向けにアップグレードチケット3種類まで販売され、我々の家計は破綻寸前にまで追い込まれる危機的状況。

記念すべき初日は最高の環境で体験したいと思い、約70000円を投じてアップグレードAを購入いたしました。

20世紀最大の音楽家のひとりとして永遠にその名を残すであろうポール・マッカートニー卿の来日公演18000円を3回観てもまだ余るという狂気の値段設定ですが、今回のリユニオンが実現するまでは「アクセルとスラッシュがいるガンズを観れるなら50万出してもいい!それでも安い!」などと嘯いていた僕です。

余裕の表情を浮かべながら、冬のボーナスを見込んで次々とアップグレードチケットを購入し、朝昼晩と醤油を染みこませたポケットティッシュを食べるという日々を送りました。

ちなみにアップグレードチケットの最上位であるAは、

 

・バックステージツアー(ステージ上での記念撮影付き)

・特設ラウンジでの飲食の提供

・グッズの優先購入

・専用エリアへの優先入場

・おみやげ

 

などの権利が付属しており、目玉であるバックステージツアーはファンならば一度は夢見た事があるであろうプレミア感のある企画。

さすがに全公演Aだと確実に破産するので、神戸は指定席、横浜およびさいたまはVIPスタンディングを優先入場権が付属しているCにアップグレードするという作戦で、出費を抑えつつ最前列を狙っていく事にしました。

結果的にこの作戦が功を奏し、大阪、横浜、さいたま初日を最前列で観る事に成功。

決して法外な値段ではなかったと思えるほどの満足感を覚えました。

 

先物販開始の時間が近付いてきたので、アップグレードAB(Cだけは優先販売の対象外)が集まる専用列へ。

並んでいたのは約20名ほどだったでしょうか。

地獄のようなBABYMETAL行列を尻目に、まったくストレスを感じる事なく買い物を完了いたしました。

事前の計算では物販でも正気の沙汰ではない金額を使う見込みだったのですが、蓋を開けてみれば全5公演で5万円未満に抑えるという大ファインプレイ。

持ち帰りが大変そうなリトグラフなどを諦めたのが功を奏した結果のようです。

ちなみに僕の周りの最高額は10万円弱。

ちょっとした家賃のような金額をティーシャーツなどに費やす漢気に乾杯しましょう。

 

お目当ての品を購入し、物販ブースから脱出して来た我々。

一般列に並んでいるフォロワーさんに挨拶をしに行く事といたしました。

買ったばかりのグッズを片手に一般列へ向かうと、そこには出荷を待つ家畜のように 日本人らしく整然とした長蛇の列が。

その先頭にいるのが某GN'Rトリビュートバンドのアクセル役とスラッシュ役のお二方。

聞けばアクセル役のお方は朝8時から並んでいるとの事。

この時点ですでに5時間ほど並んでいる計算になります。

開場時間はさらにその3時間後。

のっけからこんなに無茶をして体力が保つのか他人事ながら心配になります。

 

このエピソードには後日談がありまして、先頭に並んでいた(有)石井商会あくせるさん(面倒なので実名を出します)は、グッズを購入した僕とくりこさんが余裕の笑みを浮かべながら近付いて来る姿を見て、「あ。すべてをお金で解決する人達だ。憎い。非常に憎い」と修羅の心境となり、その場で他公演のアップグレードBを購入するという荒業で物販行列問題を金銭で解決したそうです。

ちなみに石井商会あくせるさんは、奥様にバレないようにカードの締め日などを入念に確認してから各種買い物を済ませる慎重派。

さいたま公演初日の終演後、Knockin' On Heaven's Doorの合唱パートでスクリーンに大写しになった事を喜びつつも、

 

「カミさんには指定席だと言ってあるので、あの映像が世に出たらまずい事になる」

 

と非常に深みのある表情で語っていた姿は、今回の日本ツアーにおける個人的MVPとして永遠に記憶の中に留まり続けるでしょう。

良い子のみなさん、将来はこういう気の毒 素敵なおじさんになれるように頑張ってくださいね。

 

関西ガナーのみなさまや他地域からの遠征組のみなさまに挨拶しているうちにアップグレードAの入場時間に。

誓約書にサインをさせられた上、身分証を確認されるなど物々しい雰囲気にビビりつつも、無事に手続きが終了し、リストバンドを巻いてもらっていよいよ京セラドームの中に足を踏み入れました。

バックステージツアーの準備が整うまで会場内待機です。

ちなみに期待していたおみやげはベースボールキャップ

ただでさえベースボールキャップなどをかぶるキャラではないのに、誇らしげに刺繍されたVIPの文字がキツさに追い打ちをかけます。

これがあと3個も我が家に来るのか…と思うと目眩すら覚えるレベル。

アメリカツアーは写真集とか入っててすごく豪華だったのにー。

大満足だった今回のツアーで数少ない不満点がこのおみやげ。

少なくとも僕の周りで喜んでた人はいなかったですよ。

 

まあ、そんな不平不満はさておき、話をバックステージツアーに戻しましょう。

係員の先導で列が動き出し、スタンド席の階段からグラウンドへゆっくりと降りて行くアップグレードAチーム。

緊張のあまり足が震え、このまま階段から転げ落ちて四肢を複雑骨折、1公演も観れずに奇跡のリユニオンツアー終了、己の骨がリユニオンするのを待ちわびる日々…という悲劇が起こるのではないかと真剣に心配していた事を告白いたします。

 

グラウンドに鎮座する巨大なステージセットや整然と並べられた膨大な数のパイプ椅子、そして四方を取り囲んだ無人のスタンド席という光景はまさに圧巻。

学校の社会科見学などもそうですが、普段は入れない空間に入れてもらうという体験は非常に興奮しますね。

数時間後にはこの空間が何万という人々で埋め尽くされるのだと思うと、かろうじて静けさを保っているこの瞬間が非常に貴重なものに思えました。

 

アリーナ席、スタンディングエリアを通り過ぎ、さらにはステージセットまで通り過ぎ、客席からは窺い知る事のできない裏手へ回る我々。

先程までは日本人スタッフの姿が目立ちましたが、裏手に回るとそのほとんどがガンズ側スタッフと思しき外国人ばかり。

バンド側の領域に足を踏み入れたのだナーと緊張感が高まります。

 

そして、ステージ裏に設置されたスロープを登ると、少し前までガンズメンバー達がサウンドチェックをしていたであろうステージに出ました。

ドーム公演なので当たり前の話ですが、とにかくデカい。ひたすらにデカい。

端から端まで何メートルあるの?と言いたくなるような大きなステージで、こんなところで息の合った演奏をするプロのミュージシャンって本当に凄いな、という素朴な感想を抱いたのが僕です。

すぐに写真撮影が始まったので機材をじっくり見ている時間はなかったのですが、ディジー・リードのキーボードにDFR(Dizzy Fuckin' Reedの略かな)という文字が入っていたのと、ステージモニターのひとつにGuns N' Roses AC/DCという文字がプリントされていたのが印象に残っております。

余談ですが、ステージ上から素早くスタンディングエリアの形状を確認し、確保したいポジションの目星を付ける事も忘れませんでした。

 

ステージ最上段に並ばされ、流れ作業的に記念写真をバシャバシャ撮られる我々アップグレードAチーム。

後日、出来上がった写真を見ましたが、驚くほど引きの構図となっており、可能な限りズームしても「あ。これは俺だね」程度の1枚となっておりました。

バックステージツアーに同行したスタッフさんからは撮影禁止を厳命されていたのですが、特別に自撮りを1枚だけ許可するという太っ腹なんだか何なのかよくわからないお許しが出たため、ガンズのロゴが映し出されたスクリーンをバックに自撮りさせていただきましたよ。

が、スクリーンが巨大すぎて、どんなに腕を伸ばしてもロゴの全体像をフレームに収める事は不可能。

ステージ上での自撮り感が微塵も感じられない1枚がスマホに保存される事となりました。

 

最大の目玉であるバックステージツアーが終わり、次はParadise Cityラウンドと名付けられた飲食スペースへ。

ここではアルコール類を含めた飲食物が無料で提供されるのですが、最大の懸念事項であるトイレ問題を危惧した僕とくりこさんはコップ1杯の水しか口にしないというストイックさを発揮。

基本的にはビールがあればいくらでも飲んでしまうのが我々ですが、ガンズのライヴを目の前にするとここまで自制心が働くものかと自分自身でも感動いたしました。

やればできる。

「約7万円の水。約7万円の水」と念じながら飲んだお水の味は格別でした。

 

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 (写真:飲み食い自由のパラダイスことParadise Cityラウンジ)

 

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 (写真:Paradise Cityラウンジ内で唯一の見所)

 

楽しげに飲み食いしている人達を尻目に、まるで計量直前のボクサーのように1gでも減らそうとトイレで水分を絞り出すこと数回。

ついに入場の時がやってまいりました。

しかも、今回は整理番号1番という奇跡が起こり、アリーナに最初に足を踏み入れるのが他ならぬ自分な訳であります。

生まれて初めての整理番号1番がガンズだなんて夢にも思いませんでした。

そもそも、こういう番号っていうのは業界にコネがあったり、反社会的組織のお方だったりしないと手に入らないものだと思っておりました。

ガンズの公式ファンクラブNightrainに感謝しないといけませんね。

50ドルのティーシャーツを送ってくるだけのファンクラブとか言ってすいませんでした。

 

Paradise Cityラウンジを出て、スタッフに先導されながら再びグラウンドへ向かう我々。

緊張のあまり腰が抜けてその場にへたり込み、整理番号1番なのに全員に抜かされるなどという失態を晒す事の無いよう気を確かに持って一歩一歩確実に進んでいきます。

頭の中ではMegadethの名曲“Crush 'em”の「Enter the arena and hit the light」というフレーズが延々とリピートされ、身体の震えが止まりません。

今日はとにかくアクセル前狙いという事だけは決めていたので、入場したら黒豹のような俊敏な動きでお目当てのポジションへ走り込むだけです。

 

アップグレード組専用のエリアの目の前まで来ると、左右に分かれたブロックのどちらを選んでも良いという内容の説明を受け、いよいよ入場スタート。

迷う事無く右手ブロック、つまりスラッシュ側を選択し、アクセル前の柵に飛び付く事に成功。

あまり運動神経の良くなさそうなくりこさんも無事に僕の隣りをゲットしました。

ほどなくしてアップグレードCの入場も始まり、見知った顔が次々と最前列の柵を確保する姿に心の中で大拍手。

朝8時から物販に並んでいた石井商会あくせるさんも最前列をゲットしたひとりでしたが、入ってきた時点でもう死にそうな顔をしており、アップグレードで優先的に買えた喜びに改めて浸る事ができました。

石井さん、その節は誠にありがとうございました。

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(写真:とにかくアクセルを近くで見たい一心で確保したステージ前)

 

と、ここまで書いた時点で約6500文字。

ライヴにたどり着く前にパート1終了となりました。

次回はライヴを観ながら思った事を中心に書きたいと思います。

そして、大阪で起こった奇跡とは!?

パート1だけで終わらないように頑張りたい。

 

「ここまで読ませて開演すらしてないんかーい!」という批判は甘んじて受けます。

では、おやすみなさい。

君はWe don't need no educationと歌った

どうも。

薄々お気付きかもしれませんが、僕です。

2016年師走、いかがお過ごしでしょうか。

 

それにしてもアレですよね。

社会生活を送る上で、非常に邪魔くさい輩っていますよね。

そう。具体的に言えば、歩き煙草の馬鹿、傘水平持ちのキチガイ、電車巨大リュックの非国民などです。

あんなもの世が世なら切り捨て御免でセイグッバイといったところですが、法治国家ではなかなかそうもいきません。

 

それではどうすればいいのか。

その答えはズバリ

 

教育

 

それしかないでしょう。

子供の頃から歩き煙草、傘水平持ち、電車巨大リュックなどの蛮行は許されざる社会悪であるという認識を持たせる必要があります。

とはいえ、親や教師が熱心に説いたところで相手は子供。

糠に釘、暖簾に腕押し、ということにもなりかねません。

子供が興味を抱くツールを用いて教育的効果を得るべきなのではないでしょう。

そのツールとはなにか?

わたくしはズバリ

 

童話

 

だと考えております。

百聞は一見にしかず。

サンプル代わりに一話こしらえてみました。

よろしくお願いします。

 

 

 

『はたらきアリとキリギリス』

 

 

はたらきアリたちは毎朝電車に乗ってお仕事に行きます。電車の中はたくさんのアリたちでぎゅうぎゅうです。

でも、そんなにつらくはありません。他のアリの迷惑にならないように、みんながおたがいに気をつかっているからです。

 
今日もはたらきアリは電車に乗ってお仕事に行きます。
駅につくとドアが開いて、またたくさんのアリが乗って来ました。
ドアが閉まり、電車が動き始めると、どこからか「いたいっ」という悲鳴が聞こえてきました。
いったいどうしたのでしょうか。
 
声の主はいっぴきのはたらきアリでした。
とても痛そうな顔をしています。
そのとなりにはいっぴきのキリギリスが立っています。
大きな大きなリュックサックを背負っています。
このリュックサックがいきおいよくアリにぶつかったようです。
 
「キリギリスさん、そんな大きなリュックサックを背負ったまま電車に乗ったらあぶないよ」
「電車に乗るときはからだの前にリュックサックを抱えないと迷惑になるよ」
 
周りのアリたちが口々にキリギリスに文句を言いました。
しかし、キリギリスは聞く耳を持ちません。
 
「ぼくはね、君たちとちがってこれから遊びに行くんだよ。遊ぶための道具がたくさん入っているのさ。」
 
その次の日もその次の日も、キリギリスは大きなリュックサックを背負って電車に乗って来ます。
アリたちはキリギリスのリュックサックにぶつかられたり、押しつぶされたり、さんざんな目にあってしまいました。
 
そんなある日、いつものようにアリたちとキリギリスが電車に乗っていると、とつぜんガタン!という音がして、すごいしょうげきが乗客をおそいました。
なんということでしょう。
電車が脱線してしまったのです。
電車は横向きにたおれ、線路のわきにとまりました。
 
「いたたたた。みんな、だいじょうぶか?」
 
リーダーのアリが立ち上がり、他のアリたちを助け起こして回ります。
少しけがをしているアリはいましたが、どうやらみんなだいじょうぶだったようです。
ほっとしたのもつかのま、どこからかアリのさけび声が聞こえました。
 
「火事だ!にげろにげろ!」
 
たいへんです。
黒いけむりがもくもくとあがっています。
しかし、横倒しになった電車のドアは開きません。
どこから外に出たらいいのでしょうか。
こわくてこわくて泣きだすアリもいました。
 
「ここから出られるぞ!」
 
リーダーのアリがさけびました。
ぶつかったはずみでできたのでしょうか。
電車の天井だったところに、なんとか通りぬけられそうな穴が開いています。
 
のんびりしているひまはありません。
アリたちは巣に戻るときのように列をつくり、スイスイと穴を通って外にでました。
みんな逃げることができたので、リーダーのアリも外にでました。
 
「よかったよかった」
 
みんなでぶじをよころんでいると、いっぴきのアリがいいました。
 
「あれ?キリギリスはどこだい?」
 
まわりをさがしましたが、キリギリスはどこにもいません。
逃げおくれてしまったのでしょうか。
 
「おーい!キリギリスやーい!」
 
みんな、あわててキリギリスの名前を呼んでいます。
けむりはどんどん大きくなり、今から水をくみに行っても間に合いそうありません。
もうダメかと思ったそのとき、穴からキリギリスの声が聞こえました。
 
「おーい!たすけてくれー!」
「よし!たすけてやるぞ!」
 
アリたちは穴に手を入れ、ちからを合わせてひっぱります。
 
「よいしょよいしょ」
 
穴からキリギリスの頭が出ました。
 
「よいしょよいしょ」
 
穴からキリギリスの右手が出ました。
 
「よいしょよいしょ」
 
穴からキリギリスの左手が出ました。
 
「よいしょよいしょ」
 
キリギリスのからだは出てきません。
アリたちはさらにちからを合わせてひっぱります。
 
「よいしょよいしょ」
「いたいいたい。からだがちぎれる」
 
キリギリスがひめいをあげます。
 
「よいしょよいしょ」
「あついあつい」
 
キリギリスがひめいをあげます。
がんばっていたアリたちもあまりのあつさにがまんができなくなりました。
 
「こりゃたまらん」
 
電車ははげしくもえあがり、かわいそうなキリギリスのすがたは見えなくなってしまいました。
そのとき、アリたちはきづきました。
 
「キリギリスのからだが出てこなかったのは」
「リュックサックがじゃまだったんだ」
 
なんということでしょう。
かわいそうなキリギリスは、リュックサックのせいで逃げおくれてしまったのです。
アリたちの言うことを聞いていれば、こんなことにはならなかったのに。
 
 
アリたちは今日も電車に乗ってお仕事に行きます。
リュックサックを背負ったアリはいっぴきもいないようです。
 

 

 

 

いかがでしたか。

巨大リュックの罪深さを少しでも感じ取ることは出来たでしょうか。

仮に全国の小学校にこの作品を置いた場合、わたくしの懐にはいくら入るのか。

それだけが気になっております。

よろしくお願いします。

November Rainに濡れたNovember

どうも。僕です。

ふと気が付けばもう師走。

残りひと月ほどとなった2016年、みなさまにおかれましてはどのような年だったでしょうか。

 

我々ガンズファンにとっては、本当に生半可な言葉では言い表せないほどのビッグイヤーになりましたね。

去年から噂はちらほら出ていて、だんだんと外堀が埋まってきた感はあったものの、やはり年明けにスラッシュ&ダフの復帰が発表された時は「ついに歴史が動いた!」と震えました。

リユニオンが発表された夜、渋谷のタコベル(タコス専門店。アクセルの大好物)に集まり、ガンズファンのみなさんとお祝いをしたのですが、「アクセル、こんなの食ってて痩せる訳がねえ…」と心配になるような見事なまでの高カロリー飯。

ライザップをやれとは言わないけれど、せめてタコベルは月1くらいにしておけと言いたい。

 

莫大な興行収入を叩き出しながらアメリカ大陸を熱狂の渦に叩き込んだ『Not In This Lifetime』ツアー。

年明けにはいよいよ日本上陸です。

この瞬間を何年待ったことでしょう。

アクセルとスラッシュ、そしてダフが並び立つ光景を観た後、ついに夢が叶ったと燃え尽きてしまうのか、はたまた更にガンズ熱が高まるのか。

自分がどのような心持ちになるのかまったく想像できません。

オープニングのIt's So Easyで絶命昇天しないことを祈るばかりです。

 

あと、2002年~2012年のガンズ来日公演を「ガンズ?スラッシュいないんしょ?観る価値無し」などとほざいてスルーしていた方々。

今回はどうするのでしょうか。

などと底意地の悪いことを言っておりますが、世紀のツアーなのでひとりでも多くのガンズファンに集まっていただきたい。

観れるはずのなかったものが観れるなんて素敵じゃないですか。

 

 

そんな具合で来日に向けてガンズ熱が高まっている今日この頃。

「今会いに行けるGuns N' Roses」(勝手に命名)ことGunmen Showersさん(通称 ガンシャ)のライヴを観に行ってきました。

今年最後のライヴとなるワンマン公演。

会場は日本屈指のお洒落タウン代官山のライブハウス『晴れたら空に豆まいて』。

だっさいコートの下にGuns N' Roses公式ファンクラブNightrainのだっさいティーシャーツを着込み、コンプレックスで濁りきった眼をしながら代官山の駅に降り立ってやりましたよ。

 

ライヴに先立ちまして、いかにも代官山という雰囲気の洒落た和菓子屋さんで、とある集まりが。

約1時間半に渡ってガンズ話に華を咲かせました。

詳細については控えますが、非常に貴重な体験をさせていただきました。

ちなみに団子が美味しかったです。焼きたての団子の柔らかさ、ヤヴァイ。

 

和菓子屋さんを出て、友人のくりこさん(Master Of 恫喝)と合流。

開場の17時半までは今しばらく時間があるため、文筆家の志村つくねさんもお誘いして近くのお店でビールなぞを飲むことに。

とはいえ、持っている衣類の8割がバンドティーシャーツというわたくし。

こんなお洒落タウンで気軽に入れるお店を知っている訳がありません。 

しかし、そこはさすがのくりこさん。

代官山に似つかわしくないビールの安いお店をすでにリサーチ済みでした。

出来る女です。

 

ある種の障害レベルで方向音痴のくりこさん。

Googleマップという文明の利器を凝視しながら移動開始です。

この人は地図があっても当たり前のように迷うので、「方向合ってる?」「マップ上の丸印動いてる?」としつこいくらいに確認して万全を期するわたくし。

この冷たい11月の雨の中、わたくしとくりこさんだけならまだしも、志村さんまで路頭に迷わせてしまう訳にはいきません。

 

Googleマップを起動させたスマホを片手に、何かに導かれるように代官山の街を我が物顔で進んで行くくりこさん。

「次の大きい通りを左折だよ」と目的地が高いことを我々に告げます。

 

が、いつまで経ってもその大きい通りが見えてきません。

非常に嫌な予感がします。

「大丈夫?現在位置わかってるんだよね?」と訊くと…

 

 

「あっ!反対側に来ちゃった!」

 

 

なんなんですか、この役立たずの女はこの驚異の方向音痴ぶりは。

気が付いたら柔道の払い腰の要領でくりこさんを代官山の往来に打ち捨てておりました。

中島みゆきの名曲『わかれうた』の歌詞の如く、路に倒れて誰かの名を呼び続けるくりこさん。

志村さん、その節は本当に申し訳ありませんでした。

 

このような方向音痴の愚か者にこれ以上頼るわけにはいきません。

仕方がないので近くでビールを飲めそうなお店を探すことに。

もちろん代官山などというお洒落タウンに土地勘は皆無なので、来た道を戻りつつ、それらしいお店を物色します。

しかし、カスみたいなデザインのバンドティーシャーツに身を包んだ我々には敷居の高いお店ばかりで、店のドアを開けた瞬間にテクノカットのボーイに猛烈な前蹴りの連打で追い出されそうな予感しかしません。

くりこさんも「こんなお洒落な建物は手抜き工事で倒壊して欲しい」などという意味の呪詛を繰り返し呟いている始末。

 

くりこさんの方向音痴のせいでビール1杯飲めないのかよ、と非常に悲しい心持ちとなり、改めて払い腰で投げ捨てようかと思ったその刹那、華やかな表通りからは隔絶されたような昔ながらの横道にたこ焼き屋があるのを発見。

まさに砂漠の中のオアシス。

まさにしらす干しの中の小さい蟹。

ビールを飲みたい一心でたこ焼き屋へ駆け寄る我々。

こんな素敵なスポットがあるなんて代官山も捨てたもんじゃありません。

 

が、その店構えを目にして愕然。

なんと店の中に座席は存在せず、注文カウンターの前にテーブルと椅子がいくつか並べてあるという野ざらし営業スタイル。

天気の良い昼下がりならいいのでしょうが、冷たい雨の降りしきる夕刻にふさわしい雰囲気ではなさそうです。

 

「馬鹿じゃないんだから、こんな寒いのに野外は無理だよっ!」

 

と吐き捨てて立ち去ろうとしたのですが、冷たい雨の降りしきる夕刻に野外でたこ焼きを食べている気の毒なフォロワーさんを発見。

前言を速やかに撤回いたしました。

どうやらお洒落なお店ばかりで気後れしてしまい、ここに腰を落ち着けるしか選択肢が無かった模様。

笑顔で挨拶してくれましたが、その心の中では血の涙を流しているのが見えました。

代官山、本当に罪深い街です。

 

その後、ビールを飲ませてくれるお店(屋根付き)を見つけ、2杯ほど補給することに成功。

やはりロック話をしながら飲むビールの味は格別です。

大阪出身の志村さんから大阪城ホールで観るライヴの楽しさについてご教示いただき、好きなバンドの大阪城ホール公演を観に行くという新たな目標が生まれました。

Aerosmithあたりで達成できたら嬉しいナーなどと思っております。

 

そうこうするうちに開場時刻を回ったので、ビールを飲み干して『晴れたら空に豆まいて』へ。

初めて来る会場だったのですが、フロア後方にお座敷が2箇所あるなど一風変わった造りでした。

詳しい方がおっしゃるには、普段はシンガーソングライター系のアーティストなどで演奏している会場だそうで、ガンシャさんのようなハードロックバンドが出演するのは珍しいんだとか。

 

少し順番が前後してしまいましたが、チケット代金を支払って会場内に入ると、ピクセル(いわゆるドット絵)で描かれたアクセル、スラッシュ、ダフが我々を出迎えてくれました。

見てください、この可愛さを。

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作者はピクセルアーティストtakekiyoさん。

Twitterをやっている方であれば一度は目にしたことがあるかもしれませんが、ガンズに限らず様々なミュージシャンを可愛らしくピクセル化した作品を発表されている天才アーティストです。

ガンズの『Appetite For Destruction』のスカルクロスをピクセル化したティーシャーツはまさに珠玉の出来。もう1枚買っておけばよかったと思うほど気に入っております。

takekiyoさんご本人はとっても気さくな方で、わたくしのTwitterアイコンがアクセル&スラッシュに挟まれているというデザインのポストカードをプレゼントしてくださいました。

ありがとうございました。大切にします。

 

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takekiyoさんのガンズ愛溢れるアートを堪能した後は、今年ガンズ・アンド・ローゼズとの30年』を出版された音楽ライター増田勇一氏によるDJタイム

言わずと知れた日本におけるガンズの第一人者であります。

あのアクセル・ローズにインタビューをした数少ないジャーナリストといえば、その凄さが伝わるのではないでしょうか。

わたくしは増田さんが編集長だった時代の『Music Life』を読んで青春を過ごした人間ですので、2年ほど前に某ロックバーで初めてお会いした時は本当に感激いたしました。

その尊敬する増田さんと敬愛するGunmen Showersのコラボレーション。

どう考えても素敵な夜になる予感しかいたしません。

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 (写真:このままtrfに加入できそうなDJスタイルを披露する増田さん)

 

バーカウンターでビールをもらい、フロア前方のテーブル席を確保。

テーブルにはキャンドルの炎が揺らめき、非常に良い雰囲気であります。

スペシャルゲストDJ増田さんの1曲目は…

 

Nine Inch NailsのHead Like A Hole!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

好みすぎる選曲にテンション上がりまくる我々。

自然と身体が揺れ、口は知らぬ間に歌詞を追っていました。

その後もJane's AddicitonやAlice In Chainsなどの名曲オンパレード。

詳しい選曲については増田さんご本人がアップをしてくださっているので、そちらをご参照ください。

 

note.mu

 

すでにお気付きかと思いますが、ガンズファンであればその関係性を指摘できるバンドや楽曲が並んでおります。

中でも増田さんが「最近のバンドに聴こえなかったでしょ?」としてやったりだったのが、UK出身の新世代グラムロックバンドThe Struts

リユニオンガンズの北米ツアーでオープニングバンドに抜擢された期待の若手バンドであります。

来年2月には初となる日本ツアーを控えている彼ら。

のちのち「ストラッツをあんな小さな会場で観れたなんて奇跡だよね!」というレベルのバンドに成長するポテンシャルを間違いなく秘めているので、気になっている方は是非とも足を運んでみてください。

 

 

増田さんのDJセットラストはAC/DCのSin City。

曲が終わると場内の照明が落ち、ステージを覆い隠していたスクリーンが上昇して行きます。

ステージ上のメンバー達はすでに準備万端。

ベースのDuffyさんが勢い良く刻み始めたベースラインは…

 

Right Next Door To Hell!!!!!!

 

本家ガンズでは限られた時期にしか演奏されていない曲ですが、ファンの間では人気の高いスピードチューン。

ここで一気に勢い付いたガンシャさんは、Welcome To The Jungleを皮切りに『Appetite For Destruction』ナンバー5連発。

一見さんの多いイベントなどで ガンシャさんが良く使う手法ですが、これをワンマンでやると更に場内が熱くなることがよくわかりました。

 

Out Ta Get Meの前には「この曲を君達を抑えつけようとする連中に捧げるよ。君達にどう生きるべきか、何を着るべきか、どう話すべきか、口にしていい事と悪い事、そんなのを教えてくれる連中さ。個人的にはそんなのはちっとも必要としてないね。そんなクソみたいな連中は俺の人生には不要なんだよ」というアクセルの神MCも披露。

この神MCを見たい方は88年NY Ritz公演を是非。

You're CrazyはNaxlさんの「これでもくらえ!」でスタート。

この方は本当にアクセルを良く研究しているナーと感心します。

 

『Appetite For Destruction』5連発の後は、92年の東京ドーム公演でアクセルがやったのと同じ、「新しいビデオの曲だ」というMCに導かれてDon't Cryへ。

Izzlyさんのイントロアルペジオで場内がメロウな雰囲気に一変。

最後のパートでスタジオ版のように音を伸ばすNaxlさんも良かったナー。

 

Pretty Tied UpとMy Michelleで再びハードにロックした後は、Gunmen Showers恒例のお楽しみコーナーへ。

そう。DuffyさんのMCの時間です。

「はいっ。そういったわけでございましてね!」というお馴染みのフレーズを枕詞に、某携帯電話会社への恨みつらみを悲痛な表情で語るDuffyさん。

テレビCMでは、加入者には牛丼やらアイスクリームやらの無料クーポンが贈呈されるなどと景気の良いことを言っておりますが、Duffyさんのところには一度もメールが届いたことが無いとのこと。

ギターのGaslashさんがアイスをもらったことを知ると、「友達やめようかな…」と悲しげに吐き捨てるなどバンド存続の危機を迎えましたが、その怒りは疾走パンクチューンAttitudeを絶唱して解消することに。

 

お前の言うことなんて信じられねえよ

お前がそんな態度のヤツだからさ

 

まさにDuffyさんの心境そのものでしょう。

某白い犬の携帯電話会社さん、Duffyさんにも無料クーポン送ってあげてください。

よろしくお願いいたします。

 

そしてGaslashさんのスパニッシュソロ、それを盛り立てるMadlerさんのダイナミックなドラミングが見せ場のDouble Talkin' Jiveを経て、陰鬱なアルペジオの調べと共にCivil Warがスタート。

この流れは92年の東京ドームを意識したもので、ガンシャさんメンバー的にも思い入れがあるとのこと。

つい先日、メキシコにて幕を閉じたガンズのラテンアメリカツアーにおいて、この曲の歌詞を変えてトランプ次期アメリカ大統領を非難するという場面があったようですが、世界情勢の緊迫度が増す中、この曲がオバマ政権時代以上にリアルに響く世の中がやって来ないことを祈るばかりです。

 

戦争の欺瞞を鋭く糾弾するCivil Warに続くのは、『Appetite For Destruction』の最後を飾るダンスチューンRocket Queen

重心の低いグルーヴィーな演奏でオーディエンスを横に揺らした後は、一気に希望へ満ちたパートへと展開。

Naxlさんのアクションに合わせ、客席でも無数の拳が突き上げられます。

最後のパートを見事に歌い上げ、Gunmen Showers第一部終了。

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この日のライヴは2部構成となっており、第2部の開幕までは再び増田さんのDJタイム

ハード系の曲で攻め立てたオープニングのDJとは趣向を変え、今度はメロウな曲が多めのチョイスとなっておりました。

しかし、ガンズと関連のある楽曲またはバンドという点は一貫しており、ただのBGMとして聴き流すのは不可能なプレイリスト。

Pink FloydのWish You Were Hereは名曲だナー、と改めて思いました。

 

先月、感動的な来日公演を終えたばかりのManic Street Preachersの大名曲Motorcycle Emptinessで血の涙を流し、息も絶え絶えとなった頃にGunmen Showers第2部の幕開け。

第1部と同じように白いスクリーンがゆっくりと上がり、徐々にステージの様子が見えてきます。

が、先ほどと何かが明らかに違う。

ステージ中央に鎮座した黒光りする巨大な物体は…

 

グランドピアノ!!!!!!!!!!!

 

そして、その前に座るのはNaxlさん。

この状況を見れば、どんなに頭が察しが悪い人でも、これから何が行われようとしているのか理解できるでしょう。 

メンバー全員が一様に緊張の表情を浮かべる中、Naxlさんが静かにピアノを弾き始めます。

聴こえて来たのは、我々ガンズファンであれば最初の一音でそれと分かるあの旋律…

 

そう。アクセルの代名詞とも言えるピアノバラードの傑作November Rain。

ピアノを弾きながらもテンポや音程をキープして見事に歌い上げるNaxlさん、Dizzy Reedのストリングスパートは再現できないため、フレーズなどを工夫しながら曲を盛り立てるGaslashさん&Izzlyさんのギターチーム、あの印象的なバックコーラスを巧みに再現するDuffyさん、あのひたすらに繰り返されるフィルを真剣な表情で叩き続けるMadlerさん。

あの大作を5人が必死になって再現しようとする姿に感動を禁じ得ませんでした。

アンプで増幅されたバンドサウンドの中に生ピアノが一台。

これはさぞかしアンサンブル的に難しかったのではないでしょうか。

 

ふと横を見ると、著名ガナー白玉さんは見事なまでの号泣。

いや。これは泣いていいやつですよ。

むしろ泣いてなかったら「白玉さん、体調悪い?」と心配になるレベルです。

ガンズ愛溢れる演奏によって溢れ出す美しい涙。

ハンカチをお貸し出来なかったことだけが心残りであります。

 

奇しくも外は冷たい11月の雨。

そんな日にNovember Rainを初披露するなんて運命的な何かを感じてしまいます。

日本ハムファイターズ斎藤佑樹投手(出版社の社長からポルシェを借りたりする人)流に言えば「持ってる」ということになるでしょうか。

天候をも味方につけてしまうバンド。それがGunmen Showers。

 

曲もいよいよ終盤。

お立ち台に昇り、あのロック史に残るギターソロを披露するGaslashさんのかっこよかったこと。

スラッシュを志す者として長年憧れ続けて来た瞬間だったのではないでしょうか。

あの姿、来年のGaslash家の年賀状にしても問題の無い素晴らしさだったと思います。

 

最後のEverybody needs somebodyパートも見事に決め、Gunmen ShowersによるNovember Rain初演は無事に終了。

場内に沸き起こった拍手の嵐がやってのけたことの凄さを物語っていました。

まさかガンシャのライヴでNovember Rain聴けると思っていなかったし、さらに言うなら、ライヴハウスでグランドピアノ使ったNovember Rain聴けるなんて予想の斜め上を行きすぎですよ。

ライヴハウスで聴けるような曲じゃないでしょう。

Gaslashさんが「今回は絶対に観に来て欲しい」とTwitterで繰り返し発信していた意味がようやくわかった瞬間でした。

 

大きな挑戦が終わり、肩の荷を下ろしたGunmen Showersは終盤に向けてさらにアクセルを踏み込んでいきます。

誰もが愛してやまない大ヒット曲Sweet Child O' Mineのサビでは誰もが歌詞を口ずさみ、NaxlさんとDuffyさんのデュエットが目玉のSo Fineでは、ダフならではの“男の世界”を思う存分堪能。

イルカおじさんことマット・ソーラムがその本領を発揮するハードロックナンバーYou Could Be Mineですが、ガンシャのライヴではMadlerさんがポップコーンスタイルで叩きまくるのが面白い。

本家スティーヴン・アドラーが同曲を練習している動画がインターネットに投稿され、ファンの間で大いに話題となりましたが、結局ラテンアメリカツアーでは一度も披露されませんでした。

来年の日本公演でもしかしたら…?

 

You Could Be Mineの余韻が色濃く残る中、Gaslashさんが弾き始めたコードストロークの響きにより、我々はこの楽しい時間に終わりが迫っていることを悟らされます。

ガンズ不動の最終曲Paradise City。

泣いても笑ってもこれで最後。

ここが最後の暴れどころです。

 

頭を振らずにはいられないギターリフが繰り返され、興奮が頂点に達したところで鳴り響くNaxlさんのホイッスル。

それを合図として、無数の女性用下着がフロアのあちこちからステージに向かって投げ込まれます。

Gunmen Showersライヴにおける定番のお約束。

女性が投げるから意味があると思い、いつも遠慮しておりますが、何かの機会に一度くらい投げてみたいナーなどと思っております。

 

その桃源郷的なタイトルとは裏腹に、後半で一気に暴走するParadise City。

暴走列車から振り落とされぬように、必死に歌いながら拳を突き上げるオーディエンス。

Gunmen Showersのメンバーとお話しする時、全員が口を揃えて言うのが「ガンズの曲ってさ、本当にいいんだよね!」というある意味シンプルすぎる意見なのだけれど、その意見に全面的に賛同するしかない光景が繰り広げられていました。

ロックファンであれば問答無用で大暴れするしかない馬鹿みたいにかっこいい楽曲。

そして、それをかっこよく演奏できるロックバンド。

その組み合わせがあれば、もう他には何もいらないのではないだろうか。

「あんた単純すぎるよ!」と言われそうだけれど、そう思ってしまったのだから仕方ないでしょう。

至福の時間でございました。

 

Paradise Cityが終わり、ガンズファン的には「いやー。最高だったねー!」と会場を後にするところですが、この日のオーディエンスはどこまでも貪欲でした。

すぐさま沸き起こるアンコールの声。

その声に応え、再びステージに舞い戻るGunmen Showersの面々。

 

嬉しいことにまだまだ宴は終わらないようです。

Gaslashさんの柄にもない「ヘーイ!ファッカーズ」の雄叫びからのMadlerさんのドラム乱打。

『GNR Lies』オープニングの再現ということは…

 

Reckless Life!!!!!!!!!!!!!!!

 

個人的に本当に大好きな曲で、初期ガンズのかっこよさがすべて詰まっていると言っても過言ではないほど、音楽的にも歌詞的にも完璧な一曲。

今のガンズで演奏される可能性があるとは思えないので、Reckless Lifeをレパートリーに入れてくれたGunmen Showersに感謝する日々です。

なんならLiesのA面完全再現してくれてもいいんですよ…。

 

疾走チューンReckless Lifeに続くのは、ガラリと雰囲気が変わって、聖なる祈りのようなKnockin' On Heaven's Door。

ガンズのライヴでは定番曲ですが、「あ。そういえば演ってなかったね」と思ってしまったのは、それまでの演奏内容が濃すぎたせいでしょうか。

ついでのような感じで恐縮ですが、ボブ・ディランさん、ノーベル文学賞受賞おめでとうございます。

わたくしはシニカルなLike A Roling Stoneが好きです。

 

などとどうでもいいことで文字数を使っておりますが、この日のHeaven's Doorはコール&レスポンスもバッチリ。

ガンシャTの着用率が高いことからも薄々気付いておりましたが、素敵なお客さんが集まっているナーと実感いたしました。

来年の日本公演、アクセルに「南米よりすげえな」と言わせるくらいの合唱を響かせてやりましょう。

 

最後は『Appetite For Destruction』の人気曲Nightrainで我々を終着駅まで連れ去ってくれます。

これはもうオープニングでもエンディングでも盛り上がる鉄板曲。

余談ですが、ガンズのライヴ盤『Live Era』に収録されているNightrainはまさに珠玉ですよ。

アウトロで聴けるスラッシュのギターソロに挑みかかるようにヴォーカルをかぶせていくアクセル。

あんな光景が来日公演でも観れたら吐血しながら静かに息を引き取る所存です。

Nightrain尊い。

 

ガンシャさんがステージを去ると、再び増田さんのDJにバトンタッチ。

QueenのSail Away Sweet Sisterが流れる中、みんなで記念撮影したのは感動的な光景でした。

ガンズを30年間書き続けて来た増田さんとガンズに1歩でも近付くために10年間努力を続けて来たGunmen Showersが同じ舞台に。

きっとバンドを始めた時には想像すらしなかった光景でしょう。

Gunmen Showersの歩みに微塵の貢献もしていないわたくしが言うのもおこがましいですが、本当に「おめでとうございます!」と絶叫したい瞬間でした。

 

終演後はアフターパーティー。

メンバーのみなさんは一様に興奮した面持ちで、November Rainという一世一代のチャレンジを見事に乗り越えたことを噛み締めているような感じでした。

特にピアノを演奏したNaxlさんは特別な想いを抱いていることでしょう。

ご本人に話を聞くと、ピアノはまったくの初体験で、今年の5月くらいから練習を始めたとのこと。

しかも、弾くだけならまだしも、弾きながら歌うというのは生半可な努力では不可能だと断言していいでしょう。

 

これがプロのミュージシャンであれば「プロなんだから当たり前」と突き放すところですが、年に数回ライヴをするウィークエンドミュージシャンのようなNaxlさんがあそこまでのレベルに達するのは、もうガンズ愛という範疇で語るしかないような献身の成せる業なのではないでしょうか。

それはもうTributeという言葉通りの「尊敬のしるし」であり、自分の人生の一部分を愛する対象に捧げる献身です。

この愛がどこまでのレベルに達するのか。

Gunmen Showersから目が離せない理由のひとつがそこにあります。

来年もいくつかライヴが決まっているようなので、興味がある方は是非会場に足を運んでみてください。

絶対に損はしないと思います。

 

などと一瞬もライヴから眼を離さないような雰囲気で語ってまいりましたが、実は思いきり席を外した瞬間もあります。

正直に述べるならば、とある曲の演奏中にトイレに行っておりました。

ガンシャさんの演奏が素晴らしくて、ついついビールが進んでしまって…

 

というのも事実なのですが、演奏中にトイレに行くのには理由があります。

 

ガンシャさん、トイレの中でめっちゃ良く聴こえるんですよ。

 

いや。別に普段が良く聴こえないわけではないです。

でもね、とある時に気付いたのだけれど、トイレの中で聴くガンシャさんは、小さいクラブで若かりし日のガンズが演奏しているように聴こえるんですよ。

若きのガンズの演奏を聴いたことはおろか、音楽的な素養がまったく無いわたくしが言うのもアレですが、ガンシャさんが表面的な音だけではなく、ガンズの精神性までトリビュートしようとしている証拠ではないかなと思っております。

トイレが混んでしまうのは困るけれど、何かの折りに是非あの響きを聴いて欲しいと思います。

ガンシャさんのメンバーは絶対に聴けない音ですしね。

行儀が悪いのは承知ですが、どうかご容赦いただければ幸いです。

 

ここまで辛抱強く読んでくださって、ほんの少しでもガンシャさんに興味を抱いたあなた。

来年1月8日に2017年の初ライヴがありますよ。

詳しくはオフィシャルのサイトやTwitterアカウントをご参照ください。

 

http://www.gunmenshowers.com/info/top.html

 

ひとりでも多くのガンズファンが足を運んでくださることを願っております。

会場でお会いできたら盛大に乾杯いたしましょう。

楽しみにしております。

 

 

ナイトクラビング

お元気でしょうか。

わたくしはそこそこ元気です。

夜な夜な近所の公園に繰り出しては、ノルマ3000回などを自分に課して一心不乱に素振りをしております。

 

さて、春は別れの季節なんて事をよく申しますが、どうやら秋も別れの季節だったようです。

下北沢にGladiatorさんというロックバーがございまして、ガンズ関連イベントなどでいつも使わせていただいていたのですが、今月29日をもって惜しまれつつも閉店という運びとなりました。

新たな生活をスタートさせるマスターの今後の活躍をお祈りすると共に、素晴らしい思い出を残してくれたGladiatorに感謝いたします。

29日までは通常営業のようなので、興味のある方は足を運んでみてはいかがでしょうか?

ロック好きなら楽しめること間違いなしです。

 

Rock Bar GLADIATOR|下北沢に狂い咲く毒と華の桃源郷 - ロック・バー グラディエーター

 

まあ、わたくしは毎晩のように夜遊びに出るタイプではありませんが、やはり夜の街にはそこでしか経験できないような面白い事が潜んでいますよね。

つい先日、前述のGladiatorさんにお邪魔した時の話。

ふと気が付けば終電も逃してしまい、仕方ないので職場に戻って朝まで仮眠しようかと考えていたところ、居合わせた常連の方(とそのお友達)に「ラーメン屋さんがあるので一緒に行きませんか?」と声を掛けていただきました。

本来であれば日本一の人見知りであるわたくしですが、何度かお顔を見かけた事のある方だったという安心感もあり、図々しくもお言葉に甘えさせていただく事にいたしました。

 

よくよく聞けばそのラーメン屋さんには誰も行った事が無いらしく、お店に電話をして確認をすると、親切にも迎えの人を寄越してくれるとの事。

Gladiatorさんを出て、そのすぐ近くの通りで待っていると、向こうからスケボーに乗って疾走して来る白人男性が。

そのまま我々の横を華麗にすり抜け…と思いきや、 3メートルほど手前で急減速してスケボーを降りると、柔和な笑顔でこちらに近付いてくるではありませんか。

 

「サッキノ電話ノ人? 」

 

えー!

ラーメン屋さんがわざわざお迎えに来てくれるだけでも驚きなのに、それがスケボーに乗った外人さんだなんて事あります?

完全に予想の斜め上すぎて真夜中の下北沢でひとり身震いいたしました。

 

その外人さんの案内でたどり着いたのは、下北沢駅北口付近のバラックのような商店街。

その中にあるカウンター席が5席ほどの本当にこじんまりとした飲み屋。

お世辞にも綺麗とは言えない店構え。

見た目はラーメン屋には見えないけれど、案外こういうところが名店だったりするんですよね。

わたしにはわかります。

 

どうせ頑固な店主が「メニュー?うちにはラーメンしかないよ!」とか言うんでしょう。

わたしにはわかります。

わかってはいるけれど、一応ラーメンの品揃えを店主に確認する我々。

しかし、店主から返って来た言葉に我々は耳を疑いました。

 

「あー。うちはフード置いてないから。食べたかったらそこのコンビニで買って来て」

 

えっ。

フードの置いてないラーメン屋ってなによ。

あたしたちがベロベロに酔っているからって馬鹿にしているんでしょう。

あたしたちはね、わざわざ電話で確認してから来ているんですからねっ!

 

 

ふと横を見ると、さっき道案内をしてくれた外国人が店外で普通にビール飲んでる。

 

 

お前、客かよっ!

 

 

なんかもう訳がわからなくなってビールを一杯だけ飲んで店をあとにしました。

夜の街って素敵やん。

 

 

話は変わって、今度は夜の渋谷で体験した話。

友人のくりこさんとロックバーで飲んでいた時、ニコというフランス人と仲良くなりました。

どういうきっかけだったかは微塵も覚えておりません。

ロックバーを出て駅に向かう道中、「フランス人のナンパを見せてやる」などと挑戦的な事を言い出すニコ。

それは後学のためにも是非拝見したいと盛り上がる我々。

するとニコ、「一番有名なフランスの曲を知っているか」と我々に問い掛けて来ます。

 

正直な話、あまりフランスの曲は知らなかったけれど、なんとかいくつかの曲名を挙げる我々。

しかし、ニコは悲しげに首を振り、「いや、違う。一番有名なのはコレだよ」と歌いだしたのは…

 


ダニエル・ビダル オー・シャンゼリゼ

 

そう。フランスには縁の無い日本人でも知っている『オー・シャンゼリゼ』です。

これでナンパなんて出来んのかい、と訝しむ我々を尻目に「お。向こうから女の子来た。見てろ」と出陣するニコ。

お手並み拝見といきましょう。

 

女の子をぴったりとロックオンし、20メートルほど並走しながら「オー シャンゼリーぜー」と歌い上げるニコ。

当然の事ながら、辞書で「無視」という項を引いたら凡例として載っているのではないかと思うほどの完全無視。

その後も何人かの女の子に対してシャンゼリゼナンパを試みましたが、清々しいほどの前例玉砕。

「そりゃそうだよね」以外の感想が浮かばないほどの完封負けぶりでした。

 

みなさん、夜の街で『オー・シャンゼリゼ』を歌う外人に言い寄られても絶対について行かないでくださいね。

 

まあ、なんと言うか。

夜の街って面白いね。

 

 

冒頭でも触れましたが、下北沢Gladiatorさんは泣いても笑っても今週末が営業最終日。

興味のある方はこの期を逃す手はないですよ。

ナイトクラビングを楽しみましょう。

決戦はヌーン

ついに決まりましたね。

なにが。

Guns N' Rosesの来日公演が。

リユニオン後の活動規模を見るにつけ、これはもしかしたら日本は蚊帳の外なのではないかと危惧していたのですが、(今のところ)3公演も組んでくださって本当に感謝しております。

 

朝刊などで突如発表されたのが8月17日早朝。

わたくしも朝5時半に来日決定を知り、一瞬にして眠気が消え失せたどころか、それから先はもう完全に覚醒剤をキメた アッパー状態。

Twitterのホロワーさん達も同じような状況らしく、TLはまさに阿鼻叫喚の嵐。

盆と正月、それに『ビートたけしお笑いウルトラクイズ』が一度に来たような有様でした。

正直な話、発狂者や死人が出ても不思議では無いレベル。

みなさんご無事だったのは神のご加護レベルのファインプレーでしょう。

 

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(日本公演告知画像。かっこいい)

 

 

来日が決まれば次に気になるのはチケットの入手方法。

新聞広告によれば、先行販売はプロモーターのCreativeman会員向けが一番早い日程とのこと。

日程がサマソニック初日というのがネックでしたが、他ならぬガンズのためですので、その時間に出演しているバンドはあきらめて、ガンズのチケット確保だけのために身も心も時間も捧げようと決意した次第です。

ガンズのチケットが買えなくて何が人生ですか。

 

チケット発売のX-DAYは週末だという事がわかったので、高揚する気持ちをなだめつつ仕事へゴー。

もちろんその途中で広告が掲載された新聞を買い求める事は忘れませんでした。

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(新聞広告の切り抜き。かっこいい)

 

新聞広告をデスクに飾り、気持ちはすっかり来年1月。

半ばうわの空で午前の仕事をこなしていると、Twitterのホロワーさんから衝撃的な情報提供が。

 

 

Nightrainの先行販売やるよ!

 

 

なぬーー!

震える手でスマホを操作して公式サイトを確認すると、たしかに本日17日から公式ファンクラブであるNightrainの先行販売開始との事。

販売開始時間12時っていうのは、これはアメリカ時間って事でいいのかな…。

時差を考えると現地時間の…?

 

 

いやっ!Local Timeだ!日本時間っ!

 

 

あまりの急転直下ぶりに眩暈を覚えながらも、その日の昼休みを少し前倒しにするよう調整完了。

職場のパソコンからNightrainにログインし、なんの前触れも無くやって来たその時を待ちます。

Nightrainに登録された自分の住所や氏名に間違いが無いかどうかを7万回くらい(誇張です)確認しつつ、試合前のアスリートのように何度も深呼吸をするわたくしの姿はさぞかし異様だったことでしょう。

 

そしてついに訪れた正午の時報

素早くパソコンを操作し、国家機密にアクセスする時のハッカーのような気持ちで購入画面に移動します。

この先の画面で日本公演用の専用パスワードを入力すればいいんだよな、と脳内シミュレーションをしていると…

これは…やけに見覚えのある画面が…

 

 

イープラス!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

 

なななななななんであなたがここに? ぶっころすぞ

これって本国Nightrainの先行販売なんじゃないの?

あまりにも予想外すぎて完全に思考停止に陥るわたくし。

動揺しすぎて危うく右上の×マークをクリックして画面を閉じるところでした。

 

ここで購入したチケットはNightrainから郵送されて来るものだと信じ切っていた無垢な自分を罵りながら、手元にあったスマホからイープラスの会員番号を探し出し、半ば過呼吸のようになりながら震える手で入力。

日本公演専用のパスワードも入力し、どうやら無事に購入完了した模様。

同じ要領で全3公演のチケット購入を完了させます。

 

はあ…これで買えた…よね?

 

決済完了を告げるメールが続々とスマホを鳴動させ、とりあえず本日の任務は完了。

こんなに緊張したチケット購入は2012年のガンズZEPP公演以来でしょうか。

友人の分も購入したため、購入総額は約18万円。

もちろん過去最大級です。

 

でも、スラッシュとダフがいるガンズなら3万円は全然高くない。

いや、むしろ安い。

もっと高額の価格設定を予想していたので、正直3万円は想定外でした。

(NightrainによるとVIP Packageも販売されるそうですが、どんな内容で幾らくらいになるんでしょうか…)


それにしても今回改めて痛感したのが、己の英語力の無さ。

なんとか購入出来たからいいようなものの、英語力の欠如が原因で買えなかったら…と思うと拳銃を片手に 切腹して果てたい気持ちになります。

これはもう勉強しないとダメだ。

 

わたくしの英語不自由ぶりを見事に表現したmixi日記がありますので、本日はそちらを紹介させていただきたいと思います。

いつものように軽く加筆訂正の上で転載です。

短いのでサクッと読んでいただけるはず。

そいやそいやっ。

 


➖➖➖以下、mixi日記より加筆修正の上、転載➖➖➖

 

こないだライヴ会場でもらったフライヤーを読んでいた時の話。

フライヤーにはいろんなバンドのライヴ情報が満載。

その中で妙に目につくバンド名が。

その名も

 

Oneman


「オネーマン」て読むんでしょうね。

初めて聞くバンドだけど、驚くほどいろんなバンドと対バンしてるんですよ。

ひっぱりだこになるほどの実力派バンドなんだろうね。

 

すげー気になったので、家にある他のフライヤーも見てみると…

いるよ! オネーマンいるよ!

結構な頻度で対バン相手に名を連ねてます。

中には「こんな人ともやるの!?」って大物まで。

 

名前から判断するに、メンバーはオカマ系のファッション。

WAHAHA本舗の梅垣さんみたいな芸風なんじゃないだろうか。

とにかく楽しいライヴで客席を沸かせる事で有名で、 「対バンしたいバンドランキング第1位(バンドマン調べ)」的なバンド。

演奏技術は超一流なんだけど、それをおくびにも出さず、前座の神様的ポジションで客席を温めることに命を懸ける職人的なバンドなんですよ、きっと。

 

などといろんな妄想が広がりましたが、 よくよく考えたら

 

 

「ワンマン」公演

 

 

ってことだったわ。


知ったかぶりして「オネーマンてバンドが熱いらしい」とか吹聴しなくてセーフ。

まだ気付いていない人が周りにいたら教えてやってほしい。

 

➖➖➖以上、mixi日記より加筆修正の上、転載➖➖➖

 

 

久々に読み返したみたら思ったより面白くなかった。

申し訳ございませんでした。

ガンズ来日までに頑張って英語を勉強いたしましょう。

では、来年1月にシーユー。

 

 

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あなたに会えてよかった

どうも。僕です。
大変ご無沙汰しております。
ブログを放置していたこの数ヶ月、ガンズのリユニオン公演やアクセルのAC/DC参加など夢のような出来事が立て続けに起こりました。
それでも当ブログが更新されなかったのは、ひとえにわたくしは怠惰な人間だからであります。
そんな怠惰なわたくしではありますが、ほんの少しだけやる気が出て来た今日この頃ですので、この機を逃さずえいやっ!と更新したいと思います。

今回は音楽とはあまり関係の無いお話。
しかも、あまり綺麗とは言えないお話なので、そういうのが苦手な方やお食事中の方は晴れて二児のパパとなったファンキー加藤さんのオフィシャルブログへどうぞ。↓

 

ファンキー加藤オフィシャルブログ Powered by Ameba

 

時は遡り2015年3月。
数日前に『最強決定戦』と銘打たれたThrash Dominationを観に行き、「いやー。やっぱり最強はSodomだナー」などと言っていたある日のことです。

いつものように朝目覚めると、なんとなく世界の様子に違和感が。
その違和感の正体に気付かぬまま、いつものように朝の情報番組を見ながら朝食を。

  ん? テレビの音量が妙に小さいぞ。
  何を言っているのかまるでわからん。

テーブルの上にあったテレビのリモコンをつかんで音量↑ボタンを0.6秒ほど長押しするわたくし。
あれ? 音量いつもとかわらない…?
その瞬間、朝から感じていた違和感の正体に気付き、全身から血の気が引いていくのがわかりました。

 

  俺、耳聞こえてないじゃん…

 

テレビの故障という可能性もあるので、耳元で指を鳴らしてみると…
こんな近くで音を出しているのに明らかに音量が小さい。
まるで耳に膜がかかったような感じです。

これはやばい。
いや、ついにこの日が来たか、と言った方が正確でしょうか。
ライヴ、携帯音楽プレイヤーなどで常に大きな音に曝され続けた我が鼓膜。
先日のThrash Domination最強決定戦でその限界をついに超えてしまったということなんでしょう。

とりあえず仕事に向かいつつも頭の中は我が聴力のことでいっぱい。
スマホ音響外傷やら突発性難聴だのを調べまくっておりました。
すぐに治療しないと回復が難しいこと、治療しても聴力が戻らないケースがあることなどがわかり、希望と不安がごちゃまぜに。
場合によっては連日点滴を受ける必要があるらしく、仕事休めるかナーなどという新たな不安も噴出。

まあ、怖がってばかりいても仕方がないので、仕事を中抜けさせてもらって近所の耳鼻科に駆け込むことに。
訪ねたのは職場からほど近い耳鼻科クリニック。
白を基調とした清潔感を感じさせる内装に「わたくしのような社会の屑が足を踏み入れてしまい申し訳ありません」と恐縮しながら待つこと数十分。
診察室から出て来た看護師さんが「りょうさん(実際には本名)どうぞー」とわたくしの名前を呼んでくださり、「うーん。やっぱり聞こえにくいナー」と思いながら診察室へ。

診察室に入ったわたくしを出迎えてくれたのは、大学病院あたりだったら中堅よりも少しだけ上のポジションかナーと思われるような年齢の男性医師。
とりあえず勧められた椅子に座り、今までの経過を説明します。
朝起きたら耳の聞こえが悪くなっていたこと、数日前にライヴに行って非常に大きな音を数時間に渡って耳にしたこと、10年ほど前にもライヴの後に聞こえが悪くなったことがあり、その時は耳鼻科で投薬などを受けて回復したこと、などです。


わたくしの話を電子カルテに打ち込みながら聞いていた医師、くるりとこちらに向き直り、「まずは耳の中を見せてください」と一言。
えらい!
わたくしの話から音響外傷が原因であることは十中八九間違い無いところであるにもかかわらず、きちんと自分の目で確認してから診断を下す姿勢。
診察の基本である視診をおろそかにしないというプロフェッショナルな態度にいたく感激したわたくし。
安心してこの先生に身体を任せようという気持ちになりました。


先生の方に耳を向け小首を傾げる姿勢になると、なにやら専用の器具のような物で我が耳内を観察し始める先生。
どうですか先生?綺麗なもんでしょう?
これから始まる音響外傷の治療へ想いを馳せつつ、そんなことを考えていると、先生の口から思いもよらぬ衝撃の一言が。


  「あー。耳垢ですねー」


なぬー!耳垢っ!
そんな訳ないでしょう!
よく見てくださいよ!


などと言えるはずもなく、小首を傾げたままの姿勢で無言を貫くわたくし。
音響外傷という診断に揺らぎが生じて動揺しているわたくしに落ち着く間も与えず、


  「吸引しますねー」


と別の器具を我が耳内へ突っ込んでくる先生。
角度的に見えないのでたしかなことは言えませんが、おそらく耳用のダイソン掃除機のようなその器具。
カラカラと小気味の良い音を立てながら何か(先生の言葉を信じるならば耳垢)を吸い込んでいきます。
これは気持ちいい。
我が家にも欲しいナー。


しかし、カラカラと音を立てて吸い込まれていく程度の耳垢で聴力が低下するものでしょうか?
耳垢は関係なくて、やはり音響外傷が原因なのでは?
そんな意見を述べようとするわたくしを制止するかのごとく、「動かないでくださいねー」と言いながら新たな第三の器具を我が耳内へ挿入してくる先生。
こちらはもうされるがままです。


時間にして約1分ほどだったでしょうか。
特に痛みもないまま器具が我が耳内から引き抜かれました。
先生の方を見ると、手にしたピンセットのような器具で採取したとおぼしき物体を銀のトレイの上に置いたところ。
その物体をまじまじと観察すると、10円玉より少し小さいくらいのサイズを持つ黒く平べったい塊。


  こ…これが耳垢ですと…


たしかにこれが鼓膜に張り付いていたのであれば、聴力が落ちることもあり得るか…。
我が耳内より生まれ出た異物に驚愕しているわたくしに対し、


  「いるんですよねー。耳掃除の時に耳垢を奥に押し込んじゃう人が。こうやって奥に溜まっちゃうんですよ。」


などとサラリと説明し、「証明終わり」とでも言いたげな表情の先生。
いやいやいやいや!
知ってますよ、耳垢を押し込んじゃうタイプの人がいるのは。
テレビの情報番組でその危険性に警鐘を鳴らしてるのを見たことありますよ。
わたくしはそれを見ながら、馬鹿だナーと思っていた人ですし、どちらかといえば非常にイケている巧みな耳かきをしていると自負していましたし、もっといえば正しい耳かきのやり方を他人にお教えする側の人間なのではないかと思っていたくらいでして。
それなのにこんなところに来たばっかりに、わたくしが押し込んでしまうタイプの馬鹿だと判明してしまいました。
先生、この責任はどう取ってくださるおつもりですか。


などと理不尽なことを考え始めた修羅の心境のわたくしに対し、「どうですか?聞こえるようになりましたか?」と医師としての最後の役割を果たそうとする先生。


いやいやいやいや!
そりゃあね、耳垢が詰まっていたことを認めるのはわたくしとしてもやぶさかではありませんがね、実際に証拠もありますからね。
でもね先生、あたしの耳はね長年爆音で音楽を聞いてきた耳なんですよ、その影響が皆無ってことはないでしょうよ。


そんな想いを端的に表現した言葉としてわたくしの口から出たのは


  「まだ聞こえが悪い気がします」


それを聞いた先生、0.5秒ほど苦虫を噛み潰したような表情を見せた後、すぐにプロの顔に戻り、


  「そうですか。では聴力検査をしましょう」


こちらとしても望むところです。
先生の診断とわたくしの自己診断。
どちらが正しいか白黒つけようじゃないですか。
男と男の真剣勝負です。

電話ボックスのような箱に入り、ヘッドホンを装着するわたくし。
この箱に入るのは約10年ぶり2回目。
Adler's Appetiteのライヴで耳をやられた時以来であります。
検査内容はごく簡単。
健康診断などで行われる「音が聞こえたらボタンを押してくださいねー」タイプのやつです。
あれの精密なものだと考えていただけばよいでしょう。


ヘッドホンからピーだのポーだのという音が聞こえてくるたびにボタンを押していくのだけれど、無音の状態が続くと「本当は音が鳴っているのに自分が聞こえていないだけなのでは?なぜなら俺は音響外傷だからだっ!」と非常に不安になってしまい、難聴の障害者手帳を不正に 補聴器って幾らくらいで買えるんだろうナーなどと気もそぞろになりながら検査終了。
とりあえず一度ロビーに出て結果が出るのを待つことに。

 

ほどなくして再び診察室に招き入れられるわたくし。
いよいよ決着の時。
どんな言葉よりも検査結果がすべてを雄弁に物語ってくれるでしょう。


椅子に座ったわたくしに対し、パソコンに表示された検査結果を指し示し、先生が説明を始めました。


  「えー。先ほど受けていただいた聴力検査の結果ですが…」


いよいよ運命の時。
この先生は良い補聴器業者を紹介してくれたりするでしょうか。


  「正常ですね。」


それを聞いたわたくし、一拍の間をおいて一言。


  「ありがとうございましたっ!」


深々と頭を下げで診察室から退場。
粛々と診察料を支払って職場に戻りました。
今までの話を総合すると…


【自己診断】
音響外傷


【最終診断】
耳くそ


先生、本当にありがとうございました。
これからはきちんとした耳掃除の方法をマスターしたいと思います。
みなさまにおかれましてもお気を付けください。