はじめての首振りDolls

どうも。僕です。

そうです、呆れるほど僕です。

 

まあ、いつものように書き出しの文章がまるで思い浮かびませんが、どうにか元気にやっております。

もっと気の利いた書き出しにしたいよね。でも思い浮かばないのよね。

気の利いた書き出しの文章を売ってくれるお店があったら利用してしまうな、と思ったけれど、そもそもブログの更新頻度が低いので実際にはそんなに利用しないな、と思い直した。

 

 

ここまで約180文字。

あまりにもどうでもいい話のせいで来訪者の約8割がすでに離脱している可能性があること、しっかりと肝に銘じて生きていきたいと思いました。

そろそろ本題に入りましょうね。刑期とスピーチは短い方がいい、なんてことを言いますからね。言いませんか。

 

 

わたくしのTwitterを見てくださっている方はご存知かもしれませんが、ここ最近ハマっているバンドがおりまして、年甲斐もなくギャンギャン騒いでいて申し訳ございません。

見苦しいアカウントが目に余る場合、Twitterにはミュートやブロックという便利な機能がございますが、一番確実なのはあなたのアカウントを削除してしまうこと。さらにスマホを山奥に埋めたりすると絶対確実です。オススメ!

 

えー。わたくしが夢中になっているバンドは首振りDollsと申しまして、福岡出身のスリーピースバンド。今年で結成10年目になるそうです。

 

 

どうですか。まずルックスが良いのが強い。

グラマラスで怪しげ、ホラー要素もいい感じに和洋折衷。人間椅子ではないけれど、江戸川乱歩的な世界観を感じさせるのも個人的には高く評価したいポイント。

 

数年前から雑誌やネットで名前をよく見かけるようになって、「きっとこのバンドはわたくしの好みだろうナー」と思って音を聴いてみたのだけれど、そのときは何故だかピンとこなくてハマらなかったのよな。

彼らの音が悪いとかそういう問題ではなく、たぶんタイミングの問題だったんだと思う。あるよね、そういうこと。

そんなわけで自分にとっての首振りDollsは、“なんとなく気になりつつも縁の無いバンド”というポジションのまま月日が流れていったわけです。

 

その関係に変化が起こったのは6月初旬のこと。

正確に言えば2022年6月8日のことでございました。(ソースはわたくしのツイート)

 

きっかけとなったのは、首振りDollsのナオさんをシンガーに迎えて制作された“ダスボン”ことThe DUST'N' BONEZの12年ぶりの復活作『Search and Destroy』。

「評判いいし、ちょっと聴いてみるかー」くらいのノリで試聴してみたのだけれど、もうアルバムが終わる頃には「今までちゃんと聴いてなくてすみませんでしたっ!」って泣き土下座してたよね。

あの稀代のロックシンガー、森重樹一の後任という重責を見事に(という言葉では足りないくらい)果たしてみせる歌いっぷりに心底感動いたしました。

 

 

ダスボンでのパフォーマンスにすっかり心奪われてしまったわたくし。

“首振りDollsのナオ”はわたくしのなかで今一番熱いヴォーカリストとなっておりました。

そこであらためて首振りDollsの過去作を聴いてみたのだけれど…

 

 

めちゃいいやん!

本当にあのときに聴いたのと同じバンド!?

 

 

最初に聴いたときの印象はどこへやら、めちゃくちゃ気に入ってしまいました。

もっと早くハマっていれば…とも思うけれど、これはもうタイミングの問題だから仕方ない。あるよね、そういうこと。

数年の月日を経て、首振りDollsは“なんとなく気になりつつも縁の無いバンド”から“今わたくしのなかで熱いバンド”へと出世を果たしたわけであります。

 

しかもタイミングがよすぎることに、6月15日にはニューアルバム『DOLL!DOLL!DOLL!』がリリースされるというじゃありませんか、奥さん。

ていうか、ダスボンの『Search and Destroy』が5月18日リリースで、同じ人が歌ってるアルバムが6月15日リリースってどういう制作スケジュールなんだろう…。

他人事ながら心配になってしまうマイライフです。

 

 

というわけで、渋谷タワレコドまで走って(実際には電車に乗って)買いましたよ。

なにを。

首振りDollsの5thアルバム『DOLL!DOLL!DOLL!』を。

しかも発売日の前日、いわゆるフラゲ日に買いましたよ。

なにを。

首振りDollsの5thアルバム『DOLL!DOLL!DOLL!』を。

 

 

結論から言うと名盤です。

すでにご説明した通り、首振りDollsに関してはわたくしは超にわかファンなので過去作との比較などはできないマイライフなのですが、名盤であることだけは強く強く断言したい。

どれか特定の曲だけをリピートして聴くとか、逆に退屈で飛ばしちゃう曲があるとか、そういうことが一切無い。ただただ最初から最後まで通して聴きたいアルバム。

聴くたびに好きな曲が増えていくっていうのがすごくよかったナー。

なにをもって名盤とするかという定義は難しいけれど、“聴くたびに印象がよくなっていくアルバム”っていうのは結構重要なポイントかもしれない、自分のなかで。

掛け値なしにかっこいいロックアルバムっていうのはこういう作品のことを言うんだろうナーと。

 


www.youtube.com

 

もう曲が本当に粒ぞろいなんですよ、マジで。マブで。

ヘヴィでグルーヴィーな“Walk on the Wild Side”からの“ウォンテッド”でもう完全にノックアウトされたんだ村の住人です。

“ウォンテッド”は昭和歌謡 meets ディスコ meets グラムロックみたいな最高な曲。

この曲をiPodに入れて布教したら1日で何人もファンを増やす自信があるほどのキラーチューンですよ、奥さん。

中盤のユリリガミ風ギターソロからの「ウォーオーオー」コーラスからの「カモン、ジョニー!」の絶叫からのギターソロがかっこよすぎて本当にちんこもげる。ちんこが何本あっても足りないくらいもげる。

 

全曲よすぎて1曲ずつ紹介していくと朝になってしまう勢いよ、マジで。マブで。

続く“スローモーション”なんて王道の名曲で、世が世なら『SLAM DUNK』とかの主題歌になっていてもおかしくないし、今からでもいいからそうなるべきだと思うヒットポテンシャルがある。

まあ、聴いているうちに思い浮かぶのはhide with Spread Beaverだったりするのだけど、hideの曲が何年経っても色褪せないのと同じように、この曲もきっと末永く愛されていくのだろうなと思う。

 

6曲目の“Down”もすごく好きだなあ。

これは彼らのルックスにぴったりな怪しげでダウナーな曲。

決して派手さはないけど中毒性がものすごくて、ソングライティングの上手さに唸らされた。

こういう地味系の曲が実はキラーチューンだった、というのも名盤あるあるなのでは。

 

逆に彼らのルックスからは想像できない歌物ロックチューン“中央線”も珠玉の名曲。

こんな歌心爆発の楽曲もあるのか!と感動いたしました。

素晴らしいギターソロも含めて、曽我部恵一さんの名曲“吉祥寺”を思い起こさせるところがあり、今作のなかでも非常にお気に入りの1曲でございます。

 

そしてそして、今作のハイライトとも言えるのが、ギターのジョニーさん作の“アイラブユー”。

ご本人いわく「僕はめんたいロック出身なので、『お前はビッチだ。酷い女だ!でも愛してるぜ!』という曲にしたかったのに、なぜか感謝ばかりになってしまった」という1曲。

これがめちゃくちゃ良い曲なのよ…。マジで。マブで。

パッと聴きはごく普通のロックンロールなんだけど、聴いてるとなぜか涙腺が緩む。

 

<君の好きなものは僕の好きなもので / これ以上好きになるのは罪なことですか!?>

 

このラインがめちゃくちゃ好きで、もしかしたら首振りDollsのこと、ロックンロールのことを歌っているのかなと思うと、もう泣けてしまうよね。

ていうか、このベタなタイトルでこんな名曲が書けてしまう才能がすごい。

 

そしてそして、わたくしが一番好きなのが最後に収録されている“荊”。

これはもう大名曲でしょう。

ただ、あまりにも赤裸々な曲なので、これだけ単品では聴けないというか、わざわざ選んで聴くのは野暮な気がしてしまう。

ちゃんとアルバムを最後まで通して聴いたときだけ出会うことができる名曲、という立ち位置です、わたくしのなかで。

 

 

百聞は一見に如かずということで、本当に聴いてみて欲しい、首振りDollsの『DOLL!DOLL!DOLL!』。

もしも今もゴールデンタイムに影響力のある歌番組が残っていて、そこに彼らが出演して“ウォンテッド”を披露したとしたら、その翌日にはクラス中が首振りDollsの話題で持ちきりになっていると思う。

そのくらいのパワーがある名盤だと思うので、まずは冒頭数曲だけでも是非。

 

 

上手く説明できないけれど、彼らの音楽からは、自分がロックを好きになって夢中で聴いていた時と同じ匂いがする。

同じようなサウンドじゃなくて“匂い”というのが重要で、これは狙って再現できるものではないので、こういう出会いは大切にしないといけないと思うマイライフです。

嫌いなものは簡単に説明できるのに、本当に好きなものはその核心の部分、それを特別な存在にしている要素を言葉にするのが難しいから不思議よな。

もちろんある程度説明することはできるのだけれど、余すところなく説明するのは不可能で、言葉にならない部分こそが“Something special”なのだろうなと思う。

 

 

まあ、そんなこんなで首振りDollsに心奪われてしまったわたくし。

なんと! レコ発ライヴがあるというじゃありませんか!

6月17日、場所は渋谷のclubasia。近い! 全然行ける!

 

しかし、ダスボンのアルバムを聴いて首振りDollsを見直したのが6月8日。

『DOLL!DOLL!DOLL!』を買って気に入ったのが6月14日。

さすがに10日も経たないうちにワンマンライヴというのは性急…いや、軽薄では…?

おっさんなりに自問自答いたしました。

 

 

【結論】

こういう流れには乗った方がいい。

スピード感大切。

 

 

ええ。ライヴ前日に大人1枚購入いたしました。

clubasiaはパリピの巣窟というイメージで怖かったけれど、あの界隈のライヴハウスには何度も足を運んでいる身。

チーマーに狩られないように姿勢を低くして小走りするのはお手の物でございます。

 

 

んで、迎えたライヴ当日。

密書を運ぶ忍者のステップでclubasia前に到着すると、会場前にはなんと某超大物政治家からのお花が飾られていて驚愕した。

なんなら道行く人も驚愕していた。みんな驚愕していたと思う。

名前を出してしまうとこのブログがポリティカルな雰囲気を纏ってしまう可能性があるので、ここでは名前を伏せることにいたします。

ヒントを出すこともいたしませんのでご了承ください。

某超大物政治家からのお花

 

 

初見も初見、にわかもにわかなのでライヴレポートについては自重いたしますが、もうね…涙が出てしまうくらい素晴らしかった。

猥雑さ、怪しさ、喧しさ、激しさ、優しさ、ロマンティックさ、純粋さ、ロックに必要なものをすべて兼ね備えたライヴだったと思う。

もしもロックの神様が存在するとしたら、首振りDollsは神様的な自信作なのではないかナーと思ったりもした。

MCでナオさんが言及していた武道館、絶対にたどり着いて欲しい。

 

 

ちなみに彼らのライヴのエンディングSE(って言うのかな?)はKISSの“God Gave Rock 'N' Roll to You II”。

直訳すれば「神は君たちにロックンロールを与えた」。

それは祝福であると同時に、ロックという悪魔と死ぬまで踊り続けなければいけない一種の呪いでもあるのではないかナー。

同曲にはこんな歌詞がある。

英検87級とも揶揄されるわたくしの英語力なので意訳も意訳だけれど、ちょっとだけご紹介したい。

 

よく聞きなさいよ

お前さんがシンガーやギタリストになりたいのなら

とにかく額に汗して練習しなさい

さもなくば成功などとても望めやしないよ

今さら9時5時の仕事をしようったってもう遅すぎるしね

 

奥田民生さん風に言うなら「雲の形をまにうけてしまった」とでも言うのだろうか。

形のとても曖昧なもの、それは夢と言い換えてもいいのかもしれないけれど、それを求めて悪魔と踊り続けるDolls3人組。

結成10年目での出会いは少々遅すぎる感はあるけれど、これからめちゃくちゃ応援していきたいと思ったマイライフです。

 

今回も特にオチはございませんが、ひとつだけ言うならば、首振りDollsのライヴは綺麗なお客さんが多いということだけは声を大にして世の中に伝えたい。

綺麗なお客さんが多いのはロックンロールにとってはとても良いこと。

では、またどこかでお会いいたしましょう。