決戦は月曜日 (2018.03.12)

どうも。僕です。

口笛を吹いていたら酸欠になった事があります。

まあ、それはさておき。

いやー。来ますね。

 

誰が。

 

Stone Temple Pilotsが。

 

そう。新ヴォーカリストを迎えて復活を果たしたプルパイことStone Temple Pilotsが早くもやってまいります。

わたくしは残念ながらスコット・ウェイランドが歌うプルパイを観る事は叶わなかったのですが、2013年に秋の黒シャツ祭りことLoud Parkのヘッドライナーとして来日した時のライヴは観ております。

その時のシンガーはLinkin Parkのヴォーカリストだった故 チェスター・ベニントン

皮肉な事に、わたくしがチェスターを観たのはこの一回こっきり。Linkin Parkのフロントマンとしての彼の姿を観る事は叶いませんでした。

同様に、わたくしが生前のスコットを観る事ができたのはVelvet Revolverで来日した時だけ。

本来の居場所で輝く彼らの姿を観られなかったのが残念でなりません。

 

前回の来日では、メタルの祭典Loud Parkという事もあり、なんちゅーブッキングなんだと文句のひとつも言いたくなるようなどアウェーぶり。

準ヘッドライナーだったEuropeが最後に“Final Countdown”をやって帰ったものだから、ほとんどのメタラーが大満足して帰宅。

文字通りLoud Park  2013のファイナルカウントダウンになってしまった訳です。

我々プルパイ待機組は怖くて後ろを振り返る事ができないほどの閑散とした状態に。

ステージを挟んで我々と対峙している屈強なセキュリティ達も「これ…僕ら要りますかね?」などと言い出す始末。

まあ、そのくらい集客がアレだったという事です。

 

そんな中、バンドは不貞腐れる様子ひとつ見せず見事なパフォーマンスを披露してくれました。

特にヴォーカルのチェスターは前任者が残した楽曲に対して本当に真摯に取り組んでおり、「あなたみたいな大物がこの客入りでそんな…」と観ているこちらが申し訳なく思えてしまう熱演。

バンドも少ないながらも自分達を目当てに来てくれたお客さんがいる事に気付いたみたいで、ロバートかディーンか失念したのだけれど、とにかく兄弟のどちらかが、前方のお客さんだけに聞こえるようにマイクを通さずに

 

 俺達を観に来てくれてありがとう。

 長いこと来れなくて悪かったね。

 

みたいな事を言ってくれたんですよ。

あれは本当に感動しました。

今年9月は単独公演なので、彼らが驚くような盛り上がりになる事を期待しております。

また来たいと思わせるような一夜になりますように。

(まずはチケット当たりますように)

 

 

プルパイについて柄にもなく熱く語ってしまいましたが、本題はここからです。

ええ。あの話題です。

 

3月12日の夜、Guns N' Roses(以下、ガンズ)のトリビュートバンドGuns Love Roses(以下、ガンラヴ)のライヴを観てまいりました。

会場は渋谷のホテル街に鎮座するduo MUSIC EXCHANGE

今年1月のニューイヤーイベントも含め、この会場のステージには何度も立っているガンラヴの面々ですが、今回はなんとワンマン。

渋谷のduoでワンマンですよ、奥さん。

 

今回の公演はLegend Of Rock主催で、音楽関連書籍でお馴染みの老舗出版社シンコーミュージック・エンタテインメントとロックの殿堂ことRoll & Roll Hall Of Fame Japanが強力バックアップ。

さらにはスペシャルゲストとして、音楽ライターの増田勇一氏が開演前のDJを務める事も決定。同氏が責任編集を務めるロック雑誌『MASSIVE』にインタビューが掲載されるなど、過去最大規模のワンマンライヴに向け、これ以上無いほどのお膳立てが整っていました。

メンバーも「自分たちにとってのマイルストーンになるライヴ」と語っており、今までやってきた事の集大成を披露しようと気合い充分。

否が応でも高まる期待。

公演日が近づくにつれ、音楽サイトなどのアカウントからも宣伝ツイートが流れるようになり、「ガンラヴさん、すごいところまで来たナー」と見ているこちらの方が緊張する始末でした。

 

そして迎えたライヴ当日。

チーマーに狩られないように姿勢を低くして忍者のように渋谷の街を疾走するわたくし。

魑魅魍魎が跋扈するホテル街を通り抜け、ついに会場へたどり着きました。

そこでわたくしが目にした光景は…

 

うら若き娘さん達の群れ!!!!

 

なんという事でしょう。

わたくしの知らぬうちにガンラヴはアイドル的人気を博するバンドになっていたのです。

これは嬉しい誤算。

去年の本家ガンズの来日公演で一気にファンが増えたのでしょうか。

若い娘さん達に混じってライヴを観られるなんて素敵ですね。

 

と思ったのもつかの間、その娘さん達はO-EASTで開催される韓流アイドルのライヴを観に来たお客さんだという事が判明。

ここ数年で一番意気消沈いたしました。

その後もduo MUSIC EXCHANGEの受付に訪ねて来ては「違ったー!向こうだー!」とO-EASTに向かって猛ダッシュして行く若い娘さんが続出。

ひとりくらい間違って入場してそのままガンズファンになりなさいよっ!とわたくしの中のお局様が叫びました。

若い娘さん達がヴォーカルのNaxlさんを観たら大変な騒ぎになるだろうに…。

 

そうこうするうちに入場開始時刻。

いつの間にか値上がりしていたドリンク代600円を支払って場内に。

そのまま小走りで向かった先は物販コーナー。

ガンラヴの公式パンフレットが100部限定で販売されるとの事で、まずはそれを確保しない事には始まりません。

まさか自分がヅラをかぶったおじさん達のパンフレットを喜び勇んで購入する日が来るとは思いもよりませんでしたが、前述の『MASSIVE』に掲載されたインタビューのノーカット版が読めるという事ですし、何よりもこのどこかで見たような秀逸なデザインがファン心理をくすぐります。

友人のくりこさん(恫喝で生計を立てている偉人)から「わたしの分も買っておくように」という断ってはいけない指令を受けていたので2部購入。

その後、会場に姿を現したくりこさんに「買っておいたよ!」と伝えたところ、「え?わたしも買ったよ」と不審そうな顔で言われ、「なんだこの使えない女はくりこさんはおっちょこちょいだナー」と思いました。

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(限定100部の特製パンフレット)


このパンフレットの制作を手がけたのが、昨年夏に開催されたガンズファンイベントGunners Circusの実行委員会。

今回のワンマンライヴに華を添えるべく、場内にはファンアートも展示されていました。

そして、同じくアートを出展していたのが、ピクセルアートアーティストとして世界に名を馳せるtakekiyoこと武田清先生。

緑のカーディガンがトレードマークの世界のキヨシと言えばおわかりでしょうか。

武田清先生はガンズはもちろんの事、メタリカAlice In Chainsなどガンズ周辺アーティストのピクセルアートも展示されていました。

その中でも個人的に最も感動したのは、ピクセルアートによるAFD5のリユニオン。

この光景を実際に目にする日はやって来るのだろうか。

それは誰にもわからない。

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(武田清先生のピクセルアート)

 

来場者に振舞われたウェルカムシャンパンを飲みながら会場をうろうろしていると、増田勇一氏のDJタイムがスタート。

1曲目はMotorheadの“Sympathy For The Devil”という心憎いチョイス。

その後もレニー・クラヴィッツの“Always On The Run”や欧州ツアーでガンズのオープニングアクトを詰める事が決定したManic Street Preachersの“You Love Us”など口ずさめる名曲のオンパレード。

久しぶりにSilvertideの“Devil's Daughter”を耳にしたけれど、なんであのバンドが売れなかったのか理解できない。ロックンロール・リヴァイヴァルみたいなのがもてはやされた時期に出て来たんだっけ。

もしもの話をしても仕方ないけれど、彼らがもう少し遅くデビューしていたら、今頃はThe Strutsあたりと一緒に未来のスター候補として人気を博していたような気がする。

 

年度末の月曜日という社会人には少し厳しい日程となった今回の公演。

しかし、演奏開始時間が20時に設定されており、それが功を奏したのか場内は大盛況。

仕事帰りに駆け付けたと思しきお客さんの姿を大勢見かけました。

開演が近付く頃には「2階席を開放しました!」という場

内アナウンスも流れ、まずは動員の面では大成功と言えるのではないでしょうか。

さあ、あとはその期待に対して演奏で応えるだけです。

 

 

ほぼ定刻通りだったでしょうか。

会場のスクリーンには往年のMusic Life誌の表紙が次々と映し出されています。

表紙は過去から現在へと向かい、80年代後半には我らがガンズの姿も。

どちらが先だったかは記憶が定かではありませんが、Legend Of Rock出演バンドの紹介VTRも流されていました。

そして、場内に鳴り響いたのはドクッ!ドクッ!という心臓の鼓動。

これはまさか…

 

 

Coma!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

 

なんという事でしょう。

ガンラヴがこの大舞台で、大作にして難曲として知られる名曲Comaを初披露。

まったく予想だにしなかったオープニングですよ。

もうその場で七転八倒したくなりました。

 

あまりの感動で半ば卒倒していたわたくしですが、心臓の拍動音は単なるVTRの効果音だった事が判明。

何事も無かったかのような面持ちでガンラヴの登場を待つ事にいたしました。

早とちり、ダメ、ゼッタイ。

 

 

本家ガンズがリユニオン後の出囃子として使用していた“Looney Tunes Intro”が場内に流れ、ヴォーカルのNaxlさんを除くメンバーがステージに登場。

舞台袖に控えたNaxlさんがバンド紹介をがなり、「Suck on Guns Love Roses!!!」のシャウトを合図に猛烈な勢いでドラムを叩き始めるMadlerさん。

そこに絡んでくる印象的なギターリフとベースリフ。

オープニングナンバーは本家ガンズのデビューEP『Live?!*@ Like a Suicide』の冒頭を飾る疾走チューン“Reckless Life”。

この記念すべきライヴの開幕を告げるにふさわしい選曲だったのはないでしょうか。

 

立て続けに“Welcome To The Jungle”“It's So Easy”というハードロックの金字塔『Appetite For Destruction』冒頭の鉄板コンビネーションを繰り出し、頭3曲で完全に場の空気を掴む事に成功。

ここで早くもこの日最初のサプライズが。

なんとリズムギターのIzzilyさんがリードヴォーカルを務める“Dust N' Bones”を初披露。

この曲のために購入したというGaslashさんのトーキングモジュレーターも併せて初披露となりました。

“Dust N' Bones”は葬式で流して欲しいくらい好きな曲なので大感激ですよ。

Naxlさん、Izzilyさん、Gaslashさんによる「Dust n' Bones!!!」「That's alright!!!」のマイクシェアもバッチリ。

帰ってから気付いたのですが、“Welcome To The Jungle”~“It's So Easy”~“Dust N' Bones”の流れは、もしかしたら『Live Era』を意識していたのかな?と思いました。

まあ、実際には『Live Era』ではWTTJとISEの位置が逆なのですが、ガンラヴのメンバーにお会いする機会があったら訊いてみる事にいたしましょう。

 

“Dust N' Bones”の後は、会場をグルーヴィーに揺さぶる“You're Crazy”のスローバージョン。

『GNR Lies』収録のアコースティックバージョンではなく、『Live Era』などで聴けるようなバンドバージョンと言ったらおわかりになるでしょうか。

ガンラヴは途中でファストバージョンに切り替わる変速Crazyもレパートリーとしているのですが、この日は最後までスローで押し通しました。

そういえば、『Live Era』収録の同曲は初来日の東京公演からのテイクだと言われています。

あのスローバージョンを選択したのは初来日トリビュートだったのだろうか。

それは誰にもわからない。

 

歌い終わったNaxlさんがステージを去り、お色直し&チューニングタイムかと思いきや、残ったメンバーに「業務連絡!業務連絡でーす!」などと叫び出すGaslashさん。

すわ!ハプニング!?

メンバーがステージ上手に集まって何やら相談しているので、Naxlさんの喉に何かあったのかと心配していると、4人がかりで大きな物体を持ち上げてステージ中央へ。

客席から「ドリフの転換か!」という声が複数上がるあたりに年齢層の高さがうっすらと透けて見えますね。

ピンク色の3人掛けくらいの可愛らしいソファでした。

ガンズのステージにソファ。

その意図を察して驚愕いたしました。

 

 

Skin n' Bonesツアーの再現やー!

 

 

約2年半に渡って世界中を回った本家ガンズのUse Your Illusion tour。

東京ドームで撮影された公式ライヴビデオでもその様子が観られる通り、ホーン隊などを含めた大所帯によるスケールの大きいスタジアムロックで世界中を魅了しました。

しかし、その反動とも言うべきか、バンドとしての本来の姿に立ち返るべく、余計な装飾をすべて削ぎ落とし、メンバー6人だけで演奏を行うというコンセプトのツアーが立案されたのです。

それが93年のSkin n' Bonesツアーであり、ライヴ中盤に設けられたアコースティックタイムが見所となっています。

余談ですが、西新宿の某店では同ツアーの未発表プロショットDVDのリリースを予定しており、すでに店頭ではフライヤーなども配布されているようです。

本当に出たら世界中のガンズファンが大騒ぎする事態になるでしょうね…

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 (阿吽の呼吸でソファを運ぶメンバー)


話が脇道に逸れましたが、そのSkin n' Bonesツアーの再現が目の前で繰り広げられようとしている訳です。

自分たちで設置したソファにぎこちなく座るガンラヴメンバー。

「ガス子に部屋!」などというこれまた年齢層の高さを感じさせる野次が飛びます。

そこへ登場したのは開演前にDJを勤めていた音楽ライター増田勇一氏。

貴重なシーンを撮影しに来たのかと思いきや、そのままソファへ着席。

 

 

えええええええ!! 増田さんも歌うの!?

 

 

まったく状況が理解できないままのわたくしに追い打ちをかけるように聞き覚えのあるカウントが。

 

 ワン ツー スリー ワン ツー スリー

 

 

ぴゃあああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!

 

 

You Ain't The First!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

 

ここは“Patience”あたりで来るだろうという予想の斜め上。

しかも、さっきの“Dust N' Bones”に続き、2曲目の初披露曲ですよ。

Skin n' Bonesツアー再現という演出だけでも胸熱なのに、選曲に対しても攻めの姿勢を崩さないのが凄い。

イジー感の濃厚な心地よいルーズな調べに酔いしれました。

増田勇一氏はBlind Melonのシャノン・フーン(R.I.P.)のパートを歌っていたように聴こえたがいかがでしょうか。

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トークショーではありません)

 

“You Ain't The First”が締めくくられると客席からは大きな拍手が。

地味な曲だけど意外と人気あるのだナーと嬉しい発見になりました。

続いて演奏された楽曲のイントロに再び驚愕。

そう。本家ガンズが未来永劫演奏しないであろう楽曲のひとつ“One In A Million”です。

黒人や移民、同性愛者に対する差別的な単語が歌詞中に登場するとして非難の的となった事はガンズファンならご存知でしょう。

ブラジル人家族と生活を共にし、フランク・フェラーという黒人ドラマーをメンバーに迎え、同性愛者として知られるミュージシャンとも共演経験のある現在のアクセルであれば、おそらくあのような歌詞は書かなかったと想像できます。

One In A Million”で歌われているのはそのような立場の人達に対する嫌悪ではなく、むしろアメリカの田舎町出身の白人男性としての自分の了見の狭さ、自分の権利や尊厳を脅かそうとする権力への反発、理想に向かって手を伸ばし続ける姿勢など等身大のアクセルを表現しただけなのではないかな、という気がするのはわたくしだけでしょうか。

いずれにしても、アクセルにとっては自分の書いた言葉に横っ面を叩かれるという(おそらく)初めての経験をした曲ですし、もうセットリストに入れる事はなさそうです。

凄くいい曲なんですけどね…。 

 

ワンマンライヴならではのレア曲2連発が終わり、Naxlさんが黒のアコギを手に取ります。

コードを刻みながら歌い出したのは“Dead Horse”。アクセルがやっていたのと同様にあまり流暢なギターではないところが素晴らしい。

練習し過ぎて「アクセルそんなに上手くないから!」とならない事を願います。

最後の弾き語りパートまでやり遂げたNaxlさんはGaslashさんとグータッチ。

幼馴染み同士のふたり、その絆を窺い知る事ができる良いシーンでした。

 

メンバーが力を合わせてソファを舞台袖へ撤収し、Skin n' Bonesコーナー終了。

さあ、お待ちかねのDuffyさんコーナーの始まりです。

Twitterでライヴの感想を検索していたところ、「MCが日本語でびっくりした」という方がいらっしゃいましたが、Duffyさんの毒蝮三太夫風MCはガンラヴライヴ名物でございます。

時間の関係などで「はいっ。そういった訳でございまして」という名調子が聞けない日は寂しくなります。

Izzilyさんのコードストロークで始まったのは、ジョニー・サンダースの“You Can't Put Your Arms Around A Memory”。サビ前まで歌ったところでThe Damnedの“New Rose”へ突入。名曲パンクチューンに場内も熱を帯びます。

今は本家ダフ・マッケイガンと同様に“New Rose”とMisfitsの“Attitude”の二択ですが、そのうちThe Stoogesの“Raw Power”も聴けるのでは?と思っているのはわたくしだけでしょうか。

 

ここから先は『Use Your Illusion』コーナー。

まずは本家ガンズが一度もライヴで演奏した事の無い“Get In The Ring”に場内が沸きます。

わたくしも初めてガンラヴ(当時はGunmen Showersというバンド名でした)を観た時、「えっ!?これ演っちゃう?」と驚愕いたしました。

挑発的なNaxlさんのヴォーカルが最高なので、それを観るためだけでもガンラヴのライヴに足を運ぶ価値はありますよ。

ラストの「Get in the ring!!! Get in the ring!!!」を一緒に叫びましょう。

 

続く曲は同じく『Use Your Illusion 2』からの“Pretty Tied Up”。

本家ガンズでは2001年の復活後もリユニオン後も演奏されていない楽曲ですが、ガンラヴだけでなく他のトリビュートバンドのライヴでも絶対に盛り上がる鉄板曲です。

“Bad Obsession”もそうですが、ガンズで演奏されないのはイジー色が強いせいでしょうか。

もしも今年の欧州ツアーにイジーが飛び入りするような事があれば、リユニオン後にガンズが演奏してこなかった曲も聴けるかもしれませんね。

期待は失望の母であるのは百も承知ですが、どうにかしてイジーとも関係修復を果たせたらいいなと願わずにはいられません。

 

ここまで触れていませんでしたが、ステージ上には初めからキーボードが設置されていました。

そこに座るのはタケちゃんマン風の王子衣装に身を包んだNaxlさん。

そう。大曲“November Rain”です。

生ピアノがある会場でしか演奏しない楽曲だと思っていましたが、キーボードを使ってでも演奏してくれたのは、このワンマンライヴに対する意気込みの表れなのではないでしょうか。

Naxlさんは「アクセルの音楽的な考え方を理解するにはピアノに挑戦する必要があった」という意味の事をインタビューで語っており、その意識の高さには本当に感服するばかり。

Naxlさんの爪の垢を煎じたものが売られていたら購入させていただきたい気持ちでいっぱいであります。

最後のコーダ部分まで完奏し、おそらくこの日最大の難関を見事に乗り切ったガンラヴ一同。

なかなか対バン形式のライヴでは時間的に演奏しずらい曲ではありますが、ガンズの代表曲のひとつでもありますし、何よりもNaxlさんのピアノを更に磨き上げるという意味でもどんどん披露していただきたい一曲ですね。

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 (王子Naxlさん)


『Use Your Illusion』パートを締めくくるのは、NaxlさんとDuffyさんのデュエットが聴ける隠れた名曲“So Fine”。

ダフ節が炸裂する一曲で、ダフのソロバンドLoadedでも頻繁に演奏されていました。

2013年にダフ率いるLoadedもここ渋谷duo MUSIC EXCHANGEで来日公演を行った事がありますが、同曲の「I owe a favor to a friend (友達に借りがあるんだ)」という歌詞を歌った後、客席を指差して「トーキョー、君達の事だよ」と言ってくれて、幸運にも最前列で観ていたわたくしが泣きそうなくらい感動したという思い出があります。

ダフのヴォーカル大好きなので、もしも今年はガンズがあまり活動しないのであれば、是非ともLoadedとして来日していただきたい。よろしくお願い申し上げます。

 

観客を焦らすように場内に響き渡るのはDuffyさんのベースリフ。

それに導かれるようにしてステージ中央に歩み出たNaxlさんが歌い始めたのはQueenの“Sail Away Sweet Sister”。そこから更にGrand Funk Railroadの大ヒット曲“Bad Time”へと繋がっていきます。

東京ドームのライヴビデオを観た事のある方なら、もう次の曲はおわかりでしょう。

そう。全米No.1ヒットシングルにして、世界一有名なギターリフのひとつ“Sweet Child O' MIne”です。

誰もが愛する名曲を持っているバンドは強いナーと思わせられるような盛り上がりぶり。

あのギターソロは“ギターソロの殿堂”があったら間違いなく殿堂入りでしょう。

 

アクセルのMC史上屈指のかっこよさを誇るThe Ritz '88のMC再現からの“Out Ta Get Me”はNaxlさんの十八番。

あの反抗的なMCを思春期に聴いたら道を踏み外す事間違いなしです。

 一家に1枚The Ritz '88の精神で啓蒙していきます。

ここから更に“Nightrain”で畳み掛け、我々の心も完全にnever to returnの境地へ。

普段は温厚なGaslashさんもワイルドにアウトロソロを弾き倒しており、「今までで一番キレてるガスさん」という評価も飛び出すほど。

 

『Appetite For Destruction』曲2連発に火照った場内をクールダウンさせるかのようなギターの調べはアリス・クーパーの“Only Women Bleed”。

その祈りにも似たギターメロディはそのまま“Knockin' On Heaven's Door”のイントロへ。

後半にはお馴染みの合唱パートがあり、Naxlさんの呼び掛けに対してオーディエンスが見事に応え、17曲という大ボリュームで本編終了。

 

即座にアンコールが要求され、再びステージに登場するメンバー達。

Duffyさんはガンズ公式サイトで販売されていた癌撲滅チャリティーのFuck Cancerティーシャーツを着用されていたのが印象的でした。

海外からのお取り寄せには躊躇してしまうわたくしですが、このチャリティーティーシャーツは「まあ、最悪届かなくてもチャリティーには貢献できるから」という精神で購入いたしました。

また販売される機会があればみなさまも是非。

 

Pink Floydの“Mother”(森進一さんの名曲“おふくろさん”の英訳カバーだと思っている方が多いようですが、まったく別の曲です)をイントロに据え、聴いた瞬間に誰もがそれとわかるあのGコードがかき鳴らされます。

ガンズのライヴにおける不動のラストナンバー“Paradise City”。

ファンにとっては、聴きたいけど聴きたくないという矛盾した気持ちを抱かされる二律背反的な一曲だと言えるでしょう。

Madlerさんがリズムインすると、客席からは自然発生的にゆったりとした手拍子が起こり、牧歌的な雰囲気が会場を支配します。

しかし、Naxlさんの吹くけたたましいホイッスルが空気を切り裂き、それを合図としてステージに投げ込まれる無数の女性用下着。

Gunmen Showers時代から引き継がれているガンラヴのライヴではお馴染みの光景です。

本家ガンズの紙吹雪ほど大掛かりな演出ではありませんが、女性用下着が宙を飛び交う光景もなかなか面白いものです。

自前の下着を準備する必要はありませんので、投げてみたい方は手ぶらで気軽にライヴ会場へお越しください。

 

“Paradise City”のエンディングパートでは、宴の最後にふさわしくオーディエンス全員躁状態のような盛り上がり。

動員的にも内容的にも大勝利。本当に見事でした。

最後にメンバー全員で挨拶して大団円…

 

と思いきや、メンバーは楽器を手放す様子もなく、そのまま次の曲へ雪崩込んでいきます。

しかも、この終盤 of 終盤に持ってきたのは

 

Perfect Crime!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

体力温存する気ゼロのスピードチューン。

こんな位置で演奏するような曲じゃないでしょうに。

でも、“Paradise City”で感じた終演感をチャラにするには、このくらいの激しい曲が必要だったのかもしれません。

こちらも残った力を振り絞って猛ヘドバンでそれに応えるしかないでしょう。

しかも、Naxlさんの声の凄まじい事と言ったらもう。

終演後のアフターパーティでご本人から聞いたところによると、Naxlさんが目指しているのは91年のインディアナ公演での“Perfect Crime”などで聴けるアクセルの声だそうです。

声帯の鳴らし方なども勉強しているそうで、昔と今とでは喉の使っている場所が違うとおっしゃっていました。

ピアノの件もそうですし、その鍛え上げられた身体を見れば一目瞭然ですが、自分の弱い部分に対して絶対負けない人なのだなあ、と心の底から感服した次第です。

 

そして、いよいよ本当に最後の瞬間がやってまいりました。

この記念すべきワンマンライヴの最後を飾るのは、『Appetite For Destruction』の最終曲“Rocket Queen”。

みんな大好き“Rocket Queen”ですよ。

ここで再びGaslashさんのトーキングモジュレーターが登場。

チューブが抜けているというハプニングもありましたが、気持ちの良い絶妙なギターを聴かせてくれました。

元々は“Dust N' Bones”のために購入したトーキングモジュレーター。

しかし、その一曲だけのために買うのはコスパが悪いという事で、“Rocket Queen”にも導入した、という裏話を某メンバーに教えてもらったというのは内緒です。

それにしてもこの日の“Rocket Queen”は本当に気持ちよかった。バンドの演奏がドンピシャでハマっていたような印象を受けました。

良いロケクイだね!

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(チューブを愛撫するガスさん)


 

 約2時間半。全21曲。

  ガンラヴ大勝利!

 

掛け値無しにそう言っていいライヴだったと思います。

Guns Love Rosesというトリビュートバンドが思い描くGuns N' Roses像、それを見事にステージ上に描ききったライヴだったのではないでしょうか。

演奏が完璧だったとは言いませんし、わたくしよりも冷静に観ていた方には更に多くのアラが見えていたのかもしれませんが、あのライヴを観た人の中で「ガンズに対する愛が感じられなかった」という感想を抱いた方はいなかったと確信しています。

ここ数年、トリビュートバンドが出演するイベントに足を運ぶ機会が増えましたが、「またあのバンド観たいナー」と思うのは、トリビュート対象への果てしない愛が感じられるバンドばかりです。

愛があれば大丈夫、などとは言いませんが、愛が無かったら何も大丈夫じゃねーよ、とだけは言っておきたい。

 

ガンラヴは本人達がインタビューで語っている通り、昔からの友人5人が集まって結成されたバンドである。

「アクセル役募集」などとメン募を出した訳でもないのに、友人5人が集まっただけで、本家ガンズの各メンバーに相当するキャラクターの持ち主が揃ってしまったというのは本当に奇跡なのではないだろうか。

AFD5(ファーストアルバムレコーディング時のメンバー)に大きな意味があるように、ガンラヴもこの5人でバンドをやっているという事に運命的なものを感じてしまう。

もちろんメンバーはステージを降りれば仕事や家庭のある普通のおじさん達。

個人練習やリハーサル、ライヴの準備などの時間をやりくりするのは並大抵の労力ではない事は容易に想像がつきます。

でも、Guns Love Rosesなんていうバンド名を名乗ってしまった以上、ガンズ愛を貫き通してもらないと困りますよ。

ヅラをかぶったおじさん達がステージ上で最高に輝いている光景をまた観に行かせていただきます。

 

 

なにこのブログ。

長くね?

Welcome Back To The Japangle Part 5

明けましておめでとうございます。

僕です。

もう3月ですし、新しい年がとっくに明けているのは百も承知ですが、本日の話題は去年の事です。

来年の事を話すと鬼が笑う」などと申しますが、なぜ鬼は笑うのでしょうか。

鬼にしてみれば「お前はここで死ぬのに、そんなお前が来年の話をするなんてウケるー。まぼろしー」という事でしょうか。

鬼、ブルータルすぎるでしょう。

 

あ。3月で思い出しました。

以前に当ブログでも紹介した事のあるGuns Love Rosesさんのワンマンライヴがあります。

しかも来週の月曜日。もう明後日?

 

2018年3月12日(月)

渋谷duo MUSIC EXCHANGE

開場 18:00   開演 20:00

 

20時スタートという社会人にも優しい時間設定となっております。

開場後は音楽ライター増田勇一氏によるDJ、ピクセルアーティストtakekiyo氏による展示等も予定されているので、興味のある方は下記リンクをご参照ください。

チケット予約はtwitterのバンド公式アカウントおよび各メンバーのアカウントでも受け付けているようです。

 

http://www.gunsloveroses.com/Guns_Love_Roses/Upcoming_Show.html

 

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(販売予定のプログラム。限定100部だそうです)

 

あ。去年の話でしたね。

2017年という名の365日。

本当に思い出深い一年になりました。

そう。ついに来たんです。

 

だれが。

 

アクセルとスラッシュがいるガンズ・アンド・ローゼズが。

 

わたくしのような後追いファンにとっては夢のまた夢。

それがアクセルとスラッシュが同じステージに並び立つ姿。

スラッシュとダフ、ダフとイジー、ダフとスティーヴンが並び立つ姿は観た事のあるわたくしですが、アクセルとスラッシュだけは一生無理かもしれないと思っていました。

(すべての組み合わせにダフが絡んでいるのがすごい。彼こそバンドの潤滑油!)

 

が、2015年にアクセルとスラッシュが和解したというニュースが駆け巡り、そこからとんとん拍子に話が進み、2016年1月にはついにスラッシュとダフを迎えたラインナップでステージに立つ事が発表されました。

2016年4月に実現した奇跡の再合流、そのツアーがついに我が国にもやって来たわけであります。

2017年最初の月はまさに阿鼻叫喚と言える様相を呈して過ぎ去り、ガンズは一生忘れられない思い出と金銭的困窮を残して次の公演地で旅立って行きました。

その記憶は日本ツアー約1年が経った今も、わたくしの脳裏に鮮明に焼き付いているわけであります。

 

さて、『Welcome Back To The Japangle』と題して書き散らしていた駄文シリーズですが、今回で一区切りつけたいと思います。

詳細なライヴレポなどを書く技量は持ち合わせておりませんので、今回のツアーについてざっくりした感想を垂れ流していきます。

基本的にはわたくしの妄言となりますのでご容赦ください。

 

 

2016年にスタートして以来、世界中でソールドアウト連発となった今回のリユニオンツアー。

ツアータイトルとなった『Not In This Lifetime』は、スラッシュとの復縁の可能性について尋ねられたアクセルが発した「この人生ではありえないね」という言葉が由来となっています。

「再結成が実現する前に、俺かあいつのどちらかが死ぬ事になるだろう」とまで言い切っているので、当時のアクセルとしてはスラッシュとの復縁は検討する価値も無いほどのナイネ枠だったのでしょう。

だからこそ今回のスラッシュとの復縁は凄まじい衝撃をもって迎えられ、ロック界最大の再結成劇として大歓迎されるツアーとなった事は疑いの余地はありません。

そして、そのツアーのタイトルとして『Not In This Lifetime』以上にふさわしい物は誰も考えられないのではないでしょうか。

リユニオン後初の公の舞台となった2016年4月1日のTroubadour公演。

我々ガンズファンは、インターネットを駆使して歴史的な一日の情報を検索しまくっていたわけですが、会場の看板に掲げられた『Not In This Lifetime』の画像を見た瞬間、脳髄が痺れて訳がわからなくなり、気が付いたらボブ・サップにKOされた曙のように床に倒れ臥していたのはわたくしだけではないでしょう。

誰がツアータイトルとして提案したのかは定かではありませんが、あのタイミングであのフレーズを持ち出してくるセンスに心底痺れました。

今までは良くも悪くも戦略的に甘く、メタリカのような大物バンドと比べるとファン心理がわかっていないような部分が目立ったガンズですが(でも、そういうのに振り回されるのも嫌いじゃなかった)、今回はかなりしっかりしたブレイン役が付いているのではないかと思ってしまうような見事な演出でしたね。 

 

 

アクセルの言葉を額面通り受け取るならば、この人生ではありえなかったはずのスラッシュとの再合流。

最初は「また喧嘩したらどうしよう…」と心配をしたものですが、アクセルがスラッシュの脇腹をくすぐったり、二人で顔を見合わせて微笑み合ったりしており、「あ。心配して損したわ」と思うほど仲睦まじくツアーを続けるガンズ御一行。

そのツアーは北米中米南米を周り、2017年1月についに日本へ。

夢にまで見たアクセルとスラッシュが並び立つガンズのライヴを体験できるわけであります。

 

もちろんわたくしも観ましたよ。

全5公演。

泣きましたよ。

2012年のロックの殿堂入りの際、式典への出席を表明していたアクセルがの世紀のドタキャンにより、「この機会を逃したら本当に一生無理かもナー」と絶望したあの日の落胆を返して欲しいくらい普通にステージに並び立ってやがりましたよ。

「Not in this lifetime? そんなこと言ってないヨー」とでも言いそうな顔してましたよ。

 

しかし、ついに長年の夢が叶ったわけなのですが、アクセルとスラッシュが並ぶ光景を目の前にしても「ありえない出来事」を目撃しているという感じはしませんでした。

来日するまでに写真や映像に触れる機会が多大にあったというのも一因なのかもしれません。

もちろんあの二人が関係を修復し、再びガンズ・アンド・ローゼズのメンバーとしてツアーに出ているというのはとてつもなく嬉しい事です。

「もう一緒にバンドなんてやらなくてもいいから、どちらかが死ぬ前に仲直りしなよ!そうしないと絶対後悔するよ!」と何度思った事でしょうか。

 

でも、やはりあの光景は「この人生ではありえない事」だとは思えませんでした。

だって、実際こうして実現しているわけですから。

あれは「ありえない事」ではなく「実現する可能性が極めて低い事」だったのではないか。

「屁理屈ばっかり言ってんじゃねーよ!ぶっ飛ばすぞ!」とお叱りを受けそうですが、わたくしはそのような事を思ったわけであります。

 

例えばPanteraというバンドがいましたね。

彼らはギタリストであるダイムバック・ダレルの悲劇的な死により、再結成の道が閉ざされているバンドです。

いや、厳密に言えば新しいギタリストを入れて再結成する事は「ありえない事」ではなりません。

しかし、ダイムバック・ダレルを含んだ誰もが知る形でのPanteraの再結成という可能性については「ありえない事」だと言わざるを得ないでしょう。

そこには死という不可逆的な事実が厳然として横たわっており、人智を超越した何かの力が働かない限り、それを変える事は不可能だと言えます。

それに対し、ガンズ・アンド・ローゼズは幸運にもメンバーが全員生存しており、本人たちがその気になりさえすれば(それが難しいのだが)、『Appetite For Destruction』制作時の黄金メンバーで集まる事だって可能なわけです。 

 

もう自分で書いてて「理屈ばっか捏ねてんじゃねー!」と嫌になりますが、そのように思ってしまったのだから仕方ない。

そういうわけでして、「Not In This Lifetimeよりもしっくり来る表現があるのではないか」という思いが拭えないまま来日公演後の日々を過ごしておりました。

まあ、さすがにファンの方をつかまえて「ねえ!あれはNot In This Lifetimeって感じじゃなかったよねぇ?ねえ?」などと同意を求めるような無粋な真似はしませんでしたし、そもそもあの時の感情を表すのにふさわしい表現を見つけることすら出来ていなかった訳です。

 

そんな思いを抱えたある日、iPodで何気無く再生したとあるバンドのアルバム。

 

Nine Inch Nails

 

世界を代表するインダストリアルロックバンドであります。

このバンドの音楽に馴染みの無いガンズファンでも、ギタリストのロビン・フィンクの名前には聞き覚えがあるのではないでしょうか。

そう。『Chinese Democracy』期のガンズの看板ギタリストであり、名曲Betterの作曲者でもある彼です。そして、彼の脱退後、その仕事はDJ Ashbaへと引き継がれることになります。

アクセル自身もNine Inch Nailsの大ファンであり、1991年にはツアーのサポートバンドに抜擢するほどの惚れ込みよう。

Chinese Democracy』はNine Inch Nails等のインダストリアルロックから多大な影響を受けたアルバムになるのでは?という憶測も流れていました。

 

Nine Inch Nailsの名ライヴ盤に『And All That Could Have Been』という作品があります。

名曲の数々をこれでもかと言わんばかりにビルドアップしまくった演奏が聴けるベスト盤代わりにもなり得る一枚。

Nine Inch Nailsでしたっけ? 聴いてみたいんだけど、何から買ったらいいかな?」という人がいたら、わたくしは間違いなくコレを推します。

このタイトルとなっている『And All That Could Have Been』を英検769級レベルのわたくしが訳すと…

 

 

そうだったかもしれないすべて

 

 

 ありえたはずのすべての事

 

 

などという感じになるでしょうか。

もっと良い訳がありえるはずなのですが、わたくしの能力ではこれが限界です。

 

 

ありえたはずのすべての事

 

 

このフレーズが頭に浮かび、すべての違和感が霧散しました。

ガンズがやろうとしているのはまさにこれではないか?

 

「あの頃の再現」でもなければ「ここから先の未来」でもない。

若かった自分たちが自らの手で壊してしまった「ありえたはずの自分たち」の姿。

『Not In This Lifetime Tour』は、存在し得たはずのガンズの姿をファン、関係者、そして他ならぬバンド自身で確認しようという作業なのではないかと思いました。

そして、その作業は極めて慎重に行われているように見えます。

 

 

もう二度と失敗しないように

 

もう大切な物を失わないように

 

 

自分たちがまだやり直せることを証明するかのようなツアーでした。

「世界で一番危険なバンドじゃなかったのかよ?」という愚問は放っておきましょう。

彼らはもう20代の若者じゃないんです。

個々のエゴのぶつかり合い、遅延、キャンセル、ドラッグ、アルコール。

そういった悪癖が排除され、極めてプロフェッショナルな姿勢でツアーが進んでいるように見えました。

特にアクセルに関しては、長年トラブルの種となっていた遅刻やキャンセルは一切ありませんでしたし、コンディションが明らかにベストではない時でも、プロの水準を保とうとテクニックを駆使して声を振り絞る姿は感動的ですらありました。

2年近くに渡るツアーの中で、アクセルがマイクを叩きつけてステージを去る場面は一度も無かったと記憶しています。(フランスでセキュリティに対してキレたケースはあり)

“ナイフみたいに尖っては触るものみな傷つけた”の代表格のようなアクセルでしたが、年々丸くなってきた(体型のことではなく)のか、笑顔の写真を多く目にすることが増えたので安心しております。

まさか猫ちゃん帽子かぶって出て来て照れ笑いするようなおじさんになるとは夢にも思わなかったけれど、アクセルには幸せになって欲しいという気持ちしかありません。

 

 

音楽のことに話を移しましょう。

リユニオンツアー開始以降、“November Rain”の前にPink Floydの名曲“Wish You Were Here”がインストゥルメンタルバージョンで演奏されることが定番となっています。

精神を病んでしまったPink Floydシド・バレットのために書かれた『あなたがここにいてほしい』という邦題で知られる超有名曲です。

基本的にインストゥルメンタル曲はあまり好みではないわたくしですが(でも、一番好きなメタリカの楽曲は“Orion”です)、スラッシュとリチャード・フォータスのギターが美しく絡み合う名演に毎回感動させられました。

 

この曲をセットリストに加えた理由については、元々はVelvet Revolverがレパートリーとしていた楽曲であり、スラッシュもしくはダフが「これ演ってみない?」と提案したのではないかと推測できます。

2016年4月、ガンズが“Wish You Were Here”を演奏したと聞いた時、これは2015年に亡くなった元Stone Temple Pilots~元Velvet Revolverのスコット・ウェイランドへのトリビュートではないかと思いました。

オリジナル版ではヴォーカルが入っている楽曲ですが、それをあえてインストゥルメンタルとして演奏することで、スコットという素晴らしい声を失った悲しみを表現しているのではないかと。

なによりも『あなたがここにいてほしい』というタイトルがすべてを表していると言えるでしょう。

 

その対象はスコット・ウェイランドだけに留まらず、プリンス、レミー・キルミスタークリス・コーネルマルコム・ヤンググレン・キャンベルなど喪われた音楽界の偉大な才能を追悼しながらツアーは続きました。

(人間だけでなく、アクセルの犬、ダフの犬といった愛すべき無垢な魂まで追悼していた事も書き添えておきましょう。)

“Wish You Were Here”の美しい調べに身を任せていると、「お前らもここにいて一緒に楽しんでくれればいいのに」という想いが聴こえてくるような気がします。

亡くなった人達ばかりではなく、過去の確執等、様々な理由でここにいられなかった関係者。そんな人達に向けても演奏されていたらいいな、と願わずにはいられません。

 

アクセルのAC/DC参加についても同じような事を考えてしまいました。

参加した理由については色々あるのだろうけど、その理由を突き詰めれば、アクセルはAC/DCにここにいて欲しかったんじゃないかな、と。

大好きなAC/DCがこのまま終わってしまうくらいなら、多少の不名誉やバンドを掛け持ちする事による肉体的疲労などは喜んで背負えるリスクだったのではないでしょうか。

ありえたはずのガンズ・アンド・ローゼズを取り戻し、その一方でありえなくなりかけていたAC/DCの未来を繋ぎ留めたアクセル。本当に凄い男です。

噂されるAC/DCの新作は本当に出るのでしょうか。

動向を注視していきたいと思います。

 

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(Wish You Were Here~Layla~November Rainの流れは絶品)

 

 

今回のブログを書くきっかけとなったNine Inch Nailsの『And All That Could Have Been』ですが、その最後に収められている名曲“Hurt”はこんな歌詞で締めくくられます。

 

 

  If I could start again

  A million miles away

  I would keep myself

  I would find a way 

 

 また最初からやり直す事が出来るなら

 100万マイル離れていたって

 俺は正気を保って

 道を見つけ出すのに

 

 

まあ、例によってわたくしの英語力なのでアテになりませんが、今のアクセルがこのような考えを持ってバンドに向き合っていても不思議ではないなと思ってしまいます。

ありえたはずのすべてを確認した後、彼らはどのような未来を選択するのか。

そろそろ新しい音楽も聴きたいところではありますが、ガンズに関しては「商品が店頭に並ぶまでは確かな物は何ひとつ無い」くらいの姿勢で向き合わないといけません。

彼らが最良の未来を選択出来ますように。

 

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 (2017年1月22日 神戸公演より)

 

最後にひとつだけどうでもいいエピソードを紹介させてください。

わたくしの知り合いにS君という人がおりまして、仮に名前をすし太郎としましょう。

熱心なガンズファンで非常に正義感の強い男です。

そんなすし太郎、ガンズ神戸公演で転売業者が暗躍し、ご当地限定の武者ティーシャーツがあっという間に完売したと知り激怒。

太宰治流に書けば

 

すし太郎は激怒した。

必ず、かの邪智暴虐の転売業者を除かねばならぬと決意した。

すし太郎には市場の論理がわからぬ。

すし太郎は、村の牧人である。

 

というところでしょうか。

村の牧人かどうかは知りませんが。

まあ、そんなわけで転売業者への怒りに燃えたすし太郎。

これ以上、貴重なご当地限定ティーシャーツを転売業者に渡してなるものかと一念発起。

次の横浜公演ではフジテレビ系列めざましテレビのキャスター級の早起きをして物販列に並ぶ決意をしました。

 

まだ夜も明けぬ新横浜。

熱心なベビメタファンや転売業者に混じって列に並び続けるすし太郎。

気のいいすし太郎は知り合いからもグッズの購入をガンガン依頼され、正午を過ぎるあたりになると、その光景を見ていた見知らぬ人から「あの人に頼むとなんとかなるらしい」などと不幸な誤解をされる始末。

 

転売業者への怒りだけを原動力に並び続けたすし太郎。

朝から何時間待っていたのでしょうか。

ついにグッズ販売開始の時間であります。

その頃、心優しきアップグレードチケット購入者に横浜限定ティーシャーツをお願いしておいたわたくしは、新横浜駅近くのコーヒー屋さんで熱々のコーヒーなどを飲みながらぬくぬくと談笑しておりました。

ライヴ開始まで体力温存であります。

 

コーヒーのおかげで身体の芯から温まった我々。

すし太郎の買い物がそろそろ終わると予想し、転売業者との戦いをねぎらうために会場に戻る事に。

多くのガンズファン、ベビメタファンで賑わう横浜アリーナ前で待っていると、物販ブースから出て来るすし太郎の姿を発見。

他の人達から頼まれた分も含め、物凄い量のティーシャーツやタオル、パンフレット、リトグラフなどを持ってよろよろと歩くすし太郎。

少し手伝ってやろうと思い、すし太郎に向かって走り出そうとした瞬間、衝撃的な事実に気付き、思わず足が止まりました。

そう。大量のグッズを持って物販ブースから出て来たすし太郎の姿は…

 

 

どこに出しても恥ずかしくない立派な転売ヤーだったのです

 

 

転売業者を憎むあまり転売ヤーと同じ姿になってしまったすし太郎。

なんという皮肉でしょうか。

あまりの事に泣きました。

ただただ泣きました。

気が付くとひとりで泣いていました。

 

 

転売、ダメ、ゼッタイ

Welcome Back To Japangle Part 4

どうも。バイアグラ100ml男こと僕です。

過酷な暑さが続いておりますが、みなさまにおかれましてはいかがお過ごしでしょうか。

焼き鳥とビールで夏を乗り切っていきましょう。

 

今回は、今年の2月にPart 3を投稿してからほったらかしにしていた『Welcome Back To The Japangle』の続編を書いていこうと思っております。

早いものでガンズの来日公演から約半年が経とうとしています。

今さら更新するのも気がひけますが、あのまま中途半端にしておくのも気持ちが悪いので、あと2回くらいで完結させておいた方がいいでしょう。

 

つい先日、音楽ライターの増田勇一さんのトークショーを観させていただく機会があったのですが、その中で増田さんが「昔は事実だけを並べたライヴレポートなんて意味がないと思っていたけれど、今はネットの普及によってファンの感想が真っ先に飛び交うようになった。そういう時代だから、事実を整理して伝えていくのが記事を書く人間としての役割だと考えるようになった」という話をされていました。

その後に「主観ばかりの記事を書くと、読者の方から「そんなのは自分のブログでやれ」という意見を頂戴する事もある」という話が続くのですが、今回はその主観ばかりを垂れ流していきたいと思います。

ある意味、単なるファンの特権とでも言いましょうか。

「それはお前の推測だろ!」と言われそうな妄言を書き散らかしてやりますよ。

詳細なライヴレポートなどを期待されている方はごめんなさい。

詳しく書いてらっしゃる方のブログや音楽雑誌を読んでいただくか、もしくはエロサイトなどに飛んで良い時間を過ごされてください。

今回はそういうのは抜きで、来日公演を観て考えた事だけを書かせていただく回にしたいと思います。(おそらく次回もそんな塩梅です)

 

 

まずガンズにスラッシュとダフが戻って来た理由ですが、これはもうわからないとしか言いようがありません。

本人達が詳細な経緯を明らかにしていませんし、これからもするつもりはないのかもしれません。

スラッシュの言葉を借りるなら、アクセルとの間にあった緊張状態が“時間切れになった”のかもしれないし、口さがない連中の言う通り“お金のため”なのかもしれません。

 

 

ただ、リユニオンが発表されるよりも以前から、アクセルの前でスラッシュの話題はタブーではなくなっていたという話も聞きますし、本物かどうかわかりませんが、ハッキングされて流出したとされるベータさんのメールの中には『スラッシュとのリユニオンについて』というタイトルの物が散見されました。

スラッシュの方もリユニオンについては「Never say never(絶対に無いとは言わない)」という態度を表明するに留まっていましたが、きっとどこかの時点で直接的もしくは間接的な接触があったのでしょう。

今回のツアータイトルにもなった『Not In This Lifetime』は、スラッシュとのリユニオンについて訊かれたアクセルが発した辛辣すぎる言葉だという事はみなさんご承知の通りかと思われます。

そこまで言い切った相手と和解するという事に対し、「おいおい!アクセル、言ってる事と違うじゃん!」という向きもあるでしょうが、逆にあのアクセルがそこまで言い切った相手と和解した事にこそこのツアーの価値があると言っても過言ではないでしょう。

このツアータイトルを提案した人はまさに天才だと思います。

2016年4月1日、Troubadourの看板の画像を見た時は本当に震えました。

 

その経緯を考えれば、わたくしが西野カナのごとく震えたのも不思議ではないでしょう。

ガンズがロックの殿堂入りを果たした2012年4月、式典への参加を表明していたアクセル(とイジー)が直前になって出席を取りやめた時、全ガンズファンが絶望のどん底へ突き落とされました。

 

壇上に並んで立つ事すら出来ないのか

 

別に一緒に演奏して欲しいとまでは望んでいなかったのに。

アクセルとスラッシュが気まずさを押し殺して、無名だった自分達が築き上げた物に対して、そしてファン達に対して敬意を表するために式典に出席してくれればそれでよかったんです。

それすらも出来ないほどにこじれてしまった二人の関係。

この機会に少しでも関係が修復できれば、バンドなんて一緒にやらなくていいから、普通に友達として会話が出来る仲になれば…と思っていたわたくしのささやかな願いは完全に吹き飛びました。

これは最低でも10年はリユニオン無しだな…と思いましたよね。

みんなもそうだと思う。

 

そんな状況の中、おぼろげな噂が出始めたと思ったら、それがどんどんと真実味を帯びていき、ついに実現してしまったスラッシュとダフの復帰。

2015年の年末にはほぼ間違いが無い雰囲気になっていたとはいえ、やはりコーチェラ出演が発表された時には心臓止まるかと思いましたよね。

みんなもそうだと思う。

今まで「ガンズという洋服にはスラッシュなんてボタンは存在しないんだ!」くらいの事を言い続けてきたアクセルが、どこかのタイミングで「あ。これはボタンの掛け違いなんじゃね?」と気付いてくれたのではないか。

リユニオン後のステージにおけるあまりにも自然な二人の姿を見て、ふとそんな事を考えている自分がいました。

本当に自然に笑い合っているアクセルとスラッシュの姿に、「つまらない意地張ってないで、もっと早くに仲直りしたらよかったんじゃねーの?」と思うファンが続出したとかしないとか……

 

2016年4月からガンズだけではなく、あの世界最強のロックバンドAC/DCのフロントマンとして各地のステージで歌い続けたアクセル。

そのパフォーマンスを目にした誰もが感じたのは、アクセルのヴォーカリストとしての充実ぶりでしょう。

もちろんリユニオン以前が充実していなかったとは言いませんが、日によっては会場に到着したらスタッフからマイクを受け取り、そのままステージに上がる事もあったアクセル。

喉が温まるまで時間がかかるというレビューも少なくなかったように思えます。(しかし、低調な日でもNightrainになるとエンジン全開になる事が多いのが不思議)

 

そんな出たとこ勝負のアクセルを変えたのがAC/DCへの参加です。

楽曲によっては最初の一音からアクセルベタ踏みのようなエネルギーの出し方を求められるバンドであり、デビュー当時から多大な影響を口にしていた敬愛する大先輩バンドなので、万が一にも不甲斐ないパフォーマンスを見せる事など出来ないと考えたのでしょう。

改めてヴォーカルコーチに師事し、自らを徹底的に鍛え直すというストイックすぎる行動に出たアクセル。

しかも、「生まれて始めてリハーサルの恩恵を知った」と語るほど(まあ、これは半分ジョークですが)真摯な姿勢でAC/DCの楽曲に取り組んでいました。

 

フロントマンにアクセルを据えた全世界注目AXL/DC初日。

多くのガンズファンがペリスコ等でアクセルの勇姿を不安混じりに見守った事でしょう。

忠実なAC/DCファンからブーイングを浴びたりしないかしら…と祈るような気持ちで見つめていたツアー初日のポルトガル リスボン公演。

その心配は杞憂に終わりました。

それどころか…

 

アクセル、あんたはこんなに凄い子だったの!

 

いや、凄い人だというのは重々承知でしたが、本当に感服するほどのパフォーマンスでした。

アクセルみずから「一番タフな曲だ」と語っていた“Hells Bells”も見事に歌いこなしていました。

これはもうトレーニングの賜物としか言いようがありません。

35年以上の長きに渡りバンドの声を務めたブライアン・ジョンソンの後任というポジションは、少しでも不手際があれば熱心なAC/DCファンから大ブーイングを浴びてもおかしくないリスクの方が大きいような役回りですが、それを見事にやってのけたアクセルを心から誇らしく思ったのを覚えています。

しかも、世紀のリユニオンとも言われるガンズのツアーとほぼ同時期ですよ。

そんなのを引き受けて喉を潰すような事があれば、ガンズもAC/DCも共倒れになってしまうので、普通であればわざわざそのようなリスクを背負う馬鹿はいないでしょう。

 

しかし、それを引き受けてしまうのがアクセル・ローズ

しかも自分から「何か自分に手伝える事があるかな?」と連絡したといいます。

あの大事な時期にアクセルをこころよく送り出したバンドメンバーもさすがだと思いますが、背負わなくてもいいリスクを率先して背負いに行ったアクセルに拍手喝采を贈りたいです。

自分の身に置き換えたら絶対にそんな事出来ないですよ。

若くて気力も体力も充実していて、1週間に7回演奏しても大丈夫という状況ならともかく、アクセルはもう50代半ばですからね。

世紀のリユニオンを危険に晒す愚行だと非難されてもおかしくはないわけです。

 

なんでアクセルがそんなリスキーな仕事を引き受けたのかな…と考えてみたのですが、

これはもうAC/DCとそのファンのためだとしか思えないというのが結論でした。

ガンズが全盛期のラインナップで復帰するというタイミングで、自分の敬愛するAC/DCが不幸な出来事によりツアーを中止せざるを得ないという事が、アクセルの目にはとてつもなく理不尽に思えたのではないでしょうか。

振り返ってみれば、アクセルはいつだって理不尽にも権力に蹂躙される弱者のために売られてもいない喧嘩を買ってきた人です。

近年は動物や死刑囚といった自分の生活半径からはかけ離れた立場の人(や動物)のために立ち上がったりもしていました。

そんなアクセルですから、AC/DCが助けを必要としていると聞いて、反射的にファイティングポーズを取って立ち上がってしまったのだと思いました。

かつてはその脊髄反射的な喧嘩っ早さにより物議を醸してきたアクセルですが、今回ばかりはそれが良い方向に転んだように感じます。

 

今回のリユニオンツアーにおいてアクセルが絶好調なのは、AC/DCの助っ人を買って出た事と無関係ではないでしょう。

AC/DCのタフなセットを最後まで歌いこなすために受けたヴォーカルトレーニング。

これが非常に功を奏していると思われます。

このままAC/DCという偉大なバンドが永遠の眠りに就くとは思いたくありませんが、ブライアン・ジョンソンが不幸にも健康を損なった事が、アクセルのヴォーカリストとしての寿命を延ばす結果となったという事は否定しがたい事実である言えます。

歴史に「もしも」は無いというのは承知しております。

しかし、もしもブライアン・ジョンソンが健康を害する事がなければ、アクセルはヴォーカルコーチを雇って自らを徹底的に追い込んだでしょうか。

わたくしは無神論者ですが、ロックの神様がいるのであれば、随分と酷な事をするな…と思ってしまいます。

 

ベースのクリフも引退を表明し、アンガス・ヤング以外は総入れ替えとなってしまった形のAC/DCですが、世界最強のロックバンドとして再び戻って来る事を心から祈っております。

あれほどまでに感銘を受けるライヴを観せてくれるバンドはそういないですよ。

どんなバンドであれ、ライヴでの調子を掴むまでには多少なりとも時間を要するものですが、AC/DCは最初の一音を出した瞬間にグルーヴの尻尾をがっちり捕まえて、最後の一音を出し終わるまでそれを決して手放さないんです。

あの気持ちよさをひとりでも多くのロックファンに体験してもらいたい。

どうか復活してくれますように……

 

 

なんかAXL/DCの話ばかりになってしまったような気もしますが、次回はガンズの来日公演で感じた事をひたすらに垂れ流し、この『Welcome Back To The Japangle』シリーズを終わりにしたいと思います。

最後にわたくしが横浜アリーナで撮影し、よくわからない外人がネットに投稿してベータさんから「いいね!」をもらった  フォロワーさんから「よく撮れてるね!」とお褒めの言葉を頂戴した写真をシェアしてお別れいたしましょう。

見てください、アクセルのこのじっとりとした眼。

これを撮れただけでもわたくしがこの世に生まれてきた意味があるというものです。

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という訳で今日はここまで。

7月20日、ニューヨークのアポロシアターで一体何が起こるんでしょうか。

深呼吸しながらその日を待つ事といたしましょう。

アクセルは「遅刻して悪かったね」と言った

声を大にして言いたい。

どうも。僕です。

 

Yesterday There was so many things that I was never told

 

これはGuns N' Rosesの名曲“Yesterdays”冒頭の歌詞です。

英検準15級などと揶揄されるわたくしがざっくり訳すと「昨日、俺が教わった事のないものがたくさんあるって気付いたんだ」といったところでしょうか。

わたくしも昨日同じような体験をしました。

 

押しも押されもせぬ見事な天パーの持ち主であるところのわたくし。

朝起きると見事に頭が爆発しているのが常。

そのままではとても表に出れるような姿ではないので、朝の貴重な時間を使ってシャワーを浴びます。

朝シャン派、とでも言いましょうか。

 

昨日もシャワーを浴びようと思い、浴室の電気スイッチをカチッと入れると…

 

一瞬だけ眩い光を放って消えました

 

なにが

 

浴室の電気が

 

はい。電球切れです。

この家に越して来て初めての事態。

電球の買い置きなど無い家ですから、仕方なくそのままシャワーを済ませ、近所のコンビニエンスへ買いに行く事にしました。

 

なにを

 

浴室の電球を

 

焼けるような陽射しの中、熱中症になる危険も省みず近所のコンビニエンスへ。

日用品コーナーを見てビックリ。

売ってないのね。

 

なにが

 

浴室の電球が

 

このパターンしつこいですかね。

まあ、正確に言えば売っているんですよ。

ただし、LED電球なんですね。

高いじゃないですか。

 

なにが

 

価格が

 

こっちは200円300円の話だと思って来ているのに、LEDだ長持ちだ柔らかな明るさだとか言われて800円900円の話にすり替えられても困るんですよ。

そりゃあ長い目で見たらお得なのかもしれませんよ。

でもね、こちらは映画『WE ARE X』冒頭のYOSHIKIじゃありませんが、まさにThere's no tomorrowの心境で日々生きているわけですよ。

涙で明日が見えないんですよ。

 

いつの間にコンビニエンスで普通の電球が買えなくなったんですか。

そんな事、誰も教えてくれませんでした。

冒頭の“Yesterdays”の歌詞の如く、知らなかった事柄に打ちのめされましたよ。

みんなそんなにLEDがお好きですか。

 

滅多に泣かない人物として知られ、一部では「和製 中森明菜」の異名を欲しいままとし、「私は泣いた事が無い ハッハー フッフー」などと言って日々暮らしているわたくしですが、さすがにこれには泣きましたね。

ただただ泣きました。

気がつくと一人で泣いていました。

 

LED普及しすぎ、ダメ ゼッタイ

 

ちなみに先ほど紹介した“Yesterdays”の

 

Yesterday There was so many things that I was never told

 

という歌詞ですが、2008年発表の『Chinese Democracy』収録の楽曲“Better”では

 

No one ever told me when I was alone

They just thought I'd know better, better

(俺が一人ぼっちの時、誰も教えてくれなかった

あいつら、俺の方がもっとよくわかってるって思ってたんだろう)

 

と、“Yesterdays”よりも更に踏み込んで、その理由について言及しており、もしかしたらこの2曲の歌詞はテーマ的に関係している部分があるのかナーなどと思っているのがわたくしです。

まあ、そんな事はどうでもいいので、近所のコンビニでLED以外の電球を買えるようにしてください。

よろしくお願いいたします。

 

 

という訳で本日の本題です。

久々にガンズのBootlegを紹介していきたいと思っております。

本日のご紹介するタイトルはこちらっ!

 

『Bad Obsession』

 

1991年6月17日、ニューヨーク州ユニオンデールにあるナッソーコロシアムという会場における公演を録音したものだそうです。

まだ『Use Your Illusion』発売前でイジー在籍時、ツアー序盤の公演となります。

前座は当時飛ぶ鳥を落とす勢いだったSkid Rowというハードロックファン垂涎のカップリング。

ちなみにわたくしは所有しておりませんが、同公演はビデオブートも存在おり、ステージ右側スタンド席からの撮影だと思われる映像を観る事ができます。

Youtubeに上がっているのは有名コレクターJohn.M所有の映像で、1991年のオーディエンスショットとしては極上と言える画質。これがリリースされたら迷わず購入してしまうであろう自分がいるのを否定できません。

余談ですが、ナッソーコロシアムという会場は野球場だと思っておりましたが、当記事を書くにあたり調べてみたところ、アイスホッケー会場として使われていた場所だそうです。

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(シンプルながらセンスの良いジャケット)

 

『Bad Obsession』を手に取った方が最も驚愕するのは、その裏面に記載されている収録曲でしょう。

こちらをご覧ください。

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なんと1曲目が“Ain't It fun”ですよ!

そうです。カバーアルバム『The Spaghetti Incident?』に収録されているDead Boysのカバー曲です。

『The Spaghetti Incident?』がリリースされたのは1993年11月23日。

それに先駆けること約2年半。

まさかライヴで披露していたという事実があったとは!

スタジオ盤でアクセルとデュエットしていたマイケル・モンローは飛び入り参加しているのか?

イジーが演奏する“Ain't It Fun”貴重すぎるでしょう!

 

興奮に震える手でディスクをプレイヤーに押し込み、再生ボタンを乱打します。

数秒のブランクの後、スピーカーから流れだしたのは観客達の興奮をはらんだ開演直前の空気感。

そして、いよいよ開演。

マット・ソーラムの勢いのあるカウントでスタートしたのは…

 

Perfect Crime!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

ええ。単なる誤表記でした。

まだ『Use Your Illusion』発売前だったので仕方ないですよね。

メンバーのインタビュー等で判明していた「新作に入るであろう楽曲一覧」からそれらしいタイトルを拝借してきたのでしょう。

他の曲はすべて正しくクレジットされているので、基本的には優秀なブート業者さんだと言えます。

適当なところなんて、93年のライヴなのに思いきり曲名間違えてたりしますからね。

“Dead Horse”が“Keep Smilin'”という妙にポジティヴな曲名でクレジットされているのを見つけた時は全身が脱力いたしました。

そんな訳でして、このブートを中古盤屋さんで見かけても、「おっ!“Ain't It Fun”やってるじゃん!激レア!」などと言ってレジに持って行かないようにご注意ください。

やってません。

 

のっけからネガティヴな感想を述べてしまいましたが、本タイトルが購入に値しない糞ブートだと言っている訳ではありません。

むしろ逆です。

冒頭で少しバランスを欠く場面はありますが、全体を通して非常に安定した良い録音ですし、個人的に愛聴したタイトルであります。

この日の公演をブログで取り上げる理由。

それは

 

アクセルがめちゃくちゃ喋る日だから

 

という一点に尽きます。

あの有名な「Rolling Stone誌の最新号。あれは買うなよ!読みたかった盗め!」という発言が聞けるのもこの日です。

アクセルがよく喋るのはこの日に限った事ではない、というご意見もあるでしょう。

よくわかります。

ブートの定番92年シカゴ公演(Comaを演奏した日)でも、曲間に喋りまくるアクセルにメンバーがうんざりしながら立ち尽くしている姿を観る事ができます。

 

が、この『Bad Obsession』ではアクセルが曲中に喋り出す場面が何度かあり、メンバーが戸惑いながらも曲が破綻しないように頑張る姿が印象的なのです。

“Patience”のイントロでもいきなりアクセルが喋り出し、メンバーはアクセルの歌入りを待ちながらひたすらに演奏を続けます。

そして、この日の目玉はなんと言っても“Knockin' On Heaven's Door”でしょう。

これは間奏パートで唐突のアクセルの長いお話がスタート。

メンバー達もどこで曲に戻るかわからないまま、とりあえずビートをキープしながらアクセルが話し終わるのを待ちます。

ちなみにアクセルの「Get in the ring, motherfucker?」というフレーズも聴けるので、“Get In The Ring”大好きマンは必聴でしょう。

 

約3分に渡るアクセルの独演会(曲の途中です)。

マットが派手なフィルを何度も入れ、「さあ、ここから曲に戻りますよ!」という雰囲気を出すにも関わらず、それを無視するかのように延々と話を続けるアクセルが最高すぎます。

オフィシャルライヴ盤ならカットせざるを得ないようなバージョンですが、こういうのを聴けるのがブート盤の魅力。

わたくしもブート沼に沈まぬよう注意しながら楽しんでいこうと思います。

 

最後に余談の余談ですが、この日はアクセルが「この曲は“November Rain”だよ」と同曲を紹介します。

これってすごく珍しいのではないかナーと思いました。

教えてアクセルに詳しい人ーーーー!

 

数ヶ月ぶりのブログ更新となりましたが、やっぱりなかなか筆が進まないですね。

次は「Welcome Back To The Japangle Part4」が書けたらいいナーと考えております。

断片的なアイデアをメモした付箋がすごい数あるんですけどね…。

それをまとめる能力と根気が無いのがわたくしです。

では、またお会いいたしましょう。

 

あ。次の更新がいつになるかわからないから、このタイミングで言っておこう。

ガンズファンが企画したガンズイベントが来月あります。

タイトルは『Gunners Circus』。

7月16日(日)、原宿はストロボカフェという会場だそうです。

トリビュートバンドGuns Love Rosesさんのライヴ、音楽ライター増田勇一さんのトークショーも予定されております。

詳細につきましてはホームページをご参照ください。

 

mottinthislifetime

 

7月は『Appetite For Destruction』の30周年記念月。

みんなでお祝いいたしましょう。

 

君の名は

「俺はおもちゃじゃねえ!」というトイプードルの叫び。

どうも。僕です。

みなさま、いかがお過ごしでしょうか。

花粉症対策しておりますか。

僕はしておりません。

 

 

薄々お気付きかもしれませんが、先週の日曜日にGuns N' Rosesのトリビュートバンド Guns Love Rosesのライヴを観てまいりました。

バンド名にピンと来ない方もいらっしゃるでしょうか。

Gunmen Showersと言えばおわかりになるでしょうか。

どうでしょうか。

簡単に経緯をご説明しましょうか。 

 

時は遡り、2017年1月8日の事。

場所は渋谷duo MUSIC EXCHANGEであります。

Legend Of Rockの新年イベントで第1部のヘッドライナーを務めていたGunmen Showersのライヴ中盤に“それ”は起こりました。

 

ヴォーカルのNaxlさんによる突然の改名宣言。

唖然とする我々を尻目に、ステージ上のスクリーンには新バンドのロゴが映し出される用意周到さ。

新バンド名『Guns Love Roses』。

まったく知らなかったので驚愕いたしました。

Gunmen Showersの演奏終了後には、早くも新バンド名義による次回ライヴのフライヤーが置かれており、その手際の良さに感服。

 

「Advice For Masterbation」を旗印に約10年間活動を続けて来たGunmen Showers。

 

ガンズ愛をシャワーのように振り撒くガンマン達

 

そのような意味合いを持って命名されたバンド名だったと聞き及んでいます。

Gunmen Showersも非常に良いバンド名だったと思いますが、新バンド名のGuns Love Rosesはよりストレートにガンズ愛が伝わるバンド名になっていますよね。

ライヴの告知をする際、バンド名の後に(as Guns N' Roses)が付いていなかったとしても、「あ。これはガンズのバンドだね」とわかるのもポイント高いと思います。

こんなに良いバンド名が未だに空いていたというのがすごい。

ストレートすぎて誰も思いつかなかったのでしょうか。

いつかGunmen Showersのライヴ行ってみたいナーと思っていた方、今後はGuns Love Rosesの動向にご注目ください。

ライヴハウス受付の女の子に「Gunmen Showersさん」と発声させる楽しみが

 

という訳で、2017年冒頭に突然の改名を果たしたGuns Love Roses。

【Champagne】が【Alexandros】に改名した時のようなインパクトがあったと言ったら言い過ぎでしょうか。

その後、本家Guns N' Rosesの来日公演を挟み、ガンズ愛が盛り上がりまくっているファン達の気持ちをすべて引き受けるような日程での改名後初ライヴ。

しかも、Gunmen Showers時代からセットリストの内容に定評のあるワンマン公演です。

これが盛り上がらない訳がありません。

期待に胸膨らませながら会場のある渋谷へ。

チーマーと呼ばれる荒くれ者達が我が物顔で闊歩している街だと聞いておりますので、殴る蹴るの暴行を受けた末に金品などを奪われる、という悲惨な目に遭わぬよう姿勢を低くして物陰などに隠れながら小走りで雑踏を走り抜けます。

 

奇跡的に悪漢に呼び止められる事なく会場に到着。

本日の会場は渋谷La.mama

有名バンドを数多く輩出した事でも知られる名門ライヴハウスです。

こんなに有名な会場ですが、個人的には初めてお邪魔いたしました。

広くはないけれど居心地の良いハコで、バーカウンターでは「開場から開演までの間はハッピーアワー」という素敵なシステムが導入されており、それを知っていればもっと早く来たのに!と非常に悔しい思いをしたのが僕です。

 

ビールを飲んだりTwitterのフォロワーさんにご挨拶したりしていると場内暗転。

ベーシストのDuffyさん前あたりにビールを飲み飲み移動します。

本家GN'RのNot In This LifetimeツアーではIt's So Easyが不動のオープニングナンバーとして演奏されていますが、Guns Love Rosesの歴史に第1曲目として刻まれるナンバーは何になるのか。

直球ど真ん中か。

はたまた予想外の変化球か。

 

鳴った瞬間にそれとわかるけたたましいリフ。

Naxlさんがのっけから噛み付くような勢いで歌い出したのは…

 

 

Perfect Crime!!!!!!!!!!!!!!

 

 

91年のツアーではオープニングナンバーとして演奏される事も多々あったスピードチューン。

本家と同じIt's So Easyで来るのではないかという僕の予想は見事に外れました。

水面下での秘密裏の改名プロジェクトという完全犯罪をやってのけたGuns Love Rosesなので、この選曲はむしろピッタリなのかもしれません。

Perfect Crimeのスタジオ音源は91年発表の『Use Your Illusion 1』に収録されていますが、楽曲自体は85年頃からすでに存在しており、スティーヴン・アドラーが叩いているライヴ音源の一部を聴く事が出来るサイトなどもあるようです。

 

実はPerfect Crimeがオープニングに選ばれたのには伏線があります。

僕のような品行方正な人間には縁の無い世界なのですが、アンダーグラウンドで出回っている日本公演のBootlegのひとつにその秘密が隠されています。

日本ツアー最終日1月29日のさいたまスーパーアリーナ公演を収録したとある音源、それを聴いていると曲間に結構な頻度で「パーフェクトクラーイム!」という同曲の演奏を求めて絶叫している男性がいる事に嫌でも気付かされるでしょう。

本家ガンズでは92年以降演奏された記録の無いいわゆる“超レア曲”というカテゴリーに入る一曲ですが、セットリストの“演奏される可能性がある曲”リストには名前が載っており、それを知っているがゆえの頻回な絶叫であると思われます。

 

まあ、みなさまもご承知の通り、結論から言えば上記公演の日だけでなく、今回の日本ツアーでPerfect Crimeが演奏される事はありませんでした。

日本の次の公演地であるニュージーランドおよびオーストラリアにおいてもそれは同様だったようです。

「パーフェクトクラーイム!」という絶叫があまりにクリアに録音されているため(録音者の付近にいたのでしょう)、一部ではパーフェクトクライムおじさんと命名され、「この音源のタイトル『パーフェクトクライム』でいいじゃん」と言い出す人まで登場する始末。

今回のGuns Love Rosesのライヴにおいても、曲間に「パーフェクトクラーイム!」と絶叫するというパーフェクトクライムおじさんトリビュートを実践する人が登場するのではないかとまで危惧しておりました。

 

気の毒なパーフェクトクライムおじさんの魂を救済するため、一肌脱いだのが他ならぬGuns Love Rosesの面々。

のっけからPerfect Crimeをぶちかまし、パーフェクトクライムおじさんの御霊を見事に成仏させる事に成功しました。

ひとつだけ気掛かりなのは、パーフェクトクライムおじさんが渋谷La.mamaにいたのかどうか不明だという事だけ。

お知り合いの方がいらっしゃったら「あなたのためにPerfet Crimeやってくれたバンドがいるよ」とご本人に教えてあげてください。

 

1曲目から文字数を費やしてしまいました。

Perfect Crimeに続くのは、本家ガンズのオープニングナンバーIt's So Easy。

『Live Era』で聴けるのと入りが同じバージョン。

こういう細かいネタを織り交ぜてくれるのが素晴らしい。

バンド名が変わっても心意気は微塵も変わっていませんでした。

 

そこからはハードロックの金字塔『Appetite For Destrction』からのナンバー3連発。

Out Ta Get MeからThink About Youの流れに悶絶いたしました。

Think About Youのラストで「Only....you...only....」と悩ましく歌い上げるNaxlさんの姿に腰をガクガクさせた婦女子が続出したのではないでしょうか。

あれは18禁レベルですよ。

 

Naxlさんの「14...14 beers...14 beers...14 Years」という曲紹介から、Izzlyさんがリードヴォーカルを務める14 Yearsへ。

もしかしたらイジー・ストラドリンが日本で飛び入りするのではないか…という夢が叶わなかった今、ここでこの曲が聴けるのはとても嬉しい。

緊張しながらもきっちり歌い上げたIzzlyさん、次はDust N' Bonesもよろしくお願いいたします。

Gaslashさんのギターソロも最高で、あのラン奏法のフレーズは非常に気持ち良いナーとうっとりした次第です。

 

Gunmen Showers時代から「え!これもやっちゃうの!?」という目玉のひとつだったGet In The Ringは大盛り上がり。

本家がライヴ演奏する事は今後も無いと思うので、「Get in the ring!! Get in the ring!!」という合唱をしたかったらGuns Love Roses観に来るしかないですよ、奥さん。

92年の東京ドームを思わせる衣装で登場したNaxlさんの姿に「It Tastes Good, Don't It?挟むやつ?ねえ?挟むやつでしょ?」とドキドキしたRocket Queen(挟みませんでした)。

途中でGaslashさんのギターにトラブルがありましたが、見せ場のスライドソロ直前に普及し、何事も無かったかのようにソロを弾き始めたのはさすがでした。

Rocket Queenが終わり、みなさんお待ちかねワンマン名物DuffyさんのMCタイム。

 

某所で本家ダフ・マッケイガンに会う事が出来た話、ダフが着ていた大吟醸シャツを探し回った結果、ダフの奥様スーザン・マッケイガンが直接ブランド名を教えてくれるという神対応で無事に注文成功した話などを昭和のバラエティ番組を思わせる話術で披露するDuffyさん。

当日が誕生日だった音楽ライター 増田勇一氏にスポットライトを当て、みんなでお祝いをするというサプライズも。

Comaのリフを弾き始めて場内をどよめかせたのもこのタイミングだったかな。

笑わせた後にかっこいいところをしっかりと見せてくれるのも魅力のひとつ。

初披露のYou Can't Put Your Arms Around A MemoryからのNew Roseという本家ダフのソロコーナーを再現してくれました。

日本公演でダフがやっていた「イチ!ニー!」という日本語でのカウントも飛び出し、そのトリビュートが現在進行形である事に感激。

そのベースには元プリンス(The Artist Formery Known As Prince)が使用していた記号がペイントされていたのにも唸らされました。

愛がすごい。

 

New Roseで熱く燃えた後は、バンドにとってのチャレンジタイム。

王子風の衣装でピアノへ向かうアクセルさん。

そう。大作November Rainです。

去年の代官山公演で初披露された同曲ですが、今日が2度目の演奏。

Naxlさんのピアノに導かれるようにして演奏がスタートします。

 

この繊細な曲を細かいニュアンスまで聴き取ろうと息を殺して見守るオーディエンス達。

前回よりも明らかに精度の上がったNaxlさんの歌とピアノのコンビネーション。

原曲のストリングスパートをギターで再現するGaslashさん。

IzzlyさんとDuffyさんのコーラスワークも実に見事。

各メンバーがお互いの音を頼りにしながら、丹念にNovember Rainの世界観を作り上げようとするような素晴らしい演奏に心奪われている自分がいました。

 

November Rainといえば「名ギターソロベスト〇〇」のような企画では必ず上位にランクインするSlashのギターソロ。

今回は初演の時のようにお立ち台に上げる事はなかったGaslashさんですが、まさに必殺と呼べるようなギターソロを披露してくれました。

“楽曲内楽曲”と呼んでも過言では無いようなあのギターメロディ。

普段は本当に温厚で謙虚なGaslashさんですが、あれを弾いている時はもっとドヤ顔でオラオラしていても誰も文句言わないと思いますので、もっとドヤ顔でオラオラしてシャッターチャンスにしてください。

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(オラオラしないgaslashさん)


しかし、バンドサウンドの中に生ピアノを入れるというのはやはり難しさがつきまとうようで、今回もサウンドチェックのほとんどをNovember Rainのサウンドバランスに費やす事になったと終演後に聞きました。

何度やってもハウリングが起こってしまうため、ベースの音量を下げる事で解決したそうですが、これは会場が変わる度に悩まされる問題かもしれません。

また、ハードロックのセオリーとしては半音下げチューニングというものがあります。

文字通り弦楽器などのチューニングを半音下げて演奏する事ですが、生ピアノのチューニングを半音下げるわけにはいかないため、Naxlさんはレギュラーチューニングのピアノを半音低く演奏する…つまり、鍵盤の中の黒いところを多用して演奏せざるを得ないので相当大変な様子。

電子ピアノで半音下げる、などの選択肢もあったと思いますが、再現度にこだわって茨の道を選んだNaxlさんに全俺が敬礼しました。

 

Guns Love Rosesによる濃密な音楽的冒険November Rainが無事に目的地に到着。

MadlerさんのドラムフレーズがDouble Talkin' Jiveの始まりを告げます。

それに乗るアグレッシヴなリフには頭を振る以外に何が出来るでしょうか。

当然のようにヘドバンの嵐であります。

個人的には今回のライヴで最も感銘を受けたのが、このDouble Talkin' Jiveでした。

エスニックなテイストが入って来る中盤パート、通常であればここからはスラッシュの見せ場となり、アクセルは楽屋に引っ込んで行くところなのですが、それを無視するかのようにアジテーションを始めるNaxlさん。

こ…これは…

 

Rock In Rio 2バージョンやっ!!

 

そして、そのままWelcome To The Jungleに雪崩込む展開。

1991年伝説のRock In Rio 2初日の再現に高田純次ダンスを披露したくなるほど興奮しました。

おそらくあの場にいた全員が高田純次ダンス踊りたくなってたと思う。

ガンズファンはそういう生き物だ。

 


Guns N` Roses - Double Talkin` Jive (Rock In Rio 91`)

(Rock In Rio 2  放送バージョン+ Axl cam + Slash camのミックスというやばいヤツを見つけました。神かよ)

 

全世界のガンズファンに見せたいDouble Talkin' Jive~Welcome To The JungleのRock In Rio 2トリビュートの後は、誰もが愛する名曲Sweet Child O' Mine。

92年東京ドームのようにSail Away Sweet Sister~Bad Timeのイントロ付き。

ざらついた声がアクセルそっくりで震えました。

エンディングも92年東京ドームそのままに「チャアーーイ!チャアーーイ!」の絶叫パートがあり、「うわー!ビデオで観たやつやー!」と感激しましたよ、あたしゃ。

個人的には普通に終わるSCOMが好きですが、92年東京ドームをベースにするならエンディングはアレじゃないとね。

最高の最高。

 

これ(※画像参照)の小さいやつを手に登場したNaxlさん。

「I found this in Gakuya」などと言って笑いながら吹き鳴らします。

本家とはサイズもボリュームも違いますが、その音色が告げるのは同じくNightrainの発車の合図。

いわゆるヒットチューンではないけれど、ひとたび演奏されれば場内に熱狂の渦を巻き起こすハードロックナンバー。

終演後、Naxlさんと「Nightrainも色々なバージョンありますよね」という話で盛り上がったので、いつか違うイントロによる同曲が聴ける日が来るかもしれません。

メインリフから始まるバージョンが好きです。よろしくお願いします。

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(えらくうるさい音で鳴るやつ)


最後を飾るのはもちろんParadise City。

Naxlさんのホイッスル(本家アクセルと違ってジャストのタイミングで吹く)に合わせて女性物下着が投げ込まれるのはGunmen Showers時代からのお約束。

紙吹雪を噴射するのは無理でも、こういう演出を定番として続けてくれるのは凄くいいナーと思っているので、これからも末永く投げ込ませてくださいますようお願い申し上げます。(女性陣、頑張って投げ込んでください)

余談ですが、Paradise Cityのリフもヘドバンには最適のリズムですよね。

翌日は頚部痛からの頭痛で死にそうになっておりました。

それでも振らずにはいられない首。

ロキソニンが手放せない日々です。

 

本編が終了し、ここからは予想のつかないアンコール。

定番の最終曲であるParadise Cityをやってしまえば、そこから先は想定外の延長戦という雰囲気なんですよね。

何をやっても許されるという感じ。

そんな雰囲気の中、バンドがゆったりとねっとりと奏で始めたのは…

 

You're Crazy!!!

 

初来日公演のオープニングでもプレイされた『GNR Lies』に入っているバージョン。

しかも、途中で「Suck on this!!!!」というNaxlさんの絶叫と共にFastバージョンに転換する豪華バージョンですよ。

こんな一粒で二度おいしい的なバージョンをやられたら、こちらはもう腰をガクガクゆわせるしかないじゃないですか。

1988年トレド公演をベースにしているようなので、トレド公演が好きな方は是非Guns Love Rosesのライヴにお越しください。

 


Guns N' Roses - You're Crazy - 1988-05-01 - Toledo Sports Arena, Toledo, Ohio

(Lies→Appetiteに転換する流れがかっこよすぎるトレド公演)

 

楽しすぎたワンマン公演の最後を飾るのは、1987年6月のロンドンはマーキー公演でのMCそのままからのWhole Lotta Rosie。

こういうMCトリビュートもGuns Love Rosesの魅力のひとつであります。

去年はAXL/DCというロック界激震のトピックもあったので、このタイミングでWhole Lotta Roseiのカバーをやるというのは非常に意味のある事であり、なによりもAXL/DCを観に行けなかった僕が嬉しい。

AC/DCのライヴは我が人生最良の音楽体験のひとつだったので、今後もAC/DCという物語が続いていくのであれば、次こそは来日して欲しいナーと思っております。

噂になっているアクセルをフロントマンに据えた新作はどうなるんでしょうね。

まずはAXL/DCのツアーDVDがリリースされますように…。

 

 

Guns Love Rosesとしての初ライヴはGunmen Showers時代と同じように、とてつもないガンズ愛に溢れた空間が広がっていました。

Naxlさんの「えー。昼間なのでお安いお値段で提供しております」というMCに対し、Madlerさんが「安いんだよね。昼キャバみたいなもんで」と返した時、「もうGunmen Showersじゃないんだから!」とNaxlさんが指摘したのが唯一違いを感じた瞬間でしょうか。

つまり、以前と変わらず最高だって事ですよ。

振り返ってみれば、16曲中6曲が本家の来日公演では聴けなかった曲。

それだけ楽しめて2000円なんて幸せすぎすよ。

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 (豪華すぎるGuns Love Rosesのセトリ)


Guns Love Roses - BandPage

 

次回のライヴ予定は

 

4月16日(日)

六本木Club Edge

 

毎年恒例のワンマンライヴとなっております。(厳密には対バンあり?)

ガンズが好きな方なら楽しめること請け合いです。

約2ヶ月先の話ですが、手帳には「ラヴちゃん六本木」とお書きください。

Welcome Back To The Japangle Part 3

はじめまして。僕です。

好きな映画は安達祐実さんの『REX 恐竜物語』です。よろしくお願いします。

前回はEstrangedについての妄言で終わってしまいましたが、今回はそれよりも興味深い話題を提供したいと思います。

みなさんのお力で僕を人気ブロガーの地位に押し上げ、あの憧れのブログ甲子園へ連れて行ってください。

 

何から書いていこうかナーと考えてみた時、真っ先に思い浮かぶのは奇跡のようなひとつのエピソードです。

Twitter上でも話題となっていたのでご存知の方もいらっしゃるかもしれません。

仮に『Japangleインシデント』とでも呼ぶ事にしましょうか。

今思い返してみても、あれは本当に奇跡のような出来事でした。

 

ガンズの来日が発表され、我々日本人ガナーが興奮と感動でキチガイのようになっていたある日の事。

Twitterのフォロワーさんのひとり(名前を仮に“すし太郎”とします)が、タイムライン上でこんな呼びかけをしました。

 

ガンズのライヴのためにみんなで横断幕を作りませんか?

 

みなさまも画像などでご覧になった事があるのではないでしょうか。

最前列の熱心なファンが柵に垂らして、バンドへの熱いメッセージを伝えるアレです。

ガンズの公式サイトにおいても、海外の熱狂的な肉食系ファンが自作の横断幕と共に野獣のような雄叫びを上げている写真がアップされており、日本人ガナーの気合いを世界に知らしめる一世一代のチャンスでもあります。

 

すし太郎の呼び掛けに賛同した日本人ガナーのみなさんが夜な夜な激論を交わした結果、このようなクオリティが高すぎる横断幕が完成。

アジア人の顔なぞ見分けがつかんわい!という欧米人が見たとしても、「あ。これは日本のだね」と一発でわかるであろう秀逸なデザインとなっております。

ちょうかっこいい。

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(写真:かっこよすぎるJapangle横断幕) 

 

ちなみに「Welcome Back To The Japangle」というこれまた秀逸なフレーズは、我が国におけるガンズの第一人者である音楽ライターの増田勇一氏がMusic Life誌の編集長を務めていた時、同誌編集長として最後の号となった1998年4月号のガンズ特集記事の中で使用された「Welcome Back To The Jungle」という名見出しが元ネタです。

そして、ここに大阪のガナー ロッピンさん(口癖は「ボウリング、何ピン倒してもロッピンです。よろしくゥ!」)が考案したJapangleという造語を付け加える事により、「Welcome Back To The Japangle」という天才的なキラーフレーズが誕生しました。

これはもうガンズの面々もイチコロでしょう。

 

 

横断幕を手に意気揚々と大阪入りしたすし太郎。

筒に入れた状態で1メートルくらいの長さでしょうか。

わりと大きめの荷物なので、もしかしたら入り口で持ち込み禁止だと言われるかナー、などと心配しておりましたが、横断幕と共に無事に入場して来たすし太郎の姿に一安心。

さあ、あとは最前列の柵に設置し、我々の歓迎の意を余すところなくバンドに伝えるだけです。

 

広げると横3メートルという大きさになる横断幕、面識の無い方々の協力も頂戴し、無事に設置完了。

我々とステージの間に仁王立ちするセキュリティスタッフの方もテープ留めなどを手伝ってくださり、その親切な対応に感激いたしましたよ。

威風堂々と設置された横断幕のあまりのかっこよさに柵から身を乗り出して無理な体勢で写真を撮っていたら脇腹を痛めました。

くりこさんに話したりしようものなら猛烈に馬鹿にされそうだったので、この話はここが初披露となります。

みなさんも柵から身を乗り出して横断幕の写真を撮る際にはお気を付けくださいね。

 

無事に設置も終わり、BABYMETALまで約2時間の待ち時間を雑談しながら潰していると、会場内を散策していたガンズ側スタッフが横断幕の前で足を止めました。

なんとオフィシャルフォトグラファーのKatarina Benzova(金髪の超美女)が写真を撮ってくれるというサプライズ。

しかも、その写真をガンズ公式アカウントから世界に発信してくれるというファンにとっては身に余る光栄に預かる事が出来ました。

ガンズ公式がSNSで発信してくれたという事は、もうこれはバンドからのお墨付きを頂戴したようなもの。

あとはバンドメンバーが喜んでくれれば言うことなしです。

 

しかし、ここで思いもよらぬトラブルが発生。

すし太郎の頭上に暗雲が垂れ込める事態に。

 

先程まで設置に協力的だったセキュリティスタッフですが、その中のチーフ的なポジションの方が横断幕の前までやって来て、「このような物の設置は認められない。これはバンド側の要望なので、すぐに撤去するように」と言い出しました。

予想だにしなかった展開に唖然とする我々。

 

いやいやいや。バンドのオフィシャルカメラマンも撮影してたし、ちょっと主催者側に訊いてみてくださいよっ!

 

すし太郎が食い下がりますが、これは主催者側云々の問題ではなく、バンド側からのリクエストなので絶対に認められないとの事。

セキュリティ側もクライアント側から請け負った条件を現場レベルで勝手に変更する事はないだろうし、下手に食い下がると退場処分になる可能性も想定されたため、ここは不本意ではありますが横断幕を回収する事にしました。

本日はおとなしく引き下がって、翌日の神戸公演以降は設置を許可してもらえるよう交渉していくしか方法は無いだろうナーと思った次第です。

 

見ていて気の毒なくらい意気消沈しているすし太郎。

よくよく考えれば、この横断幕はすし太郎だけでなく、多くの人の協力を得て出来上がった物です。

このまま設置すら出来ずに日本ツアーが終わってしまっては悲しすぎるでしょう。

自分の中の小梅太夫がチッキショーーーーーーーーー!!!と絶叫しました。

何か出来る事は無いでしょうか。

 

セキュリティ側の話では、これはバンド側からの要望との事なので、この話を主催者の株式会社クリエイティヴマンプロダクションに持って行ったところで、設置の可否について判断できる立場に無い、という回答で終わってしまうでしょう。

バンド側に直談判出来れば一番話が早そうですが、残念ながらそのようなルートを持っている人間は僕の周りにはいません。

ダメ元で#gunsnrosesというハッシュタグを付け、Twitter上で事の顛末をつぶやいてみました。

拙い英文で「友人がこういう横断幕を作ったんだけど、これは許可されていないとセキュリティが言うから撤去するしかなかったよ。なんで?」という内容を書いた記憶があります。

バンドの関係者も読めるように英語で投稿しましたが、英検75級レベルとも揶揄される僕の英語力ですので、本当に英文として成立しているかどうかも怪しいものです。

 

心優しいフォロワーさんから多くのリツイートを頂戴し、フォロー外の方からも熱い応援コメントを頂いたりしましたが、特に事態が好転する事もなく、横断幕は出る幕の無いまま(上手い事を言ったと思っています)ガンズのライヴがスタート。

生まれて初めて観るアクセル、スラッシュ、ダフのそろい踏みにいつしか横断幕の事を忘れている自分がいました。

すし太郎さん、ごめんなさいね。

 

事態が動いたのは、ライヴも中盤に差し掛かった頃でしょうか。

横断幕があった場所にガンズ側のスタッフが日本人スタッフを引き連れて登場しました。

Japangle考案者のロッピンさんと何やらやり取りをしています。

ステージではバンドが爆音で演奏中という事もあり、細かいやり取りまでは聞こえませんが、「ここにあった横断幕はどうした?」と訊いているようです。

いくつかのやり取りの末、ロッピンさんが横断幕をガンズ側スタッフに手渡し、スタッフはそのままバックステージに消えて行きました。

あとで聞いた話によると、バンド側が欲しがっているので、横断幕を譲り渡すように要求されたとの事でした。

 

バンド側の手に渡ったという事は、アンコールあたりでアクセルが横断幕を手に登場して、「これはクールだな。ありがとう」などと言ってくれるのかと予想する我々。

 

しかし、現実はその遥か斜め上を行くものでした。

 

スラッシュのギターソロ中、横断幕を手に戻って来るガンズ側スタッフ。

横断幕をロッピンさんに手渡すと、早く広げるようジェスチャーで促してきます。

どうやらバンド側のお許しが出た模様です。

喜び勇んで横断幕を広げ、最前列の柵に設置すると、なんとそこには…

 

 

アクセル・ローズのサインが!!!

 

あの癖のある独特の筆致で書かれたサイン。本物に間違いありません。

なんという事でしょう。

これもNot In This LIfetimeの一貫なのでしょうか。

あまりの事に横断幕周辺は一同放心状態。

申し訳無いのですが、目の前で咽び泣くように紡ぎ出されるスラッシュのギターソロもあまり耳に入って来ません。

 

スラッシュのギターソロの間に楽屋でサインを入れてくれたのだと推測しますが、あのアクセルがライヴ中にわざわざ時間を割いてくれた事が本当に奇跡です。

日本のファンがせっかく作ってくれたんだから、と横断幕にペンを走らせてくれたのでしょう。

 

みんなは知らないかもしれないけど、アクセルっていうのは本当に心が優しいやつなんだよ

 

アクセルに近い人達の口からこんな事が語られるのを何回見聞きしたでしょうか。

世間的には傲慢で尊大で変人なロックスターというイメージで語られる事の多いアクセルですが、そのパブリックイメージからは大きくかけ離れた実像を持っているようです。

今回、その真実の一端に触れる事が出来て、誇張ではなく震えるほど感動しました。

アクセル、本当にありがとう。

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(写真:アクセルがライヴ中(!)に入れてくれたサイン)

 

サインを入れてくれただけでも奇跡なのですが、Knockin' On Heaven's Doorがエンディングに差し掛かった時、アクセルが横断幕の方に目をやったかと思うと

 

Japangle...Welcome back to the Japangle...

 

と読み上げてくれたのです。

アクセルの声でこのフレーズが聴けるなんて…。

日本ツアー初日からこんな事が起こっていいんでしょうか。

2月以降、次々と災難が降りかかるような気がしてなりません。

 

 

しかし、これほどまでに状況が好転したのは何故か? 

 

その陰にはひとりの美女の活躍がありました。

この窮状に気付いてくれたのが友人のじょのさんブレイクダンスの達人にして英語堪能な美女)。

ガンズのマネージメントを担当するTeam Brazilのフェルナンドに「なんでこんな事になってるの?」とTwitter上で問い合わせてくださったのです。

それにすぐさま反応した暇人 有能なフェルナンド。

「それは手違いだ。申し訳ない」とすぐに対応を約束してくれたようです。

じょのさんのツイートが無ければ即日解決はありえないケースだったでしょう。

本当にありがとうございました。

 

しかし、ここでひとつだけ言っておきたいのは、セキュリティチームを責めるような論調にはなって欲しくないという事。

彼らは事故などが起こらないよう立ち回る事および不測の事態が発生した時にそれに対処する事を目的として配置されているスタッフです。

大規模なモッシュピットが起こった場合、クラウドサーフが発生した場合、体調不良者の発生、観客同士の喧嘩などに対して身体を張って対処をしてくれます。

ライヴ会場における安全確保を請け負っている身ですから、何かが起こってしまった場合に「横断幕が邪魔で迅速に対処できませんでした」という言い訳は通用しないでしょう。

今回は幸か不幸か横断幕周辺エリアで殺し合いのようなモッシュが起こった訳ではないので(5公演を通じて、横断幕設置エリアであるアップグレード専用スペースは平和そのものでした)、そのあたりも加味して横断幕の設置が許された部分はあるのではないかと思います。

そして、関東の公演では「あ。この横断幕は設置していいやつだ」とセキュリティ側が認識してくださったのも、大阪神戸で大きな事故がなかったおかげだと考えております。

 

前方エリアにいた方は気付いたかと思いますが、最後のParadise Cityのイントロが始まった時、ガンズ側のセキュリティ責任者が日本人セキュリティひとりひとりに握手を求めに来る姿が見受けられました。

「今日はよくやってくれた。あとひと踏ん張り頼むぞ」とでも言いたげな力強いその握手ひとつひとつに彼らが背負っている責任の重さが感じられ、安全というのは決して当たり前の事ではないのだなあ、という事を再確認いたしました。

セキュリティのみなさま、5日間本当にお疲れさまでした。

 

 

最後にひとつだけ大阪の思い出を語らせてください。

僕が泊まったのはとあるビジネスホテルなのですが、インターネットを通じて予約した際、『有料放送無料プラン』という夢のようなプランで部屋を取る事が出来ました。

 

有料放送無料プラン

 

なんという甘美な響きでしょう。

おのれの買い物上手ぶりに我ながらスタンディングオベーションを贈りたい気分になりました。

誰もが夢見るあの有料放送。

それが無料だなんてすごい話じゃないですか。

 

まあ、連日の深夜帰宅により有料放送なんて見ている暇はなかったのですが、無料なのであれば見なくても損はしない。

別に悔しがる事もあるまいと思い、普通に会計を済ませてホテルを後にしました。

 

が、くりこさんの何気ない一言により、驚愕の真実が発覚します。

 

 

あれ? わたしの方が1,000円くらい安いよ?

 

えっ。1,000円くらい安いの?

 

 

有料放送分を上乗せしてんじゃねえかよー! 

チッキショーーーーーーーーーーー!!!

 

 

泣きました。

ただただ泣いた。

気が付くとひとりで泣いていました。

有料放送無料詐欺、ダメ、ゼッタイ。

Welcome Back To The Japangle Part 2

どうも。

薄々お気付きかもしれませんが、僕です。

セコムしてますか。

僕はしておりません。

 

今回のブログは、前回記事「Welcome Back To The Japangle Part1」の続きとなります。

Part1では、長々と書いておきながら、肝心のライヴまでたどり着かないという体たらく。

お詫びのしようもございません。

 

が、どうぞご安心ください。

このPart2では、しっかりとライヴ内容について書いていきたいと思います。

ただし、内容は大阪公演に限定したものではなく、大阪公演を基本としつつ、日本ツアー全体の感想になっておりますのでご了承ください。

ですので、  「それは大阪の出来事ちゃうやんけっ!このボケがっ!ドアホっ!六甲おろし歌いながらお好み焼きひっくり返すヘラで滅多打ちにしてまうぞ!」などというお叱りはどうぞご勘弁くださいますよう重ねてお願い申し上げます。

では、2017年1月21日の京セラドームへタイムスリップいたしましょう。

せいやっ。

 

 

無事にアクセル前の最前列を確保した僕とくりこさん(通称:チーム人見知り)。

ここからはただ開演を待つのみです。

場内BGMはRamones縛りというコンセプトのようで、ひたすらに彼らの名曲が場内に鳴り響いています。

久しぶりに聴くRamonesは非常に心地良く、ジョーイ・ラモーンのディープな声が持つ魅力を再確認すると同時に、「あれ?スタジオ盤ってこんなに遅いんだっけ?」と違和感を抱きました。

ライヴだと曲の終わりに「1 2 3 4!!!」のカウントがくっつくような勢いで演奏してるんだもんね。

初めて聴いたラモーンズはライヴアルバムだったのですが、1枚物のCDに40曲近くの楽曲が収録されていたのを覚えています。

スピードアップしすぎでしょう。

でも、それがいい。

 

余談ですが、他の公演においても場内BGMは日替わりで特定のアーティスト縛りという選曲になっておりました。

僕の記憶に間違いが無ければ

 

 ・神戸 Cheap Trick

 ・横浜 Deep Purple

 ・さいたま David Bowie

 ・さいたま Queen

 

だったと思います。

去年4月のラスベガス公演はDeep Purple縛りだったと聞きましたが、今回のツアーはすべてそのような趣向なのでしょうか。

Ramonesを含めた上記5アーティストに何か共通項はあるのかと考えてみましたが、ひとつ思い浮かんだのが「ロックの殿堂入りを果たしている」という事でした。

ガンズもアクセルが式典をドタキャンするという事件を起こしてはいますが、バンドとしては2012年に殿堂入りしています。

単なる推測に過ぎませんし、殿堂入りしているから場内BGMに選ぶというのも説得力に欠けるので、どなたかメンバーに会う機会があれば訊いてみてください。

 

RamonesとプロモーターのCreativeman主催公演の宣伝を交互に見聞きし、「あー。ワイルドハーツ行きたかったナー」だの「こんなガンズ破産まっしぐらの時期にデッドデイジーズ発表するのは商売下手すぎでショー」などのぼんやり考えているうちに開演時間がやってきました。

ほぼ定刻通りに場内が暗転すると、オープニングアクトであるBABYMETALのバンドロゴがスクリーンに映し出され、オープニングSEが流れ出します。

X JAPANオマージュの「ベビーメタール メタール メタール メタール」のリフレインに導かれるようにしてメンバーが登場し、Metallicaの名曲OneのごとくギターリフとドラムがシンクロするBABYMETAL DEATHがスタート。

正直な話、我々のいるアップグレードエリアはそれほどの盛り上がりではありませんが、後方からは大きな歓声が聞こえてくる事から考えると、BABYMETALがサポートアクトを務める事がかなり動員に寄与しているのではないかと推測できます。

さすがに30分やそこらの出番のために約30000円のVIPチケットを買うBABYMETALファンは多くはないだろうと思っていましたが、アップグレード専用エリアの外で観た横浜とさいたま初日には決して少なくない数のBABYMETALファンがスタンディングエリアで野太い声援を送っていましたし、さいたま2日目のアップグレードC入場時には、我々の前にBABYMETALファンのおじさま2人組がいらっしゃいました。

30分のために5万円近く払うというのはかなり勇気のいる行動だと思いますが、いまやドームクラスのアーティストとなった彼女たちを真近で観る機会を買ったと考えれば熱心なファンの方にとっては決して高い買い物ではないのかもしれません。

 

それにしても面白いのは、ヨーロッパツアーを発売と同日に全公演即売させたガンズと東京ドーム2日間を完売させたBABYMETALの組み合わせでも京セラドームが満員にならないという事実。

こういうのは単純な足し算として計算できるものではないのだナーと思いました。

まあ、ネットではサポートアクトの人選について賛否両論あったようですが、個人的にはBABYMETALもMan With A Missionも好きなので嬉しかったです。

Man With A Missionの日はベースの方のピックをゲットする事が出来て大満足。

Fly Again楽しかったですね。

 

あくまでもガンズ来日についてのブログなのでBABYMETALの演奏について詳しく書く事は控えますが(面倒臭がり屋とも言う)、YUI-METALのあまりの可愛さにくりこさんと二人で悶え死んでおりました。

おそらくBABYMETALを最前列で観られる機会は今後一生無いでしょう。

貴重な体験をさせていただきました。

上手に撮れたYUI-METALの画像をアップしたいところですが、大手芸能事務所アミューズ所属のタレントさんの画像を個人ブログにアップしてよいのか判断つかず、個人で楽しむ範疇に留めておきたいと思います。

デジカメの画面を見ながら「ゆいちゃーん!」などと叫んでいるおっさんがいたらそれが僕です。

 

最後にSU-METALが「It's time for Guns N' Roses!!!」と観客を煽り、全力で歌い踊るBABYMETALのステージが終了。

10代の女の子があんなに凄い事をやっている姿に毎回涙ぐんでしまうのが僕ですよ。

さあ、ここからいよいよガンズ待ちタイムに突入。

思えば2009年12月の京セラドーム公演では、ガンズの登場が21時、終演が0時半という伝説の終電逃しギグが繰り広げられ、僕も極寒の大阪の夜に放り出されたひとりでした。

ガンズのライヴは開演が異常に遅れる、というのがパブリックイメージとして定着していますが、リユニオン後は大幅な遅延は皆無のようで、〇時間遅れで観客大暴動!といったニュースは未だにお目にかかっていません。

 

ステージ上ではBABYMETALの撤収が終わり、ガンズ側のスタッフが最終確認のために各所をチェックして回っています。

ガンズに向けて機材の入れ替えはないようで、BABYMETALは自分たちの機材を撤収するだけなので、順調に行けばそれほどまたずに開演の運びとなりそうな予感。

ガンズのために買ったデジカメの性能チェックのため、バンドロゴが描かれたバスドラなどを撮ったりしているしていると、スクリーンにガンズのロゴが映し出され場内は大歓声。

しかも、銃の代わりに日本刀があしらわれた日本ツアー特製のバンドロゴ。

CGで作られたそのロゴがグリグリと動くんですよ。超かっこいい。

それが終わると『Appetite For Destruction』のレイプジャケットに出て来るロボットが登場して、オーディエンスに向かってワインボトル(Nightrainのボトルなのかな?)を投げるというアニメーションが。

 

オリジナルメンバーがアクセルだけだった時期もスクリーンにはさまざまな映像が流されていましたが、その9割5分くらいが糞ダサい代物で、もしかしたら腕の良い映像担当者を雇う金銭的余裕が無いのでは…と心を痛めておりました。

You Could Be Mineで流れるチープという言葉すらもったいないくらいダサいF1の映像に至っては、これを作って持って来たヤツを足払いでひっくり返して、みんなでYou Could Be Mineを歌いながら足蹴にしたいレベルの酷さ。

あれを流すくらいだったら「しばらくお待ちください」という静止画像を延々と流しておいた方がマシです。

しかし、莫大な予算が使えると思しき今回のリユニオンツアーはすごかった。

映像の本当にクオリティが高くてかっこいい。

Comaに関してはIron Maidenの『Somewhere In Time』感がありますが、あれはあれで良いと思いました。

 

前述の映像がしばらく繰り返し流れた後、スクリーンから突如銃声が。

ガンズロゴのピストルがマシンガンに代わり、そこからも銃弾の嵐。

それが今回のNot In This Lifetimeツアーにおいて開演が近付いている合図だと知るオーディエンスからは大歓声が。

いよいよアクセル、スラッシュ、ダフが揃うガンズを観る事になるのだと思うと、緊張のあまり号泣しながら嘔吐しそうになりますが、そのような醜態を晒すと屈強なセキュリティに急病人として担ぎ出される事となりますので、意味も無く絶叫したりして緊張を無理やり紛らわしました。

 

そして、いよいよ運命の時が。

場内暗転。

 

1996年にスラッシュが脱退し、将棋倒しのようにラインナップが崩壊したガンズ。

ロック界最大の犬猿の仲のひとつとなってしまったガンズ。

アクセルがスラッシュとの再合流を「Not in this lifetime(今生では無いネ!)」とまで言い切ったガンズ。

ロックの殿堂入り式典でオリジナルファイヴとして同じ壇上に上がる事すら叶わなかったガンズ。

もうリユニオンとかどうでもいいから、みんな健康にそれぞれの音楽をやって、数年に一度は来日してくれたらそれでいいから、とまで思ったガンズ。

 

暗闇の中、各メンバーが配置に付くのが見える。

 

この人生ではありえなかった事が

誰かが死んで再現不可能になるはずだった事が

もう諦めていた事が

 

 

ついに今、この目の前に

 

 

照明がステージを照らし、怒号のような歓声の奥から鳴り響くベース音。

このツアーで不動のオープニング曲であるIt's So Easyのベースライン。

ステージを右から左へ見渡すと、たしかにアクセル、スラッシュ、ダフの3人が。

本当に来てくれたんだね…。

 

始まる前までは、あの3人が出て来た瞬間にちんこが 号泣昇天かな…などと思っていましたが、そのような事もなく興奮の嵐。

喉も裂けよとばかりにIt's So Easyを絶唱しておりました。

が、ふと横を見ると、くりこさんが大号泣中。

普段は店員さんを破竹の勢いで恫喝しているQueen Of 恫喝の彼女が泣いている姿を見て、事の重大さを再認識した次第。

まあ、そりゃ泣きますよね。

逆に自分がなんで泣いていなかったのか不思議です。

 

まあ、とにかくオリジナルスリーがかっこいいこと。

目の前で歌い踊るアクセルに失禁寸前です。

続くMr.Brownstoneでは場内を心地よいグルーヴで左右に揺さぶり、ガンズのライヴを観る喜びに4年ぶりに浸らせてもらいました。

鉄板のアペタイト曲2連発の後は、リユニオン後初となったTroubadour公演で披露され、世界中のガンズファンを驚愕させたChinese Democracyへ。

2002年に初めてガンズを観て以降、何度となくライヴで聴いてきた曲ですが、他ならぬスラッシュがメインリフをプレイするのを観て感無量。

スラッシュにとっても、“自分の関わっていないガンズ曲”という意味で、非常に新鮮さを感じる事ができたのではないでしょうか。

アクセルが歌う“自分の関わっていないスラッシュ/ダフ曲”というのも聴いてみたいところですが、今の時点でそれを望むのは時期尚早ですかね。

 

そんなChinese Democracy後半で事件発生。

 

なんと!

アクセルが突如として我々のいるブロックに向かって手を突き出し、激しく手を上下させたのです。

うわっ!なになに!

写真撮るのやめろって事?

 

2017年のライヴ初陣で早くもアクセルの機嫌を損ねてしまったのではないかと戦慄しましたが、そこからの展開は我々の想像の斜め上を行くものでした。

これからどのようなお叱りを受けるのかと身を固くしている我々に向かい、アクセルが取った行動は…

 

 

満面の笑顔でのお手振り!!

 

 

なんなんですか、このおじさんは…。

あまりの出来事に我々がいた一角は全員腰が抜ける始末。

ライヴそっちのけで「何?今の何?」という声が飛び交っておりました。

おじさん、可愛すぎるでしょう…。

 

このツアーを通して目立ったのが、アクセルの可愛すぎる挙動。

前述のお手振りは毎回見受けられましたし、それ以外にも

 

・スタッフ通せんぼ事件(スポットライトの当たらない場所で、ステージ袖に引っ込もうとするスタッフを全力で阻止。たぶん観客の2割も気付いてない)

・ぬこ帽子事件(猫が大量にあしらわれている帽子をかぶって登場。Don't Cryを歌いながら自分で猛烈に照れ笑いをしてしまい、観客全員を大虐殺)

・ダフの肩でひと休み事件(Sweet Child O' Mineのラストで、エンディングに向かってギターを弾きまくるスラッシュの姿を、ダフの肩に腕を置きながら見守る)

松方弘樹R.I.P.)事件(Sweet Child O' Mineのラストで、架空の釣り竿のリールを回して他メンバーを一般釣りしてご満悦)

・Sorry腕振り事件(Sorryのサビで、24時間テレビのラストにおけるサライの如く、左右に腕を振る事を観客に要求。ガンズ史上、最も陽気なSorryが誕生した)

・ノキノンひとり遊び事件(Knockin' On Heaven's Doorの演奏中、前述のSorryのように観客に左右に腕を振るよう要求。が、すぐに自分でリズムを思い切り乱してご満悦)

 

などの50過ぎの中年男性とは思えないような可愛い行動を連発。

ライヴが終わるたびに、「今日のアクセルも異様に機嫌がよかった!」という感想が飛び交っていました。

今までのアクセルのイメージからは想像がつかない行動に戸惑いつつも、ツアーを楽しんでいる雰囲気が伝わってきて嬉しかったです。

リユニオン以前も曲終わりで身体を揺さぶったり、陽気なおじさんの一面は垣間見えていましたが、今回の日本ツアーではそれが特に顕著だったような気がします。

ぬこ帽子アクセル、オフィシャルの映像で残ってたら最高なのにな…。

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(写真:ぬこ帽子で観客全員を虐殺したぬこおじさん)

 

冒頭から歌いまくり騒ぎまくりでライヴを楽しんでいた僕ですが、ついに涙腺崩壊の時間がやってまいりました。

7曲目に演奏された名曲Estranged。

ここでは溢れる涙をこらえる事ができませんでした。

僕のように英語の苦手な人間には耳慣れないEstrangedという単語。

そもそもどのような意味かと調べてみると…

 

es・tranged

/istréindd/
[形]〈夫・妻が〉別居している(主に新聞用語);〈人が〉(心情的に)遠ざかった, 疎遠になった*1;〈表情などが〉よそよそしい

 

と出て来ました。

親密な関係だった者同士が疎遠になってしまった状態、という意味で理解してよさそうですね。

この曲が収録されているのは、バンドが飛ぶ鳥を落とす勢いだった1991年に発表された『Use Your Illusion 2』。

普通に読めば、心が離れそうになっているカップルの関係を歌った曲だと理解する事ができそうですが、僕はこれはアクセルがバンドの行く末を案じている曲だと考えています。

 

「心は老いても 俺はまだ28歳」という歌詞から、アクセルがこの曲に取り組んでいたのが1990年前後だったのではないかと推測できます。

1990年頃のガンズに何が起こっていたのか?

ちょうどその時期、ドラマーのスティーヴン・アドラーが薬物依存の問題でバンドから解雇を言い渡され、『Appetite For Destruction』期のオリジナルファイヴが崩壊しています。

おそらく他のメンバーも同じように飲酒や薬物問題を抱えていたでしょうし、デビューアルバムが天文学的な成功を収めた事により、バンドを取り巻く環境の激変、各メンバーのエゴの肥大、次作へのプレッシャーなどにより、同じ家にメンバー全員で住んで練習に明け暮れていた下積み時代の連帯感は知らず知らずのうちに薄れていったのではないかと推測できます。

 

 

このままではバンドが潰れてしまう

 

 

そんな危機感を抱いたアクセルがラヴソングの形式を借りて書き上げた曲。

それがEstrangedなのではないか。

僕はそう考えています。

アクセルのPersonal babyと評され、あのイジーですら「長い曲なのにすべてのパートがスムーズに流れていて無駄がない」と絶賛する同曲ですが、楽曲の各所に登場する印象的なギターメロディは、アクセルがスラッシュに対して「すげえギターメロディを作ってくれ」と“発注”して出来上がったものだそうです。(歌詞カードには「スラッシュ、キラーなギターメロディをありがとう」とアクセルからのお礼が載っています)

スラッシュのギターメロディが印象的な楽曲は他にもたくさんありますが、わざわざEstrangedだけ発注エピソードが残っているのは何故か?

 

この楽曲に向き合って、俺の言いたい事を汲み取って欲しい

 

そんなアクセルの願いがあったのではないかな、と思ってしまうのは僕だけでしょうか。

アクセルの心情が吐露されていると思われる歌詞について触れていきましょう。

 

 Well I jumped into the river
 Too many times to make it home
 I'm out here on my own, an drifting all alone
 オレはそこを帰るべき家とするために

   何回となく川に飛び込んだ

   オレはここを出て オレ自身の中にいる たった一人で漂流してる

 

アクセルにとっての「帰るべき家」、これはガンズの事でしょう。

俺はバンドを守るために、ひとりで悪戦苦闘しているんだぞ!と他のメンバーに対してのあてこすり的なニュアンスも感じられます。

同曲のMusic Videoでアクセルだけが身体を張って海に飛び込むシーンがあるのは、ここの歌詞に由来しているのではないでしょうか。

「たった一人で漂流してる」というフレーズからは、バンドを運営していくにあたり、アクセルが感じていた孤独を感じ取れます。

 

  If it doesn't show give it time
 To read between the lines

 ここの意味がわからなかったら 時間をかけて

 行間を読み取ってくれ

 

わざわざ歌詞の内容に言及するという手法を取っており、アクセルにとって真意を伝えたい誰かが明確に存在していた事がよくわかります。

 


 I see the storm is getting closer
 And the waves they get so high
 Seems everything we've ever known's here
 Why must it drift away and die

    嵐が近づいてくるのが見える
 波もやけに高くなってきた
 オレ達の知ることのすべてがここにあるのなら
 それを漂わせたまま見殺しにするなんてことはできない

 

直前では「行間を読んでくれ」などと言っておきながら、ここはやけに直接的な表現ですね。

これからバンドが経験するであろう危機について警鐘を鳴らしています。

そして、このバンドがダメになっていくのを見過ごす事はできないという力強い決意。

アクセルがガンズという帰るべき家を守り通すという宣言をしているようです。

 

後年になって、メンバーへのインタビューや関係者の証言などから、各メンバーが保有するバンドに関する権利をアクセルが“強奪”したという事実が明らかになっていますが、どこかの時点でラインナップを守る事よりもバンドの名前を守る事の方がアクセルにとっての優先事項になったのかな…と考えられます。

話題となった「アクセル、Guns N' Rosesの名称買い取り事件」などはその最たるもので、自分がいれば法律的にガンズが成立するという誰にも手出しのできない状況を見事に作り上げました。

 

オリジナルメンバーがアクセルひとりとなった時期には、

 

ガンズのコピーバンド、独裁者、アクセルと愉快な仲間達

 

などと心無いロックリスナーからボロクソに言われていましたが、今回のリユニオンが実現したのは、その手法のすべてが正しかったとは言えないけれど、アクセルが必死にガンズという帰るべき家を守り通してくれたからではないかと思います。

僕は前のラインナップが大好きだったのですが、今回のリユニオンが発表された時、メンバー総入れ替えではなく、アクセルが守って来たバンドにスラッシュとダフが戻ってきた、という形になったのが本当に嬉しかった。

アクセルとディジー以外総入れ替えで、スラッシュ、ダフ、イジー(or ギルビー)、スティーヴン(or イルカおじさん)のラインナップだったりしたら、大喜びで「おかえりなさい!」とは叫べなかったような気がします。

アクセルが今まで頑張って来た事を全部チャラにしちゃうの!?ってガッカリしたはず。

いわゆるハイブリッドガンズと呼ばれるラインナップに落ち着いて本当によかった。

 

 

そんな個人的な思い入れのあるEstranged。

当然の事ながら、それまでの大騒ぎぶりはどこへやら。

唇を噛み締め、涙目になりながら聴いておりました。

(映像作品『Appetite For Democracy』は映画館で2回観ましたが、どちらもEstrangedで涙を流したのが僕です)

 

そして、僕の涙腺がついに決壊したのが

 

 I'll never find anyone to replace you
 Guess I'll have to make it thru, this time
 Oh this time without you

   キミの代わりなんて一生かかっても見つけられるはずがない
   だからオレはこの時を自分でなんとかしなければ
   Oh キミ無しで今は・・

 

「今回はお前たち抜きでやらなきゃいけないようだね」とアクセルが歌うこのパート。

アクセルは花道前方まで出て来て、この孤独な“Without you”という歌詞をマイクに乗せて我々に届けます。

しかし、その歌詞とは裏腹に、アクセルのすぐ後ろにはスラッシュとダフがしっかりと仁王立ちし、「もうお前はひとりじゃないんだよ」とでも言いたげな顔で演奏しているのです。

その姿に気付いた時、もう涙が止まりませんでした。

これはもう反則でしょう。

 

実はこの演出(なのかな?)に気付いたのは神戸公演だったのですが、それ以降の公演においてもアクセルが“Without you”という言葉を発する時には同じフォーメーションを取っていました。

その度に涙腺が危うくなり、この曲を聴いた5回中3回は涙を流すという有様。

おじさん達には本当にしてやられました。

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(写真:かっこよすぎるおじさん3人組)

 

ふと気が付けば、もう10000万字近くを費やしてしまいましたね。

ほとんどEstrangedについての妄想に近いような個人的な思い入れに終始してしまいました。

前回予告した大阪での奇跡やライヴの全体的な感想、その他もろもろのエピソードについては次回以降の記事に譲りたいと思います。

ここまで読んでくださった方、本当にありがとうございました。

街中で僕を見かけても、「このEstranged号泣おじさんがっ!」などと罵声を浴びせながら空き瓶などを投げないようにしてください。

イジメ、ダメ、ゼッタイ。

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