Welcome Back To The Japangle Part 2

どうも。

薄々お気付きかもしれませんが、僕です。

セコムしてますか。

僕はしておりません。

 

今回のブログは、前回記事「Welcome Back To The Japangle Part1」の続きとなります。

Part1では、長々と書いておきながら、肝心のライヴまでたどり着かないという体たらく。

お詫びのしようもございません。

 

が、どうぞご安心ください。

このPart2では、しっかりとライヴ内容について書いていきたいと思います。

ただし、内容は大阪公演に限定したものではなく、大阪公演を基本としつつ、日本ツアー全体の感想になっておりますのでご了承ください。

ですので、  「それは大阪の出来事ちゃうやんけっ!このボケがっ!ドアホっ!六甲おろし歌いながらお好み焼きひっくり返すヘラで滅多打ちにしてまうぞ!」などというお叱りはどうぞご勘弁くださいますよう重ねてお願い申し上げます。

では、2017年1月21日の京セラドームへタイムスリップいたしましょう。

せいやっ。

 

 

無事にアクセル前の最前列を確保した僕とくりこさん(通称:チーム人見知り)。

ここからはただ開演を待つのみです。

場内BGMはRamones縛りというコンセプトのようで、ひたすらに彼らの名曲が場内に鳴り響いています。

久しぶりに聴くRamonesは非常に心地良く、ジョーイ・ラモーンのディープな声が持つ魅力を再確認すると同時に、「あれ?スタジオ盤ってこんなに遅いんだっけ?」と違和感を抱きました。

ライヴだと曲の終わりに「1 2 3 4!!!」のカウントがくっつくような勢いで演奏してるんだもんね。

初めて聴いたラモーンズはライヴアルバムだったのですが、1枚物のCDに40曲近くの楽曲が収録されていたのを覚えています。

スピードアップしすぎでしょう。

でも、それがいい。

 

余談ですが、他の公演においても場内BGMは日替わりで特定のアーティスト縛りという選曲になっておりました。

僕の記憶に間違いが無ければ

 

 ・神戸 Cheap Trick

 ・横浜 Deep Purple

 ・さいたま David Bowie

 ・さいたま Queen

 

だったと思います。

去年4月のラスベガス公演はDeep Purple縛りだったと聞きましたが、今回のツアーはすべてそのような趣向なのでしょうか。

Ramonesを含めた上記5アーティストに何か共通項はあるのかと考えてみましたが、ひとつ思い浮かんだのが「ロックの殿堂入りを果たしている」という事でした。

ガンズもアクセルが式典をドタキャンするという事件を起こしてはいますが、バンドとしては2012年に殿堂入りしています。

単なる推測に過ぎませんし、殿堂入りしているから場内BGMに選ぶというのも説得力に欠けるので、どなたかメンバーに会う機会があれば訊いてみてください。

 

RamonesとプロモーターのCreativeman主催公演の宣伝を交互に見聞きし、「あー。ワイルドハーツ行きたかったナー」だの「こんなガンズ破産まっしぐらの時期にデッドデイジーズ発表するのは商売下手すぎでショー」などのぼんやり考えているうちに開演時間がやってきました。

ほぼ定刻通りに場内が暗転すると、オープニングアクトであるBABYMETALのバンドロゴがスクリーンに映し出され、オープニングSEが流れ出します。

X JAPANオマージュの「ベビーメタール メタール メタール メタール」のリフレインに導かれるようにしてメンバーが登場し、Metallicaの名曲OneのごとくギターリフとドラムがシンクロするBABYMETAL DEATHがスタート。

正直な話、我々のいるアップグレードエリアはそれほどの盛り上がりではありませんが、後方からは大きな歓声が聞こえてくる事から考えると、BABYMETALがサポートアクトを務める事がかなり動員に寄与しているのではないかと推測できます。

さすがに30分やそこらの出番のために約30000円のVIPチケットを買うBABYMETALファンは多くはないだろうと思っていましたが、アップグレード専用エリアの外で観た横浜とさいたま初日には決して少なくない数のBABYMETALファンがスタンディングエリアで野太い声援を送っていましたし、さいたま2日目のアップグレードC入場時には、我々の前にBABYMETALファンのおじさま2人組がいらっしゃいました。

30分のために5万円近く払うというのはかなり勇気のいる行動だと思いますが、いまやドームクラスのアーティストとなった彼女たちを真近で観る機会を買ったと考えれば熱心なファンの方にとっては決して高い買い物ではないのかもしれません。

 

それにしても面白いのは、ヨーロッパツアーを発売と同日に全公演即売させたガンズと東京ドーム2日間を完売させたBABYMETALの組み合わせでも京セラドームが満員にならないという事実。

こういうのは単純な足し算として計算できるものではないのだナーと思いました。

まあ、ネットではサポートアクトの人選について賛否両論あったようですが、個人的にはBABYMETALもMan With A Missionも好きなので嬉しかったです。

Man With A Missionの日はベースの方のピックをゲットする事が出来て大満足。

Fly Again楽しかったですね。

 

あくまでもガンズ来日についてのブログなのでBABYMETALの演奏について詳しく書く事は控えますが(面倒臭がり屋とも言う)、YUI-METALのあまりの可愛さにくりこさんと二人で悶え死んでおりました。

おそらくBABYMETALを最前列で観られる機会は今後一生無いでしょう。

貴重な体験をさせていただきました。

上手に撮れたYUI-METALの画像をアップしたいところですが、大手芸能事務所アミューズ所属のタレントさんの画像を個人ブログにアップしてよいのか判断つかず、個人で楽しむ範疇に留めておきたいと思います。

デジカメの画面を見ながら「ゆいちゃーん!」などと叫んでいるおっさんがいたらそれが僕です。

 

最後にSU-METALが「It's time for Guns N' Roses!!!」と観客を煽り、全力で歌い踊るBABYMETALのステージが終了。

10代の女の子があんなに凄い事をやっている姿に毎回涙ぐんでしまうのが僕ですよ。

さあ、ここからいよいよガンズ待ちタイムに突入。

思えば2009年12月の京セラドーム公演では、ガンズの登場が21時、終演が0時半という伝説の終電逃しギグが繰り広げられ、僕も極寒の大阪の夜に放り出されたひとりでした。

ガンズのライヴは開演が異常に遅れる、というのがパブリックイメージとして定着していますが、リユニオン後は大幅な遅延は皆無のようで、〇時間遅れで観客大暴動!といったニュースは未だにお目にかかっていません。

 

ステージ上ではBABYMETALの撤収が終わり、ガンズ側のスタッフが最終確認のために各所をチェックして回っています。

ガンズに向けて機材の入れ替えはないようで、BABYMETALは自分たちの機材を撤収するだけなので、順調に行けばそれほどまたずに開演の運びとなりそうな予感。

ガンズのために買ったデジカメの性能チェックのため、バンドロゴが描かれたバスドラなどを撮ったりしているしていると、スクリーンにガンズのロゴが映し出され場内は大歓声。

しかも、銃の代わりに日本刀があしらわれた日本ツアー特製のバンドロゴ。

CGで作られたそのロゴがグリグリと動くんですよ。超かっこいい。

それが終わると『Appetite For Destruction』のレイプジャケットに出て来るロボットが登場して、オーディエンスに向かってワインボトル(Nightrainのボトルなのかな?)を投げるというアニメーションが。

 

オリジナルメンバーがアクセルだけだった時期もスクリーンにはさまざまな映像が流されていましたが、その9割5分くらいが糞ダサい代物で、もしかしたら腕の良い映像担当者を雇う金銭的余裕が無いのでは…と心を痛めておりました。

You Could Be Mineで流れるチープという言葉すらもったいないくらいダサいF1の映像に至っては、これを作って持って来たヤツを足払いでひっくり返して、みんなでYou Could Be Mineを歌いながら足蹴にしたいレベルの酷さ。

あれを流すくらいだったら「しばらくお待ちください」という静止画像を延々と流しておいた方がマシです。

しかし、莫大な予算が使えると思しき今回のリユニオンツアーはすごかった。

映像の本当にクオリティが高くてかっこいい。

Comaに関してはIron Maidenの『Somewhere In Time』感がありますが、あれはあれで良いと思いました。

 

前述の映像がしばらく繰り返し流れた後、スクリーンから突如銃声が。

ガンズロゴのピストルがマシンガンに代わり、そこからも銃弾の嵐。

それが今回のNot In This Lifetimeツアーにおいて開演が近付いている合図だと知るオーディエンスからは大歓声が。

いよいよアクセル、スラッシュ、ダフが揃うガンズを観る事になるのだと思うと、緊張のあまり号泣しながら嘔吐しそうになりますが、そのような醜態を晒すと屈強なセキュリティに急病人として担ぎ出される事となりますので、意味も無く絶叫したりして緊張を無理やり紛らわしました。

 

そして、いよいよ運命の時が。

場内暗転。

 

1996年にスラッシュが脱退し、将棋倒しのようにラインナップが崩壊したガンズ。

ロック界最大の犬猿の仲のひとつとなってしまったガンズ。

アクセルがスラッシュとの再合流を「Not in this lifetime(今生では無いネ!)」とまで言い切ったガンズ。

ロックの殿堂入り式典でオリジナルファイヴとして同じ壇上に上がる事すら叶わなかったガンズ。

もうリユニオンとかどうでもいいから、みんな健康にそれぞれの音楽をやって、数年に一度は来日してくれたらそれでいいから、とまで思ったガンズ。

 

暗闇の中、各メンバーが配置に付くのが見える。

 

この人生ではありえなかった事が

誰かが死んで再現不可能になるはずだった事が

もう諦めていた事が

 

 

ついに今、この目の前に

 

 

照明がステージを照らし、怒号のような歓声の奥から鳴り響くベース音。

このツアーで不動のオープニング曲であるIt's So Easyのベースライン。

ステージを右から左へ見渡すと、たしかにアクセル、スラッシュ、ダフの3人が。

本当に来てくれたんだね…。

 

始まる前までは、あの3人が出て来た瞬間にちんこが 号泣昇天かな…などと思っていましたが、そのような事もなく興奮の嵐。

喉も裂けよとばかりにIt's So Easyを絶唱しておりました。

が、ふと横を見ると、くりこさんが大号泣中。

普段は店員さんを破竹の勢いで恫喝しているQueen Of 恫喝の彼女が泣いている姿を見て、事の重大さを再認識した次第。

まあ、そりゃ泣きますよね。

逆に自分がなんで泣いていなかったのか不思議です。

 

まあ、とにかくオリジナルスリーがかっこいいこと。

目の前で歌い踊るアクセルに失禁寸前です。

続くMr.Brownstoneでは場内を心地よいグルーヴで左右に揺さぶり、ガンズのライヴを観る喜びに4年ぶりに浸らせてもらいました。

鉄板のアペタイト曲2連発の後は、リユニオン後初となったTroubadour公演で披露され、世界中のガンズファンを驚愕させたChinese Democracyへ。

2002年に初めてガンズを観て以降、何度となくライヴで聴いてきた曲ですが、他ならぬスラッシュがメインリフをプレイするのを観て感無量。

スラッシュにとっても、“自分の関わっていないガンズ曲”という意味で、非常に新鮮さを感じる事ができたのではないでしょうか。

アクセルが歌う“自分の関わっていないスラッシュ/ダフ曲”というのも聴いてみたいところですが、今の時点でそれを望むのは時期尚早ですかね。

 

そんなChinese Democracy後半で事件発生。

 

なんと!

アクセルが突如として我々のいるブロックに向かって手を突き出し、激しく手を上下させたのです。

うわっ!なになに!

写真撮るのやめろって事?

 

2017年のライヴ初陣で早くもアクセルの機嫌を損ねてしまったのではないかと戦慄しましたが、そこからの展開は我々の想像の斜め上を行くものでした。

これからどのようなお叱りを受けるのかと身を固くしている我々に向かい、アクセルが取った行動は…

 

 

満面の笑顔でのお手振り!!

 

 

なんなんですか、このおじさんは…。

あまりの出来事に我々がいた一角は全員腰が抜ける始末。

ライヴそっちのけで「何?今の何?」という声が飛び交っておりました。

おじさん、可愛すぎるでしょう…。

 

このツアーを通して目立ったのが、アクセルの可愛すぎる挙動。

前述のお手振りは毎回見受けられましたし、それ以外にも

 

・スタッフ通せんぼ事件(スポットライトの当たらない場所で、ステージ袖に引っ込もうとするスタッフを全力で阻止。たぶん観客の2割も気付いてない)

・ぬこ帽子事件(猫が大量にあしらわれている帽子をかぶって登場。Don't Cryを歌いながら自分で猛烈に照れ笑いをしてしまい、観客全員を大虐殺)

・ダフの肩でひと休み事件(Sweet Child O' Mineのラストで、エンディングに向かってギターを弾きまくるスラッシュの姿を、ダフの肩に腕を置きながら見守る)

松方弘樹R.I.P.)事件(Sweet Child O' Mineのラストで、架空の釣り竿のリールを回して他メンバーを一般釣りしてご満悦)

・Sorry腕振り事件(Sorryのサビで、24時間テレビのラストにおけるサライの如く、左右に腕を振る事を観客に要求。ガンズ史上、最も陽気なSorryが誕生した)

・ノキノンひとり遊び事件(Knockin' On Heaven's Doorの演奏中、前述のSorryのように観客に左右に腕を振るよう要求。が、すぐに自分でリズムを思い切り乱してご満悦)

 

などの50過ぎの中年男性とは思えないような可愛い行動を連発。

ライヴが終わるたびに、「今日のアクセルも異様に機嫌がよかった!」という感想が飛び交っていました。

今までのアクセルのイメージからは想像がつかない行動に戸惑いつつも、ツアーを楽しんでいる雰囲気が伝わってきて嬉しかったです。

リユニオン以前も曲終わりで身体を揺さぶったり、陽気なおじさんの一面は垣間見えていましたが、今回の日本ツアーではそれが特に顕著だったような気がします。

ぬこ帽子アクセル、オフィシャルの映像で残ってたら最高なのにな…。

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(写真:ぬこ帽子で観客全員を虐殺したぬこおじさん)

 

冒頭から歌いまくり騒ぎまくりでライヴを楽しんでいた僕ですが、ついに涙腺崩壊の時間がやってまいりました。

7曲目に演奏された名曲Estranged。

ここでは溢れる涙をこらえる事ができませんでした。

僕のように英語の苦手な人間には耳慣れないEstrangedという単語。

そもそもどのような意味かと調べてみると…

 

es・tranged

/istréindd/
[形]〈夫・妻が〉別居している(主に新聞用語);〈人が〉(心情的に)遠ざかった, 疎遠になった*1;〈表情などが〉よそよそしい

 

と出て来ました。

親密な関係だった者同士が疎遠になってしまった状態、という意味で理解してよさそうですね。

この曲が収録されているのは、バンドが飛ぶ鳥を落とす勢いだった1991年に発表された『Use Your Illusion 2』。

普通に読めば、心が離れそうになっているカップルの関係を歌った曲だと理解する事ができそうですが、僕はこれはアクセルがバンドの行く末を案じている曲だと考えています。

 

「心は老いても 俺はまだ28歳」という歌詞から、アクセルがこの曲に取り組んでいたのが1990年前後だったのではないかと推測できます。

1990年頃のガンズに何が起こっていたのか?

ちょうどその時期、ドラマーのスティーヴン・アドラーが薬物依存の問題でバンドから解雇を言い渡され、『Appetite For Destruction』期のオリジナルファイヴが崩壊しています。

おそらく他のメンバーも同じように飲酒や薬物問題を抱えていたでしょうし、デビューアルバムが天文学的な成功を収めた事により、バンドを取り巻く環境の激変、各メンバーのエゴの肥大、次作へのプレッシャーなどにより、同じ家にメンバー全員で住んで練習に明け暮れていた下積み時代の連帯感は知らず知らずのうちに薄れていったのではないかと推測できます。

 

 

このままではバンドが潰れてしまう

 

 

そんな危機感を抱いたアクセルがラヴソングの形式を借りて書き上げた曲。

それがEstrangedなのではないか。

僕はそう考えています。

アクセルのPersonal babyと評され、あのイジーですら「長い曲なのにすべてのパートがスムーズに流れていて無駄がない」と絶賛する同曲ですが、楽曲の各所に登場する印象的なギターメロディは、アクセルがスラッシュに対して「すげえギターメロディを作ってくれ」と“発注”して出来上がったものだそうです。(歌詞カードには「スラッシュ、キラーなギターメロディをありがとう」とアクセルからのお礼が載っています)

スラッシュのギターメロディが印象的な楽曲は他にもたくさんありますが、わざわざEstrangedだけ発注エピソードが残っているのは何故か?

 

この楽曲に向き合って、俺の言いたい事を汲み取って欲しい

 

そんなアクセルの願いがあったのではないかな、と思ってしまうのは僕だけでしょうか。

アクセルの心情が吐露されていると思われる歌詞について触れていきましょう。

 

 Well I jumped into the river
 Too many times to make it home
 I'm out here on my own, an drifting all alone
 オレはそこを帰るべき家とするために

   何回となく川に飛び込んだ

   オレはここを出て オレ自身の中にいる たった一人で漂流してる

 

アクセルにとっての「帰るべき家」、これはガンズの事でしょう。

俺はバンドを守るために、ひとりで悪戦苦闘しているんだぞ!と他のメンバーに対してのあてこすり的なニュアンスも感じられます。

同曲のMusic Videoでアクセルだけが身体を張って海に飛び込むシーンがあるのは、ここの歌詞に由来しているのではないでしょうか。

「たった一人で漂流してる」というフレーズからは、バンドを運営していくにあたり、アクセルが感じていた孤独を感じ取れます。

 

  If it doesn't show give it time
 To read between the lines

 ここの意味がわからなかったら 時間をかけて

 行間を読み取ってくれ

 

わざわざ歌詞の内容に言及するという手法を取っており、アクセルにとって真意を伝えたい誰かが明確に存在していた事がよくわかります。

 


 I see the storm is getting closer
 And the waves they get so high
 Seems everything we've ever known's here
 Why must it drift away and die

    嵐が近づいてくるのが見える
 波もやけに高くなってきた
 オレ達の知ることのすべてがここにあるのなら
 それを漂わせたまま見殺しにするなんてことはできない

 

直前では「行間を読んでくれ」などと言っておきながら、ここはやけに直接的な表現ですね。

これからバンドが経験するであろう危機について警鐘を鳴らしています。

そして、このバンドがダメになっていくのを見過ごす事はできないという力強い決意。

アクセルがガンズという帰るべき家を守り通すという宣言をしているようです。

 

後年になって、メンバーへのインタビューや関係者の証言などから、各メンバーが保有するバンドに関する権利をアクセルが“強奪”したという事実が明らかになっていますが、どこかの時点でラインナップを守る事よりもバンドの名前を守る事の方がアクセルにとっての優先事項になったのかな…と考えられます。

話題となった「アクセル、Guns N' Rosesの名称買い取り事件」などはその最たるもので、自分がいれば法律的にガンズが成立するという誰にも手出しのできない状況を見事に作り上げました。

 

オリジナルメンバーがアクセルひとりとなった時期には、

 

ガンズのコピーバンド、独裁者、アクセルと愉快な仲間達

 

などと心無いロックリスナーからボロクソに言われていましたが、今回のリユニオンが実現したのは、その手法のすべてが正しかったとは言えないけれど、アクセルが必死にガンズという帰るべき家を守り通してくれたからではないかと思います。

僕は前のラインナップが大好きだったのですが、今回のリユニオンが発表された時、メンバー総入れ替えではなく、アクセルが守って来たバンドにスラッシュとダフが戻ってきた、という形になったのが本当に嬉しかった。

アクセルとディジー以外総入れ替えで、スラッシュ、ダフ、イジー(or ギルビー)、スティーヴン(or イルカおじさん)のラインナップだったりしたら、大喜びで「おかえりなさい!」とは叫べなかったような気がします。

アクセルが今まで頑張って来た事を全部チャラにしちゃうの!?ってガッカリしたはず。

いわゆるハイブリッドガンズと呼ばれるラインナップに落ち着いて本当によかった。

 

 

そんな個人的な思い入れのあるEstranged。

当然の事ながら、それまでの大騒ぎぶりはどこへやら。

唇を噛み締め、涙目になりながら聴いておりました。

(映像作品『Appetite For Democracy』は映画館で2回観ましたが、どちらもEstrangedで涙を流したのが僕です)

 

そして、僕の涙腺がついに決壊したのが

 

 I'll never find anyone to replace you
 Guess I'll have to make it thru, this time
 Oh this time without you

   キミの代わりなんて一生かかっても見つけられるはずがない
   だからオレはこの時を自分でなんとかしなければ
   Oh キミ無しで今は・・

 

「今回はお前たち抜きでやらなきゃいけないようだね」とアクセルが歌うこのパート。

アクセルは花道前方まで出て来て、この孤独な“Without you”という歌詞をマイクに乗せて我々に届けます。

しかし、その歌詞とは裏腹に、アクセルのすぐ後ろにはスラッシュとダフがしっかりと仁王立ちし、「もうお前はひとりじゃないんだよ」とでも言いたげな顔で演奏しているのです。

その姿に気付いた時、もう涙が止まりませんでした。

これはもう反則でしょう。

 

実はこの演出(なのかな?)に気付いたのは神戸公演だったのですが、それ以降の公演においてもアクセルが“Without you”という言葉を発する時には同じフォーメーションを取っていました。

その度に涙腺が危うくなり、この曲を聴いた5回中3回は涙を流すという有様。

おじさん達には本当にしてやられました。

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(写真:かっこよすぎるおじさん3人組)

 

ふと気が付けば、もう10000万字近くを費やしてしまいましたね。

ほとんどEstrangedについての妄想に近いような個人的な思い入れに終始してしまいました。

前回予告した大阪での奇跡やライヴの全体的な感想、その他もろもろのエピソードについては次回以降の記事に譲りたいと思います。

ここまで読んでくださった方、本当にありがとうございました。

街中で僕を見かけても、「このEstranged号泣おじさんがっ!」などと罵声を浴びせながら空き瓶などを投げないようにしてください。

イジメ、ダメ、ゼッタイ。

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