はじめての『ジェットボーイジェットガール』

どうも。僕です。

アレですね。やりましたね。快挙ですね。

ゴジラ-1.0』がアカデミー賞を受賞しましたね。

すごいね。まだ観てないけど。

 

いや。でもね、発表の瞬間の映像は見たんですよ。

そしたらね、プレゼンテーターは「ガッズィーーラ」とか言ってないんですよ。

普通に「ゴッ(ドゥ)ズィラ」って言ってた。

そしたらアレよ、『シン・ゴジラ』における石原さとみの発音はなんだったんだってこと。

あれは「誇張しすぎたゴジラ」ってこと? ザコシ?

 

 

まあ、そんなわけでついに出ましたね。

 

なにが。

 

首振りDollsのニュー・アルバム『ジェットボーイ ジェットガール』が。

 

 

2024年3月13日(大安)、首振りDollsの6thアルバム『ジェットボーイ ジェットガール』が世に放たれたわけであります。

2022年の大傑作『DOLL!DOLL!DOLL!』以来となる待望のニューアルバム。

全ロックンロールファン必聴の大注目作と言っても過言ではないでしょう、奥さん。

 

わたくしは前作『DOLL!DOLL!DOLL!』を聴いて首振りDollsの門をくぐったばかりの超にわかなので、ファンとして迎えるニューアルバムが今回が初めてということになります。

その第一印象を書き記しておかないわけにはいかないでしょう。

メモを片手に心を込めて1周聴きましたよ、あたしゃ。

約34分のめくるめくロックンロール体験。

震えながら書き殴ったメモに出来る限り忠実に、その感想を記していきたい。

あくまでも第一印象だし、冷静に読み直すと馬鹿っぽい感想もあるのだけれど、それはそれとしてお読みいただければ幸いであります。

おっさんの雑感をブログにしてしまう男。それがわたくしです。

 

ちなみに首振りDollsの洗礼を受けた衝撃を記録した記事はこちら。

これ以降、ことあるごとに「悪いことは言わないから『DOLL!DOLL!DOLL!』の最初の3曲だけでいいから聴いてみてくれ」と言い続け、少なくとも1人を首振りDollsの世界へと引きずり込むことに成功いたしました。イェイ!

 

 

sasayaki-okami.hatenablog.com

 

 

この記事を読むのに必要なのは、首振りDollsというバンド名、そしてメンバーの名前とパートだけだ。

 

・nao:ヴォーカル、ドラム

・ジョニー・ダイアモンド :ギター、ヴォーカル

・ショーン・ホラーショー:ベース

 

 

首振りDolls 『ジェットボーイ ジェットガール』

01. ジェットボーイジェットガール

すべてをなぎ倒しながら2分弱を駆け抜ける暴走チューン。ささくれたVo.の処理がかっこいい。
ギターソロから狂ったベースパートにバトンタッチ、最強にしびれる。

この無軌道なまでのスピードとアグレッションはZekeを愛する者としては大歓迎。

 

02. PSYCHO SISTER!!!!!

「どうも。キラーチューンでございます」と言わんばかりのイントロのギターメロディ。
荒々しいにもほどがある1曲目で完全に馬鹿になった耳に首振りDollsの妖しくグラマラスな一面を流し込んでくる。
ジョイマン髙木の如く左右にステップを踏みたくなってしまう踊れるベースラインも最高の最高。
他の曲にも言えることだけれど、全身全霊でギターソロパートを盛り上げようとするベースとドラムの気概が伝わってくるのが首振りDollsの素敵なところだ。naoとショーンが組んだ騎馬の上で弾きまくるジョニーの姿が目に浮かぶ。


03. NEVERMiND

イントロを聴いただけでショーン作であることが知れる個性的かつ軽薄で腰の位置が高いロックチューン。
攻撃的な言葉を吐き連ねるヴォーカルが気持ちいい。I hate youだけどNever mindとはこれいかに。
耳を惹くポップな「Ne-ne-ne-nevermind」のフレーズや踊れるベースラインなど、ストレートなロックチューンに確かなひと捻りを忍ばせるあたりにショーンの曲作りの上手さを感じる。

 

04. アンビー!

イントロが始まった瞬間にジョニー・ダイアモンドのペンによるものだとわかるロマンティスト・ジョニー節全開な1曲。
手垢にまみれたJ-POP的なアプローチでここまで瑞々しく甘酸っぱい曲に仕立て上げてしまうジョニーはまさにロックンロールの魔術師。
「3分半のストーリー」という歌詞が出てくるが、この曲の長さは約4分半である。
後半、順に声を重ねていくハーモニーパートはザ50回転ズの名曲「Baby, I Love You」を思わせる。
ドラムビートに合わせて頭上で両手を打ち鳴らす客席の光景が見える。青春やね。

 

05. 画舫(ゴンドラ)

緊迫感のあるヘヴィなリフからハンドクラップパートへ移行。
nao節全開の日本的なメロディで首振りDollsの魅力のひとつであるアングラな世界観へ。地獄のようにヘヴィなパートと軽快なパートの対比が見事。

どうしてゴンドラなのか。CDが届いたら歌詞をチェックしたい。

この曲でもジョニーのギターメロディが際立っている。

 

06. 雨の街

切なさをたたえたスローチューン。

極上の泣きのギターが何度も聴ける。パートごとにギターの音色も変えている?
部屋の湿度が上がりそうな湿り気たっぷりのメロディなのにベタでダサくならないのはすごい。
サビのメロディが素晴らしく、しっかりと展開もあってスローな曲だが飽きさせない。
アコギのアルペジオも印象的。セトリでの置き所は?

 

07. みちづれ

80年代歌謡曲っぽいイントロ。寺尾聡的な世界観で部屋のガラスが曇りそうな勢い。
売れっ子作曲家が書いた曲を一流のスタジオミュージシャンが演奏しました感。カッティングもかっこいい。
首振りDollsの新機軸? 80’s大好きアイドルなどに提供したらヒットしそう。
これまでも歌謡曲を思わせる要素はあったが、ここまで振り切ってくるのは面白い。
音数が少ないながらも印象的なベースもさすが。

 

08. Esc

ライヴではすでにサークルモッシュ曲として定着しているショーン作の暴れチューン。
デジタルハードコアを思わせる極悪サウンド。これは“悪い首振りDolls”と呼びたくなる。

“ジェットボーイジェットガール”と続けて演奏されたら死人が出るのでは。

これは何度でも言うけれど、サビはDragon Ashの“FANTASISTA”を連想してしまうのはわたくしだけだろうか。

普通に終わってもよさそうなのに、さらに明るく展開するパートをぶっこむショーンの曲作りの巧みさよ。

 

09. surrender

前作きってのキラーチューン“ウォンテッド”で会得したロックンロール・ディスコ路線をさらに推し進めた1曲。
“ウォンテッド”と比べるとかなり軽薄。コーラスパートの浮つきっぷりは最高だ。
今のところライヴでの演奏機会が少ないように思えるが、間違い無く新たなキラーチューンになるはず。
この曲に限らず、メロディを弾くジョニーが大活躍するアルバムでもある。
ギターソロの後のパートはギアチェンジという感じがして好きだ。
後半、これでもかと動きまくるショーンのベースもすごい。わたくしのようにキタダマキ氏を神と崇めるマンはショーンのベースを聴きに来て欲しい。

 

10.あなたに

最後はまさかのメロコア。結成12年、アルバム6枚目にしてたどり着いた境地がメロコアだとしたら面白い。
でも、全10曲を並べてみた時、最後を飾らせるのはこの曲しかないと思えるから不思議。
後半でまさかのスカコアに展開。すみません、『Punk-O-Rama』ですか、これは。
ひと言で言えば、とにかく良い曲。前作の“アイラブユー”も大傑作だったが、今回は“あなたに”で涙腺が崩壊してしまうだろう。

ジョニー・ダイアモンドという人は自分の憧れを素直に曲に出来るところが素晴らしいと思う。

2001年、多くの少年少女に楽器を持たせるきっかけとなったのはMONGOL800の“あなたに”だったが、2024年、その役割は首振りDollsの“あなたに”に引き継がれるかもしれない。

 

 

はい。まあ、わたくしの首振りDolls『ジェットボーイ ジェットガール』第一印象はこんな感じでございました。

今まで通りの首振りDollsでありながらも間違いなく前進している作品だと思うし、最高のライヴバンドである彼らのセトリをさらに強力にする1枚だと感じた。

ロックンロール、パンク、ガレージ、昭和歌謡などの要素を独自のフィルターに通したサウンドが彼らの持ち味だけれど、そこには間違いなく“ビーイング系”の血も流れていることを確信してしまったのがわたくしです。

ジョニー・ダイアモンドのDNAに刻まれているであろうビーイング系の遺伝子が、いつの日か首振りDolls日本武道館のステージへと押し上げる助けになりそうな気がしてならないのである。

 

かしこ