おかげさまで当ブログも1000アクセスを達成いたしました。
亀のような歩みとはいえ、1000回もアクセスを頂けた事実に小躍りしております。
祝賀会を開きたい気分であります。
ちなみに前回アップした『Self Destruction Blues』についての記事ですが、当然触れておくべき事実をすっかり無視しておりましたので、その部分を加筆致しました。
ほんの数行の文章ですので、改めて読んで頂く頂く必要は無いかもしれませんが、とりあえずご報告まで。
ブートレビュー第2回目となる今回。
前回はブートCDを取り扱ったので、今回はDVD物をレビューしたいと思います。
という訳で、今回はこちら!
えー。ジャケットには'92と記されておりますが、これは88年の間違いです。
盤面には'88と印刷されているのに、ジャケットで思いっきり間違ってしまうという非常に残念なパターンです。
まあ、これはこれでブートらしい味があっていいのですが。
これは1988年5月9日、ニューヨークのFelt Forumという会場で開催された公演のブートになります。
同公演はガンズがヘッドライナーとして全米を回ったツアーのうちの1公演で、日本のEZOなどがサポートして出演しました。
ヘッドライナーなので持ち時間はたっぷりありますし(104分収録)、前回レビューしたシアトル公演と同じく、Appetite For Destructionがチャートを席捲している頃なので、客席の盛り上がりは最初から凄まじいものがあります。
ちなみにFelt Forumというのはニューヨークにある超有名会場Madison Squere Garden(通称MSG)の中にある中規模の劇場だそうです。
このブートDVDは西新宿にある某A店で購入したものです。
某A店の判断基準では、画質はX評価となっております。
某A店ではプロショットの画質はA・B・Cの3段階で評価しており、オーディエンスショット(観客が隠し撮りしたもの)のそれはX・Y・Zとなっています。
つまり同作はオーディエンスショットとしては最高の部類に入る評価とされている訳であります。
その最高ランクのDVDを再生してみると…
最近のブートDVDと違ってチャプター分けがされていないのは許せるとしても、かなり劣化を感じさせる遠目からのオーディエンスショット。
これをX評価というのはかなり強いハートの持ち主でしょう。
…と思うのは最初だけで、他のオーディエンスに視界を遮られる場面もありませんし、音質はかなり良好。後述する斬新なカメラワーク以外はストレス無く観る事が出来ます。
では、早速肝心の内容に触れていきましょう。
オープニングナンバーはIt's So Easy。
のっけからアクセルの声はかなり出ていて調子が良さそう。
フロアの前方は観客がみっちり詰まっていて、ガンズに対する期待の高さを伺わせます。
ステージの一段高いところに座るスティーヴンの派手なドラミングが目を引き、やはり初期ガンズはいいナーと思ってしまいます。
終始スティーヴンの派手なドラミングを観れるというだけでも、スティーヴンファンは買うべきだと断言できます。
演奏が終わると、観客に向かって「遅くなって悪かったね」などと後年であれば口が裂けても言わないであろう気遣いを見せるアクセル。
どうやら開演前にインタビューをこなさなくてはいけなかった模様。
続いて演奏されるのはMove To The City。
メンバーは演奏しながらステージ上を好き勝手に動き回ります。
この秩序の無さが初期ガンズの魅力のひとつでしょうか。
この時点ではEP『Live Like A Suicide』でしか聴けない楽曲ですが、かなりオーディエンスに浸透している様子でIt's So Easyに引けを取らない盛り上がりを見せています。
アクセルの「君たちにまた会いたいから、踊りに行く時には気を付けろよ。俺と一緒に踊りたいか?俺の名前を知ってるか?俺の名前は…Mr.Brownstoneさ!」というMCに導かれてMr.Brownstoneがスタート。
この曲のイントロのリズムに合わせて、カメラがズームイン・ズームアウトを繰り返すという撮影者の小粋な演出が炸裂。
画面を直視していると酔って嘔吐します。ご注意ください。
曲のラストに同じ演出が再登場しますので、最後まで油断してはいけません。
心地よい横揺れの後は、思いっきり攻撃的なOut Ta Get Meへ。
イントロで足上げキックを連発するアクセルの若さに胸が熱くなります。
ギターソロを弾くスラッシュにまとわりつくようにして歌うアクセル。
そして曲のラストでは、イジーの腕ぐるーんが炸裂!
この腕ぐるーんを観るためだけでもイジーファンは買うべきだと断言できます。
アクセルがスティーヴンとダフを観客に紹介し、Rocket Queenがグルーヴィーにスタート。
リズム隊の活躍が鍵を握るガンズ屈指のダンスチューンであります。
曲の中盤でダフが堂々としたベースソロを披露。
このベースソロを観るためだけでもダフファンは買うべきだと断言できます。
曲が明るく展開するところで例のズームイン・ズームアウトのカメラワークが登場。
酔い止めは手元に置いておいてください。
ちなみに最後のパートのアクセルの歌唱は絶品です。
My Michelleのイントロアルペジオが2回ほど鳴りますが、アクセルの指示でバンドはPatienceを演奏し始めます。
ライティングが真正面からカメラに直撃し、画面全体が青っぽくなりかなり見辛くなります。
が、この状態は少しの我慢で改善するので安心してください。
スラッシュのギターソロはスタジオ盤とはかなり違う感じで面白いです。
Patienceは当時未発表だったので客席の盛り上がりはそれなりですが、終わった後は場内大歓声。
曲の良さは十分伝わったようです。
Patienceに続いて演奏されたのは、同じく『GN'R Lies』に収録予定のUsed To Love Her。
聴衆の多くにとっては馴染みの無い曲ですが、ノリの良い曲なので初めから盛り上がってます。
イジー&ダフはマイクスタンドの前から動かずアクセルと一緒に歌っていて、すごく楽しげな雰囲気が画面を通して伝わってくる演奏です。
馴染みの無い曲が2曲続いた後、My Michelleのスリリングなイントロが始まり場内の熱気が再び高まります。
やはりアペタイトの曲は人気がある。
非常に残念な事に、例のカメラワークがイントロで炸裂。
撮影者本人が非常に気に入っている技である事だけは伝わってきます。
さらに画面がゆっくりと左右に傾く新しいカメラワークまで登場。
「普通に撮ってよ!」と叫びたくなります。
そして観客が待ちに待った大ヒット曲Welcome To The Jungleで場内大爆発。
アクセルの動きは絶好調で、我々ファンが考える「アクセルらしい動き」というのがすべて詰まったパフォーマンスを披露しています。
ガンズのコピバンでアクセル役をやっている方は必聴です。
そしてスラッシュはノっているのか酔っているのか、この曲に限らず、スタジオ盤とは違うフレーズを随所で弾きまくっています。
ギターをやられている方には興味深いのではないでしょうか。
Welcome To The Jungleの後でテープチェンジがありますが、演奏にかぶっていないので視聴には問題ありません。
ジャングルに続くのがSweet Child O' Mineという超贅沢な流れ。
イントロのギタートーンが完璧にスラッシュしていて泣けます。これは凄いです。
ダフのメロディ弾きもきっちり弾けていて感激。
ここでもアクセルの歌は絶好調で、SCOM好きの方は必聴のバージョンです。
Only Women Bleedをイントロにして(アクセルの歌は無し)Knockin' On Heaven's Doorへ。
この曲のギターソロを弾き終わった後のスラッシュのやりきった感が素晴らしいです。
このやりきった感を観るためだけでもスラッシュファンは買うべきだと断言できます。
ここで何故か時刻表示が画面に一瞬だけ復活。午後10時55分だそうです。
アクセルのメンバー紹介でステージ前方に歩み出るスラッシュ。
「ニューヨークに戻って来れて嬉しいよ」とか挨拶した後、おもむろにギターソロを弾き始めます。
ひとしきり弾いたところでバンドが加わりBlues Jamへ。
いくつかのブートではThe Avengersという名前で知られているジャムですが、その由来はよくわかりません。まあ、単なるジャムです。
こういうBlues Jamをさらりとこなす辺りがアメリカのバンドらしいですよね。
が、この曲の演奏中にステージを横切る怪しい影が…。
なんと自転車に乗ったアクセルがステージを横断して行ったのです!
ここがこのブートDVD最大の見せ場。
このサイクリングシーンを観るためだけでもアクセルファンおよび自転車ファンは買うべきだと断言できます。
「これは『GN'R Lies』に入る予定のオリジナルバージョンだ」というアクセルの曲紹介で始まったのはYou're Crazy。
観客に馴染みのあるアペタイトバージョンではなくアコースティックバージョン。
しかし、曲の途中でアクセルが「これでもくらいやがれ!」と絶叫すると、アペタイトバージョンへ変貌。
ごくたまーに披露するハイブリッドバージョンです。くそかっこいい。
これは勝手な推測なのですが、このアレンジはアクセルが敬愛するQueenがWe Will Rock Youで同じ事をやっていたのがヒントになっているのではないかと思います。
後年、Brian Mayがガンズのライヴに飛び入りしてWe Will Rock Youを演奏した時、途中でFastバージョンになるアレンジだったので、この推測もあながち見当外れでは無いかと…。
スラッシュの「君たちに捧げるよ」というMCからNightrainへ。
ここまでの熱演で枯れ気味になった声を振り絞るようにして歌うアクセル。
最初のギターソロはイジーとスラッシュが背中合わせになって演奏。
これはぶっ倒れるくらいかっこいいです。
これを観るためだけでも背中合わせファンは買うべきだと断言できます。
アウトロのロングソロを弾くスラッシュの周りを嫌がらせのように踊り狂うアクセル。
最後はアクセルのアドリブシャウトで終わるという珍しいアレンジ。
ここで本編終了です。
アンコール1発目は88年では超レアなDon't Cry。
Don't Cryを叩く88年のスティーヴンを観れるだけでも幸せです。
演奏中は聴き入っていた観客も、曲が終わると未来のヒット曲に大喝采。
そして、バラードでしっとりした空気を打ち破るようにして始まったのは、Aerosmithのカバー曲Mama Kin。
デビュー前から演奏していた1曲だけあって流石の出来。
長い夜を締めくくる1曲として準備されたのはParadise City。
この時点ではガンズのライヴ不動の最終曲として認識されていた訳ではありませんが、観客が待ち望んでいた1曲だけあってフロアの揺れ具合が凄いです。
ちなみにここでも例のカメラワークが登場しますが、ここまで観て来た人であれば心が乱される事はないでしょう。
ここではスラッシュとアクセルのマイクシェアが観れますので、マイクシェア好きの人にとっては…ってもうしつこいですかね。
最後のキメに合わせて半回転したアクセル、客席に向けてお尻を出してライヴ終了。
この時点ではアルバム1枚だけの新人ですが、実に堂々とした100分超の熱演。
文句の付けようがないでしょう。
前述した通りカメラワークの問題などはありますし、ブートに慣れていない人には少し厳しい画質ですが、定番のプロショット映像を一通り手に入れた後にでもチェレンジしてもらいたい1枚です。
ガンズが好きであれば大いに楽しめると思います。
願わくば同公演のプロショット、もしくは画質の良いバージョンが発掘されますように…。