サマソニック最終日

サマソニック終了から約1週間。

いまだに疲れが抜けないのは気のせいでしょうか。

浴衣姿の美人にマッサージをされたい今日この頃であります。

 

あれほど楽しかったサマソニックですが、さすがに1週間も経つと記憶が薄れてまいります。

忘れないうちに一気に書き上げてしまいましょう。

それではいきますよ!

サマソニック最終日にズームインっ!(空元気)

 

 

昨年末にサマソニック開催が発表された直後に予約した幕張メッセ近辺のホテル。

その一室で死んだように眠るわたくしを叩き起すiPhoneのアラーム。

昨日の疲れが澱のように堆積してはおりますが、いよいよサマソニック最終日の開幕であります。

メッセ側に面した部屋のカーテンを開けると外は快晴。

元々の予定では日曜日が雨天と聞いておりましたが、この様子ではどうやら大丈夫そうです。

 

前日のArctic Monkey終わりにコンビニで買った朝食を死んだ魚の目で食べていると、くり子さんから「今日は早めにおいでよ!」とメールが着信。

チェックアウトの時間よりも幾分早めにホテルを出発し、メッセ駐車場で合流する事に。

昨年はホテルのチェックアウトの際、Zebraheadのステージに飛び入りする予定だった岡本夏生さんと遭遇したのですが、今年はそのようなサプライズは皆無。

ごく普通に宿泊代を支払ってホテルを後にしました。

 

メッセ駐車場でくり子さん夫妻と合流し、最終日の充実と無事を祈念して乾杯。

と祈念したのはいいのですが、前日とはうって変わってメタル色の薄いラインナップに戸惑い気味の我々。

タイムテーブルとにらめっこしても愛読誌『Burrn!』に載っているようなバンドの名前は見つかりません。

記念すべき最終日の幕開けをどうするべきか。

決められないまま時間だけがいたずらに過ぎていきます。

そんな焦りと苛立ちの中、我々はついにひとつの結論を得ました。

 

観るのは別にバンドじゃなくたっていい。

 

それはまさに天啓でした。

漆黒の闇を切り裂く一筋の光。

万有引力の法則に気付いた時のニュートンも同じような感覚を覚えていた事でしょう。

一気に気持ちが軽やかになった我々。

どこまでも晴れ渡る空の下、欽ちゃん走りで幕張メッセへ移動するのでした。

 

〇 ゴー☆ジャス

 

サマソニック2014年の最終日、その幕開けはお笑いSHOW TIME。

イジリー岡田さん司会でおなじみのサマソニック憩いの場であります。

大勢の芸人さんが登場する中、我々のお目当ては宇宙海賊ことゴー☆ジャス

キッスのメンバーを彷彿とさせるメイクと地球儀を使ったネタで有名な芸人さんです。

彼の「マダガスカル!」というネタをどうしても観たいがためにやってまいりました。

 

数組の芸人さんがネタを披露した後、ついに満を持してゴー☆ジャス登場。

果たして念願の「マダガスカル」を観る事は出来るのでしょうか。

最初のネタは雪山で遭難したという設定のもの。

寒さで死にそうな相方を必死で励ますゴー☆ジャス

 

「まだ助かる!まだ助かる!」 

 

その強引なフリに騒然となる我々一同。

「キター!キター!」という言葉が自然と口をついて出ます。

そしてついに訪れた歓喜の瞬間。

 

「はい!ここ!マダガスカル!」

 

ありがとうございます。

始まって20秒で目標達成です。

ちなみにサマソニックでのマダガスカル体験は、2002年サマソニックのおける伝説のGuns N' RosesのセットでMadagascarを聴いた時以来、実に12年ぶりでございます。

次のマダガスカル体験はいつになるのでしょうか。

 

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ネタを披露するゴー☆ジャス氏(写真はチリを指しています)

 

出来ればイジリー岡田さんの高速ベロも観たかったのですが、朝イチという事もあり「まだ舌の準備が出来ていない」と披露してくれませんでした。

残念ですが、無理に披露して舌を断裂などという惨事を招いてもアレですので、また来年にでも観せていただく事としましょう。

 

念願のマダガスカルに大満足した我々。

くり子姉さんの盟友ハヤサカ氏(なでしこ)と合流し、メッセ内でお昼ご飯を。

各自思い思いのソニ飯を食べながら作戦会議。

やはりこういう作戦会議もサマソニックの醍醐味のひとつ。

自然とビールも進みます。

 

メッセ内にいる美人売り子さんと記念撮影などしてご満悦の俺&くり子さんの旦那。

この記念撮影システムによって売り上げは相当伸びている事でしょう。

来年は浴衣姿の売り子さんもいたらいいと思った。

 

 

木村カエラ

 

幕張メッセというセーフティーゾーンを飛び出して炎天下のマリンへ。

たしかに暑いが去年ほどの酷暑ではない。

去年がいかに暑かったか察して頂けるようなエピソードを幾つかご紹介しましょう。

 

・俺氏、バンドをひとつも観ないうちに死亡。ホテルへ戻って身体を休め、トリのMetallicaだけをなんとか観る。

Man With A Missionの演奏中、スニーカーを履いているにも関わらず足の裏が焼けるように熱く、Fly Againを聴いた時点でマリンから退散する。

・BFMVティーシャーツに身を包んだくり子さんの旦那、あまりの暑さでBFMVが熱演を繰り広げる中、マリンのスタンド席で気絶。何を目当てに来た人なのかわからなくなる。

 

今年は暑いながらも正気は保てているので大丈夫そう。

こまめな水分補給とアルコールの過剰摂取に気を付ければ最後まで乗り切れるでしょう。

 

という訳で木村カエラですよ。

サマソニックで彼女を観るのは2007年以来かな。

あの時はギター弾きながら歌ってたけど、ひたすらに可愛かった印象しかない。

客席からの声援に応えて、「ありがとー。じゃあ、ちょっと頑張っちゃおうかな」とか言っていた姿に萌え死にしました。

 

あれから7年。

あの時とは違ってギターは手にしておらず、赤いワンピースのような衣装を着て、ステージ上をひらひらと歌い踊る彼女。

観客の扱いも手馴れたもの。

「簡単な振り付けだからみんなもやってね」という『OLE! OH!』は可愛かったナー。

時間が短かったのが残念だったけど、青空がよく似合う楽しいステージでした。

来月の横浜アリーナを観に行く予定なので、改めてカエラ聴いてみましょうかね。

バラードよりも『BEAT』みたいな曲が好き。

 

去年のミスターチルのようなJ-Pop大物枠で出演のドリカムトゥーはパスする事に。

オリジナルメンバーでの出演なら観に行ったかもしれん。

観た人が口を揃えて言っていたのは、「MCがちょっと…ネ」という事。

誰も演奏の事に触れていなかったのが気がかり。

 

次に観る予定のGuns N' RosesトリビュートバンドGunmen Showersまで時間があるのでメッセへ戻ってビールタイム。

ぼっちだがそれはそれでいい。

Gunmen Showersの出演時間が16:15なので16時頃にメッセを出れば十分に間に合う計算。

 

と思ったら、16時頃にくり子さんから「もうガンシャやってる」という衝撃的なメールが。

えー!16:15からじゃないのっ!?

知らないうちにタイムテーブルが変わってたの!?

もうマリンへ向かって泣きながら全力疾走しましたよ。

その途中、くり子さんから再度メールが。

 

「サウンドチェックだった」

 

なんだよそれっ!

反射的に「この役立たずがっ!」というメールをくり子さんに送ってしまいました。

反省。

どうやらサウンドチェック代わりにNightrainを演奏したようです。

なにはともあれガンシャさんのライヴに間に合ってよかった。

 

 

〇 Gunmen Showers

 

マリンスタジアム外のSIDE-SHOWに登場するのは、「Advice For Masterbation」を旗印に活動するGunmen Showers。

我らがGuns N' Rosesのトリビュートバンドであります。

以前にワンマンを観に行かせてもらった時は、定番曲はもちろんの事、Get In The RingやGarden Of Edenなどのレア曲まで披露してくれる超本格派。

ガンズが好きなら絶対に楽しめるライヴを見せてくれるバンドです。

 

オフィシャルバーでビールなぞを買っていると、ステージから「Gun! Men! Showers!」という絶叫が聞こえ、猛ダッシュでステージ前へ。

真昼間のSIDE-SHOWにも関わらず結構な人数が集まっておりました。

オープニングナンバーはガンズの存在を世に知らしめた名曲Welcome To The Jungle

NaxlさんはAxl特有の高音の唸り声が本当に似ていて毎回感動する。

演奏もさすがの安定感で、一緒に歌っていて本当に心地が良い。

 

Welcome To The Jungleに続くのは定番のIt's So Easy。

「FUCK OFF!!」と無数の中指が突き上げられるが、実にピースフルな空間。

「やっぱり俺はガンズが好きだ!」と再確認できる幸せな時間でした。

 

上半身裸にサスペンダー姿のNaxlさんが歌いだしたのは…

Sail Away Sweet Sister!!!

この数時間後に大トリとして登場するQueenの楽曲ですよ。

言葉は悪いけど、SIDE-SHOWっていうのはサマソニック全体から見たら、もう場末みたいに小さなステージじゃないですか。

でも、そんな小さなステージから発信される、大トリを務める世界的大物バンドへの心のこもったトリビュートになんだかすごく感動してしまった。

そしてSail Away Sweet SisterからGrand FunkのBad Timeへ。

92年東京ドームのAxlのガラガラ声まで忠実にカバー。素晴らしい!

 

そこから世界屈指の有名なイントロリフを持つSweet Child O' Mineへ。

ギターのGaslashさんのソロが素晴らしかった。

そしてリズムギターIzzlyさんの腕回しが炸裂!

Sweet Child O' MineのPVにおけるイジーの腕回しが大好きな我々にとっては至福の時間。

くり子さんと一緒になってぐるんぐるん回しておりました。

お笑いステージのイジリー岡田さん、そしてGunmen ShowersのIzzlyさん。

ふたりのイジリーがサマソニックに華を添えてくれました。

 

最後はもちろんParadise City。

いつの間にかPVと同じ白いジャケットに着替えているNaxlさん。

こういうところに本家への愛を感じるよね。

いつか本家ばりに紙吹雪の噴射もよろしくお願いいたします。

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4曲だけとはいえ、素晴らしい熱演に大喝采。

「あ。ガンズだ」と足を止めた人も多かったんでしょう。

最終的にはかなりの人数がSIDE-SHOW前に集まっておりました。

メンバーのみなさんはおそらく普通に仕事を持ってらっしゃる方で、いわゆる週末ミュージシャンというスタンスなんだろうけど、トリビュートの対象への果てしない愛、そして自らのたゆまぬ努力によってサマソニック出演を果たしたんだよね。

ライヴ終了後、汗だくのまま記念撮影に延々と応じる姿にも感動。

だって、次のリッチー・サンボラが終わってマリンから出て来たら、まだ記念撮影やってるんだもの。どんだけいい人なんですかっ!

Gunmen Showersのみなさん、本当にご出演おめでとうございます!

 

 

ビールを飲みながらガンシャさんの余韻に浸っていると…

トラックに乗った水着美女が放水しながら登場!

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ずぶ濡れになりながらも必死にシャッターを切りまくった結果が上の画像であります。

永久保存したい素晴らしいショット。

今回のサマソニック、サマソニガールという存在意義のよくわからない募集をしていて訝しいと思っていたのですが、まさかこういう役割を与えられていたとは。

これなら大賛成であります。

来年はサマソニガールを倍増…いや、3倍増にしていただき、場内のいたるところに配置していただきたい。

それによってチケットの値段が跳ね上がるのはやむを得ないと思っております。

 

そんなサマソニガールのおっぱいに興奮しているわたくしの元に、「リッチー・サンボラがIt's My Lifeやってる!」との情報が入り、慌ててマリンスタジアム内へ。

まさかここまでベタな曲をやってくるとは予想外。

 

 

〇 Richie Sambora & Orianthi

 

今回のラインナップで浮いている感が否めないリッチー・サンボラ。

スタンドに適当な席を見つけて座る頃には、残念ながらIt's My Lifeは終わっておりました。

スタンド上段から見る感じでは、アリーナ前方はかなり埋まっている印象。

リッチーとオリアンティが並ぶと非常に見映えがいい。

スーパーギタリストふたりが並んでプレイするなんて、ギター小僧にはたまらないものがあるんだろうナー。

わたくしはギター小僧ではないのでオリアンティの胸元ばかりに大注目。

 

正直なところリッチーのソロはあまり詳しくないのですが、やはり彼は歌が上手い。

ギタリストにしては上手い、というレベルではなく惚れ惚れするくらいの歌いっぷり。

こんな人がバンドにいたらジョンはさぞかしやりずらかっただろうナーと同情してしまった。

ブルーズっぽい曲(Stranger In This Townかな?)は素晴らしい出来だったな。

 

堂々たる演奏を繰り広げるリッチー&オリアンティですが、場内が一際盛り上がるのはやはりBon Joviのヒット曲。

I'll Be There For Youで「おおっ!」と思ったのも束の間、Bon Joviの代名詞的大ヒット曲Livin' On A Prayerまで飛び出したのには悶絶。

まさかサマソニックでLivin' On A Prayerを合唱する日が来るとは思わなかった。

去年のシンディ・ローパーの時も思ったけど、こういう全人類共通の問答無用の大ヒット曲を持ってる人は強いよね。

 

そして待ちに待ったWanted Dead Or Alive

リッチーの出演が発表された時から、この曲の掛け合いパートをやるのが今回のサマソニックの目標のひとつでした。

ウォンテー

 ウォーンテー

  デッドオラーイ

生きていて良かったと思った。

来年のサマソニックでもこの手の夢を叶えたい。

 

Avril Lavigne

 

リッチーの後を受けて登場したのは、日本でも絶大な人気を誇るアヴリル・ラヴィーン

トリ前のTBAが彼女だったのは少し意外だったけれど、オーディエンスの年齢層を若返らせるのには間違いなく一役買っているはず。

 

で、肝心のパフォーマンスですが…

すいません。ほとんど気絶していたのであまり覚えておりません。

What The Hellとかやっていたような…。

まあ、長丁場のフェスではこういう魔の時間帯が必ずありますよね。

それがたまたまアヴリルの出番にやって来てしまっただけという事で…。

よく眠れたという事は、それだけ心地の良い演奏だったのではないかな、と。

 

いつの間にか陽が落ちたマリンスタジアム

アリーナへひっきりなしに人が流入し、スタンド席も次々と埋まっていきます。

サマソニック2014年の大トリを迎える雰囲気が段々と出来上がっていく場内。

いよいよ伝説のバンドがステージに立つ訳であります。

 

 

Queen + Adam Lambert

 

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新ヴォーカルにアダム・ランバートを迎えて活動を再会したQueen

待望の来日はサマーソニックの大トリというバンドとしての格に相応しい大舞台。

場内には異常な期待感が充満していました。

 

イントロSEとしてProcessionが厳かに鳴り響き、オープニングナンバーNow I'm Hereがスタート。

フレディの後任というハードルの高すぎる仕事を堂々とこなすアダムの姿に一安心。

ブライアンとロジャーは前回ポール・ロジャースと来日した時よりもかなり老けた印象だが、その演奏に衰えは感じられず。

特にブライアンのギターは一聴しただけで彼の演奏だとわかるくらい特徴的。

あの温かみのある太いトーンとフレージングはまさに絶品。

彼が参加したというGuns N' RosesのAtlas Shrugged、早く聴きたいナーと思ってしまった。

 

Love Of My Lifeではスクリーンにフレディが登場し、悲鳴混じりの大歓声に包まれる場内。

スクリーンの中のフレディは、まったく違和感なくバンドの演奏に合わせて歌を披露。

実際はバンドがフレディに合わせてるんだろうけど、あまりの違和感の無さに「フレディが生き返った!」と絶叫してしまった。

まさにこの世とあの世が繋がった瞬間。なんなんだこれは。

 

本編最後はBohemian Rhapsody

イギリスでは史上最高のシングル曲に選ばれるほど愛されている超名曲。

しかしながら、ポール・ロジャースとの再結成の時は、フレディの歌入り音源を流すというウルトラCを披露し、オーディエンス全員が膝から崩れ落ちるという惨事を招いたのも記憶に新しいところ。

アダム・ランバートを迎えたQueenはこの超名曲にどう向き合って行くのか。

 

そのような経緯もあり、固唾を呑んで見守った訳なんだが、アダムが普通に歌い出したので一安心。

堂々とした歌いっぷりで最初のパートを終えたアダム、誰かを紹介するような仕草を見せると…

 

フレディ・マーキュリー!!

 

再びスクリーンに登場し、アダムの後を引き継ぐように歌い出すフレディ。

この演出には本当に鳥肌立った。

もう誰が生きていて誰が死んでいるのかわからなくなるような異空間が出現。

どうせならAnother One Bites The Dustの時にジョン・ディーコンの御霊も呼び出して欲しかった。(死んでない)

 

志半ばにしてこの世を去ったメンバーの偉大さをファンと分かち合って、その功績を祝福出来るというのは感動的だよね。

もちろん亡くなってしまった事は悲しいのだけれど、世界各地で同じようにフレディがスクリーンの中に蘇って、その偉大な歌声を聴かせてくれているという事実は素直に嬉しい。

使い古された言い回しだけど、肉体は滅びてもその音楽は生き続ける、という事だよね。

 

アンコールはWe Will Rock YouWe Are The Championsという超お約束ナンバーで大団円。

ロックフェスティバルの最後にこれほど相応しい終わり方があるのでしょうか。

そして打ち上がる花火。

「ああ。終わったんだなあ」という感想以外持ち得ないでしょう。

 

マリンスタジアムを出た後、メッセにクラフトワークを観に行ったのですが、直前に観たQueenの余韻が強すぎて、そのストイックな演奏が身体に入って来ませんでした。

もう身体が「今年のサマソニックは終わったんだヨー」と主張しているようで、数曲観ただけで退散する事に。

クラフトワークが悪いんじゃなくて、これはもうタイミングが悪かったとしか言いようが無い。

 

開催前は「ラインナップが弱い」と言われていたサマソニック。

が、参加してみたら例年以上に楽しめました。

好きなバンドがガチガチに詰まっているよりは、ある程度余裕のある感じの方がいいのかもしれません。

もう朝から晩までマリンで暴れていても大丈夫という年齢でもないので…。

来年のサマソニックはどのようなラインナップになるのでしょうか。

では、また来年。

サマソニック初日

某演歌歌手の暴行疑惑、正直どうでもいいですよね。

それよりも我々の夏が終わってしまった事の方が大問題。

そう。夏の祭典Summer Sonic閉幕でございます。

秋には『秋の黒シャツ祭り』ことLoud Parkや日本初開催のKnotfestなどが控えておりますが、俺の夏が去って行ってしまった事に寂しさを覚えますね。

今回はそんなひと夏の思い出、サマソニック2014について書き記していきたいと思います。

行かれた方も行かれなかった方もしばしお付き合いください。

まずは初日の様子からズームイン!(空元気)

 

8月16日、午前2時45分。

枕元のiPhoneがけたたましく鳴り響き、サマソニック2014の開幕を告げます。

近所のご家庭は一見寝静まっているように見えますが、我が家と同じようにサマソニックの開幕を告げるアラームが鳴り響いている事でしょう。

今年も無事に起きれた事をロックの神様に感謝。

蛇足になりますが、アラームとは全然関係の無いタイミングで目が覚め、「ぬわー!寝過ごしたっ!俺のサマソニック閉幕っ!」と真っ青になってiPhoneの時刻表示を確認したらまさかの0時30分で、「馬鹿野郎。まだ始まってもいねえよ」と吐き捨てて再度就寝したというエピソードも併せてご紹介させて頂きます。

どれだけわたくしがサマソニックを楽しみにしていたかわかって頂けるでしょうか。

 

身支度や飲み物の準備が完了し、いよいよ自宅を出撃。

心配された帰省ラッシュ渋滞などにも巻き込まれず、5時前には幕張メッセ駐車場に到着。

今年の「着いたよー」ツイートは午前4時52分でございました。

友達にも「着いたよー」とメールを送りますが、見事なまでに返信は無し。

寝坊にもほどがありますよ。

ちなみに朝のメッセ駐車場はこんな様子。

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朝ビールや会場周辺の散策などをしているうちに午前8時前。

いよいよリストバンド交換の時刻であります。

去年ほどの酷暑ではないけれど、やはり炎天下で並ぶのはキツい。

汗が猛烈な勢いで汗腺から噴出していきます。

メタル系ティーシャーツを着ている人が多いのは初日のラインナップの影響でしょうか。

去年のLoud Parkティーシャーツに輝くKing Diamond様のお名前を目にすると物悲しい気持ちになるのは僕だけでしょうか。

 

そんなおセンチな気持ちになっているおっさんの柔肌を焦がすような炎天下に耐え抜き、いよいよリストバンド交換開始。

係員さんの「チケットのミシン目にあらかじめ折り目を入れてくださーい!スムーズな交換にご協力くださーい!」というアナウンスに応え、チケットのミシン目を入念に折り曲げて準備万端。

もう触れただけで取れてしまうのではないかと心配になるくらいに折り曲げてやりましたよ。

交換列も順調に進み、いよいよわたくしの順番に。

「さあ。スムーズに切り離してくれたまえ。超高級ステーキのようになんの抵抗もなく切り離れるはずだ。遠慮はいらない。さあ!」

とチケットを差し出したところ、係員のお兄さんは差し出されたそれをもぎる事もなく、まさかのチケット全回収。

予想外の展開に泣きながらリストバンドを装着されるという醜態を晒してしまいました。

間違った情報、ダメ、ゼッタイ。

 

いきなり出鼻をくじかれましたが、気を取り直してグッズ購入。

今年はあまり心惹かれる物が無く、単独ライヴに行く予定のVintage Troubleティーシャーツとポスターのみお買い上げ。

いったん車に戻って友人のくり子さん夫妻の到着を待つ事にしました。

ちなみにくり子さんは「MegadethやGhostの物販はメッセだよ」というメールを送ってあげたにも関わらず、マリンの物販に並んだ挙げ句、「MegadethもGhostも売ってなかった!」と憤慨するというウルトラCを披露。

どうしたらいいんでしょうか。

 

なんとかくり子さん夫妻と合流し、2日間の充実と無事を祈念して乾杯。

例年であればビール飲みながらダラダラするところですが、今年は朝イチから積極的に行動しますよ。

10時前には幕張メッセの最深部Rainbowステージへ。

朝イチにも関わらず早くもかなりの人出。

やはり今年の目玉であるところのあのグループ目当ての人たちでしょうか。

いずれにせよ朝から活気があるのは良い事だ。

 

〇 White Ash

 

2014年のサマソニックは彼らのライヴでスタート。

いくつか音源は持っているのだけれどライヴは初見。

会場に詰めかけたオーディエンスのほとんどは次に登場するグループのファンかと思っていたのだけれど、意外なほどに良い反応をもらっておりました。

「僕ら、軽音楽サークルでArctic Monkeysのカバーバンドとして結成したんですけど、ついに同じイベントに出させてもらう事ができました!」というMCには場内大喝采。

こういうのって一気に好感度上がるよね。

「東京モード学園のCMソングです!」と言って始めた曲は良かったナー。

ちょっとタワレコあたりで探してみましょうかね。

またライヴを観に行きたくなったバンドがひとつ増えました。

こういうのがフェスの良いところ。

 

TOKIO

 

今回のサマソニック最大のサプライズ

まさかのジャニーズ枠。

出演が発表された瞬間、「やったー!絶対観る!」と狂喜した人も多いのではないでしょうか。

他ならぬわたくしもその一人であります。

 

期待に胸膨らませて集まったオーディエンスがRainbowステージを埋め尽くし、フロア前方は始まる前から数メートル単位で左右に揺さぶられる始末。

TOKIO目当てで集まったライヴ慣れしていないであろう女の子達の悲鳴があちこちから聞こえてきます。

こんなカオスはAir Jam2011でHi-Standardが復活した時以来ですよ。

もうこの時点で伝説のアクトになる予感がビシバシとしております。

 

そんなフロアの危険な空気を感じ取ったRainbowステージMCのお姉さん。

「前方の人が苦しそうなので、自分なりのチワワ2匹分だけ下がってあげてください!」という謎すぎる呼びかけを披露。

会場が経験した事の無いようなざわつき方をしておりました。

可愛い女の子だから許されましたが、これがサッシャだったら完全に事故になってますよ。

ああいう「キティちゃんの体重」みたいな曖昧な指示はやめよう。

 

衝撃的なMCの余韻が残る中、ついにフロアの照明が落ち、民族大移動よろしく前方へ詰めかけるオーディエンス。

昼過ぎにして早くもヘッドライナー級の盛り上がりを見せるRainbowステージ。

そんな中、ついにジャニーズが誇るロックバンドTOKIO降臨であります。

まさか俺がジャニーズ事務所所属のタレントさんを目撃する日が来るとは思わなかった。

気が付いたら「リィィィィダァァァァ!」と城島リーダーに向かって絶叫していたん。

 

1曲目は名曲『宙船』。

「お前のオール」という歌詞は下ネタなのか否か。

そんなどうでもいい事が気になっております。

野太い合唱が響く中、フロアの混乱は雪だるま式に大きくなり、冒頭1分にして前方エリアから脱出して行く老若男女が続出。

ここまでの状況は予想外であります。

 

2曲目は個人的に待望していた『Ambitious Japan!』。

城島リーダーの「I get a true love!!!」というコーラスが聴けただけで感無量であります。

それにしても思った以上に演奏がしっかりしている。

5弦ベースを操る山口くんは歌も上手いし、ミュージシャン然とした雰囲気でかっこよかったナー。

 

リーダーの例のコーラスを聴けた時点で目標達成だったのですが、 想像以上のかっこよさに最後まで観る事に。

もうね、ジャニーズとかアイドルという肩書きはどうでもよくて、ロックバンドとしてすごくよかった。

20年のキャリアは伊達じゃないですよ。

メンバー紹介の時、国分くんが「いろいろやりすぎて自分が何をやってる人かわからなくなるけど、音楽やってる時が一番幸せです!」って叫んでたけど、ステージを見ていたらその言葉に嘘偽りが無い事はよーくわかった。

ドームを満員にするようなアイドルでもなく、バンドとしても「本当に演奏できるの?」と懐疑的な目で見られ、ジャニーズなのに村や島を開拓させられたりして、本人達の中では色々と葛藤があったと思うけど、それを完全に乗り越えてロックバンドとして堂々と演奏している姿がとてつもなくかっこよかった。

日本で一番愛されているバンドって実はTOKIOなんじゃないかとふと思ったん。

 

最後は「デビュー曲のサマソニバージョンだ!」という紹介からのLOVE YOU ONLYで場内狂乱。

長瀬くんに煽られて場内大合唱。やはり大ヒット曲は強い。

ついにクラウドサーファーまで登場。

TOKIOクラウドサーフなんて最高じゃないですか。

びっくりして泣いちゃう女の子もいたけど、今日ばかりはTOKIOがアウェイ側なのでご容赦ください。

いつかあの子が自ら進んでクラウドサーフがあるようなライヴに足を運んでくれたら胸熱であります。

 

最後は城島リーダーの「これから走って帰ります」というMCで朧げにスベりながら終了。

彼らの裏で演奏していた敬愛するVintage Troubleを断念してまで来た甲斐があった。

今度は彼らのホームにこちらから足を踏み入れるべきかなとも思ったん。

チケット争奪戦が凄そうだけど、今度はフルセットで観れますように。

 

 

TOKIOで完全に体力を消耗してしまい、しばしの休憩タイム。

着ていたNapalm DeathティーシャーツとCarcassタオルは完全に死亡。

TOKIOになんちゅー組み合わせやねん!」とか言わないの。

昼ご飯を食べ、水分を補給して体力の回復に務める。

朝から晩までマリンの前方エリアを確保するような体力はもはや俺には無いのだ。

ちなみに「わたくし」「俺」「僕」など一人称が安定しないのは芸風であります。

 

華原朋美

 

本当に気まぐれ的な塩梅で華原朋美ちゃんを観るためにGardenステージへ。

このステージは本当に別世界という雰囲気。

芝生の上に張られたテントの群れがサマソニックじゃないみたい。

ステージ前は屋根付きのスペースになっているけれど、そこには入らず、芝生に座ってのんびり観るスタイルの人が多い感じ。

とりあえず屋根があるところまで移動して開演を待つ事に。

お客さんの年齢層は高め。

 

開演まで残り数分となった頃、屋根付きのエリアへ続々と人が押し寄せて来て驚愕。

何事かと思ったら、どうやら雨が降ってきた模様。

ほんの数分でぎっしりと埋め尽くされるGardenステージ。

結論から言えば、この雨が超ファインプレーとなりました。

 

雨のおかげで人がパンパンに詰まった客席。

そこにタイミング良く登場して来る華原ちゃん。

「華原ちゃんを観るために大観衆が集結した」という図式が完成した訳であります。

これは演者のテンションも上がるでしょう。

観る側としてもある程度の人口密度があった方が盛り上がり易いというもの。

あの雨のタイミングはまさに神業であったと言わざるを得ません。

 

初めて生で観る華原ちゃん。

一時期の危うく不健康なイメージはどこへやら、天使のような可愛さでした。

しかも出し惜しみという言葉なぞこの世に存在しないのではないかと思ってしまうほどの鉄板セットリスト。

元彼の嫁の持ち歌まで堂々と披露する始末。

ちなみにオープニングは大ヒット曲『Keep Yourself Alive』で、これは翌日のヘッドライナーであるQueenの有名曲と同名異曲。

華原ちゃんのQueenに対するリスペクトに胸が熱くなり、思わず涙ぐんでしまった。

みんなもそうだと思う。

 

ライヴが始まる前は、Gardenステージという事もあり、ヒット曲をアコースティックアレンジか何かにして、かったるく自己満足的に披露するのかと思いきや、ベタベタのカラオケ音源に合わせて熱唱する華原ちゃん。

そこには微塵の迷いも感じられませんでした。

まさに「ミュージックステーション 華原朋美特集」とでも言いたくなるようなステージに狂喜乱舞する年齢層高めなオーディエンス達。

TOKIOの時にも思いましたが、やはりミリオンセラー級の大ヒット曲っていうのは本当に強い。

ファンとかファンじゃないとかそういう垣根を楽勝で越えるんですよ。

「あ、これがポップなんだな」と思った。まさに人口に膾炙している。

 

誰もが知っている楽曲と誰もが知っている華原朋美という歌い手のストーリー。

MCはそのストーリーの方へ自虐的に光を当てるようなものが多かった。

「みんなは20代を大切にしてね。わたしの20代は…ほら、ほとんど病んでたから」には場内大爆笑。

これはどん底の時期を乗り越えた今だから笑える事だよね。

彼女の音楽のファンという訳ではないけど、すごくお客さんにちゃんと向き合おうとしていて、なんだか応援したくなってしまった。

歌も衰えてないし、容姿も復活したし、MCも面白いし、これは再ブレイクありうるんじゃないだろうか。

普段の俺だったら、「あんなカラオケは認めないよ!」と吐き捨てるところですが、なんだかほっこりするような良いアクトでした。

 

Gardenステージからの帰り際、『タモリボキャブラ天国』でお馴染みのX-Gunのお二人を目撃。

こんなところまで90年代だナーと感心した。

 

 

〇Ghost

 

さあ、いよいよメタルの時間でございます。

待望の初来日を果たした北欧のオカルトメタルバンドGhost。

個人的に今回のサマソニックでかなり期待しているバンドです。

こんな雰囲気のバンドです、と言えば、メタラーのみなさまなら察して頂けるかと思いますが。

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丑三つ時にはまだほど遠い午後5時、いよいよGhostがMountainステージに登場。

神殿の内部のようなバックドロップが吊るされたステージに楽器隊(真ん中の人以外)が登場し、荘厳な雰囲気の音楽を奏で始める。

50分ほどの持ち時間しかないのに、とにかく荘厳な音楽を奏で続けるGhost。

なによりも雰囲気作りが大切なバンドだという事がよく伝わって来た。

 

そしてついにヴォーカルの髑髏(真ん中の人)が登場。

メタル meets ムード歌謡と言う表現が相応しいような楽曲に乗せて巧みな歌唱を披露。

この人、見た目からは想像できないくらい歌が上手い。

そして大御所演歌歌手のようなステージアクション。

こんなに馬鹿馬鹿しい独自の世界観を持つステージは久々に観た。

完全にGhostに取り憑かれてしまいましたよ僕は。

 

そのおどろおどろしい世界観を守るためにMCなどは無いのかと思いきや、意外なほどによくしゃべる。

「コンニチハ」に始まり、「これがこの国での初めて公演だ。ありがとう」といった定番の挨拶までしっかりとこなす髑髏ににやけてしまう。

更には「お水が欲しいけど…続けましょうか」とフェスならではの進行を気にするいい人ぶりには萌え死にですよ。

北欧のデーモン閣下というポジションなんでしょうか。

 

Twitter確認したら観た人は軒並み絶賛だったし、近いうちに再来日をセッティングしてくれれば、結構な動員があるんじゃないかと思うん。

今回の来日を足がかりにして、日本でも人気おばけになりますように。

 

 

Megadeth

 

まだまだメタルの時間は続きます。

お次はBig4の一角にして、震災以降まったく日本に見向きもしなくなったデイヴ・ムステイン率いるMegadeth

実に5年ぶりの来日であります。

そして恥ずかしながら個人的には初Megadeth

まさに待望の初Megadethなのです。

裏でやっていたロバート・プラント爺を蹴った事を後々後悔するハメになるのでしょうが、一時の感情に流されてMountainステージに留まる事を決意。

これで残すBig4はAnthraxだけに…。

 

スクリーンに10年前に作成されたと言われても納得してしまうようなダサいCGアニメーションが映し出され、それがMegadethのロゴに変わると場内大歓声。

みんな、やっぱりMegadethを待ち詫びていたんだね。

割れんばかりの大歓声の中、白シャツに黒チョッキという衣装で登場したムス様。

そして、勢いのあるダウンピッキングの嵐で始まったのは…

 

Hangar18!!!

 

いきなりの名曲炸裂にテンションが振り切れる場内。

スクリーンには「18」という桑田真澄氏を彷彿とさせる数字が繰り返し登場。

久しぶりの来日という事もあり、日本では披露していない近作からの曲を織り交ぜてくるかと思いきや、フェス向きのグレイテストヒッツなセトリでした。

『Criptic Writings』好きとしてはShe-Wolfもさることながら、Trustを演奏してくれたのは嬉しかったナー。

そのうち『Criptic Writings』完全再現で来日してくれないでしょうか。

 

去年Metallicaがトリを務めたフェスで、Metallicaよりも小さいステージのトリ前という事で、ムス様のご機嫌がどうなるか心配しておりましたが、観客の熱狂的な反応を受けて終始上機嫌。

変なクネクネするアクションを連発しておられましたが、あれはなんだったんでしょうか。

あまりの機嫌の良さで、自分を大写しにさせたカメラにキスをする大サービスまで。

終演後には、自分の唾液をまぶしたギターピックを投げたり、キスをしたリストバンドを投げたりと過剰なファンサービスも。

俺だったら体液(汗を除く)が付着してないヤツが欲しいけどな。

 

バンドのパフォーマンスは概ね良好でしたが、ムス様のヴォーカルは声量のわりに聴き取りにくいような気がした。

あれは音響というよりも発声の問題なのかもしれないと思ったり。

なによりも驚いたのは、あれほど容姿端麗だったムス様にも寄る年波が迫り狂っていた事。

あご髭は白く、豊かだった髪量にも若干の翳りが…。

本格的におじいちゃんになってしまう前に何度も来日して欲しいナーと願わずにはいられません。

次のアルバムからは日本飛ばししないでちゃんと来てね。

 

 

Arctic Monkeys

 

Megadeth終わりでマリンへ駆けつけ、途中から本日のヘッドライナーArctic Monkeysへ。

俺が到着した時点で聴きたかった1stの曲もすでに終わっていた。

最新作の濃密な楽曲はかっこよかったナー。

ヴォーカルのリーゼントもイカしていた。

 

俺の隣にいた男が終始自己陶酔したような気色の悪い踊りを踊っていてうざかったのだけれど、あれは間違いなく自称DJだと思った。

なにかしらの不幸が降り注ぎますように。

 

すいません。

あまりArctic Monkeysに詳しくないので気の利いた事も言えませんが、ドラムの人がコーラス頑張っていたね。

あと、誰も気付かなかったかもしれないけど、~~~っていうステージセットの中にAMの文字が隠されていたん。

あれに気付いたの俺だけじゃないかと思っている。

 

分厚い雲が垂れこめていたので心配したけど、最後は無事に花火が上がってサマソニック初日終了。

Dancing ShoesとかI Bet You~聴きたかったけど仕方ないね。

ホテルに戻って気絶するようにして就寝。

いよいよ翌日は再結成Queenだっ!

俺はたしかにXジャンプをした

みなさま、うだるような暑さの中、いかがお過ごしでしょうか。

もうすぐサマソニックという事で胸を高鳴らせているロックファンの方も多いのではないでしょうか。

かくいうわたくしもその一人であります。

という訳で、今回のブログは過去のmixi日記よりサマソニック2011参戦記を転載いたします。

震災後だからか妙におセンチなところもあって恥ずかしいのだけれど、尊敬するTwitterのフォロワーさんが褒めてくださった日記なので、勇気を出して公開してみる。

あふっ。

 

【以下、mixi日記より加筆修正の上転載】

 

そう。今年も年間最重要イベントの季節がやってまいりました。

正確に言えば、「年間最重要イベントが終了しました」だけども。

毎年恒例Summer Sonicですよ、サマソニック。

今年は2日通し券を購入したのだけれど、諸事情により参加が難しくなり、チケットを手放したり予約した宿をキャンセルしたり…。

本当に直前の直前まで見送りの体勢でした。

が、愛すべき友人たちのラブコールにより急転直下の参戦決定。

Red Hot Chili Peppersがヘッドライナーを努める2日目だけ行ってきました。



ここからは極私的サマソニック日記。

興味の無い方はモバゲーに熱中してください。

もしくはエロサイトに飛んでください。

もしくは故郷のご両親に手紙でも書いてください。

もしくは近所のBook Offに鈴木あみのCDが何枚売ってるか数えてください。

もしくは私のお墓の前で泣かないでください。 



まあ、そんな戯言はどうでもいい。

いきますよ、サマソニック日記。

Never to return!!!



8月14日深夜3時前、神奈川県某所。

アラーム設定は午前3時にも関わらず、鳴る前に目を覚ましてしまった俺。

この遠足前の小学生を軽く凌駕するであろう浮かれっぷり。

我ながら微笑ましくなった。

このポジティブ具合を仕事に活かせよと自ら叱咤激励したくなった。 



二度寝してつまらない事になってもアレなので、風呂に入ったりTシャツやらタオルやらを準備して自宅を出撃。

午前3時半、当然の事ながら辺りは闇。

蝉の鳴き声だけが響く中、愛車に乗り込んで颯爽と幕張方面へ向かいました。 



帰省ラッシュ的な渋滞や訳のわからないハプニングに遭遇する事もなく、レッチリのCDかけて熱唱しているうちに幕張メッセ駐車場に到着。

所要時間約1時間。

自宅から1時間で行けるロックフェス。

これからもサマソニックは末永く続けて頂きたい。 



駐車場に着いてその車の多さに驚愕。

いくら2日目とはいえ、午前4時半とは思えない台数が停まっている。

まあミッドナイトソニックとかあったんだろうけど、完全に想像以上。

今年は本当にチケット売れたんだなー。

サマソニック史上初の東京大阪完全Sold Out寸前!」とか言ってたし。

結局のところ完全にソールドしたんだろうか。


思ったより台数が多かったとはいえ、そこはまだ午前4時半。

わりと幕張メッセ寄りの場所にスペースを見つけて駐車。

この時間なのに駐車場係の人が普通に仕事してました。

さすがサマソニック期間。非日常だね。


何はともあれ今年も無事に会場に到着した事をロックの神様に感謝。

そして数時間後から始まるであろう阿鼻叫喚の宴に備えるべく

自宅から持ってきた朝食を命の水ビールで流し込む。

あまりの開放感に「自由だー!」と絶叫。

そしてビールお代わり。

このビールと共に俺のサマソニックが開幕しました。

テンション上がってしまい友達に「着いたよー」とメールするも音沙汰無し。

そりゃそうですよね、まだ朝の5時だもの。

この件に関しては俺が全面的に悪い。


まだリストバンド交換開始まで時間もあったので、マリンスタジアムの周りをうろうろしたりした後で仮眠開始。

7時過ぎに目覚めた時にはビール2本飲んだせいで当直明けのだるさ。

このまま俺のサマソニックが閉幕しそうになりました。

が、コーヒー飲んだりして無理やり回復。

トイレ入って準備してリストバンド交換しに行こう。


幕張メッセ駐車場の男子用にトイレに入って驚愕。

前日からの参戦組だと思しき白ブリーフ1枚の男が水道を全開にして行水中。  

Garlic Boysの名曲『白ブリーフ悪いか?絶対悪くない!!』が瞬時に脳内再生された事をここにご報告申し上げます。 


生まれながらのブリーフ党
おろしたてを身につけろ
Fresh Fresh


ちなみに誤解の無いよう言っておきますが、わたくしはトランクス派です。

まあそんな戯言はどうでもいい。


メッセでリストバンドを交換したり、友達にグッズ購入をお願いしたり、 そんな諸々の作業をしているうちに午前10時。

(註…この時に購入したレッチリの「いっしょだよ」ティーシャーツは近年稀に見るダサTであり、のちにダサT祭りで脚光を浴びる事になります。)

サマソニック2011、オープニングアクトがステージに登場する時間。

俺が2011年の開幕に選んだのは…


○ Fear,and Loathing In Las Vegas / Mountain Stage


日本期待の若手バンド、Fear,and Loathing In Las Vegasですよ。

簡単に言えば「ユーロビートメタルコア」みたいなバンド。

「ダンスロック+メタル」みたいのは何年か前に流行ったけど、このバンドはデス声とか使っててメタル耳にも馴染みやすいです。

ちなみにMountain Stageは幕張メッセ内で最大のステージ。

すっげー巨大です。


アルバムが最高だったので期待してたのだけど、ライヴでは初見。

20歳そこそこの若いバンドだし、アルバムでは色々とエフェクト使ってるし、まだ朝イチで先は長いし、あまり過度な期待はしてませんでした。

イマイチだったら見限って他のステージに移動すればいいのだから。

ちなみに会場前にメッセ前を歩いていたら、このバンドのサウンドチェック中で、ヴォーカルがシャウトやスクリームを熱心に練習しているのが聴こえました。

他のバンドもデス声とかのチェックしてるのだろうか。


そうこうしているうちに会場内のスクリーンにバンド名が表示。

一気にテンションが高まるフロア。

ふと振り向けば、いつの間にか結構な人数に膨れ上がってました。

朝イチでこれだけ集客できたら大成功だ。

やっぱり注目株なんだな。


いよいよ始まりそうな予感に場内民族大移動。

一気に前方フロアに人が集まり始めました。

と思った瞬間、場内暗転。

SEと共にバンドがついにステージに登場。

本当に本当にサマソニック2011が開幕した瞬間であります。


んで結論から言えば、演奏良い感じでやってました。

俺も若者たちに混じって暴れさせてもらいました。

必殺曲「Burn The Disco Floor with Your 2-step」では年甲斐もなくダイヴ。

まさか午前10時半に宙を舞うとは夢にも思ってなかった。

無事にセキュリティに受け止めてもらい駆け足でフロアに戻ろうとしたら、「走って戻らないっ!」と明らかに年下のセキュリティに一喝される俺。

まさかこんな歳にもなってダイヴして叱られるとは。

情けなくて情けなくて「このライヴ終わったらビール飲もう」と強く誓ったん。


若者たち(俺含む)の熱狂の中、Fear,and Loathing In Las Vegas終了。

いやーオープニングに相応しい良いパフォーマンスだった。

意気揚々とメッセ駐車場に戻り、グッズをお願いした友達連中と合流。

長蛇の列に並んでくれた労をねぎらってビールを奢ったりしてたら

まだ午前中なのにビールを5本飲んだ汗だくのおっさんという一点の曇りも無い社会の屑が完成。

ホラー映画だったら開始5分くらいで間違いなく餌食になってます。

ビール片手にゲラゲラ笑っていると俺の携帯が鳴動。


電話の主は我が友人くり子さん。

ついに幕張駅に夫婦で降臨したとの事。

幕張メッセで合流して昼飯&乾杯しようという運びに。

友人達と別れて幕張メッセへ移動開始。


あ。余談ですが、朝からメッセ駐車場近くの通路に、「チケット1枚ゆずってください」のボードを掲げた男性がひとり。

何回通りかかっても同じ姿勢で立ってるので密かに心配してました。

昼飯時にもまだ立ってたので「見つからないですか?」と声をかけてみた。

俺よりも少し年上と思しきその男性、大して落ち込んでる様子もなく


「20人くらいに声かけてもらったんですが、希望価格が5000円なんでねー」


なぬっ! ご ご ご 5000円っ!

そんな都合のいい話があるわけないよー。

Sold Outだし定価14000円くらいだしー。

レッチリが観れればいい」って言ってたけど手に入ったのかな。

正直な話、心配して損したと思った。


まあ、そんな貧乏くさい話はさておき。

メッセのロビーに設置されたサマソニックオブジェ前で無事に合流。

このオブジェは待ち合わせ場所として非常にわかりやすくて素晴らしい。



メッセのホールに入ると、Mountain Stageに黒山の人だかり。

こんなにギッシリ人が入ったマウンテンは初めて見た。

そうか、ちょうどテレフォンズが演奏してる時間帯なんだな。

テレフォンズ客の間を縫ってフードエリアに移動しようとしたが…


ダメだっ!

ちょうど「Urban Disco」が始まるところだっ!

くり子さん夫妻に「ゴメン!行って来る!」と言い残してダッシュ。

再びMountain Stageに身を投じました。

俺が悪いんじゃない。

テレフォンズがいけないんだ。


The Telephones / Mountain Stage


今年4月以来のテレフォンズ。

理屈抜きで盛り上がれる素晴らしいバンドだ。

途中から観たのにあんだけ騒げるって凄いと思った。

「Monkey Disco」を後半に取っておいてくれて本当によかった。

死ぬほど踊り狂った。

でも、頭血だらけの子が退場してったの見たけど大丈夫か?

ピアスがちぎれたのかしら。

大事に至らなければいいのだけど。

ピアスの方は気を付けてくださいませ。



昼飯を目前に逃亡するという不義理を犯しつつもテレフォンズ終了。

即座にくり子さんに電話しました。

電話で話す限りは怒ってなかったので一安心。

それともビールが怒りを鎮めてくれたのだろうか。

そんな事を心配しつつも無事にくり子さん夫婦と合流。

命の水ビールで乾杯させて頂きました。


途中でくり子さんの親友ハヤサカ氏(なでしこ)も合流。

昨日からサマソニック参加中の彼女。

Kornがいかに神アクトだったかを語られ昨日に思いを馳せました。

ちくしょー。観たかったなー。

あのマイクスタンド観たかったなー。


ビールお代わりしつつダラダラしてると完全に午後。

くり子さん夫妻はメッセ内のどっかのステージへ。

俺とハヤサカ氏(妖精)はマリンスタジアムへ。

それぞれ旅立っていきました。


Zebrahead / Marine Stage


本日初マリンスタジアム

この時間になるとだいぶビールが回っておりまして、

酩酊の関係で、ライヴの内容については記述不可能であります。

でもゼブラらしい下品で楽しい感じのライヴだったわ。

前方で暴れたりしなかったけど楽しめた。

ビールが回ってて気付かなかったけどダンディ坂野が来てたの?

俺も一緒にゲッツ!やりたかったよー。

誰か俺と一緒にゲッツ!やってください。

そんな誰かを密かに募集しております。


ゼブラが終わりそうな雰囲気だったので再びスタジアムの外へ。

終わった後だと出入り口がごちゃごちゃするから嫌だったんでしょうね。

酩酊してあまり覚えてないけど。


メッセでなんか観てたくり子さん夫妻と再合流成功。

またビール飲んだりキュウリの一本漬け食ったり。

「飲みすぎだろっ!」と思うけれど楽しいからよしとします。

ビール祭り開催のため次のPanic At The Discoはパスすることに。

予習のためにCD買ったんだけどな。


ビール飲んでるといつの間にか飲みメンバーに黒人が増えてた。

アルコールが見せる幻覚とか思ったが、何度確認しても黒人がいる。

どうやらくり子さんの友達の友達か何からしい。

「おい!ブラザー増えてるだろっ!」と叫びましたよ俺は。

結局、どういう素性の人間なのかわからなかったが喧嘩は強そうだった。

くり子さんと飲んでると外人が乱入してくる事がたまにある。


そんな俺の携帯が再び鳴動。

今度の電話の主は職場関連の先輩。

某病院の某課長であります。

「どこにいるー?」と訊かれ、合流して乾杯する事に。

方向音痴な俺の「マルボロのテントの近くです」「宇宙船の前です」

「DJがKula Shaker流してるのが聞こえます」といった曖昧なナビにも関わらず、サマソニック2011で某課長と感動の再会。

課長とサマソニックで会うのは2006年か2007年以来かもしれん。


何故かテンガロンハットを被って登場した課長。

相変わらずクールで素敵なダンディでした。

実にけしからんのが我が友人くり子さん(元ソフトボール部

我が課長に「ねえねえ。課長なんでしょ。奢ってよ」とたかり出す始末。

俺の職場関係の人にビールをたかるのはやめれっ!


朝から飲み続けているにも関わらず、一向にビールおかわりのペースが落ちない我々。

気が付けばLoud Parkのブースでビールをあおっていました。

そういや、メッセのオフィシャルバーは店員が可愛くなかったな。

この点ではくり子さんの旦那と完全に意見が一致。

男の熱い友情が芽生えた。


ちなみに某課長はHouse Of Painを観るために幕張メッセへ。

同じくHouse Of Pain目的でハヤサカ氏(小さな巨人)もメッセ組。

なんでも「Jump Around」という曲がお目当てなんだとか。

メッセに行かないくせにくり子さんが「ジャンパラーンド!」と騒ぐ騒ぐ。

誰かこの酔っ払いを静かにさせれっ!


永遠に続くかと思われたビール祭り。

だが、不覚にもマリンではマキシマムザホルモンが始まってしまった。

俺のお目当てのバンドのひとつですよ。

まさか頭から観れないとは…。

入場規制かかったら最悪なのでマリンスタジアムへ急ぐ。


Maximum The Hormon / Marine Stage


スタジアム内に入ったが、すっごい人でなかなかグラウンドに入れない。

グラウンドへ続く通路をのろのろと歩く羽目に。

すげー遠くで演奏してるからこっちのテンションも上がらない。

ビールを飲み過ぎたくり子さんの旦那はトイレに行くために早々に列を離脱。

くり子さんとふたりでのろのろとグラウンドへ進んでました。

が、無常にも列に並んだ状態でホルモン名物「恋のおまじない」スタート。

初体験のくり子さんにレクチャーしつつ恋のおまじない完了。

グラウンドでやりたかったよー。


最後のメガラバ→握れ!の流れも列に並んで聴くことに。

握れ!はヤケクソで騒いだけどモッシュしたかったなー。

9月のAir Jam行けたら思いっきり騒いでやりたい。

包丁ハサミ聴きたい。


ホルモン終わりでようやく前方エリアへ到着。

くり子さんの旦那も無事に再合流できました。

お目当ては日本が誇るあのバンドです。


X JAPAN / Marine Stage


まさかサマソニックにエックスが出る日が来るとは…。

観たいけど観たくない禁断のバンド。

彼らのファンがサマソニックの空気を乱すのが怖かった。

でも俺が見た限りではそんな事なくて一安心。

逆に俺たちがYoshikiとHideのコスプレイヤーを見て大興奮してた。

そっくりだったなー。


始まる前、くり子さんの旦那が「ダリア聴きたい」と言ってたから

俺まで猛烈にダリア聴きたくなって困った。

けど、よく考えたら7分くらいあるんだよなあの曲。

俺が2日間観に行った去年の日産スタジアムでもやらなかった

俺にダリアを聴かせれっ!


まだ日差しが残る千葉マリンスタジアム

ついに日本が誇る異形のバンドX JAPANサマソニック降臨。

始まった瞬間から大騒ぎになるマリンステージ。

俺たちはRブロックだったので目の前にはSUGIZO様。

気が付いたらくり子さんの旦那と「スギィゾォー!」と絶叫してた。

この絶叫はガンズ来日時の「ロビィィーン!」以来。

さすがSUGIZO様。元ビビアン・スーの恋人。


ていうか俺はいつエックスジャンプが来てもいいように、1曲目から両手をクロスして待ってたんですよっ。

それなのにエックスジャンプの出番が一番最後とはっ!

あまりの焦らし具合に泣いた。


あ。すでにネット等でご覧になった方も多いと思いますが、マイクを握ったYoshikiが震災で亡くなった方、そして先日亡くなった元XのベーシストTaiji氏を悼んで黙祷を捧げてくださいと呼びかけました。

そしてあの「ヴォグドゥゥゥー!!(黙祷)」という絶叫。

いろんな意味でマリンスタジアムが沈黙に包まれました。

詳しくはまとめサイトあると思うんでそちらを見てください。

ただ、あそこで黙祷を捧げる事が出来るのは日本のバンドだけだと思うので、それはそれで非常に意味のある1分間だったと思っております。



俺たちの世代ってやっぱりエックスがドンピシャなんだな。

俺の前後3歳くらいは完全に世代だと思われる。

ライヴ中にふと横を見たら、くり子さんの旦那も完全に合唱してるしな。

「Endless Rain」なんて一字一句違わずに歌いきりますよ、そりゃ。


次に観るのがいつかわからないが、次こそはダリアやってください。

だーれーもがもつー こーこーろーのー きずあとーにー


日本代表X JAPANが名曲「Tears」の音源と共に退場した頃、千葉マリンスタジアムには夜の帳が。

いよいよサマソニック2011も最後のアクトを残すのみとなりました。

出演が発表になった瞬間、日本全国のロックファンが狂喜乱舞したバンド。


Red Hot Chili Peppers / Marine Stage


すっかり陽も落ちて頭上に夏の夜空。

アリーナもスタンドも超満員。

そりゃ観たいよな、レッチリだもんな。


時間はわからないけど、そんなに待った気がしないうちにライヴ開始。

1曲目から必殺のBy The Way。

これは騒がない方がどうかしてる。

ステージ前方はとんでもない騒ぎになってました。

くり子さん夫婦は早々に後方へ退避。

それも正解だと思われます。


前回の東京ドームより遥かに間近で観るレッチリ

フリーは漫画のキャラクターみたいだったなー。

新加入のジョシュはジョンにシルエットが似てるような気がした。


ギタリスト交代という大変動を経て来日したレッチリ

現代最高のギタリストの後任という事で大変だろうけど

ジョシュは是非とも定着して名曲を残してもらいたい。

今月出るアルバムがどうなってるか楽しみだわい。


やっぱりレッチリは日本人の琴線に触れるバンドだ。

音楽的にもバンドストーリー的にも。

特に今回は震災後の困難な時期だけに余計染みた。 

彼らじゃなかったら、2011年のサマソニックは成立しなかったかもしれない。


とにかく歌詞が染みる。

Californicationの歌詞なんて今の日本にピッタリじゃないか。


破壊は険しい道へ続くが

創造も育てている

そして地震は女のギターに

いいバイブレーションを与えるものだ

津波は世界を救うことができなかったよ

カリフォルニケーションから

(Californicationより)


そして名曲「Scar Tissue」。

俺はこの曲のPVが本当に好きで何度観ても泣ける。

ポンコツ車に乗って荒野を旅するレッチリメンバー。

みんなボロボロに傷ついている。

しかし、その顔には悲壮感は微塵も感じられない。

そしてネックの折れたギターでスライドソロを弾くジョン。


これは一度戦いに敗れたバンドが再び立ち上がる姿だ。

解散寸前だったOne Hot Minute期を経て再生したレッチリの物語。

一度逃げ出したバンドに再加入したジョンの物語。


甘い秋を俺たちはフォールと呼ぶ


俺はこのラインが大好きだ。

とても優しくて、そして少し残酷なライン。

この時期、この曲を聴けて本当によかった。


本編最後、俺が長年待ち望んでいた瞬間が到来。

前回の来日時、俺が観た日に演奏しなかった曲。


Under The Bridge


俺がレッチリを好きになったきっかけだった曲。

イントロが鳴った瞬間、もうもう感無量だった。

高校生の時からずっと聴きたかった一曲。

生きていれば失う物も多いけど、こんな風に念願が叶う時だってある。

こんな瞬間があるから、また明日も生きようって思えるのかもね。



レッチリは本当に優しい。

言葉じゃ上手く言えないけど本当に優しい。

歌詞カードの日本語訳はかなり酷いとは思うけど、それでも感動してしまう言葉の凄さがある。

歌詞の面で言えばCalifornication以降は理屈抜きに凄い。 

良い翻訳の詩集があったら絶対に購入したいレベルなのです。


ちなみにセットリストです↓(ひろいもの)


SUMMERSONIC 2011 Tokyo (Marine Stage) 8/14 '11

1. By The Way
2. Charlie
3. Can't Stop
4. Scar Tissue
5. Factory Of Faith
6. Dani California
7. I Like Dirt
8. Otherside
9. The Adventures Of Rain Dance Maggie
10. Throw Away Your Television
11. Ethiopia
12. Right on time
13. Californication
14. Higher Ground
15. Under the Bridge

= ENCORE =
Drum Solo
16. Sir Psycho Sexy
17. They're Red Hot
18. Give it away



今年のサマソニック、震災後だからかもしれないけど本当に心に染みた。

仕事が大変でも、家庭が大変でも、原発メルトダウンしても、友達とビール飲んでロック聴いて騒げる日っていうのはかけがえが無い。

この調子だと日本人にとって来年がやってくるかわからないけど、2012年も無事に開催してくれたらいいな。

また同じ場所で同じメンツと騒ぎたい。

今年の4月、テレフォンズのライヴで聞いた言葉でこの日記を締めくくりたい。

俺が生で聞いたMCの中で文句なしに最高だった。


音楽は目に見えないから自由なんだよ

だから、きっと東北にも届くよ



また2012年8月、マリンスタジアムでみんなと会えますように。

この思いが君に届くように

願いが叶いますように


なにこの日記。

すいませんね。

Felt Forum '88

おかげさまで当ブログも1000アクセスを達成いたしました。

亀のような歩みとはいえ、1000回もアクセスを頂けた事実に小躍りしております。

祝賀会を開きたい気分であります。

ちなみに前回アップした『Self Destruction Blues』についての記事ですが、当然触れておくべき事実をすっかり無視しておりましたので、その部分を加筆致しました。

ほんの数行の文章ですので、改めて読んで頂く頂く必要は無いかもしれませんが、とりあえずご報告まで。

 

ブートレビュー第2回目となる今回。

前回はブートCDを取り扱ったので、今回はDVD物をレビューしたいと思います。

という訳で、今回はこちら!

 

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えー。ジャケットには'92と記されておりますが、これは88年の間違いです。

盤面には'88と印刷されているのに、ジャケットで思いっきり間違ってしまうという非常に残念なパターンです。

まあ、これはこれでブートらしい味があっていいのですが。

 

これは1988年5月9日、ニューヨークのFelt Forumという会場で開催された公演のブートになります。

同公演はガンズがヘッドライナーとして全米を回ったツアーのうちの1公演で、日本のEZOなどがサポートして出演しました。

ヘッドライナーなので持ち時間はたっぷりありますし(104分収録)、前回レビューしたシアトル公演と同じく、Appetite For Destructionがチャートを席捲している頃なので、客席の盛り上がりは最初から凄まじいものがあります。

ちなみにFelt Forumというのはニューヨークにある超有名会場Madison Squere Garden(通称MSG)の中にある中規模の劇場だそうです。

 

このブートDVDは西新宿にある某A店で購入したものです。

某A店の判断基準では、画質はX評価となっております。

某A店ではプロショットの画質はA・B・Cの3段階で評価しており、オーディエンスショット(観客が隠し撮りしたもの)のそれはX・Y・Zとなっています。

つまり同作はオーディエンスショットとしては最高の部類に入る評価とされている訳であります。

 

その最高ランクのDVDを再生してみると…

最近のブートDVDと違ってチャプター分けがされていないのは許せるとしても、かなり劣化を感じさせる遠目からのオーディエンスショット。

これをX評価というのはかなり強いハートの持ち主でしょう。

…と思うのは最初だけで、他のオーディエンスに視界を遮られる場面もありませんし、音質はかなり良好。後述する斬新なカメラワーク以外はストレス無く観る事が出来ます。

では、早速肝心の内容に触れていきましょう。

 

オープニングナンバーはIt's So Easy。

のっけからアクセルの声はかなり出ていて調子が良さそう。

フロアの前方は観客がみっちり詰まっていて、ガンズに対する期待の高さを伺わせます。

ステージの一段高いところに座るスティーヴンの派手なドラミングが目を引き、やはり初期ガンズはいいナーと思ってしまいます。

終始スティーヴンの派手なドラミングを観れるというだけでも、スティーヴンファンは買うべきだと断言できます。

演奏が終わると、観客に向かって「遅くなって悪かったね」などと後年であれば口が裂けても言わないであろう気遣いを見せるアクセル。

どうやら開演前にインタビューをこなさなくてはいけなかった模様。

 

続いて演奏されるのはMove To The City。

メンバーは演奏しながらステージ上を好き勝手に動き回ります。

この秩序の無さが初期ガンズの魅力のひとつでしょうか。

この時点ではEP『Live Like A Suicide』でしか聴けない楽曲ですが、かなりオーディエンスに浸透している様子でIt's So Easyに引けを取らない盛り上がりを見せています。

 

アクセルの「君たちにまた会いたいから、踊りに行く時には気を付けろよ。俺と一緒に踊りたいか?俺の名前を知ってるか?俺の名前は…Mr.Brownstoneさ!」というMCに導かれてMr.Brownstoneがスタート。

この曲のイントロのリズムに合わせて、カメラがズームイン・ズームアウトを繰り返すという撮影者の小粋な演出が炸裂。

画面を直視していると酔って嘔吐します。ご注意ください。

曲のラストに同じ演出が再登場しますので、最後まで油断してはいけません。

 

心地よい横揺れの後は、思いっきり攻撃的なOut Ta Get Meへ。

イントロで足上げキックを連発するアクセルの若さに胸が熱くなります。

ギターソロを弾くスラッシュにまとわりつくようにして歌うアクセル。

そして曲のラストでは、イジーの腕ぐるーんが炸裂!

この腕ぐるーんを観るためだけでもイジーファンは買うべきだと断言できます。

 

アクセルがスティーヴンとダフを観客に紹介し、Rocket Queenがグルーヴィーにスタート。

リズム隊の活躍が鍵を握るガンズ屈指のダンスチューンであります。

曲の中盤でダフが堂々としたベースソロを披露。

このベースソロを観るためだけでもダフファンは買うべきだと断言できます。

曲が明るく展開するところで例のズームイン・ズームアウトのカメラワークが登場。

酔い止めは手元に置いておいてください。

ちなみに最後のパートのアクセルの歌唱は絶品です。

 

My Michelleのイントロアルペジオが2回ほど鳴りますが、アクセルの指示でバンドはPatienceを演奏し始めます。

ライティングが真正面からカメラに直撃し、画面全体が青っぽくなりかなり見辛くなります。

が、この状態は少しの我慢で改善するので安心してください。

スラッシュのギターソロはスタジオ盤とはかなり違う感じで面白いです。

Patienceは当時未発表だったので客席の盛り上がりはそれなりですが、終わった後は場内大歓声。

曲の良さは十分伝わったようです。

 

Patienceに続いて演奏されたのは、同じく『GN'R Lies』に収録予定のUsed To Love Her。

聴衆の多くにとっては馴染みの無い曲ですが、ノリの良い曲なので初めから盛り上がってます。

イジー&ダフはマイクスタンドの前から動かずアクセルと一緒に歌っていて、すごく楽しげな雰囲気が画面を通して伝わってくる演奏です。

 

馴染みの無い曲が2曲続いた後、My Michelleのスリリングなイントロが始まり場内の熱気が再び高まります。

やはりアペタイトの曲は人気がある。

非常に残念な事に、例のカメラワークがイントロで炸裂。

撮影者本人が非常に気に入っている技である事だけは伝わってきます。

さらに画面がゆっくりと左右に傾く新しいカメラワークまで登場。

「普通に撮ってよ!」と叫びたくなります。

 

そして観客が待ちに待った大ヒット曲Welcome To The Jungleで場内大爆発。

アクセルの動きは絶好調で、我々ファンが考える「アクセルらしい動き」というのがすべて詰まったパフォーマンスを披露しています。

ガンズのコピバンでアクセル役をやっている方は必聴です。

そしてスラッシュはノっているのか酔っているのか、この曲に限らず、スタジオ盤とは違うフレーズを随所で弾きまくっています。

ギターをやられている方には興味深いのではないでしょうか。

 

Welcome To The Jungleの後でテープチェンジがありますが、演奏にかぶっていないので視聴には問題ありません。

ジャングルに続くのがSweet Child O' Mineという超贅沢な流れ。

イントロのギタートーンが完璧にスラッシュしていて泣けます。これは凄いです。

ダフのメロディ弾きもきっちり弾けていて感激。

ここでもアクセルの歌は絶好調で、SCOM好きの方は必聴のバージョンです。

 

Only Women Bleedをイントロにして(アクセルの歌は無し)Knockin' On Heaven's Doorへ。

この曲のギターソロを弾き終わった後のスラッシュのやりきった感が素晴らしいです。

このやりきった感を観るためだけでもスラッシュファンは買うべきだと断言できます。

ここで何故か時刻表示が画面に一瞬だけ復活。午後10時55分だそうです。

 

アクセルのメンバー紹介でステージ前方に歩み出るスラッシュ。

「ニューヨークに戻って来れて嬉しいよ」とか挨拶した後、おもむろにギターソロを弾き始めます。

ひとしきり弾いたところでバンドが加わりBlues Jamへ。

いくつかのブートではThe Avengersという名前で知られているジャムですが、その由来はよくわかりません。まあ、単なるジャムです。

こういうBlues Jamをさらりとこなす辺りがアメリカのバンドらしいですよね。

が、この曲の演奏中にステージを横切る怪しい影が…。

なんと自転車に乗ったアクセルがステージを横断して行ったのです!

ここがこのブートDVD最大の見せ場。

このサイクリングシーンを観るためだけでもアクセルファンおよび自転車ファンは買うべきだと断言できます。

 

 「これは『GN'R Lies』に入る予定のオリジナルバージョンだ」というアクセルの曲紹介で始まったのはYou're Crazy。

観客に馴染みのあるアペタイトバージョンではなくアコースティックバージョン。

しかし、曲の途中でアクセルが「これでもくらいやがれ!」と絶叫すると、アペタイトバージョンへ変貌。

ごくたまーに披露するハイブリッドバージョンです。くそかっこいい。

これは勝手な推測なのですが、このアレンジはアクセルが敬愛するQueenWe Will Rock Youで同じ事をやっていたのがヒントになっているのではないかと思います。

後年、Brian Mayがガンズのライヴに飛び入りしてWe Will Rock Youを演奏した時、途中でFastバージョンになるアレンジだったので、この推測もあながち見当外れでは無いかと…。

 

スラッシュの「君たちに捧げるよ」というMCからNightrainへ。

ここまでの熱演で枯れ気味になった声を振り絞るようにして歌うアクセル。

最初のギターソロはイジーとスラッシュが背中合わせになって演奏。

これはぶっ倒れるくらいかっこいいです。

これを観るためだけでも背中合わせファンは買うべきだと断言できます。

アウトロのロングソロを弾くスラッシュの周りを嫌がらせのように踊り狂うアクセル。

最後はアクセルのアドリブシャウトで終わるという珍しいアレンジ。

ここで本編終了です。

 

アンコール1発目は88年では超レアなDon't Cry。

Don't Cryを叩く88年のスティーヴンを観れるだけでも幸せです。

演奏中は聴き入っていた観客も、曲が終わると未来のヒット曲に大喝采。

そして、バラードでしっとりした空気を打ち破るようにして始まったのは、Aerosmithのカバー曲Mama Kin。

デビュー前から演奏していた1曲だけあって流石の出来。

 

長い夜を締めくくる1曲として準備されたのはParadise City。

この時点ではガンズのライヴ不動の最終曲として認識されていた訳ではありませんが、観客が待ち望んでいた1曲だけあってフロアの揺れ具合が凄いです。

ちなみにここでも例のカメラワークが登場しますが、ここまで観て来た人であれば心が乱される事はないでしょう。

ここではスラッシュとアクセルのマイクシェアが観れますので、マイクシェア好きの人にとっては…ってもうしつこいですかね。

最後のキメに合わせて半回転したアクセル、客席に向けてお尻を出してライヴ終了。

この時点ではアルバム1枚だけの新人ですが、実に堂々とした100分超の熱演。

文句の付けようがないでしょう。

 

前述した通りカメラワークの問題などはありますし、ブートに慣れていない人には少し厳しい画質ですが、定番のプロショット映像を一通り手に入れた後にでもチェレンジしてもらいたい1枚です。

ガンズが好きであれば大いに楽しめると思います。

願わくば同公演のプロショット、もしくは画質の良いバージョンが発掘されますように…。

 

Self Destruction Blues

いよいよ8月になりました。

今月は年間最重要イベントであるサマソニックの開催月。

万が一にも夏風邪などひかぬよう細心の注意を払って生活しております。

みなさまにおかれましても風邪などひかれませんようご自愛くださいませ。

 

早速ですが、今回からガンズのブートのレビューなぞをしていこうと思っております。

記念すべき第1回目のタイトルはコレっ!

 

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Langleyレーベルからリリースされた『Self Destruction Blues』。

1988年6月1日、シアトル公演のオーディエンス録音物であります。

ちなみにLangleyレーベルは西新宿にあるDust an' Dreams(現Lighthouse)内のハードロック専門レーベルで、ガンズ関連作品でも優良音源を多数リリースしていました。

このシリーズのジャケットデザインを手がけたデザイナーさんをちらりとお見かけした事がありますが、非常に可愛らしいお嬢さんでした。

今でもブートのデザインなどを手がけているのでしょうか。気になります。

 

前述の通り、この公演は1988年6月1日に行われたもので、我らがGuns N' Rosesは英国のヘヴィメタルバンドIron Maidenのサポートアクトとして出演しました。

これはメイデンの『Seventh Son of a Seventh Son』アルバム(邦題『大家族』)に伴うツアーで、今はKey Arenaという名称になっている収容人数約2万人弱の大会場で行われた公演のようです。

前座とは言え『Appetite For Destruction』がチャートで急上昇している頃で、ガンズは最初から大歓声をもってオーディエンスに迎えられます。

この約2ヶ月後の1988年8月6日に同作は全米チャートの頂点に輝く訳ですが、このブートはその直前、バンドがまさに上昇気流に乗って破竹の快進撃で突き進んでいる様を見事に捉えています。

ちなみに裏ジャケに記載されている9月8日Concord公演というのは間違いで、セットリストやMCなどから6月1日のシアトル公演である事が確認されております。

昔のいい加減なブートならともかく、2000年代に入ってから日本の業者が作った物のしては珍しいミスだと思われます。

 

CDを再生して一番最初に気付くのは、演奏の荒さとテンポの速さでしょう。

メンバーの誰ひとりとしてスタジオと同じような演奏を心がけていないのがありありとわかります。

嵐のようなIt's So Easyが終わり、アクセルの観客に噛み付くような「踊りたいだろ?俺と踊りたいんだろ?俺の名前は…Mr,Brownstoneさ!」というMCで始まるMr,Brownstoneのかっこよさ。

チャート急上昇アルバムを引っさげて故郷に凱旋したシアトル出身ダフもイントロで「YO! YO!」と叫ぶなど、明らかにバンドがノっている様子がわかります。

 

そしてトラックリストではRapと記載されているのは、未発表曲のIt Tastes Good, Don't It?です。

ブート音源に馴染みの無い方でも、東京ドームのライヴビデオでRocket Queenの途中でアクセルが披露するラップといえばわかって頂けるのではないでしょうか。

ロングバージョンもあるのですが、ここで聴けるのはいわゆるショートバージョンとして知られている1分足らずのバージョン。

この勢いのあるラップからのRocket Queenの流れは脱糞するくらいかっこいいです。

 

ちなみにアクセルはこのIt Tastes Good, Don't It?の歌い過ぎで喉を壊し、この公演の少し後から休養を余儀なくされます。

そのせいで当初7月に予定されていた初来日公演は同年の12月へ延期される事となり、その間にアルバムがとんでもない事になったおかげで、ガンズは初来日にして日本武道館のステージに立つ事になる訳であります。

アクセルの不調の兆しはこのライヴでもすでに見受けられ、声が非常に荒れています。

ガラガラとまでは言わないまでも、いつも以上にざらついたエッジのある声質となっており、それが予期せぬ魅力をもたらしております。

 

アクセルも自分の声の異変に気付いているのか、Knockin' On Heaven's Doorの冒頭やSweet Child O' MineのWhere do we go?パートなどで意識的に喉を休めようとしているのですが、勢いにノっているバンドにつられてすぐに歌唱は激しい方向へ振れてしまいます。

その絶妙な静と動のコントラストがこの公演を特別なものとしていると言っては過言ではありません。

いつもの金切り声に頼らず意識的に中音域を使ったヴォーカルも新鮮だし、アクセル特有のシャウトも喉の不調のせいか壊れる寸前の危うさがあって妙に魅力的です。

 

特筆すべきは後半に演奏される大ヒット曲Welcome To The Jungleでしょう。

Sweet Child O' Mineはこの時点では「New video」と紹介されており、そこまで認知度はありませんが、Welcome To The Jungleはすでに大ヒットを記録しており、間違いなく観客に最も認知されている曲で、客席のテンションも一気に急上昇。

これまでの熱演でアクセルのテンションも上がりきっており、喉も裂けよとばかりに冒頭の「D'you Know where you are?」から大絶叫。

咆哮と呼ぶのが相応しいようなヴォーカルを聴かせてくれます。

数ある同曲のライヴバージョンの中でも最高の部類に入る名演でしょう。

 

持ち時間もわずかとなり、アクセルは最後の曲を観客の投票で決めます。

NightrainとParadise Cityのどちらを聴きたいか、観客の声援の大きさで決めようと言うのです。

歓声はどう贔屓目で見てもParadise Cityの方が大きかったように思うのですが、アクセルは迷う事無く「Nightrainの勝ちだ」と宣言し、最終曲Nightrainをコールします。

常識人であるところのスラッシュはParadise Cityのイントロを弾き始めますが、アクセルは「おい!待て待て待て!Nightrainの勝ちだっつーの!」と演奏を強制終了。

改めてNightrainの開始を宣言するのです。

Paradise Cityを聴けなかったオーディエンスのみなさんには申し訳ありませんが、「アクセル!単にNightrain歌いたかっただけちゃうん?」と言いたくなるような鬼気迫るNightrainの迫力の前には何も言えません。

冒頭から「Loade like a freight train WOO!!!」ですよ。テンション高過ぎでしょう。

 

スティーヴン脱退後、メンバーは「マットが入ってバンドが成長した。ガレージバンドからスタジアムバンドになれたんだ」と言っています。

たしかにそれもひとつの真実でしょう。

毎晩数万人単位の観客を満足させるためには、コンスタントに80点~90点を出せるバンドにならなくてはいけません。

しかし、オリジナルのガンズには計算できない凄さがありました。

30点の日もあれば150点の日もある。

マットを加入させる事によってガンズは安定を手に入れましたが、それと引き換えに魔法のような夜を手放してしまったような気がしてなりません。

ブートを収集するのも、そんな魔法のような演奏を探して求めているからなのかもしれませんね。

 

CDの最後にはボーナストラックとして伝説の88年Limelight公演から4曲を収録。

当時はLimelight公演を完全収録したブート『P.O.D.』はリリースされていなかったので、この4曲が聴けるだけでも驚愕でした。

Langleyレーベルのオーナーさんに聞いたところによると、当時イギリスで買ったカセットテープに入っていた音源のようなのですが、『P.O.D』が出回った今ではあまりありがたみを感じないかもしれません。

 

ガンズのブートには定番とされる音源が多数ありますが、もしも「定番以外ならどれが一番オススメ?」と訊かれたら、この『Self Destruction Blues』を挙げると思います。

そのくらい演奏の勢いが凄まじいです。

ライヴにスタジオ盤と同じクオリティを求める方には向かないかもしれませんが、ライヴの聖なる1回性に重きを置く方なら絶対にオススメです。

是非この荒々しい5人の若者の姿に触れてみてください。

絶対に損はしないと思います。

タワレコで買えないヤツ

どうもこんにちは。

相も変わらず更新を怠っているうちにブラジルW杯も終わり、7月も数日を残すばかりとなりました。

更新する意思は多大に持っていたのですが、それに行動が伴わないという…ネ。

まあ、社会の屑の言い訳であります。

 

そんな話は脇に置いておいて、みなさんはもう観に行かれましたでしょうか。

もしくは購入してご自宅で鑑賞されましたでしょうか。

アレですよアレ。例の。いや、脱法とかではなく。

ついに陽の目を見る事になったGuns N' Rosesの『Appetite For Democracy』の事であります。

 

ガンズのリリース物を手にする時はいつだって興奮しますが、今回は1992年の東京ドーム以来のライヴ映像。

これは興奮するなと言う方が無理な話でしょう。

劇場へも2度ほど足を運びましたが、自宅のしょぼいテレビで観ているのが馬鹿らしくなるほど素晴らしい3D作品でした。ぶっ飛びます。

Estrangedには特に感銘を受け、映画館で2回も涙する始末。まさに名演。

お客さんの口が歌詞をなぞって動くのがよく見えて感動的なんですよ。

ファンにとってEstrangedがいかに大きな意味を持つ曲なのかという事がよくわかる。

そして、倉庫で長いこと埃をかぶっていたこの曲を引っ張り出して、どこに出しても恥ずかしくないくらいに磨き上げてくれた現メンバーたちに感謝。

こんなに素晴らしいバンドに成長したにも関わらず、いまだに旧メンバーとの再結成を期待されてしまうアクセルの胸中を思うと非常に心が痛むのだけれど、そんな意見を封じ込めるには新しい音楽で世界をねじ伏せるしかないよね。

という訳で、今年後半もしくは来年早々に新作をリリースしてくれる事を大いに期待しております。

 

待望のライヴDVDリリースによりガンズ熱が高まっている今日この頃。

そのガンズ熱にさらに油を注いだのが、Twitterでのフォロワーさん諸氏のガンズ愛あふれる素晴らしいブログでした。

深い知識と洞察力に裏打ちされた「これぞ決定版!」と喝采を上げたくなるようなアクセル・ローズ論。

そして、時には少女のような、時には母のような、「これが愛だ!」と世界のまんなかで絶叫したくなるような暖かいブログ。

自分が逆立ちしようが100回生まれ変わろうが到底敵わないであろうと思える素晴らしい文章の数々。

 

同じ土俵で勝負する度胸は僕にありません。

しかしながらガンズについてのブログは書きたい。

そんな葛藤をすること数日。

ふと思いついたのが、ガンズのブートレグについて書いてみるのはどうだろう、という事でした。

いわゆる海賊盤というヤツです。

もちろん僕よりもガンズのブートに精通している人は山ほどいるでしょうし、大手を振って歩けない業界の事を書くのはどうかと一瞬思ったのですが、決して嫌いな話題ではありませんし、ブートの感想を勝手気ままに書き散らすヤツがひとりくらいいてもいいのかなあと開き直り、そのようなアプローチを採用させていただく事としました。

 

ブログの方針としては、毎回適当に選んだブート作品を独断と偏見に塗れながら紹介していこうと思っているのですが、今回は初回ですので、自分とブートとの出会いなどを思い出すがままに綴っていきたいと思います。

題して『ブートと俺』、カスみたいなタイトルですが、しばしお付き合いください。

 

 

今を遡ることウン年前、僕はいたって健全なロック好き高校生でした。

そんなロック少年がロックグッズを欲するようになるのは自然の摂理。

好きなバンドのティーシャーツを着用したり、部屋に好きなアーティストのポスターを貼りたくなったりした僕は、ロック関連グッズを販売しているお店を探す事にしました。

当時は現在のように誰でもインターネットを使えるような状況ではなかったので、音楽雑誌『Music Life』などに広告を出していたお店をチェックし、西新宿にあるディスクロードというお店がポスターや雑誌、ティーシャーツなどを取り扱っているようだったので、学校帰りに足を運んでみる事に。

 

生まれて初めて足を踏み入れた西新宿はウブな高校生にとっては少々いかがわしい界隈だったけれど、幸いディスクロードは大通りからさほど遠くない場所にあったので、それほどハードルが高いお店ではありませんでした。

今にして思えば、西新宿界隈でも随一と言えるほど健全なお店で(多少はブートCD、ブートビデオも扱ってましたが)、悪く言えばミーハーな雰囲気。

当時流行していたブリットポップが好きな女の子でも入れるようなお店だったと思います。

他のブート屋ではあまり扱っていない海外ロック雑誌が豊富だったので、閉店が惜しまれるお店であります。 

 

ディスクロードでの買い物を終え、その周囲を少し散策してみると、かなりの密度でCD屋やレコード屋が密集している事がすぐにわかりました。

いくつかお店に足を踏み入れてみると、そこで売られているのは変なジャケ写のチープな作りのCDの数々。しかも妙に高い。

お店のたたずまいとバンドのディスコグラフィーに載っていないCDの数々、それらを総合して考えれば、高校生といえども非合法の香りを嗅ぎ取らずにはいられません。

 

ここは立ち入ってはいけない場所だ

 

怖くなって逃げるように西新宿を後にしました。

その後、ロック雑誌などを愛読するようになり、どうやら海賊盤マーケットというものが存在するらしい事を薄々知るようになりますが、次々と発売される新譜のチェックやロック史に燦然と輝く名盤たちの復習に手一杯で、そのような世界に足を踏み入れている余裕はまったく無かったのです。

(当時はロック雑誌にブート店の広告が普通に掲載されていました)

 

そんな状況が少し変わったのは、自分にとってガンズが特別なバンドになってからしばらく経ったある日の事。

毎日のようにガンズの作品に触れ、雑誌の記事なども貪るように読んでいるうちに、Shodow Of Your LoveとWhole Lotta Rosieという2曲のアルバム未収録曲がどうしても聴きたくなってきました。

しかし、その2曲が収録されている日本企画盤『ライヴ・フロム・ザ・ジャングル』はとうの昔に廃盤となり、学生には手の届かないようなプレミア価格が付けられています。

今ならYoutubeなどでサクッと聴くところですが、当時はそんなものは影も形も無く、どうにかして現物を手に入れて聴くしかありませんでした。

 

なんとかしてガンズのアルバム未収録曲を聴きたい。

 

考えに考えた末、ふと思い出したのがあの西新宿の光景。

あそこなら手に入るかもしれない。

藁にもすがる思いで、あの怪しげな界隈に再び足を踏み入れたのです。

 

結論から言えば、西新宿で得たものは当初の目的を達成するどころか、それを遥かに凌駕するものでした。

スタジオデモと共に収録された前述の2曲はもちろんのこと、『Rumbo Tapes』と題されたCDには、ガンズの公式ディスコグラフィーをいくら確認したところでその存在すら確認出来ない未発表曲がてんこ盛り。まさに驚愕。

これで完全にブートレグの魅力に取り憑かれました。

 

当時はスラッシュがスタジオを追い出されバンドを脱退。

「誰それがメンバーらしい」「アクセルはテクノにハマっているらしい」「プロデューサーが交代したらしい」という噂話が断片的に入ってくるばかりで、新作のリリースどころかバンドの将来する不透明な状況でした。

そもそもガンズというのは公式音源の数が少なく、容易にディスコグラフィーをコンプリート出来てしまうようなバンド。

そして、関連記事などに目を通すと決まり文句のように書かれているのが「ライヴが凄い。なにが起こるかわからない」という事。

つまり、ガンズというのは非常にブートレグに手を出しやすい土壌を持ったバンドな訳であります。

 

それから少しずつブートレグを買い集めるようになりました。

当時は中古CD屋でガンズのブートレグを見かける事も多く(それだけ多くの枚数が流通していたという事でしょう)、比較的安い値段である程度の数を収集する事が出来たと思います。

また、グランジブームによりHR/HM人気が後退した事により、西新宿のブートレグ屋でも関連商品のワゴンセールを頻繁に行っており、お財布に優しいお値段で貴重な盤を手に入れたケースもありました。

 

が、やはりそこは非合法商品。当たり外れがあります。

中には隠し録り丸出しの酷い音質で「金返せ!」と叫びたくなる事もしばしばありました。(まあ、その手の音源に慣れてきて、ブートレグ耳を手に入れると聴こえ方も違うのですが、それはまた別の話)

特に当たり外れが顕著なのがブートビデオでした。

当時は現在のようにDVDではなかったので、元テープからダビングしたものが商品として販売されていました。

ビデオはダビングを重ねる度に劣化していきます。

なので、購入するお店でクオリティが違うのはもちろんの事、同じお店で購入したとしても個体差が発生してしまうのです。

某A店のように試写システムがあるところなら実際に確認してから購入できるのですが、そうでないお店で買う時はまさに博打です。

何度血の涙を流した事か…。

それに引き換え今はDVDなのでダビングによる画質の劣化はありません。デジタルコピー最高!と絶叫したい心持ちであります。

 

そんな手探りでブートレグを収集する日々に転機が訪れたのは大学に入学し、初めてのパソコンを手に入れた頃でした。

そう、インターネット環境の導入であります。

そこから一気に世界が開けました。

国内外に無数に存在するガンズのファンサイトを訪問し、自分が所有しているブートレグの詳細を知ると同時に、今まで見たことも聞いたこともなかった音源の存在も知る事になったのです。

特に好んで訪問したのが、セットリストやライヴ中の出来事などを詳細に記した海外サイトと、ブートレグのレビューを行っていた日本のとあるガンズサイトでした。

 

特に日本のサイトの管理人さんとは掲示板と通じて交流を持つようになり、お互いのコレクションをCD-Rに焼いて交換するようになりました。

いわゆる「トレード」というヤツです。

他にも何名かを交えて音源をトレードするようになり、収集のスピードが飛躍的にアップしました。

そうなってくるとブートレグ収集にほとんどお金がかからなくなり、たまに新規の音源を購入する時も、これはトレードに使えるかどうか、つまり他の人が所有していない音源かどうかが判断基準となりました。完全にマニアですね。

 

最初は活発だったトレードもひと段落し、音源収集のスピードが鈍り始めた頃、事態は新たな局面を迎えます。

今まではブートレグ業者が制作し、商品として市場に流通している音源を収集の対象としていたのですが、ネットで色々と調べていくうちに、未だブートCD化されていない貴重音源が海外マニアの間で取引されている事がわかりました。

マニア…いや、ガンズファンとしてそれらに手を出さない訳にはいきません。

そう。海外トレード時代の幕開けです。

 

つたない英語を駆使し、海外トレーダーにメールを送ります。

求める音源の条件としては主に以下の点を重視しました。

 

・ブート化されていない事

・音質が良好な事

・珍しい曲が演奏されている事(Coma、Locomotive、Breakdownなど)

・セットリストが特殊な事

 

海外トレーダーの間で日本製のブートCDの人気が非常に高く、日本製1枚に対して2~3枚の音源と交換してくれました。

綺麗なジャケットや盤面プリントが珍しかったようです。

これらの取引で、ブートCDとして出回っていなかったComa初演のリッチフィールド、Breakdownを演奏したMSG公演などが日本のトレーダーの間で出回る事になりました。

そして最大の目玉となったのが、ガンズ史上最高に奇妙なセットリストとされている88年のNY Lime Light公演です。

これはOne In A MillionやCornshuckerという超レア曲をプレイしているだけではなく、前半がアコースティックセット、後半がエレクトリックセットというガンズにしては非常に珍しい二部構成を持ったライヴなのです。

さらにアクセルの機嫌がすこぶる悪く(ライヴ当日、アクセルは完全オフ日だと思っていたそうです)、途中で消えたり現れたりし、メンバーは苦し紛れのジャムで繋いだり、ローディーにツェッペリンを歌わせたりして、なんとかライヴとしての体裁を保つという非常に興味深い演奏が聴けます。

前半の一部はLangleyレーベルから出ていた『SELF DESTRUCTION BLUES』というブートで聴けたのですが、完全版としてはこの海外トレード音源が初。

このライヴを通して聴いた時は本当に戦慄しました。

よく暴動にならなかったな、と…。

このライヴの2日後、あの伝説のリッツ公演という名演がある訳ですから、本当にムラがあるバンドですよね、ガンズって。

まあ、だからブートを集めてしまう訳ですが…。

 

そんな我々トレーダーのマニア魂はその筋のお方の目にも留まる事となります。

ついに業界人の登場であります。

その方は後にガンズ関連の超優良音源を多数リリースする某Aレーベルのオーナー様なのですが、非常に面白い話を色々と聞かせて頂く事が出来ました。

あまり詳しい話は自粛させて頂きますが、業界が景気の良かった頃は、ブート屋に某トレンディ俳優がふらっとやって来た事もあるそうですよ。

ちなみにお蔵入りとなったSlash's Snakepitの『Ain't Life Grand』のInterscope版を手に入れる事が出来たのは完全にこの出会いのおかげです。本当にありがとうございました。

 

そんなドキドキ海外トレード時代も長くは続きません。

某日本人トレーダーが、当時出回っていたガンズの全ライヴ音源を海外トレーダーから一挙に手に入れたのです。

これで完全に均衡が崩れました。

すでに全音源を所有している人にはどう考えても勝ち目はないでしょう。

お互いに持っていない音源をちまちまトレードする時代は終わったのです。

 

このトレーダーさんは某Aレーベルと手を組み、ガンズファンが驚愕するような超優良音源を次々にリリースしました。

僕も音源をいくつか無償に近い形で譲って頂き、コレクションが非常に充実したのを覚えています。

あんな音源やこんな音源を耳にする事が出来たのも、すべてその某トレーダーさんのおかげであります。

きっとみなさんのコレクションの中にも少なからずそのトレーダーさんの息がかかった音源があるのではないでしょうか。

ある時期を境にそのトレーダーさんとは音信不通になってしまいましたが、もしも何かの機会に再会する事が出来たら、その当時の思い出話を色々としたいと思っております。

 

その後、僕は就職して仕事に忙殺され、ブート事情に疎くなってしまいました。

また、某ガンズサイトの管理人さんは海外留学し、現地で観に行ったガンズライヴで暴動に巻き込まれてファンを卒業されたようです。

僕はここ何年かでまた新作ブートをチェックするようになりましたが、今はもうトレーダーさんとの付き合いも無いので、ごく普通に買わせてもらう立場となっております。 

最近は録音機材や撮影機材の進歩なのか、すごい良質な音源が多いですよね。

最近は「えっ。こんなレア音源が?」と驚くようなものは少ないですが、86年のAin't Goin' Down初披露のライヴ(これは間違いなくAin't Goin' Down以外音源も存在しているそうです)などが発掘されるのを気長にまってます。

 

まあ、マニアの戯言を色々と書き連ねてきましたが、今はちょこちょこブート音源のレビューなどをやっていきたいと思います。

「マニアが何か言ってるな」程度のスタンスで見て頂ければ幸いであります。

また、「これをレビューして欲しい」というリクエストがございましたら、コメント欄もしくはTwitterで呼びかけて頂ければ可能な限り応じさせて頂きたいと思います。

 

 

2007年、わたしはたしかにアレを聴いた

ブラジルW杯を直前に控え、みなさまいかがお過ごしでしょうか。

もうブブゼラの準備はお済みでしょうか。

今ならまだ間に合いますのでお早めのご購入をオススメいたします。

ブブゼラを肺活量の限りに吹き鳴らし、肺臓も破けよとばかりに日本代表を応援しようではありませんか。

 

さて、場末のスナックのように細々とやってきた当ブロクですが、前回のISEの記事をアップし、その旨をTwitterでつぶやいた直後から状況が一変。

2日連続で100アクセスを頂戴するという今までの閑古鳥ぶりからは想像もつかないような状況となりました。

僕を有頂天にさせて「はてなブログ Pro」を契約させようという策略でしょうか。

そんな疑心暗鬼に陥ってしまうような盛況ぶり。

なによりも嬉しかったのが、尊敬する文筆家 志村つくね氏が当ブログの読者になってくださったこと。

なにを隠そう数あるブログサービスの中からはてなブログを選択したのも、氏が同じはてなブログで「志村つくねの父さん母さんリヴァイアサン」を始められたからであります。

この場を借りて志村つくね氏、そして読んでくださったTwitterのフォロワー諸氏に御礼申し上げます。

 

相変わらず更新ペースの遅い当ブログですが、少しでも記事をアップ出来るよう新しいアイデアをひねり出しました。

それは僕がSNSサイト大手mixiで書いていたmixi日記に手を加えて当ブログに転載すること。

さすがにすべて転載するという訳にはいきませんが、中には気に入っているものもありますし、mixiではマイミクさんが数えるほどしかいなかったので、改めてみなさんが読める状態にするのもいいのではないかと思いました。

 初めての試みなので上手くいくかわかりませんし、もしかしたらこれが最初で最後になるかもしれませんが、とにかくやってみましょう。

第1回目としてアップさせていただくのは、2007年7月に開催されたGuns N' Roses日本ツアーの初日 幕張メッセ公演のライヴレポート日記でございます。

今と文体が違っていて恥ずかしいし、ギャグも盛大にすべっているものが多いのだが、よほど目も当てられないもの以外は極力そのままにしてお送りいたします。

どうぞっ。

 

【以下、mixi日記より加筆修正の上転載】 

 

2007年7月14日・15日、幕張には間違いなく神がいました 。

神=アクセル・ローズ、しかと目撃して参りました。

涙と感動の2日間、渾身のドキュメントを是非!
いや、そんな大層な物じゃないですが。

とりあえず長いです。

ていか日記というよりも記録です。自分自身のための。

まずは初日の様子からどうぞっ。

 

7月14日、Guns N' Roses実に14年ぶりの日本ツアー初日。

折りしも日本列島には台風4号が大接近中。

噂によると過去最大級だとか。こいつはついてないこと甚だしい。

バンドが既に来日しているのが不幸中の幸い。

天気予報によると関東に最接近するのは15日。

とは言え、14日の時点で既に結構な暴風雨。

正直、幕張まで運転していくのがちょっと怖いような心持ち。

ホテルのチェックインが14時からだったので、少し余裕を持って11時に自宅を出発。

当然の如く車内BGMはガンズ。道中は車内カラオケ大会開催となりました(ひとりです)。

が、雨風が半端じゃない。マジ半端ない。

普段は絶景であるところのレインボウブリッジでは視界が真っ白に。

これは死ぬでしょう。

ためしにワイパーをオフにしてみたところ、コンマ1秒で何も見えなくなる。

これは間違いなく死ぬでしょう。

千葉まで無事にたどり着けたのは奇跡としか言いようがない。

早くも運をすべて使い果たしたのではないでしょうか。

 

宿泊予定のホテルで友人のくりこさんと合流。

わりと高級なホテルのロビーにガンズティーシャーツを着込んだ社会の屑が2名。

明らかに場違い。すいませんね。

とりあえずチェックインして部屋で乾杯&昼ご飯。

外は相変わらずの嵐だし、とりあえず飲むことくらいしか出来ないのです。


会場の幕張メッセは目と鼻の先。

部屋でガンズのDVDを鑑賞しつつ、開場時間までひたすらにビールを飲む社会の屑2名。

ホントならば開場と同時に入ろうと思っていたのだけれど、 天気も悪いし、かったるくなって1時間遅れで開場入り。 なんたるやる気の無さ。

まあ、整理番号もイマイチだし、前の方で見れないしね。

傘を入り口付近に放置し、グッズ売り場へ突撃。

ツアT、タオル、リストバンドを購入。計6500円也。

Tシャツは仕方ないから2枚重ね。暑いよ!厚いよ!

グッズ売り場で気になったのが、ロビン・フィンクのオリジナルティーシャーツ。

着ていた人はおろか買ってた人も見ませんでした。

ギターソロの時とか「買ってね」って言えばいいのに。

あ。話は脱線しますが、メッセの案内嬢が凄い。

覇気という言葉はこの世に存在しないのではないかと思ってしまうようなテンションの低いおばちゃんがふたり。 

道を尋ねたのにボソボソ言ってて聞き取り不能。

さすが千葉。魔境ですよ。

今日はARブロック。平たく言えばステージ右手。

とりあえず、行けるとこまで前方へ潜入してみる。

わりとスイスイ進み3~4列目くらいを確保することに成功。

前に背の高い兄ちゃんがいるのが残念ですが、整理番号の悪さを考えればこの位置でも大ファインプレーですよ。

だって、この位置からアクセルが観れたら相当に近いよ。

テンション上がり気味。ドキドキっ子ですよ。

が、隣りのくりこさんは不満顔。

仕方ないのでその理由を訊いてみると…

 

理由1 兄ちゃんが邪魔でステージが見えない。

理由2 近くの男子が臭い。 

 

わがまますぎて助けてやる気にもならんが、とりあえずファブリーズ買ってきなさい。 

そんな女子のわがままよりも気になったのが、ライブ慣れしていないであろう人が 異様に多かった事。

多分、スタンディング形式が初めてなんだろうね。

でっかいカバン持ったままとかハイヒールとか。

挙句の果てにはカーディガン着ちゃってる女性とか。

始まったら死ぬよ!絶対!

まあ、年齢層が高いのは予測してましたが、

ここまでの惨状は完全に予想外。凄い。


そうこうしてるうちに場内暗転。

前座のバンドが登場。ムックですよ、ムック。

残念ながら子供たちに大人気の赤いキャラではなく。

いわゆるビジュアル系のバンドです。日本の。

わりと巷では人気があるらしくムック目当ての女子もいました。

が、大多数のオーディエンスはムックに興味なし。

この日は酷い野次こそなかったけど拍手もまばら。

一生懸命やってるバンドには気の毒だけど、明らかに場違い。

30分くらい演奏してステージを降りるムック。

オープニングアクトの役割は果たせなかったと言わざるを得ない。


さあ。ここからがガンズ名物アクセル待ち。

何時間でも待つ覚悟は出来てますよ。

と思ったら、わりと早く始まりました。

 

「わりと早く始まりました」とか冷静に書いてるけど、客電落ちた瞬間にテンション上がりすぎて絶叫してた。

あ。くりこさんはいつの間にかベストポジションを確保。

柵につかまっていらっしゃいました。

彼女は小柄な女子なので、その後ろにいる僕も自動的に観やすいポジションに。

ステージがダイレクトに見える。凄い。幸せだ。

聴いた事の無い怪しげなSEが流れる中、サーチライトが蠢くステージにメンバーが次々と登場。

ステージ右手、ロビン・フィンクが弾くのはもちろん名曲Welcome To The Jungleのイントロ。

場内には怒号。そして悲鳴。後方から押し寄せるオーディエンス。

半端じゃない押され具合。若干危険でした。

もうこの時の興奮は一生忘れない。

気がついたら大して好きでもないロビンの名を連呼。

僕の横でも同じようにくりこさんが「ロビィィィン!ロビィィィン!」と絶叫しておりました。

傍から見たら完全にロビンマニアふたり組ですよ、ええ。

「物販でティーシャーツ買ったんでしょ?」と決めつけられても仕方が無いくらいのロビン大好きっ子と化した我々。

人間テンションが振り切れるとどういう行動を取るかわからないという好例ですね。

 

ふとステージ中央を見ると既にアクセル・ローズ登場。

もうロビンの事は忘れて「アクセル!アクセル!」の大絶叫。

これだけ頻回に「アクセル!」って叫ぶのはガンズファンか教習所の教官くらいですよ。

どうでもいい話ですが。

 

もうそこからは何千回と聴いてきた名曲のオンパレード。

歌いっぱなしですよ。自然と歌詞が口から出て来る感覚。

あのアクセル・ローズが自分の目の前で歌い踊る。

まさに夢としか言いようがない。

そのルックスは大きく変わったけど、アクションと歌声はまぎれもなく僕らが知っているアクセル・ローズその人。

 

あまりの感慨深さに涙腺が崩壊寸前。

It's So Easyの「Fuck Off!!」も叫んだし、最高のグルーヴを持つMr.Brownstoneでは場内横揺れ。

「いつか見れるかもしれない」と漠然と夢見ていた風景が、自分の眼前に実際に広がっている。

これって本当にすごい事で幸せなはずなんだけど、まだ夢の中みたいな不思議な感覚。あんまり現実感が無いんだよね。

 

場内はオープニングから一瞬たりともテンションが落ちず、身の危険を感じてしまうくらい盛り上がりっぱなし。

そんな光景を見た目にしたアクセル、Mr.Brownstoneの後には「What a crowd!!! What a crowd(なんちゅーやつらやねん!)」というありがたいお言葉を。

しかも大事な事だから2回言いました的な。

アクセルからこんな言葉を引き出した事を日本人として誇りに思おう。

 

あ。新曲は他の曲に比べるとやっぱり受けが悪かったなぁ。

BetterとかMadagascarとかすげーカッコいいのに。

The Bluesではピアノの上にアクセルが飛び乗る!

一瞬ヒヤッとしたけど無事に乗れてました。

わりと身軽。だいぶやせましたね。


ライヴはいつものようにParadise Cityで終了。

ガンズのライヴ、不動の最終曲。

これが始まれば今夜はこれで終わりだと誰もが認識する、そんな1曲。

アクセルも最後の力を振り絞るかのように歌い踊り、吹き出された紙吹雪が場内を真っ赤に染めていく。

「Thank you!!! Good Night!!!」というアクセルの絶叫と共に初日のステージが終了。

あまりの素晴らしさに割れんばかりの拍手に包まれる場内。

 

観客の歓声に応える為、再びステージに戻ってくるメンバー達。

客席にお辞儀をして今度こそライヴ終了だ。

アクセルからは改めてオーディエンスを称賛する言葉が。

いやー。すげかった。今まで観た中で文句なしに最高でした。

みんな名残惜しかったのか、ダメ元で「Guns! N'! Roses!」コールを開始。

が、無情にも客電点灯。

まあ、仕方ないよね。Paradise City演ったんだからもう終わりだよね。

本当に素晴らしいライヴだった。今夜はビールがさぞかし美味いことでしょう。

 

が、ここで奇跡が!

再びステージに戻ってくるアクセル。

ステージ左手にはギタリストのロン・サールが。

ギターソロを弾き始めるロン。

この人は上手い。バケットヘッドの後任にふさわしいバカテク。

 

ひとしきり弾きまくった後、ロンが奏で始めたのは…

Don't Cry!!!!!!!!!!!!!!!

いや。この人が前のツアーでもこの曲をインストで

演奏していたのは知ってるんだけども…。

アクセルがステージにいるという事は…。

 

イントロのアルペジオに導かれ、「Talk to me softly…」と静かに歌いだすアクセル。

嗚呼、聴けてしまった…。

Don't Cryは93年のツアー以来、一度も演奏されていないはず。

それが日本で聴けるなんて…。

台風の中集まったファンに対するプレゼントなのか

4月から延期になってしまった事へのお詫びなのか

ただオーディエンスのリアクションが嬉しかったのか

理由は分かんないけど、大好きな曲だし、ホント泣けた。

 

海外サイトでも大騒ぎだったみたいだし。

このサプライズはガンズのライヴ史上、最大クラスの出来事じゃないかな。凄い。

東京ドーム公演がライヴビデオ化されたことやLive Eraの日本盤にボーナストラックが付いていたことを指して「日本人ばっかりずるい! Japanese can suck my dick!!!」とか海外のGunnerが怒っていたけど、これはたしかに怒られても仕方がない。

一生忘れられない夜になりました。

アクセルの気まぐれに感謝。

 

【以上、mixi日記より加筆修正の上転載】

 

いやー。お恥ずかしい。なによりも長い。

この次は幕張メッセ2日目のライヴレポなんだけど、転載をためらってしまうほどの文体の恥ずかしさ&内容の稚拙さ。

どうすべきか己に問いかける日々を過ごします。

では、みなさまにおかれましては良い日曜日をお過ごしくださいませ。