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君の名は

「俺はおもちゃじゃねえ!」というトイプードルの叫び。

どうも。僕です。

みなさま、いかがお過ごしでしょうか。

花粉症対策しておりますか。

僕はしておりません。

 

 

薄々お気付きかもしれませんが、先週の日曜日にGuns N' Rosesのトリビュートバンド Guns Love Rosesのライヴを観てまいりました。

バンド名にピンと来ない方もいらっしゃるでしょうか。

Gunmen Showersと言えばおわかりになるでしょうか。

どうでしょうか。

簡単に経緯をご説明しましょうか。 

 

時は遡り、2017年1月8日の事。

場所は渋谷duo MUSIC EXCHANGEであります。

Legend Of Rockの新年イベントで第1部のヘッドライナーを務めていたGunmen Showersのライヴ中盤に“それ”は起こりました。

 

ヴォーカルのNaxlさんによる突然の改名宣言。

唖然とする我々を尻目に、ステージ上のスクリーンには新バンドのロゴが映し出される用意周到さ。

新バンド名『Guns Love Roses』。

まったく知らなかったので驚愕いたしました。

Gunmen Showersの演奏終了後には、早くも新バンド名義による次回ライヴのフライヤーが置かれており、その手際の良さに感服。

 

「Advice For Masterbation」を旗印に約10年間活動を続けて来たGunmen Showers。

 

ガンズ愛をシャワーのように振り撒くガンマン達

 

そのような意味合いを持って命名されたバンド名だったと聞き及んでいます。

Gunmen Showersも非常に良いバンド名だったと思いますが、新バンド名のGuns Love Rosesはよりストレートにガンズ愛が伝わるバンド名になっていますよね。

ライヴの告知をする際、バンド名の後に(as Guns N' Roses)が付いていなかったとしても、「あ。これはガンズのバンドだね」とわかるのもポイント高いと思います。

こんなに良いバンド名が未だに空いていたというのがすごい。

ストレートすぎて誰も思いつかなかったのでしょうか。

いつかGunmen Showersのライヴ行ってみたいナーと思っていた方、今後はGuns Love Rosesの動向にご注目ください。

ライヴハウス受付の女の子に「Gunmen Showersさん」と発声させる楽しみが

 

という訳で、2017年冒頭に突然の改名を果たしたGuns Love Roses。

【Champagne】が【Alexandros】に改名した時のようなインパクトがあったと言ったら言い過ぎでしょうか。

その後、本家Guns N' Rosesの来日公演を挟み、ガンズ愛が盛り上がりまくっているファン達の気持ちをすべて引き受けるような日程での改名後初ライヴ。

しかも、Gunmen Showers時代からセットリストの内容に定評のあるワンマン公演です。

これが盛り上がらない訳がありません。

期待に胸膨らませながら会場のある渋谷へ。

チーマーと呼ばれる荒くれ者達が我が物顔で闊歩している街だと聞いておりますので、殴る蹴るの暴行を受けた末に金品などを奪われる、という悲惨な目に遭わぬよう姿勢を低くして物陰などに隠れながら小走りで雑踏を走り抜けます。

 

奇跡的に悪漢に呼び止められる事なく会場に到着。

本日の会場は渋谷La.mama

有名バンドを数多く輩出した事でも知られる名門ライヴハウスです。

こんなに有名な会場ですが、個人的には初めてお邪魔いたしました。

広くはないけれど居心地の良いハコで、バーカウンターでは「開場から開演までの間はハッピーアワー」という素敵なシステムが導入されており、それを知っていればもっと早く来たのに!と非常に悔しい思いをしたのが僕です。

 

ビールを飲んだりTwitterのフォロワーさんにご挨拶したりしていると場内暗転。

ベーシストのDuffyさん前あたりにビールを飲み飲み移動します。

本家GN'RのNot In This LifetimeツアーではIt's So Easyが不動のオープニングナンバーとして演奏されていますが、Guns Love Rosesの歴史に第1曲目として刻まれるナンバーは何になるのか。

直球ど真ん中か。

はたまた予想外の変化球か。

 

鳴った瞬間にそれとわかるけたたましいリフ。

Naxlさんがのっけから噛み付くような勢いで歌い出したのは…

 

 

Perfect Crime!!!!!!!!!!!!!!

 

 

91年のツアーではオープニングナンバーとして演奏される事も多々あったスピードチューン。

本家と同じIt's So Easyで来るのではないかという僕の予想は見事に外れました。

水面下での秘密裏の改名プロジェクトという完全犯罪をやってのけたGuns Love Rosesなので、この選曲はむしろピッタリなのかもしれません。

Perfect Crimeのスタジオ音源は91年発表の『Use Your Illusion 1』に収録されていますが、楽曲自体は85年頃からすでに存在しており、スティーヴン・アドラーが叩いているライヴ音源の一部を聴く事が出来るサイトなどもあるようです。

 

実はPerfect Crimeがオープニングに選ばれたのには伏線があります。

僕のような品行方正な人間には縁の無い世界なのですが、アンダーグラウンドで出回っている日本公演のBootlegのひとつにその秘密が隠されています。

日本ツアー最終日1月29日のさいたまスーパーアリーナ公演を収録したとある音源、それを聴いていると曲間に結構な頻度で「パーフェクトクラーイム!」という同曲の演奏を求めて絶叫している男性がいる事に嫌でも気付かされるでしょう。

本家ガンズでは92年以降演奏された記録の無いいわゆる“超レア曲”というカテゴリーに入る一曲ですが、セットリストの“演奏される可能性がある曲”リストには名前が載っており、それを知っているがゆえの頻回な絶叫であると思われます。

 

まあ、みなさまもご承知の通り、結論から言えば上記公演の日だけでなく、今回の日本ツアーでPerfect Crimeが演奏される事はありませんでした。

日本の次の公演地であるニュージーランドおよびオーストラリアにおいてもそれは同様だったようです。

「パーフェクトクラーイム!」という絶叫があまりにクリアに録音されているため(録音者の付近にいたのでしょう)、一部ではパーフェクトクライムおじさんと命名され、「この音源のタイトル『パーフェクトクライム』でいいじゃん」と言い出す人まで登場する始末。

今回のGuns Love Rosesのライヴにおいても、曲間に「パーフェクトクラーイム!」と絶叫するというパーフェクトクライムおじさんトリビュートを実践する人が登場するのではないかとまで危惧しておりました。

 

気の毒なパーフェクトクライムおじさんの魂を救済するため、一肌脱いだのが他ならぬGuns Love Rosesの面々。

のっけからPerfect Crimeをぶちかまし、パーフェクトクライムおじさんの御霊を見事に成仏させる事に成功しました。

ひとつだけ気掛かりなのは、パーフェクトクライムおじさんが渋谷La.mamaにいたのかどうか不明だという事だけ。

お知り合いの方がいらっしゃったら「あなたのためにPerfet Crimeやってくれたバンドがいるよ」とご本人に教えてあげてください。

 

1曲目から文字数を費やしてしまいました。

Perfect Crimeに続くのは、本家ガンズのオープニングナンバーIt's So Easy。

『Live Era』で聴けるのと入りが同じバージョン。

こういう細かいネタを織り交ぜてくれるのが素晴らしい。

バンド名が変わっても心意気は微塵も変わっていませんでした。

 

そこからはハードロックの金字塔『Appetite For Destrction』からのナンバー3連発。

Out Ta Get MeからThink About Youの流れに悶絶いたしました。

Think About Youのラストで「Only....you...only....」と悩ましく歌い上げるNaxlさんの姿に腰をガクガクさせた婦女子が続出したのではないでしょうか。

あれは18禁レベルですよ。

 

Naxlさんの「14...14 beers...14 beers...14 Years」という曲紹介から、Izzlyさんがリードヴォーカルを務める14 Yearsへ。

もしかしたらイジー・ストラドリンが日本で飛び入りするのではないか…という夢が叶わなかった今、ここでこの曲が聴けるのはとても嬉しい。

緊張しながらもきっちり歌い上げたIzzlyさん、次はDust N' Bonesもよろしくお願いいたします。

Gaslashさんのギターソロも最高で、あのラン奏法のフレーズは非常に気持ち良いナーとうっとりした次第です。

 

Gunmen Showers時代から「え!これもやっちゃうの!?」という目玉のひとつだったGet In The Ringは大盛り上がり。

本家がライヴ演奏する事は今後も無いと思うので、「Get in the ring!! Get in the ring!!」という合唱をしたかったらGuns Love Roses観に来るしかないですよ、奥さん。

92年の東京ドームを思わせる衣装で登場したNaxlさんの姿に「It Tastes Good, Don't It?挟むやつ?ねえ?挟むやつでしょ?」とドキドキしたRocket Queen(挟みませんでした)。

途中でGaslashさんのギターにトラブルがありましたが、見せ場のスライドソロ直前に普及し、何事も無かったかのようにソロを弾き始めたのはさすがでした。

Rocket Queenが終わり、みなさんお待ちかねワンマン名物DuffyさんのMCタイム。

 

某所で本家ダフ・マッケイガンに会う事が出来た話、ダフが着ていた大吟醸シャツを探し回った結果、ダフの奥様スーザン・マッケイガンが直接ブランド名を教えてくれるという神対応で無事に注文成功した話などを昭和のバラエティ番組を思わせる話術で披露するDuffyさん。

当日が誕生日だった音楽ライター 増田勇一氏にスポットライトを当て、みんなでお祝いをするというサプライズも。

Comaのリフを弾き始めて場内をどよめかせたのもこのタイミングだったかな。

笑わせた後にかっこいいところをしっかりと見せてくれるのも魅力のひとつ。

初披露のYou Can't Put Your Arms Around A MemoryからのNew Roseという本家ダフのソロコーナーを再現してくれました。

日本公演でダフがやっていた「イチ!ニー!」という日本語でのカウントも飛び出し、そのトリビュートが現在進行形である事に感激。

そのベースには元プリンス(The Artist Formery Known As Prince)が使用していた記号がペイントされていたのにも唸らされました。

愛がすごい。

 

New Roseで熱く燃えた後は、バンドにとってのチャレンジタイム。

王子風の衣装でピアノへ向かうアクセルさん。

そう。大作November Rainです。

去年の代官山公演で初披露された同曲ですが、今日が2度目の演奏。

Naxlさんのピアノに導かれるようにして演奏がスタートします。

 

この繊細な曲を細かいニュアンスまで聴き取ろうと息を殺して見守るオーディエンス達。

前回よりも明らかに精度の上がったNaxlさんの歌とピアノのコンビネーション。

原曲のストリングスパートをギターで再現するGaslashさん。

IzzlyさんとDuffyさんのコーラスワークも実に見事。

各メンバーがお互いの音を頼りにしながら、丹念にNovember Rainの世界観を作り上げようとするような素晴らしい演奏に心奪われている自分がいました。

 

November Rainといえば「名ギターソロベスト〇〇」のような企画では必ず上位にランクインするSlashのギターソロ。

今回は初演の時のようにお立ち台に上げる事はなかったGaslashさんですが、まさに必殺と呼べるようなギターソロを披露してくれました。

“楽曲内楽曲”と呼んでも過言では無いようなあのギターメロディ。

普段は本当に温厚で謙虚なGaslashさんですが、あれを弾いている時はもっとドヤ顔でオラオラしていても誰も文句言わないと思いますので、もっとドヤ顔でオラオラしてシャッターチャンスにしてください。

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(オラオラしないgaslashさん)


しかし、バンドサウンドの中に生ピアノを入れるというのはやはり難しさがつきまとうようで、今回もサウンドチェックのほとんどをNovember Rainのサウンドバランスに費やす事になったと終演後に聞きました。

何度やってもハウリングが起こってしまうため、ベースの音量を下げる事で解決したそうですが、これは会場が変わる度に悩まされる問題かもしれません。

また、ハードロックのセオリーとしては半音下げチューニングというものがあります。

文字通り弦楽器などのチューニングを半音下げて演奏する事ですが、生ピアノのチューニングを半音下げるわけにはいかないため、Naxlさんはレギュラーチューニングのピアノを半音低く演奏する…つまり、鍵盤の中の黒いところを多用して演奏せざるを得ないので相当大変な様子。

電子ピアノで半音下げる、などの選択肢もあったと思いますが、再現度にこだわって茨の道を選んだNaxlさんに全俺が敬礼しました。

 

Guns Love Rosesによる濃密な音楽的冒険November Rainが無事に目的地に到着。

MadlerさんのドラムフレーズがDouble Talkin' Jiveの始まりを告げます。

それに乗るアグレッシヴなリフには頭を振る以外に何が出来るでしょうか。

当然のようにヘドバンの嵐であります。

個人的には今回のライヴで最も感銘を受けたのが、このDouble Talkin' Jiveでした。

エスニックなテイストが入って来る中盤パート、通常であればここからはスラッシュの見せ場となり、アクセルは楽屋に引っ込んで行くところなのですが、それを無視するかのようにアジテーションを始めるNaxlさん。

こ…これは…

 

Rock In Rio 2バージョンやっ!!

 

そして、そのままWelcome To The Jungleに雪崩込む展開。

1991年伝説のRock In Rio 2初日の再現に高田純次ダンスを披露したくなるほど興奮しました。

おそらくあの場にいた全員が高田純次ダンス踊りたくなってたと思う。

ガンズファンはそういう生き物だ。

 


Guns N` Roses - Double Talkin` Jive (Rock In Rio 91`)

(Rock In Rio 2  放送バージョン+ Axl cam + Slash camのミックスというやばいヤツを見つけました。神かよ)

 

全世界のガンズファンに見せたいDouble Talkin' Jive~Welcome To The JungleのRock In Rio 2トリビュートの後は、誰もが愛する名曲Sweet Child O' Mine。

92年東京ドームのようにSail Away Sweet Sister~Bad Timeのイントロ付き。

ざらついた声がアクセルそっくりで震えました。

エンディングも92年東京ドームそのままに「チャアーーイ!チャアーーイ!」の絶叫パートがあり、「うわー!ビデオで観たやつやー!」と感激しましたよ、あたしゃ。

個人的には普通に終わるSCOMが好きですが、92年東京ドームをベースにするならエンディングはアレじゃないとね。

最高の最高。

 

これ(※画像参照)の小さいやつを手に登場したNaxlさん。

「I found this in Gakuya」などと言って笑いながら吹き鳴らします。

本家とはサイズもボリュームも違いますが、その音色が告げるのは同じくNightrainの発車の合図。

いわゆるヒットチューンではないけれど、ひとたび演奏されれば場内に熱狂の渦を巻き起こすハードロックナンバー。

終演後、Naxlさんと「Nightrainも色々なバージョンありますよね」という話で盛り上がったので、いつか違うイントロによる同曲が聴ける日が来るかもしれません。

メインリフから始まるバージョンが好きです。よろしくお願いします。

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(えらくうるさい音で鳴るやつ)


最後を飾るのはもちろんParadise City。

Naxlさんのホイッスル(本家アクセルと違ってジャストのタイミングで吹く)に合わせて女性物下着が投げ込まれるのはGunmen Showers時代からのお約束。

紙吹雪を噴射するのは無理でも、こういう演出を定番として続けてくれるのは凄くいいナーと思っているので、これからも末永く投げ込ませてくださいますようお願い申し上げます。(女性陣、頑張って投げ込んでください)

余談ですが、Paradise Cityのリフもヘドバンには最適のリズムですよね。

翌日は頚部痛からの頭痛で死にそうになっておりました。

それでも振らずにはいられない首。

ロキソニンが手放せない日々です。

 

本編が終了し、ここからは予想のつかないアンコール。

定番の最終曲であるParadise Cityをやってしまえば、そこから先は想定外の延長戦という雰囲気なんですよね。

何をやっても許されるという感じ。

そんな雰囲気の中、バンドがゆったりとねっとりと奏で始めたのは…

 

You're Crazy!!!

 

初来日公演のオープニングでもプレイされた『GNR Lies』に入っているバージョン。

しかも、途中で「Suck on this!!!!」というNaxlさんの絶叫と共にFastバージョンに転換する豪華バージョンですよ。

こんな一粒で二度おいしい的なバージョンをやられたら、こちらはもう腰をガクガクゆわせるしかないじゃないですか。

1988年トレド公演をベースにしているようなので、トレド公演が好きな方は是非Guns Love Rosesのライヴにお越しください。

 


Guns N' Roses - You're Crazy - 1988-05-01 - Toledo Sports Arena, Toledo, Ohio

(Lies→Appetiteに転換する流れがかっこよすぎるトレド公演)

 

楽しすぎたワンマン公演の最後を飾るのは、1987年6月のロンドンはマーキー公演でのMCそのままからのWhole Lotta Rosie。

こういうMCトリビュートもGuns Love Rosesの魅力のひとつであります。

去年はAXL/DCというロック界激震のトピックもあったので、このタイミングでWhole Lotta Roseiのカバーをやるというのは非常に意味のある事であり、なによりもAXL/DCを観に行けなかった僕が嬉しい。

AC/DCのライヴは我が人生最良の音楽体験のひとつだったので、今後もAC/DCという物語が続いていくのであれば、次こそは来日して欲しいナーと思っております。

噂になっているアクセルをフロントマンに据えた新作はどうなるんでしょうね。

まずはAXL/DCのツアーDVDがリリースされますように…。

 

 

Guns Love Rosesとしての初ライヴはGunmen Showers時代と同じように、とてつもないガンズ愛に溢れた空間が広がっていました。

Naxlさんの「えー。昼間なのでお安いお値段で提供しております」というMCに対し、Madlerさんが「安いんだよね。昼キャバみたいなもんで」と返した時、「もうGunmen Showersじゃないんだから!」とNaxlさんが指摘したのが唯一違いを感じた瞬間でしょうか。

つまり、以前と変わらず最高だって事ですよ。

振り返ってみれば、16曲中6曲が本家の来日公演では聴けなかった曲。

それだけ楽しめて2000円なんて幸せすぎすよ。

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 (豪華すぎるGuns Love Rosesのセトリ)


Guns Love Roses - BandPage

 

次回のライヴ予定は

 

4月16日(日)

六本木Club Edge

 

毎年恒例のワンマンライヴとなっております。(厳密には対バンあり?)

ガンズが好きな方なら楽しめること請け合いです。

約2ヶ月先の話ですが、手帳には「ラヴちゃん六本木」とお書きください。

Welcome Back To The Japangle Part 3

はじめまして。僕です。

好きな映画は安達祐実さんの『REX 恐竜物語』です。よろしくお願いします。

前回はEstrangedについての妄言で終わってしまいましたが、今回はそれよりも興味深い話題を提供したいと思います。

みなさんのお力で僕を人気ブロガーの地位に押し上げ、あの憧れのブログ甲子園へ連れて行ってください。

 

何から書いていこうかナーと考えてみた時、真っ先に思い浮かぶのは奇跡のようなひとつのエピソードです。

Twitter上でも話題となっていたのでご存知の方もいらっしゃるかもしれません。

仮に『Japangleインシデント』とでも呼ぶ事にしましょうか。

今思い返してみても、あれは本当に奇跡のような出来事でした。

 

ガンズの来日が発表され、我々日本人ガナーが興奮と感動でキチガイのようになっていたある日の事。

Twitterのフォロワーさんのひとり(名前を仮に“すし太郎”とします)が、タイムライン上でこんな呼びかけをしました。

 

ガンズのライヴのためにみんなで横断幕を作りませんか?

 

みなさまも画像などでご覧になった事があるのではないでしょうか。

最前列の熱心なファンが柵に垂らして、バンドへの熱いメッセージを伝えるアレです。

ガンズの公式サイトにおいても、海外の熱狂的な肉食系ファンが自作の横断幕と共に野獣のような雄叫びを上げている写真がアップされており、日本人ガナーの気合いを世界に知らしめる一世一代のチャンスでもあります。

 

すし太郎の呼び掛けに賛同した日本人ガナーのみなさんが夜な夜な激論を交わした結果、このようなクオリティが高すぎる横断幕が完成。

アジア人の顔なぞ見分けがつかんわい!という欧米人が見たとしても、「あ。これは日本のだね」と一発でわかるであろう秀逸なデザインとなっております。

ちょうかっこいい。

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(写真:かっこよすぎるJapangle横断幕) 

 

ちなみに「Welcome Back To The Japangle」というこれまた秀逸なフレーズは、我が国におけるガンズの第一人者である音楽ライターの増田勇一氏がMusic Life誌の編集長を務めていた時、同誌編集長として最後の号となった1998年4月号のガンズ特集記事の中で使用された「Welcome Back To The Jungle」という名見出しが元ネタです。

そして、ここに大阪のガナー ロッピンさん(口癖は「ボウリング、何ピン倒してもロッピンです。よろしくゥ!」)が考案したJapangleという造語を付け加える事により、「Welcome Back To The Japangle」という天才的なキラーフレーズが誕生しました。

これはもうガンズの面々もイチコロでしょう。

 

 

横断幕を手に意気揚々と大阪入りしたすし太郎。

筒に入れた状態で1メートルくらいの長さでしょうか。

わりと大きめの荷物なので、もしかしたら入り口で持ち込み禁止だと言われるかナー、などと心配しておりましたが、横断幕と共に無事に入場して来たすし太郎の姿に一安心。

さあ、あとは最前列の柵に設置し、我々の歓迎の意を余すところなくバンドに伝えるだけです。

 

広げると横3メートルという大きさになる横断幕、面識の無い方々の協力も頂戴し、無事に設置完了。

我々とステージの間に仁王立ちするセキュリティスタッフの方もテープ留めなどを手伝ってくださり、その親切な対応に感激いたしましたよ。

威風堂々と設置された横断幕のあまりのかっこよさに柵から身を乗り出して無理な体勢で写真を撮っていたら脇腹を痛めました。

くりこさんに話したりしようものなら猛烈に馬鹿にされそうだったので、この話はここが初披露となります。

みなさんも柵から身を乗り出して横断幕の写真を撮る際にはお気を付けくださいね。

 

無事に設置も終わり、BABYMETALまで約2時間の待ち時間を雑談しながら潰していると、会場内を散策していたガンズ側スタッフが横断幕の前で足を止めました。

なんとオフィシャルフォトグラファーのKatarina Benzova(金髪の超美女)が写真を撮ってくれるというサプライズ。

しかも、その写真をガンズ公式アカウントから世界に発信してくれるというファンにとっては身に余る光栄に預かる事が出来ました。

ガンズ公式がSNSで発信してくれたという事は、もうこれはバンドからのお墨付きを頂戴したようなもの。

あとはバンドメンバーが喜んでくれれば言うことなしです。

 

しかし、ここで思いもよらぬトラブルが発生。

すし太郎の頭上に暗雲が垂れ込める事態に。

 

先程まで設置に協力的だったセキュリティスタッフですが、その中のチーフ的なポジションの方が横断幕の前までやって来て、「このような物の設置は認められない。これはバンド側の要望なので、すぐに撤去するように」と言い出しました。

予想だにしなかった展開に唖然とする我々。

 

いやいやいや。バンドのオフィシャルカメラマンも撮影してたし、ちょっと主催者側に訊いてみてくださいよっ!

 

すし太郎が食い下がりますが、これは主催者側云々の問題ではなく、バンド側からのリクエストなので絶対に認められないとの事。

セキュリティ側もクライアント側から請け負った条件を現場レベルで勝手に変更する事はないだろうし、下手に食い下がると退場処分になる可能性も想定されたため、ここは不本意ではありますが横断幕を回収する事にしました。

本日はおとなしく引き下がって、翌日の神戸公演以降は設置を許可してもらえるよう交渉していくしか方法は無いだろうナーと思った次第です。

 

見ていて気の毒なくらい意気消沈しているすし太郎。

よくよく考えれば、この横断幕はすし太郎だけでなく、多くの人の協力を得て出来上がった物です。

このまま設置すら出来ずに日本ツアーが終わってしまっては悲しすぎるでしょう。

自分の中の小梅太夫がチッキショーーーーーーーーー!!!と絶叫しました。

何か出来る事は無いでしょうか。

 

セキュリティ側の話では、これはバンド側からの要望との事なので、この話を主催者の株式会社クリエイティヴマンプロダクションに持って行ったところで、設置の可否について判断できる立場に無い、という回答で終わってしまうでしょう。

バンド側に直談判出来れば一番話が早そうですが、残念ながらそのようなルートを持っている人間は僕の周りにはいません。

ダメ元で#gunsnrosesというハッシュタグを付け、Twitter上で事の顛末をつぶやいてみました。

拙い英文で「友人がこういう横断幕を作ったんだけど、これは許可されていないとセキュリティが言うから撤去するしかなかったよ。なんで?」という内容を書いた記憶があります。

バンドの関係者も読めるように英語で投稿しましたが、英検75級レベルとも揶揄される僕の英語力ですので、本当に英文として成立しているかどうかも怪しいものです。

 

心優しいフォロワーさんから多くのリツイートを頂戴し、フォロー外の方からも熱い応援コメントを頂いたりしましたが、特に事態が好転する事もなく、横断幕は出る幕の無いまま(上手い事を言ったと思っています)ガンズのライヴがスタート。

生まれて初めて観るアクセル、スラッシュ、ダフのそろい踏みにいつしか横断幕の事を忘れている自分がいました。

すし太郎さん、ごめんなさいね。

 

事態が動いたのは、ライヴも中盤に差し掛かった頃でしょうか。

横断幕があった場所にガンズ側のスタッフが日本人スタッフを引き連れて登場しました。

Japangle考案者のロッピンさんと何やらやり取りをしています。

ステージではバンドが爆音で演奏中という事もあり、細かいやり取りまでは聞こえませんが、「ここにあった横断幕はどうした?」と訊いているようです。

いくつかのやり取りの末、ロッピンさんが横断幕をガンズ側スタッフに手渡し、スタッフはそのままバックステージに消えて行きました。

あとで聞いた話によると、バンド側が欲しがっているので、横断幕を譲り渡すように要求されたとの事でした。

 

バンド側の手に渡ったという事は、アンコールあたりでアクセルが横断幕を手に登場して、「これはクールだな。ありがとう」などと言ってくれるのかと予想する我々。

 

しかし、現実はその遥か斜め上を行くものでした。

 

スラッシュのギターソロ中、横断幕を手に戻って来るガンズ側スタッフ。

横断幕をロッピンさんに手渡すと、早く広げるようジェスチャーで促してきます。

どうやらバンド側のお許しが出た模様です。

喜び勇んで横断幕を広げ、最前列の柵に設置すると、なんとそこには…

 

 

アクセル・ローズのサインが!!!

 

あの癖のある独特の筆致で書かれたサイン。本物に間違いありません。

なんという事でしょう。

これもNot In This LIfetimeの一貫なのでしょうか。

あまりの事に横断幕周辺は一同放心状態。

申し訳無いのですが、目の前で咽び泣くように紡ぎ出されるスラッシュのギターソロもあまり耳に入って来ません。

 

スラッシュのギターソロの間に楽屋でサインを入れてくれたのだと推測しますが、あのアクセルがライヴ中にわざわざ時間を割いてくれた事が本当に奇跡です。

日本のファンがせっかく作ってくれたんだから、と横断幕にペンを走らせてくれたのでしょう。

 

みんなは知らないかもしれないけど、アクセルっていうのは本当に心が優しいやつなんだよ

 

アクセルに近い人達の口からこんな事が語られるのを何回見聞きしたでしょうか。

世間的には傲慢で尊大で変人なロックスターというイメージで語られる事の多いアクセルですが、そのパブリックイメージからは大きくかけ離れた実像を持っているようです。

今回、その真実の一端に触れる事が出来て、誇張ではなく震えるほど感動しました。

アクセル、本当にありがとう。

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(写真:アクセルがライヴ中(!)に入れてくれたサイン)

 

サインを入れてくれただけでも奇跡なのですが、Knockin' On Heaven's Doorがエンディングに差し掛かった時、アクセルが横断幕の方に目をやったかと思うと

 

Japangle...Welcome back to the Japangle...

 

と読み上げてくれたのです。

アクセルの声でこのフレーズが聴けるなんて…。

日本ツアー初日からこんな事が起こっていいんでしょうか。

2月以降、次々と災難が降りかかるような気がしてなりません。

 

 

しかし、これほどまでに状況が好転したのは何故か? 

 

その陰にはひとりの美女の活躍がありました。

この窮状に気付いてくれたのが友人のじょのさんブレイクダンスの達人にして英語堪能な美女)。

ガンズのマネージメントを担当するTeam Brazilのフェルナンドに「なんでこんな事になってるの?」とTwitter上で問い合わせてくださったのです。

それにすぐさま反応した暇人 有能なフェルナンド。

「それは手違いだ。申し訳ない」とすぐに対応を約束してくれたようです。

じょのさんのツイートが無ければ即日解決はありえないケースだったでしょう。

本当にありがとうございました。

 

しかし、ここでひとつだけ言っておきたいのは、セキュリティチームを責めるような論調にはなって欲しくないという事。

彼らは事故などが起こらないよう立ち回る事および不測の事態が発生した時にそれに対処する事を目的として配置されているスタッフです。

大規模なモッシュピットが起こった場合、クラウドサーフが発生した場合、体調不良者の発生、観客同士の喧嘩などに対して身体を張って対処をしてくれます。

ライヴ会場における安全確保を請け負っている身ですから、何かが起こってしまった場合に「横断幕が邪魔で迅速に対処できませんでした」という言い訳は通用しないでしょう。

今回は幸か不幸か横断幕周辺エリアで殺し合いのようなモッシュが起こった訳ではないので(5公演を通じて、横断幕設置エリアであるアップグレード専用スペースは平和そのものでした)、そのあたりも加味して横断幕の設置が許された部分はあるのではないかと思います。

そして、関東の公演では「あ。この横断幕は設置していいやつだ」とセキュリティ側が認識してくださったのも、大阪神戸で大きな事故がなかったおかげだと考えております。

 

前方エリアにいた方は気付いたかと思いますが、最後のParadise Cityのイントロが始まった時、ガンズ側のセキュリティ責任者が日本人セキュリティひとりひとりに握手を求めに来る姿が見受けられました。

「今日はよくやってくれた。あとひと踏ん張り頼むぞ」とでも言いたげな力強いその握手ひとつひとつに彼らが背負っている責任の重さが感じられ、安全というのは決して当たり前の事ではないのだなあ、という事を再確認いたしました。

セキュリティのみなさま、5日間本当にお疲れさまでした。

 

 

最後にひとつだけ大阪の思い出を語らせてください。

僕が泊まったのはとあるビジネスホテルなのですが、インターネットを通じて予約した際、『有料放送無料プラン』という夢のようなプランで部屋を取る事が出来ました。

 

有料放送無料プラン

 

なんという甘美な響きでしょう。

おのれの買い物上手ぶりに我ながらスタンディングオベーションを贈りたい気分になりました。

誰もが夢見るあの有料放送。

それが無料だなんてすごい話じゃないですか。

 

まあ、連日の深夜帰宅により有料放送なんて見ている暇はなかったのですが、無料なのであれば見なくても損はしない。

別に悔しがる事もあるまいと思い、普通に会計を済ませてホテルを後にしました。

 

が、くりこさんの何気ない一言により、驚愕の真実が発覚します。

 

 

あれ? わたしの方が1,000円くらい安いよ?

 

えっ。1,000円くらい安いの?

 

 

有料放送分を上乗せしてんじゃねえかよー! 

チッキショーーーーーーーーーーー!!!

 

 

泣きました。

ただただ泣いた。

気が付くとひとりで泣いていました。

有料放送無料詐欺、ダメ、ゼッタイ。

Welcome Back To The Japangle Part 2

どうも。

薄々お気付きかもしれませんが、僕です。

セコムしてますか。

僕はしておりません。

 

今回のブログは、前回記事「Welcome Back To The Japangle Part1」の続きとなります。

Part1では、長々と書いておきながら、肝心のライヴまでたどり着かないという体たらく。

お詫びのしようもございません。

 

が、どうぞご安心ください。

このPart2では、しっかりとライヴ内容について書いていきたいと思います。

ただし、内容は大阪公演に限定したものではなく、大阪公演を基本としつつ、日本ツアー全体の感想になっておりますのでご了承ください。

ですので、  「それは大阪の出来事ちゃうやんけっ!このボケがっ!ドアホっ!六甲おろし歌いながらお好み焼きひっくり返すヘラで滅多打ちにしてまうぞ!」などというお叱りはどうぞご勘弁くださいますよう重ねてお願い申し上げます。

では、2017年1月21日の京セラドームへタイムスリップいたしましょう。

せいやっ。

 

 

無事にアクセル前の最前列を確保した僕とくりこさん(通称:チーム人見知り)。

ここからはただ開演を待つのみです。

場内BGMはRamones縛りというコンセプトのようで、ひたすらに彼らの名曲が場内に鳴り響いています。

久しぶりに聴くRamonesは非常に心地良く、ジョーイ・ラモーンのディープな声が持つ魅力を再確認すると同時に、「あれ?スタジオ盤ってこんなに遅いんだっけ?」と違和感を抱きました。

ライヴだと曲の終わりに「1 2 3 4!!!」のカウントがくっつくような勢いで演奏してるんだもんね。

初めて聴いたラモーンズはライヴアルバムだったのですが、1枚物のCDに40曲近くの楽曲が収録されていたのを覚えています。

スピードアップしすぎでしょう。

でも、それがいい。

 

余談ですが、他の公演においても場内BGMは日替わりで特定のアーティスト縛りという選曲になっておりました。

僕の記憶に間違いが無ければ

 

 ・神戸 Cheap Trick

 ・横浜 Deep Purple

 ・さいたま David Bowie

 ・さいたま Queen

 

だったと思います。

去年4月のラスベガス公演はDeep Purple縛りだったと聞きましたが、今回のツアーはすべてそのような趣向なのでしょうか。

Ramonesを含めた上記5アーティストに何か共通項はあるのかと考えてみましたが、ひとつ思い浮かんだのが「ロックの殿堂入りを果たしている」という事でした。

ガンズもアクセルが式典をドタキャンするという事件を起こしてはいますが、バンドとしては2012年に殿堂入りしています。

単なる推測に過ぎませんし、殿堂入りしているから場内BGMに選ぶというのも説得力に欠けるので、どなたかメンバーに会う機会があれば訊いてみてください。

 

RamonesとプロモーターのCreativeman主催公演の宣伝を交互に見聞きし、「あー。ワイルドハーツ行きたかったナー」だの「こんなガンズ破産まっしぐらの時期にデッドデイジーズ発表するのは商売下手すぎでショー」などのぼんやり考えているうちに開演時間がやってきました。

ほぼ定刻通りに場内が暗転すると、オープニングアクトであるBABYMETALのバンドロゴがスクリーンに映し出され、オープニングSEが流れ出します。

X JAPANオマージュの「ベビーメタール メタール メタール メタール」のリフレインに導かれるようにしてメンバーが登場し、Metallicaの名曲OneのごとくギターリフとドラムがシンクロするBABYMETAL DEATHがスタート。

正直な話、我々のいるアップグレードエリアはそれほどの盛り上がりではありませんが、後方からは大きな歓声が聞こえてくる事から考えると、BABYMETALがサポートアクトを務める事がかなり動員に寄与しているのではないかと推測できます。

さすがに30分やそこらの出番のために約30000円のVIPチケットを買うBABYMETALファンは多くはないだろうと思っていましたが、アップグレード専用エリアの外で観た横浜とさいたま初日には決して少なくない数のBABYMETALファンがスタンディングエリアで野太い声援を送っていましたし、さいたま2日目のアップグレードC入場時には、我々の前にBABYMETALファンのおじさま2人組がいらっしゃいました。

30分のために5万円近く払うというのはかなり勇気のいる行動だと思いますが、いまやドームクラスのアーティストとなった彼女たちを真近で観る機会を買ったと考えれば熱心なファンの方にとっては決して高い買い物ではないのかもしれません。

 

それにしても面白いのは、ヨーロッパツアーを発売と同日に全公演即売させたガンズと東京ドーム2日間を完売させたBABYMETALの組み合わせでも京セラドームが満員にならないという事実。

こういうのは単純な足し算として計算できるものではないのだナーと思いました。

まあ、ネットではサポートアクトの人選について賛否両論あったようですが、個人的にはBABYMETALもMan With A Missionも好きなので嬉しかったです。

Man With A Missionの日はベースの方のピックをゲットする事が出来て大満足。

Fly Again楽しかったですね。

 

あくまでもガンズ来日についてのブログなのでBABYMETALの演奏について詳しく書く事は控えますが(面倒臭がり屋とも言う)、YUI-METALのあまりの可愛さにくりこさんと二人で悶え死んでおりました。

おそらくBABYMETALを最前列で観られる機会は今後一生無いでしょう。

貴重な体験をさせていただきました。

上手に撮れたYUI-METALの画像をアップしたいところですが、大手芸能事務所アミューズ所属のタレントさんの画像を個人ブログにアップしてよいのか判断つかず、個人で楽しむ範疇に留めておきたいと思います。

デジカメの画面を見ながら「ゆいちゃーん!」などと叫んでいるおっさんがいたらそれが僕です。

 

最後にSU-METALが「It's time for Guns N' Roses!!!」と観客を煽り、全力で歌い踊るBABYMETALのステージが終了。

10代の女の子があんなに凄い事をやっている姿に毎回涙ぐんでしまうのが僕ですよ。

さあ、ここからいよいよガンズ待ちタイムに突入。

思えば2009年12月の京セラドーム公演では、ガンズの登場が21時、終演が0時半という伝説の終電逃しギグが繰り広げられ、僕も極寒の大阪の夜に放り出されたひとりでした。

ガンズのライヴは開演が異常に遅れる、というのがパブリックイメージとして定着していますが、リユニオン後は大幅な遅延は皆無のようで、〇時間遅れで観客大暴動!といったニュースは未だにお目にかかっていません。

 

ステージ上ではBABYMETALの撤収が終わり、ガンズ側のスタッフが最終確認のために各所をチェックして回っています。

ガンズに向けて機材の入れ替えはないようで、BABYMETALは自分たちの機材を撤収するだけなので、順調に行けばそれほどまたずに開演の運びとなりそうな予感。

ガンズのために買ったデジカメの性能チェックのため、バンドロゴが描かれたバスドラなどを撮ったりしているしていると、スクリーンにガンズのロゴが映し出され場内は大歓声。

しかも、銃の代わりに日本刀があしらわれた日本ツアー特製のバンドロゴ。

CGで作られたそのロゴがグリグリと動くんですよ。超かっこいい。

それが終わると『Appetite For Destruction』のレイプジャケットに出て来るロボットが登場して、オーディエンスに向かってワインボトル(Nightrainのボトルなのかな?)を投げるというアニメーションが。

 

オリジナルメンバーがアクセルだけだった時期もスクリーンにはさまざまな映像が流されていましたが、その9割5分くらいが糞ダサい代物で、もしかしたら腕の良い映像担当者を雇う金銭的余裕が無いのでは…と心を痛めておりました。

You Could Be Mineで流れるチープという言葉すらもったいないくらいダサいF1の映像に至っては、これを作って持って来たヤツを足払いでひっくり返して、みんなでYou Could Be Mineを歌いながら足蹴にしたいレベルの酷さ。

あれを流すくらいだったら「しばらくお待ちください」という静止画像を延々と流しておいた方がマシです。

しかし、莫大な予算が使えると思しき今回のリユニオンツアーはすごかった。

映像の本当にクオリティが高くてかっこいい。

Comaに関してはIron Maidenの『Somewhere In Time』感がありますが、あれはあれで良いと思いました。

 

前述の映像がしばらく繰り返し流れた後、スクリーンから突如銃声が。

ガンズロゴのピストルがマシンガンに代わり、そこからも銃弾の嵐。

それが今回のNot In This Lifetimeツアーにおいて開演が近付いている合図だと知るオーディエンスからは大歓声が。

いよいよアクセル、スラッシュ、ダフが揃うガンズを観る事になるのだと思うと、緊張のあまり号泣しながら嘔吐しそうになりますが、そのような醜態を晒すと屈強なセキュリティに急病人として担ぎ出される事となりますので、意味も無く絶叫したりして緊張を無理やり紛らわしました。

 

そして、いよいよ運命の時が。

場内暗転。

 

1996年にスラッシュが脱退し、将棋倒しのようにラインナップが崩壊したガンズ。

ロック界最大の犬猿の仲のひとつとなってしまったガンズ。

アクセルがスラッシュとの再合流を「Not in this lifetime(今生では無いネ!)」とまで言い切ったガンズ。

ロックの殿堂入り式典でオリジナルファイヴとして同じ壇上に上がる事すら叶わなかったガンズ。

もうリユニオンとかどうでもいいから、みんな健康にそれぞれの音楽をやって、数年に一度は来日してくれたらそれでいいから、とまで思ったガンズ。

 

暗闇の中、各メンバーが配置に付くのが見える。

 

この人生ではありえなかった事が

誰かが死んで再現不可能になるはずだった事が

もう諦めていた事が

 

 

ついに今、この目の前に

 

 

照明がステージを照らし、怒号のような歓声の奥から鳴り響くベース音。

このツアーで不動のオープニング曲であるIt's So Easyのベースライン。

ステージを右から左へ見渡すと、たしかにアクセル、スラッシュ、ダフの3人が。

本当に来てくれたんだね…。

 

始まる前までは、あの3人が出て来た瞬間にちんこが 号泣昇天かな…などと思っていましたが、そのような事もなく興奮の嵐。

喉も裂けよとばかりにIt's So Easyを絶唱しておりました。

が、ふと横を見ると、くりこさんが大号泣中。

普段は店員さんを破竹の勢いで恫喝しているQueen Of 恫喝の彼女が泣いている姿を見て、事の重大さを再認識した次第。

まあ、そりゃ泣きますよね。

逆に自分がなんで泣いていなかったのか不思議です。

 

まあ、とにかくオリジナルスリーがかっこいいこと。

目の前で歌い踊るアクセルに失禁寸前です。

続くMr.Brownstoneでは場内を心地よいグルーヴで左右に揺さぶり、ガンズのライヴを観る喜びに4年ぶりに浸らせてもらいました。

鉄板のアペタイト曲2連発の後は、リユニオン後初となったTroubadour公演で披露され、世界中のガンズファンを驚愕させたChinese Democracyへ。

2002年に初めてガンズを観て以降、何度となくライヴで聴いてきた曲ですが、他ならぬスラッシュがメインリフをプレイするのを観て感無量。

スラッシュにとっても、“自分の関わっていないガンズ曲”という意味で、非常に新鮮さを感じる事ができたのではないでしょうか。

アクセルが歌う“自分の関わっていないスラッシュ/ダフ曲”というのも聴いてみたいところですが、今の時点でそれを望むのは時期尚早ですかね。

 

そんなChinese Democracy後半で事件発生。

 

なんと!

アクセルが突如として我々のいるブロックに向かって手を突き出し、激しく手を上下させたのです。

うわっ!なになに!

写真撮るのやめろって事?

 

2017年のライヴ初陣で早くもアクセルの機嫌を損ねてしまったのではないかと戦慄しましたが、そこからの展開は我々の想像の斜め上を行くものでした。

これからどのようなお叱りを受けるのかと身を固くしている我々に向かい、アクセルが取った行動は…

 

 

満面の笑顔でのお手振り!!

 

 

なんなんですか、このおじさんは…。

あまりの出来事に我々がいた一角は全員腰が抜ける始末。

ライヴそっちのけで「何?今の何?」という声が飛び交っておりました。

おじさん、可愛すぎるでしょう…。

 

このツアーを通して目立ったのが、アクセルの可愛すぎる挙動。

前述のお手振りは毎回見受けられましたし、それ以外にも

 

・スタッフ通せんぼ事件(スポットライトの当たらない場所で、ステージ袖に引っ込もうとするスタッフを全力で阻止。たぶん観客の2割も気付いてない)

・ぬこ帽子事件(猫が大量にあしらわれている帽子をかぶって登場。Don't Cryを歌いながら自分で猛烈に照れ笑いをしてしまい、観客全員を大虐殺)

・ダフの肩でひと休み事件(Sweet Child O' Mineのラストで、エンディングに向かってギターを弾きまくるスラッシュの姿を、ダフの肩に腕を置きながら見守る)

松方弘樹R.I.P.)事件(Sweet Child O' Mineのラストで、架空の釣り竿のリールを回して他メンバーを一般釣りしてご満悦)

・Sorry腕振り事件(Sorryのサビで、24時間テレビのラストにおけるサライの如く、左右に腕を振る事を観客に要求。ガンズ史上、最も陽気なSorryが誕生した)

・ノキノンひとり遊び事件(Knockin' On Heaven's Doorの演奏中、前述のSorryのように観客に左右に腕を振るよう要求。が、すぐに自分でリズムを思い切り乱してご満悦)

 

などの50過ぎの中年男性とは思えないような可愛い行動を連発。

ライヴが終わるたびに、「今日のアクセルも異様に機嫌がよかった!」という感想が飛び交っていました。

今までのアクセルのイメージからは想像がつかない行動に戸惑いつつも、ツアーを楽しんでいる雰囲気が伝わってきて嬉しかったです。

リユニオン以前も曲終わりで身体を揺さぶったり、陽気なおじさんの一面は垣間見えていましたが、今回の日本ツアーではそれが特に顕著だったような気がします。

ぬこ帽子アクセル、オフィシャルの映像で残ってたら最高なのにな…。

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(写真:ぬこ帽子で観客全員を虐殺したぬこおじさん)

 

冒頭から歌いまくり騒ぎまくりでライヴを楽しんでいた僕ですが、ついに涙腺崩壊の時間がやってまいりました。

7曲目に演奏された名曲Estranged。

ここでは溢れる涙をこらえる事ができませんでした。

僕のように英語の苦手な人間には耳慣れないEstrangedという単語。

そもそもどのような意味かと調べてみると…

 

es・tranged

/istréindd/
[形]〈夫・妻が〉別居している(主に新聞用語);〈人が〉(心情的に)遠ざかった, 疎遠になった*1;〈表情などが〉よそよそしい

 

と出て来ました。

親密な関係だった者同士が疎遠になってしまった状態、という意味で理解してよさそうですね。

この曲が収録されているのは、バンドが飛ぶ鳥を落とす勢いだった1991年に発表された『Use Your Illusion 2』。

普通に読めば、心が離れそうになっているカップルの関係を歌った曲だと理解する事ができそうですが、僕はこれはアクセルがバンドの行く末を案じている曲だと考えています。

 

「心は老いても 俺はまだ28歳」という歌詞から、アクセルがこの曲に取り組んでいたのが1990年前後だったのではないかと推測できます。

1990年頃のガンズに何が起こっていたのか?

ちょうどその時期、ドラマーのスティーヴン・アドラーが薬物依存の問題でバンドから解雇を言い渡され、『Appetite For Destruction』期のオリジナルファイヴが崩壊しています。

おそらく他のメンバーも同じように飲酒や薬物問題を抱えていたでしょうし、デビューアルバムが天文学的な成功を収めた事により、バンドを取り巻く環境の激変、各メンバーのエゴの肥大、次作へのプレッシャーなどにより、同じ家にメンバー全員で住んで練習に明け暮れていた下積み時代の連帯感は知らず知らずのうちに薄れていったのではないかと推測できます。

 

 

このままではバンドが潰れてしまう

 

 

そんな危機感を抱いたアクセルがラヴソングの形式を借りて書き上げた曲。

それがEstrangedなのではないか。

僕はそう考えています。

アクセルのPersonal babyと評され、あのイジーですら「長い曲なのにすべてのパートがスムーズに流れていて無駄がない」と絶賛する同曲ですが、楽曲の各所に登場する印象的なギターメロディは、アクセルがスラッシュに対して「すげえギターメロディを作ってくれ」と“発注”して出来上がったものだそうです。(歌詞カードには「スラッシュ、キラーなギターメロディをありがとう」とアクセルからのお礼が載っています)

スラッシュのギターメロディが印象的な楽曲は他にもたくさんありますが、わざわざEstrangedだけ発注エピソードが残っているのは何故か?

 

この楽曲に向き合って、俺の言いたい事を汲み取って欲しい

 

そんなアクセルの願いがあったのではないかな、と思ってしまうのは僕だけでしょうか。

アクセルの心情が吐露されていると思われる歌詞について触れていきましょう。

 

 Well I jumped into the river
 Too many times to make it home
 I'm out here on my own, an drifting all alone
 オレはそこを帰るべき家とするために

   何回となく川に飛び込んだ

   オレはここを出て オレ自身の中にいる たった一人で漂流してる

 

アクセルにとっての「帰るべき家」、これはガンズの事でしょう。

俺はバンドを守るために、ひとりで悪戦苦闘しているんだぞ!と他のメンバーに対してのあてこすり的なニュアンスも感じられます。

同曲のMusic Videoでアクセルだけが身体を張って海に飛び込むシーンがあるのは、ここの歌詞に由来しているのではないでしょうか。

「たった一人で漂流してる」というフレーズからは、バンドを運営していくにあたり、アクセルが感じていた孤独を感じ取れます。

 

  If it doesn't show give it time
 To read between the lines

 ここの意味がわからなかったら 時間をかけて

 行間を読み取ってくれ

 

わざわざ歌詞の内容に言及するという手法を取っており、アクセルにとって真意を伝えたい誰かが明確に存在していた事がよくわかります。

 


 I see the storm is getting closer
 And the waves they get so high
 Seems everything we've ever known's here
 Why must it drift away and die

    嵐が近づいてくるのが見える
 波もやけに高くなってきた
 オレ達の知ることのすべてがここにあるのなら
 それを漂わせたまま見殺しにするなんてことはできない

 

直前では「行間を読んでくれ」などと言っておきながら、ここはやけに直接的な表現ですね。

これからバンドが経験するであろう危機について警鐘を鳴らしています。

そして、このバンドがダメになっていくのを見過ごす事はできないという力強い決意。

アクセルがガンズという帰るべき家を守り通すという宣言をしているようです。

 

後年になって、メンバーへのインタビューや関係者の証言などから、各メンバーが保有するバンドに関する権利をアクセルが“強奪”したという事実が明らかになっていますが、どこかの時点でラインナップを守る事よりもバンドの名前を守る事の方がアクセルにとっての優先事項になったのかな…と考えられます。

話題となった「アクセル、Guns N' Rosesの名称買い取り事件」などはその最たるもので、自分がいれば法律的にガンズが成立するという誰にも手出しのできない状況を見事に作り上げました。

 

オリジナルメンバーがアクセルひとりとなった時期には、

 

ガンズのコピーバンド、独裁者、アクセルと愉快な仲間達

 

などと心無いロックリスナーからボロクソに言われていましたが、今回のリユニオンが実現したのは、その手法のすべてが正しかったとは言えないけれど、アクセルが必死にガンズという帰るべき家を守り通してくれたからではないかと思います。

僕は前のラインナップが大好きだったのですが、今回のリユニオンが発表された時、メンバー総入れ替えではなく、アクセルが守って来たバンドにスラッシュとダフが戻ってきた、という形になったのが本当に嬉しかった。

アクセルとディジー以外総入れ替えで、スラッシュ、ダフ、イジー(or ギルビー)、スティーヴン(or イルカおじさん)のラインナップだったりしたら、大喜びで「おかえりなさい!」とは叫べなかったような気がします。

アクセルが今まで頑張って来た事を全部チャラにしちゃうの!?ってガッカリしたはず。

いわゆるハイブリッドガンズと呼ばれるラインナップに落ち着いて本当によかった。

 

 

そんな個人的な思い入れのあるEstranged。

当然の事ながら、それまでの大騒ぎぶりはどこへやら。

唇を噛み締め、涙目になりながら聴いておりました。

(映像作品『Appetite For Democracy』は映画館で2回観ましたが、どちらもEstrangedで涙を流したのが僕です)

 

そして、僕の涙腺がついに決壊したのが

 

 I'll never find anyone to replace you
 Guess I'll have to make it thru, this time
 Oh this time without you

   キミの代わりなんて一生かかっても見つけられるはずがない
   だからオレはこの時を自分でなんとかしなければ
   Oh キミ無しで今は・・

 

「今回はお前たち抜きでやらなきゃいけないようだね」とアクセルが歌うこのパート。

アクセルは花道前方まで出て来て、この孤独な“Without you”という歌詞をマイクに乗せて我々に届けます。

しかし、その歌詞とは裏腹に、アクセルのすぐ後ろにはスラッシュとダフがしっかりと仁王立ちし、「もうお前はひとりじゃないんだよ」とでも言いたげな顔で演奏しているのです。

その姿に気付いた時、もう涙が止まりませんでした。

これはもう反則でしょう。

 

実はこの演出(なのかな?)に気付いたのは神戸公演だったのですが、それ以降の公演においてもアクセルが“Without you”という言葉を発する時には同じフォーメーションを取っていました。

その度に涙腺が危うくなり、この曲を聴いた5回中3回は涙を流すという有様。

おじさん達には本当にしてやられました。

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(写真:かっこよすぎるおじさん3人組)

 

ふと気が付けば、もう10000万字近くを費やしてしまいましたね。

ほとんどEstrangedについての妄想に近いような個人的な思い入れに終始してしまいました。

前回予告した大阪での奇跡やライヴの全体的な感想、その他もろもろのエピソードについては次回以降の記事に譲りたいと思います。

ここまで読んでくださった方、本当にありがとうございました。

街中で僕を見かけても、「このEstranged号泣おじさんがっ!」などと罵声を浴びせながら空き瓶などを投げないようにしてください。

イジメ、ダメ、ゼッタイ。

*1:from ...

Welcome Back To The Japangle Part 1

みなさん、生きてますか。

とんでもない2017年最初の1ヶ月でしたね。

残り11ヶ月をどうやって生きていったらいいんですか。

冒頭にいきなりクライマックスをぶち込まれても困るんですよ。

 

という訳で僕です。

待望の…という形容詞が陳腐に感じるほど待ち侘びたGuns N' Roses日本ツアーを観てまいりました。 

彼らが3都市以上を回る日本ツアーを敢行するのは2007年夏以来。

今回は大阪、神戸、横浜、さいたまの4都市5公演を9日間で駆け抜けるというスケジュール。

関係各所を拝み倒して休みを取り、総額20万円を超えるチケット代に青息吐息となりながらも全5公演完走する事ができました。

各公演の詳細なライヴレポなどは僕の力量では不可能なので、自分の眼を通して見た今回の日本ツアーについて思いつくままに書いていきたいと思います。

非常に長くなりそうなので、できれば何回かに分けて書いていきたい気持ちのマイハートです。

 

 

2017年1月20日(金)

 

一生忘れられないであろう9日間はこの日の夜から始まりました。

完全にうわの空で仕事を終え、前日から職場のロッカーに入れておいた私服に着替えると、何度も何度もチケットを確認してから品川駅へ。

現地で友人のくりこさん(元ソフトボール部)と合流し、駅弁とビールを手に意気揚々と新幹線に乗り込みます。

思えば2007年の日本ツアーを一緒に回ったのも彼女でした。

約10年ぶりのガンズおっかけだと思うと、時の流れの速さを実感いたします。

 

僕もくりこさんもアクセルとスラッシュが並び立つ姿を観るのは初めて。

ビールを飲みながら明日のライヴについて語らっていると、新幹線はついに運命の地 新大阪駅に到着。

この時点で時刻は21時半頃でしたが、とりあえずホテルにチェックインを済ますと、そこからロックバーを2軒ハシゴ。

2軒目に訪れた老舗ロックバーでは、カウンター前に山村紅葉に酷似した人物が立っており、「うわー!ミステリーの女王の愛娘やー!」などと驚愕したのですが、よく見ると元Faster Pussycatのブレント・マスカットが遊びに来ていただけであり、ものすごく上機嫌で写真撮影などに応じていました。

Faster Pussycatなど微塵も聴いた事がないであろうくりこさんも「デビュー当時からのファンです」とでも言いたげな顔をしてツーショットを撮ってもらってご満悦。

初日からロックスターに遭遇するという幸先の良いスタートを切る事ができました。

なんやかんやでホテルに戻ったのが午前3時過ぎ。

今になって思えば、睡眠時間の少ない9日間はここから始まったと言っても過言では無い…。

 

 

2017年1月21日(土)

 

Guns N' Roses日本ツアー初日 京セラドーム公演当日。

体調を崩す事なく、無事にこの日を迎えられた事に心から感謝しました。

万が一の事があってはならぬと、こまめにうがい手洗いに勤しみ、よく火が通った食べ物しか口にせず、保険適応外で処方してもらったタミフルを飲み、段差での転倒や交通事故などに細心の注意を払って生活してきた甲斐があるというものです。

朝食を手早く済ませると、同じホテルに泊まっていたフォロワーさんも誘って3人でタクシーに相乗りして京セラドームへ向かいます。

ちなみに今回2泊した梅田某所にあるビジネスホテルですが、検索エンジンでホテル名を検索すると「ホテル名 幽霊」という素敵なワードが浮かび上がり、怖がりなくりこさんを恐怖のどん底へと突き落としていました。

 

関東では絶滅したはずの二重駐車という道路交通法どこ吹く風な荒業をタクシーの車窓から目撃し、「やっぱり大阪はすごいナー」などと感心しているうちに京セラドームに到着。

閑散としていた2009年の同会場公演の光景が嘘のように、数多くのファンが早くから集散し、特設ボードの前で記念撮影などに興じていました。

サポートアクトのBABYMETAL効果もあるのでしょうが、この様子ならガラガラの客入りに気まずい思いをする事もなさそうです。

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 (写真:撮影スポットや待ち合わせ場所に大活躍の大型看板)

 

スタンディングエリア30000円(公演により若干の差あり)という強気の価格設定が話題となった今回のツアー。

VIPスタンディングと銘打たれたチケットですが、実際には単なるスタンディングエリアの入場券であり、3万円払った人達が押し合いへし合いでボロ雑巾のようになるというVIP=Very Important Personの語義を根本から覆すキチガイのような 画期的なアイデアに驚嘆した次第です。

さらに熱心なファン向けにアップグレードチケット3種類まで販売され、我々の家計は破綻寸前にまで追い込まれる危機的状況。

記念すべき初日は最高の環境で体験したいと思い、約70000円を投じてアップグレードAを購入いたしました。

20世紀最大の音楽家のひとりとして永遠にその名を残すであろうポール・マッカートニー卿の来日公演18000円を3回観てもまだ余るという狂気の値段設定ですが、今回のリユニオンが実現するまでは「アクセルとスラッシュがいるガンズを観れるなら50万出してもいい!それでも安い!」などと嘯いていた僕です。

余裕の表情を浮かべながら、冬のボーナスを見込んで次々とアップグレードチケットを購入し、朝昼晩と醤油を染みこませたポケットティッシュを食べるという日々を送りました。

ちなみにアップグレードチケットの最上位であるAは、

 

・バックステージツアー(ステージ上での記念撮影付き)

・特設ラウンジでの飲食の提供

・グッズの優先購入

・専用エリアへの優先入場

・おみやげ

 

などの権利が付属しており、目玉であるバックステージツアーはファンならば一度は夢見た事があるであろうプレミア感のある企画。

さすがに全公演Aだと確実に破産するので、神戸は指定席、横浜およびさいたまはVIPスタンディングを優先入場権が付属しているCにアップグレードするという作戦で、出費を抑えつつ最前列を狙っていく事にしました。

結果的にこの作戦が功を奏し、大阪、横浜、さいたま初日を最前列で観る事に成功。

決して法外な値段ではなかったと思えるほどの満足感を覚えました。

 

先物販開始の時間が近付いてきたので、アップグレードAB(Cだけは優先販売の対象外)が集まる専用列へ。

並んでいたのは約20名ほどだったでしょうか。

地獄のようなBABYMETAL行列を尻目に、まったくストレスを感じる事なく買い物を完了いたしました。

事前の計算では物販でも正気の沙汰ではない金額を使う見込みだったのですが、蓋を開けてみれば全5公演で5万円未満に抑えるという大ファインプレイ。

持ち帰りが大変そうなリトグラフなどを諦めたのが功を奏した結果のようです。

ちなみに僕の周りの最高額は10万円弱。

ちょっとした家賃のような金額をティーシャーツなどに費やす漢気に乾杯しましょう。

 

お目当ての品を購入し、物販ブースから脱出して来た我々。

一般列に並んでいるフォロワーさんに挨拶をしに行く事といたしました。

買ったばかりのグッズを片手に一般列へ向かうと、そこには出荷を待つ家畜のように 日本人らしく整然とした長蛇の列が。

その先頭にいるのが某GN'Rトリビュートバンドのアクセル役とスラッシュ役のお二方。

聞けばアクセル役のお方は朝8時から並んでいるとの事。

この時点ですでに5時間ほど並んでいる計算になります。

開場時間はさらにその3時間後。

のっけからこんなに無茶をして体力が保つのか他人事ながら心配になります。

 

このエピソードには後日談がありまして、先頭に並んでいた(有)石井商会あくせるさん(面倒なので実名を出します)は、グッズを購入した僕とくりこさんが余裕の笑みを浮かべながら近付いて来る姿を見て、「あ。すべてをお金で解決する人達だ。憎い。非常に憎い」と修羅の心境となり、その場で他公演のアップグレードBを購入するという荒業で物販行列問題を金銭で解決したそうです。

ちなみに石井商会あくせるさんは、奥様にバレないようにカードの締め日などを入念に確認してから各種買い物を済ませる慎重派。

さいたま公演初日の終演後、Knockin' On Heaven's Doorの合唱パートでスクリーンに大写しになった事を喜びつつも、

 

「カミさんには指定席だと言ってあるので、あの映像が世に出たらまずい事になる」

 

と非常に深みのある表情で語っていた姿は、今回の日本ツアーにおける個人的MVPとして永遠に記憶の中に留まり続けるでしょう。

良い子のみなさん、将来はこういう気の毒 素敵なおじさんになれるように頑張ってくださいね。

 

関西ガナーのみなさまや他地域からの遠征組のみなさまに挨拶しているうちにアップグレードAの入場時間に。

誓約書にサインをさせられた上、身分証を確認されるなど物々しい雰囲気にビビりつつも、無事に手続きが終了し、リストバンドを巻いてもらっていよいよ京セラドームの中に足を踏み入れました。

バックステージツアーの準備が整うまで会場内待機です。

ちなみに期待していたおみやげはベースボールキャップ

ただでさえベースボールキャップなどをかぶるキャラではないのに、誇らしげに刺繍されたVIPの文字がキツさに追い打ちをかけます。

これがあと3個も我が家に来るのか…と思うと目眩すら覚えるレベル。

アメリカツアーは写真集とか入っててすごく豪華だったのにー。

大満足だった今回のツアーで数少ない不満点がこのおみやげ。

少なくとも僕の周りで喜んでた人はいなかったですよ。

 

まあ、そんな不平不満はさておき、話をバックステージツアーに戻しましょう。

係員の先導で列が動き出し、スタンド席の階段からグラウンドへゆっくりと降りて行くアップグレードAチーム。

緊張のあまり足が震え、このまま階段から転げ落ちて四肢を複雑骨折、1公演も観れずに奇跡のリユニオンツアー終了、己の骨がリユニオンするのを待ちわびる日々…という悲劇が起こるのではないかと真剣に心配していた事を告白いたします。

 

グラウンドに鎮座する巨大なステージセットや整然と並べられた膨大な数のパイプ椅子、そして四方を取り囲んだ無人のスタンド席という光景はまさに圧巻。

学校の社会科見学などもそうですが、普段は入れない空間に入れてもらうという体験は非常に興奮しますね。

数時間後にはこの空間が何万という人々で埋め尽くされるのだと思うと、かろうじて静けさを保っているこの瞬間が非常に貴重なものに思えました。

 

アリーナ席、スタンディングエリアを通り過ぎ、さらにはステージセットまで通り過ぎ、客席からは窺い知る事のできない裏手へ回る我々。

先程までは日本人スタッフの姿が目立ちましたが、裏手に回るとそのほとんどがガンズ側スタッフと思しき外国人ばかり。

バンド側の領域に足を踏み入れたのだナーと緊張感が高まります。

 

そして、ステージ裏に設置されたスロープを登ると、少し前までガンズメンバー達がサウンドチェックをしていたであろうステージに出ました。

ドーム公演なので当たり前の話ですが、とにかくデカい。ひたすらにデカい。

端から端まで何メートルあるの?と言いたくなるような大きなステージで、こんなところで息の合った演奏をするプロのミュージシャンって本当に凄いな、という素朴な感想を抱いたのが僕です。

すぐに写真撮影が始まったので機材をじっくり見ている時間はなかったのですが、ディジー・リードのキーボードにDFR(Dizzy Fuckin' Reedの略かな)という文字が入っていたのと、ステージモニターのひとつにGuns N' Roses AC/DCという文字がプリントされていたのが印象に残っております。

余談ですが、ステージ上から素早くスタンディングエリアの形状を確認し、確保したいポジションの目星を付ける事も忘れませんでした。

 

ステージ最上段に並ばされ、流れ作業的に記念写真をバシャバシャ撮られる我々アップグレードAチーム。

後日、出来上がった写真を見ましたが、驚くほど引きの構図となっており、可能な限りズームしても「あ。これは俺だね」程度の1枚となっておりました。

バックステージツアーに同行したスタッフさんからは撮影禁止を厳命されていたのですが、特別に自撮りを1枚だけ許可するという太っ腹なんだか何なのかよくわからないお許しが出たため、ガンズのロゴが映し出されたスクリーンをバックに自撮りさせていただきましたよ。

が、スクリーンが巨大すぎて、どんなに腕を伸ばしてもロゴの全体像をフレームに収める事は不可能。

ステージ上での自撮り感が微塵も感じられない1枚がスマホに保存される事となりました。

 

最大の目玉であるバックステージツアーが終わり、次はParadise Cityラウンドと名付けられた飲食スペースへ。

ここではアルコール類を含めた飲食物が無料で提供されるのですが、最大の懸念事項であるトイレ問題を危惧した僕とくりこさんはコップ1杯の水しか口にしないというストイックさを発揮。

基本的にはビールがあればいくらでも飲んでしまうのが我々ですが、ガンズのライヴを目の前にするとここまで自制心が働くものかと自分自身でも感動いたしました。

やればできる。

「約7万円の水。約7万円の水」と念じながら飲んだお水の味は格別でした。

 

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 (写真:飲み食い自由のパラダイスことParadise Cityラウンジ)

 

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 (写真:Paradise Cityラウンジ内で唯一の見所)

 

楽しげに飲み食いしている人達を尻目に、まるで計量直前のボクサーのように1gでも減らそうとトイレで水分を絞り出すこと数回。

ついに入場の時がやってまいりました。

しかも、今回は整理番号1番という奇跡が起こり、アリーナに最初に足を踏み入れるのが他ならぬ自分な訳であります。

生まれて初めての整理番号1番がガンズだなんて夢にも思いませんでした。

そもそも、こういう番号っていうのは業界にコネがあったり、反社会的組織のお方だったりしないと手に入らないものだと思っておりました。

ガンズの公式ファンクラブNightrainに感謝しないといけませんね。

50ドルのティーシャーツを送ってくるだけのファンクラブとか言ってすいませんでした。

 

Paradise Cityラウンジを出て、スタッフに先導されながら再びグラウンドへ向かう我々。

緊張のあまり腰が抜けてその場にへたり込み、整理番号1番なのに全員に抜かされるなどという失態を晒す事の無いよう気を確かに持って一歩一歩確実に進んでいきます。

頭の中ではMegadethの名曲“Crush 'em”の「Enter the arena and hit the light」というフレーズが延々とリピートされ、身体の震えが止まりません。

今日はとにかくアクセル前狙いという事だけは決めていたので、入場したら黒豹のような俊敏な動きでお目当てのポジションへ走り込むだけです。

 

アップグレード組専用のエリアの目の前まで来ると、左右に分かれたブロックのどちらを選んでも良いという内容の説明を受け、いよいよ入場スタート。

迷う事無く右手ブロック、つまりスラッシュ側を選択し、アクセル前の柵に飛び付く事に成功。

あまり運動神経の良くなさそうなくりこさんも無事に僕の隣りをゲットしました。

ほどなくしてアップグレードCの入場も始まり、見知った顔が次々と最前列の柵を確保する姿に心の中で大拍手。

朝8時から物販に並んでいた石井商会あくせるさんも最前列をゲットしたひとりでしたが、入ってきた時点でもう死にそうな顔をしており、アップグレードで優先的に買えた喜びに改めて浸る事ができました。

石井さん、その節は誠にありがとうございました。

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(写真:とにかくアクセルを近くで見たい一心で確保したステージ前)

 

と、ここまで書いた時点で約6500文字。

ライヴにたどり着く前にパート1終了となりました。

次回はライヴを観ながら思った事を中心に書きたいと思います。

そして、大阪で起こった奇跡とは!?

パート1だけで終わらないように頑張りたい。

 

「ここまで読ませて開演すらしてないんかーい!」という批判は甘んじて受けます。

では、おやすみなさい。

君はWe don't need no educationと歌った

どうも。

薄々お気付きかもしれませんが、僕です。

2016年師走、いかがお過ごしでしょうか。

 

それにしてもアレですよね。

社会生活を送る上で、非常に邪魔くさい輩っていますよね。

そう。具体的に言えば、歩き煙草の馬鹿、傘水平持ちのキチガイ、電車巨大リュックの非国民などです。

あんなもの世が世なら切り捨て御免でセイグッバイといったところですが、法治国家ではなかなかそうもいきません。

 

それではどうすればいいのか。

その答えはズバリ

 

教育

 

それしかないでしょう。

子供の頃から歩き煙草、傘水平持ち、電車巨大リュックなどの蛮行は許されざる社会悪であるという認識を持たせる必要があります。

とはいえ、親や教師が熱心に説いたところで相手は子供。

糠に釘、暖簾に腕押し、ということにもなりかねません。

子供が興味を抱くツールを用いて教育的効果を得るべきなのではないでしょう。

そのツールとはなにか?

わたくしはズバリ

 

童話

 

だと考えております。

百聞は一見にしかず。

サンプル代わりに一話こしらえてみました。

よろしくお願いします。

 

 

 

『はたらきアリとキリギリス』

 

 

はたらきアリたちは毎朝電車に乗ってお仕事に行きます。電車の中はたくさんのアリたちでぎゅうぎゅうです。

でも、そんなにつらくはありません。他のアリの迷惑にならないように、みんながおたがいに気をつかっているからです。

 
今日もはたらきアリは電車に乗ってお仕事に行きます。
駅につくとドアが開いて、またたくさんのアリが乗って来ました。
ドアが閉まり、電車が動き始めると、どこからか「いたいっ」という悲鳴が聞こえてきました。
いったいどうしたのでしょうか。
 
声の主はいっぴきのはたらきアリでした。
とても痛そうな顔をしています。
そのとなりにはいっぴきのキリギリスが立っています。
大きな大きなリュックサックを背負っています。
このリュックサックがいきおいよくアリにぶつかったようです。
 
「キリギリスさん、そんな大きなリュックサックを背負ったまま電車に乗ったらあぶないよ」
「電車に乗るときはからだの前にリュックサックを抱えないと迷惑になるよ」
 
周りのアリたちが口々にキリギリスに文句を言いました。
しかし、キリギリスは聞く耳を持ちません。
 
「ぼくはね、君たちとちがってこれから遊びに行くんだよ。遊ぶための道具がたくさん入っているのさ。」
 
その次の日もその次の日も、キリギリスは大きなリュックサックを背負って電車に乗って来ます。
アリたちはキリギリスのリュックサックにぶつかられたり、押しつぶされたり、さんざんな目にあってしまいました。
 
そんなある日、いつものようにアリたちとキリギリスが電車に乗っていると、とつぜんガタン!という音がして、すごいしょうげきが乗客をおそいました。
なんということでしょう。
電車が脱線してしまったのです。
電車は横向きにたおれ、線路のわきにとまりました。
 
「いたたたた。みんな、だいじょうぶか?」
 
リーダーのアリが立ち上がり、他のアリたちを助け起こして回ります。
少しけがをしているアリはいましたが、どうやらみんなだいじょうぶだったようです。
ほっとしたのもつかのま、どこからかアリのさけび声が聞こえました。
 
「火事だ!にげろにげろ!」
 
たいへんです。
黒いけむりがもくもくとあがっています。
しかし、横倒しになった電車のドアは開きません。
どこから外に出たらいいのでしょうか。
こわくてこわくて泣きだすアリもいました。
 
「ここから出られるぞ!」
 
リーダーのアリがさけびました。
ぶつかったはずみでできたのでしょうか。
電車の天井だったところに、なんとか通りぬけられそうな穴が開いています。
 
のんびりしているひまはありません。
アリたちは巣に戻るときのように列をつくり、スイスイと穴を通って外にでました。
みんな逃げることができたので、リーダーのアリも外にでました。
 
「よかったよかった」
 
みんなでぶじをよころんでいると、いっぴきのアリがいいました。
 
「あれ?キリギリスはどこだい?」
 
まわりをさがしましたが、キリギリスはどこにもいません。
逃げおくれてしまったのでしょうか。
 
「おーい!キリギリスやーい!」
 
みんな、あわててキリギリスの名前を呼んでいます。
けむりはどんどん大きくなり、今から水をくみに行っても間に合いそうありません。
もうダメかと思ったそのとき、穴からキリギリスの声が聞こえました。
 
「おーい!たすけてくれー!」
「よし!たすけてやるぞ!」
 
アリたちは穴に手を入れ、ちからを合わせてひっぱります。
 
「よいしょよいしょ」
 
穴からキリギリスの頭が出ました。
 
「よいしょよいしょ」
 
穴からキリギリスの右手が出ました。
 
「よいしょよいしょ」
 
穴からキリギリスの左手が出ました。
 
「よいしょよいしょ」
 
キリギリスのからだは出てきません。
アリたちはさらにちからを合わせてひっぱります。
 
「よいしょよいしょ」
「いたいいたい。からだがちぎれる」
 
キリギリスがひめいをあげます。
 
「よいしょよいしょ」
「あついあつい」
 
キリギリスがひめいをあげます。
がんばっていたアリたちもあまりのあつさにがまんができなくなりました。
 
「こりゃたまらん」
 
電車ははげしくもえあがり、かわいそうなキリギリスのすがたは見えなくなってしまいました。
そのとき、アリたちはきづきました。
 
「キリギリスのからだが出てこなかったのは」
「リュックサックがじゃまだったんだ」
 
なんということでしょう。
かわいそうなキリギリスは、リュックサックのせいで逃げおくれてしまったのです。
アリたちの言うことを聞いていれば、こんなことにはならなかったのに。
 
 
アリたちは今日も電車に乗ってお仕事に行きます。
リュックサックを背負ったアリはいっぴきもいないようです。
 

 

 

 

いかがでしたか。

巨大リュックの罪深さを少しでも感じ取ることは出来たでしょうか。

仮に全国の小学校にこの作品を置いた場合、わたくしの懐にはいくら入るのか。

それだけが気になっております。

よろしくお願いします。

November Rainに濡れたNovember

どうも。僕です。

ふと気が付けばもう師走。

残りひと月ほどとなった2016年、みなさまにおかれましてはどのような年だったでしょうか。

 

我々ガンズファンにとっては、本当に生半可な言葉では言い表せないほどのビッグイヤーになりましたね。

去年から噂はちらほら出ていて、だんだんと外堀が埋まってきた感はあったものの、やはり年明けにスラッシュ&ダフの復帰が発表された時は「ついに歴史が動いた!」と震えました。

リユニオンが発表された夜、渋谷のタコベル(タコス専門店。アクセルの大好物)に集まり、ガンズファンのみなさんとお祝いをしたのですが、「アクセル、こんなの食ってて痩せる訳がねえ…」と心配になるような見事なまでの高カロリー飯。

ライザップをやれとは言わないけれど、せめてタコベルは月1くらいにしておけと言いたい。

 

莫大な興行収入を叩き出しながらアメリカ大陸を熱狂の渦に叩き込んだ『Not In This Lifetime』ツアー。

年明けにはいよいよ日本上陸です。

この瞬間を何年待ったことでしょう。

アクセルとスラッシュ、そしてダフが並び立つ光景を観た後、ついに夢が叶ったと燃え尽きてしまうのか、はたまた更にガンズ熱が高まるのか。

自分がどのような心持ちになるのかまったく想像できません。

オープニングのIt's So Easyで絶命昇天しないことを祈るばかりです。

 

あと、2002年~2012年のガンズ来日公演を「ガンズ?スラッシュいないんしょ?観る価値無し」などとほざいてスルーしていた方々。

今回はどうするのでしょうか。

などと底意地の悪いことを言っておりますが、世紀のツアーなのでひとりでも多くのガンズファンに集まっていただきたい。

観れるはずのなかったものが観れるなんて素敵じゃないですか。

 

 

そんな具合で来日に向けてガンズ熱が高まっている今日この頃。

「今会いに行けるGuns N' Roses」(勝手に命名)ことGunmen Showersさん(通称 ガンシャ)のライヴを観に行ってきました。

今年最後のライヴとなるワンマン公演。

会場は日本屈指のお洒落タウン代官山のライブハウス『晴れたら空に豆まいて』。

だっさいコートの下にGuns N' Roses公式ファンクラブNightrainのだっさいティーシャーツを着込み、コンプレックスで濁りきった眼をしながら代官山の駅に降り立ってやりましたよ。

 

ライヴに先立ちまして、いかにも代官山という雰囲気の洒落た和菓子屋さんで、とある集まりが。

約1時間半に渡ってガンズ話に華を咲かせました。

詳細については控えますが、非常に貴重な体験をさせていただきました。

ちなみに団子が美味しかったです。焼きたての団子の柔らかさ、ヤヴァイ。

 

和菓子屋さんを出て、友人のくりこさん(Master Of 恫喝)と合流。

開場の17時半までは今しばらく時間があるため、文筆家の志村つくねさんもお誘いして近くのお店でビールなぞを飲むことに。

とはいえ、持っている衣類の8割がバンドティーシャーツというわたくし。

こんなお洒落タウンで気軽に入れるお店を知っている訳がありません。 

しかし、そこはさすがのくりこさん。

代官山に似つかわしくないビールの安いお店をすでにリサーチ済みでした。

出来る女です。

 

ある種の障害レベルで方向音痴のくりこさん。

Googleマップという文明の利器を凝視しながら移動開始です。

この人は地図があっても当たり前のように迷うので、「方向合ってる?」「マップ上の丸印動いてる?」としつこいくらいに確認して万全を期するわたくし。

この冷たい11月の雨の中、わたくしとくりこさんだけならまだしも、志村さんまで路頭に迷わせてしまう訳にはいきません。

 

Googleマップを起動させたスマホを片手に、何かに導かれるように代官山の街を我が物顔で進んで行くくりこさん。

「次の大きい通りを左折だよ」と目的地が高いことを我々に告げます。

 

が、いつまで経ってもその大きい通りが見えてきません。

非常に嫌な予感がします。

「大丈夫?現在位置わかってるんだよね?」と訊くと…

 

 

「あっ!反対側に来ちゃった!」

 

 

なんなんですか、この役立たずの女はこの驚異の方向音痴ぶりは。

気が付いたら柔道の払い腰の要領でくりこさんを代官山の往来に打ち捨てておりました。

中島みゆきの名曲『わかれうた』の歌詞の如く、路に倒れて誰かの名を呼び続けるくりこさん。

志村さん、その節は本当に申し訳ありませんでした。

 

このような方向音痴の愚か者にこれ以上頼るわけにはいきません。

仕方がないので近くでビールを飲めそうなお店を探すことに。

もちろん代官山などというお洒落タウンに土地勘は皆無なので、来た道を戻りつつ、それらしいお店を物色します。

しかし、カスみたいなデザインのバンドティーシャーツに身を包んだ我々には敷居の高いお店ばかりで、店のドアを開けた瞬間にテクノカットのボーイに猛烈な前蹴りの連打で追い出されそうな予感しかしません。

くりこさんも「こんなお洒落な建物は手抜き工事で倒壊して欲しい」などという意味の呪詛を繰り返し呟いている始末。

 

くりこさんの方向音痴のせいでビール1杯飲めないのかよ、と非常に悲しい心持ちとなり、改めて払い腰で投げ捨てようかと思ったその刹那、華やかな表通りからは隔絶されたような昔ながらの横道にたこ焼き屋があるのを発見。

まさに砂漠の中のオアシス。

まさにしらす干しの中の小さい蟹。

ビールを飲みたい一心でたこ焼き屋へ駆け寄る我々。

こんな素敵なスポットがあるなんて代官山も捨てたもんじゃありません。

 

が、その店構えを目にして愕然。

なんと店の中に座席は存在せず、注文カウンターの前にテーブルと椅子がいくつか並べてあるという野ざらし営業スタイル。

天気の良い昼下がりならいいのでしょうが、冷たい雨の降りしきる夕刻にふさわしい雰囲気ではなさそうです。

 

「馬鹿じゃないんだから、こんな寒いのに野外は無理だよっ!」

 

と吐き捨てて立ち去ろうとしたのですが、冷たい雨の降りしきる夕刻に野外でたこ焼きを食べている気の毒なフォロワーさんを発見。

前言を速やかに撤回いたしました。

どうやらお洒落なお店ばかりで気後れしてしまい、ここに腰を落ち着けるしか選択肢が無かった模様。

笑顔で挨拶してくれましたが、その心の中では血の涙を流しているのが見えました。

代官山、本当に罪深い街です。

 

その後、ビールを飲ませてくれるお店(屋根付き)を見つけ、2杯ほど補給することに成功。

やはりロック話をしながら飲むビールの味は格別です。

大阪出身の志村さんから大阪城ホールで観るライヴの楽しさについてご教示いただき、好きなバンドの大阪城ホール公演を観に行くという新たな目標が生まれました。

Aerosmithあたりで達成できたら嬉しいナーなどと思っております。

 

そうこうするうちに開場時刻を回ったので、ビールを飲み干して『晴れたら空に豆まいて』へ。

初めて来る会場だったのですが、フロア後方にお座敷が2箇所あるなど一風変わった造りでした。

詳しい方がおっしゃるには、普段はシンガーソングライター系のアーティストなどで演奏している会場だそうで、ガンシャさんのようなハードロックバンドが出演するのは珍しいんだとか。

 

少し順番が前後してしまいましたが、チケット代金を支払って会場内に入ると、ピクセル(いわゆるドット絵)で描かれたアクセル、スラッシュ、ダフが我々を出迎えてくれました。

見てください、この可愛さを。

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作者はピクセルアーティストtakekiyoさん。

Twitterをやっている方であれば一度は目にしたことがあるかもしれませんが、ガンズに限らず様々なミュージシャンを可愛らしくピクセル化した作品を発表されている天才アーティストです。

ガンズの『Appetite For Destruction』のスカルクロスをピクセル化したティーシャーツはまさに珠玉の出来。もう1枚買っておけばよかったと思うほど気に入っております。

takekiyoさんご本人はとっても気さくな方で、わたくしのTwitterアイコンがアクセル&スラッシュに挟まれているというデザインのポストカードをプレゼントしてくださいました。

ありがとうございました。大切にします。

 

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takekiyoさんのガンズ愛溢れるアートを堪能した後は、今年ガンズ・アンド・ローゼズとの30年』を出版された音楽ライター増田勇一氏によるDJタイム

言わずと知れた日本におけるガンズの第一人者であります。

あのアクセル・ローズにインタビューをした数少ないジャーナリストといえば、その凄さが伝わるのではないでしょうか。

わたくしは増田さんが編集長だった時代の『Music Life』を読んで青春を過ごした人間ですので、2年ほど前に某ロックバーで初めてお会いした時は本当に感激いたしました。

その尊敬する増田さんと敬愛するGunmen Showersのコラボレーション。

どう考えても素敵な夜になる予感しかいたしません。

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 (写真:このままtrfに加入できそうなDJスタイルを披露する増田さん)

 

バーカウンターでビールをもらい、フロア前方のテーブル席を確保。

テーブルにはキャンドルの炎が揺らめき、非常に良い雰囲気であります。

スペシャルゲストDJ増田さんの1曲目は…

 

Nine Inch NailsのHead Like A Hole!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

好みすぎる選曲にテンション上がりまくる我々。

自然と身体が揺れ、口は知らぬ間に歌詞を追っていました。

その後もJane's AddicitonやAlice In Chainsなどの名曲オンパレード。

詳しい選曲については増田さんご本人がアップをしてくださっているので、そちらをご参照ください。

 

note.mu

 

すでにお気付きかと思いますが、ガンズファンであればその関係性を指摘できるバンドや楽曲が並んでおります。

中でも増田さんが「最近のバンドに聴こえなかったでしょ?」としてやったりだったのが、UK出身の新世代グラムロックバンドThe Struts

リユニオンガンズの北米ツアーでオープニングバンドに抜擢された期待の若手バンドであります。

来年2月には初となる日本ツアーを控えている彼ら。

のちのち「ストラッツをあんな小さな会場で観れたなんて奇跡だよね!」というレベルのバンドに成長するポテンシャルを間違いなく秘めているので、気になっている方は是非とも足を運んでみてください。

 

 

増田さんのDJセットラストはAC/DCのSin City。

曲が終わると場内の照明が落ち、ステージを覆い隠していたスクリーンが上昇して行きます。

ステージ上のメンバー達はすでに準備万端。

ベースのDuffyさんが勢い良く刻み始めたベースラインは…

 

Right Next Door To Hell!!!!!!

 

本家ガンズでは限られた時期にしか演奏されていない曲ですが、ファンの間では人気の高いスピードチューン。

ここで一気に勢い付いたガンシャさんは、Welcome To The Jungleを皮切りに『Appetite For Destruction』ナンバー5連発。

一見さんの多いイベントなどで ガンシャさんが良く使う手法ですが、これをワンマンでやると更に場内が熱くなることがよくわかりました。

 

Out Ta Get Meの前には「この曲を君達を抑えつけようとする連中に捧げるよ。君達にどう生きるべきか、何を着るべきか、どう話すべきか、口にしていい事と悪い事、そんなのを教えてくれる連中さ。個人的にはそんなのはちっとも必要としてないね。そんなクソみたいな連中は俺の人生には不要なんだよ」というアクセルの神MCも披露。

この神MCを見たい方は88年NY Ritz公演を是非。

You're CrazyはNaxlさんの「これでもくらえ!」でスタート。

この方は本当にアクセルを良く研究しているナーと感心します。

 

『Appetite For Destruction』5連発の後は、92年の東京ドーム公演でアクセルがやったのと同じ、「新しいビデオの曲だ」というMCに導かれてDon't Cryへ。

Izzlyさんのイントロアルペジオで場内がメロウな雰囲気に一変。

最後のパートでスタジオ版のように音を伸ばすNaxlさんも良かったナー。

 

Pretty Tied UpとMy Michelleで再びハードにロックした後は、Gunmen Showers恒例のお楽しみコーナーへ。

そう。DuffyさんのMCの時間です。

「はいっ。そういったわけでございましてね!」というお馴染みのフレーズを枕詞に、某携帯電話会社への恨みつらみを悲痛な表情で語るDuffyさん。

テレビCMでは、加入者には牛丼やらアイスクリームやらの無料クーポンが贈呈されるなどと景気の良いことを言っておりますが、Duffyさんのところには一度もメールが届いたことが無いとのこと。

ギターのGaslashさんがアイスをもらったことを知ると、「友達やめようかな…」と悲しげに吐き捨てるなどバンド存続の危機を迎えましたが、その怒りは疾走パンクチューンAttitudeを絶唱して解消することに。

 

お前の言うことなんて信じられねえよ

お前がそんな態度のヤツだからさ

 

まさにDuffyさんの心境そのものでしょう。

某白い犬の携帯電話会社さん、Duffyさんにも無料クーポン送ってあげてください。

よろしくお願いいたします。

 

そしてGaslashさんのスパニッシュソロ、それを盛り立てるMadlerさんのダイナミックなドラミングが見せ場のDouble Talkin' Jiveを経て、陰鬱なアルペジオの調べと共にCivil Warがスタート。

この流れは92年の東京ドームを意識したもので、ガンシャさんメンバー的にも思い入れがあるとのこと。

つい先日、メキシコにて幕を閉じたガンズのラテンアメリカツアーにおいて、この曲の歌詞を変えてトランプ次期アメリカ大統領を非難するという場面があったようですが、世界情勢の緊迫度が増す中、この曲がオバマ政権時代以上にリアルに響く世の中がやって来ないことを祈るばかりです。

 

戦争の欺瞞を鋭く糾弾するCivil Warに続くのは、『Appetite For Destruction』の最後を飾るダンスチューンRocket Queen

重心の低いグルーヴィーな演奏でオーディエンスを横に揺らした後は、一気に希望へ満ちたパートへと展開。

Naxlさんのアクションに合わせ、客席でも無数の拳が突き上げられます。

最後のパートを見事に歌い上げ、Gunmen Showers第一部終了。

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この日のライヴは2部構成となっており、第2部の開幕までは再び増田さんのDJタイム

ハード系の曲で攻め立てたオープニングのDJとは趣向を変え、今度はメロウな曲が多めのチョイスとなっておりました。

しかし、ガンズと関連のある楽曲またはバンドという点は一貫しており、ただのBGMとして聴き流すのは不可能なプレイリスト。

Pink FloydのWish You Were Hereは名曲だナー、と改めて思いました。

 

先月、感動的な来日公演を終えたばかりのManic Street Preachersの大名曲Motorcycle Emptinessで血の涙を流し、息も絶え絶えとなった頃にGunmen Showers第2部の幕開け。

第1部と同じように白いスクリーンがゆっくりと上がり、徐々にステージの様子が見えてきます。

が、先ほどと何かが明らかに違う。

ステージ中央に鎮座した黒光りする巨大な物体は…

 

グランドピアノ!!!!!!!!!!!

 

そして、その前に座るのはNaxlさん。

この状況を見れば、どんなに頭が察しが悪い人でも、これから何が行われようとしているのか理解できるでしょう。 

メンバー全員が一様に緊張の表情を浮かべる中、Naxlさんが静かにピアノを弾き始めます。

聴こえて来たのは、我々ガンズファンであれば最初の一音でそれと分かるあの旋律…

 

そう。アクセルの代名詞とも言えるピアノバラードの傑作November Rain。

ピアノを弾きながらもテンポや音程をキープして見事に歌い上げるNaxlさん、Dizzy Reedのストリングスパートは再現できないため、フレーズなどを工夫しながら曲を盛り立てるGaslashさん&Izzlyさんのギターチーム、あの印象的なバックコーラスを巧みに再現するDuffyさん、あのひたすらに繰り返されるフィルを真剣な表情で叩き続けるMadlerさん。

あの大作を5人が必死になって再現しようとする姿に感動を禁じ得ませんでした。

アンプで増幅されたバンドサウンドの中に生ピアノが一台。

これはさぞかしアンサンブル的に難しかったのではないでしょうか。

 

ふと横を見ると、著名ガナー白玉さんは見事なまでの号泣。

いや。これは泣いていいやつですよ。

むしろ泣いてなかったら「白玉さん、体調悪い?」と心配になるレベルです。

ガンズ愛溢れる演奏によって溢れ出す美しい涙。

ハンカチをお貸し出来なかったことだけが心残りであります。

 

奇しくも外は冷たい11月の雨。

そんな日にNovember Rainを初披露するなんて運命的な何かを感じてしまいます。

日本ハムファイターズ斎藤佑樹投手(出版社の社長からポルシェを借りたりする人)流に言えば「持ってる」ということになるでしょうか。

天候をも味方につけてしまうバンド。それがGunmen Showers。

 

曲もいよいよ終盤。

お立ち台に昇り、あのロック史に残るギターソロを披露するGaslashさんのかっこよかったこと。

スラッシュを志す者として長年憧れ続けて来た瞬間だったのではないでしょうか。

あの姿、来年のGaslash家の年賀状にしても問題の無い素晴らしさだったと思います。

 

最後のEverybody needs somebodyパートも見事に決め、Gunmen ShowersによるNovember Rain初演は無事に終了。

場内に沸き起こった拍手の嵐がやってのけたことの凄さを物語っていました。

まさかガンシャのライヴでNovember Rain聴けると思っていなかったし、さらに言うなら、ライヴハウスでグランドピアノ使ったNovember Rain聴けるなんて予想の斜め上を行きすぎですよ。

ライヴハウスで聴けるような曲じゃないでしょう。

Gaslashさんが「今回は絶対に観に来て欲しい」とTwitterで繰り返し発信していた意味がようやくわかった瞬間でした。

 

大きな挑戦が終わり、肩の荷を下ろしたGunmen Showersは終盤に向けてさらにアクセルを踏み込んでいきます。

誰もが愛してやまない大ヒット曲Sweet Child O' Mineのサビでは誰もが歌詞を口ずさみ、NaxlさんとDuffyさんのデュエットが目玉のSo Fineでは、ダフならではの“男の世界”を思う存分堪能。

イルカおじさんことマット・ソーラムがその本領を発揮するハードロックナンバーYou Could Be Mineですが、ガンシャのライヴではMadlerさんがポップコーンスタイルで叩きまくるのが面白い。

本家スティーヴン・アドラーが同曲を練習している動画がインターネットに投稿され、ファンの間で大いに話題となりましたが、結局ラテンアメリカツアーでは一度も披露されませんでした。

来年の日本公演でもしかしたら…?

 

You Could Be Mineの余韻が色濃く残る中、Gaslashさんが弾き始めたコードストロークの響きにより、我々はこの楽しい時間に終わりが迫っていることを悟らされます。

ガンズ不動の最終曲Paradise City。

泣いても笑ってもこれで最後。

ここが最後の暴れどころです。

 

頭を振らずにはいられないギターリフが繰り返され、興奮が頂点に達したところで鳴り響くNaxlさんのホイッスル。

それを合図として、無数の女性用下着がフロアのあちこちからステージに向かって投げ込まれます。

Gunmen Showersライヴにおける定番のお約束。

女性が投げるから意味があると思い、いつも遠慮しておりますが、何かの機会に一度くらい投げてみたいナーなどと思っております。

 

その桃源郷的なタイトルとは裏腹に、後半で一気に暴走するParadise City。

暴走列車から振り落とされぬように、必死に歌いながら拳を突き上げるオーディエンス。

Gunmen Showersのメンバーとお話しする時、全員が口を揃えて言うのが「ガンズの曲ってさ、本当にいいんだよね!」というある意味シンプルすぎる意見なのだけれど、その意見に全面的に賛同するしかない光景が繰り広げられていました。

ロックファンであれば問答無用で大暴れするしかない馬鹿みたいにかっこいい楽曲。

そして、それをかっこよく演奏できるロックバンド。

その組み合わせがあれば、もう他には何もいらないのではないだろうか。

「あんた単純すぎるよ!」と言われそうだけれど、そう思ってしまったのだから仕方ないでしょう。

至福の時間でございました。

 

Paradise Cityが終わり、ガンズファン的には「いやー。最高だったねー!」と会場を後にするところですが、この日のオーディエンスはどこまでも貪欲でした。

すぐさま沸き起こるアンコールの声。

その声に応え、再びステージに舞い戻るGunmen Showersの面々。

 

嬉しいことにまだまだ宴は終わらないようです。

Gaslashさんの柄にもない「ヘーイ!ファッカーズ」の雄叫びからのMadlerさんのドラム乱打。

『GNR Lies』オープニングの再現ということは…

 

Reckless Life!!!!!!!!!!!!!!!

 

個人的に本当に大好きな曲で、初期ガンズのかっこよさがすべて詰まっていると言っても過言ではないほど、音楽的にも歌詞的にも完璧な一曲。

今のガンズで演奏される可能性があるとは思えないので、Reckless Lifeをレパートリーに入れてくれたGunmen Showersに感謝する日々です。

なんならLiesのA面完全再現してくれてもいいんですよ…。

 

疾走チューンReckless Lifeに続くのは、ガラリと雰囲気が変わって、聖なる祈りのようなKnockin' On Heaven's Door。

ガンズのライヴでは定番曲ですが、「あ。そういえば演ってなかったね」と思ってしまったのは、それまでの演奏内容が濃すぎたせいでしょうか。

ついでのような感じで恐縮ですが、ボブ・ディランさん、ノーベル文学賞受賞おめでとうございます。

わたくしはシニカルなLike A Roling Stoneが好きです。

 

などとどうでもいいことで文字数を使っておりますが、この日のHeaven's Doorはコール&レスポンスもバッチリ。

ガンシャTの着用率が高いことからも薄々気付いておりましたが、素敵なお客さんが集まっているナーと実感いたしました。

来年の日本公演、アクセルに「南米よりすげえな」と言わせるくらいの合唱を響かせてやりましょう。

 

最後は『Appetite For Destruction』の人気曲Nightrainで我々を終着駅まで連れ去ってくれます。

これはもうオープニングでもエンディングでも盛り上がる鉄板曲。

余談ですが、ガンズのライヴ盤『Live Era』に収録されているNightrainはまさに珠玉ですよ。

アウトロで聴けるスラッシュのギターソロに挑みかかるようにヴォーカルをかぶせていくアクセル。

あんな光景が来日公演でも観れたら吐血しながら静かに息を引き取る所存です。

Nightrain尊い。

 

ガンシャさんがステージを去ると、再び増田さんのDJにバトンタッチ。

QueenのSail Away Sweet Sisterが流れる中、みんなで記念撮影したのは感動的な光景でした。

ガンズを30年間書き続けて来た増田さんとガンズに1歩でも近付くために10年間努力を続けて来たGunmen Showersが同じ舞台に。

きっとバンドを始めた時には想像すらしなかった光景でしょう。

Gunmen Showersの歩みに微塵の貢献もしていないわたくしが言うのもおこがましいですが、本当に「おめでとうございます!」と絶叫したい瞬間でした。

 

終演後はアフターパーティー。

メンバーのみなさんは一様に興奮した面持ちで、November Rainという一世一代のチャレンジを見事に乗り越えたことを噛み締めているような感じでした。

特にピアノを演奏したNaxlさんは特別な想いを抱いていることでしょう。

ご本人に話を聞くと、ピアノはまったくの初体験で、今年の5月くらいから練習を始めたとのこと。

しかも、弾くだけならまだしも、弾きながら歌うというのは生半可な努力では不可能だと断言していいでしょう。

 

これがプロのミュージシャンであれば「プロなんだから当たり前」と突き放すところですが、年に数回ライヴをするウィークエンドミュージシャンのようなNaxlさんがあそこまでのレベルに達するのは、もうガンズ愛という範疇で語るしかないような献身の成せる業なのではないでしょうか。

それはもうTributeという言葉通りの「尊敬のしるし」であり、自分の人生の一部分を愛する対象に捧げる献身です。

この愛がどこまでのレベルに達するのか。

Gunmen Showersから目が離せない理由のひとつがそこにあります。

来年もいくつかライヴが決まっているようなので、興味がある方は是非会場に足を運んでみてください。

絶対に損はしないと思います。

 

などと一瞬もライヴから眼を離さないような雰囲気で語ってまいりましたが、実は思いきり席を外した瞬間もあります。

正直に述べるならば、とある曲の演奏中にトイレに行っておりました。

ガンシャさんの演奏が素晴らしくて、ついついビールが進んでしまって…

 

というのも事実なのですが、演奏中にトイレに行くのには理由があります。

 

ガンシャさん、トイレの中でめっちゃ良く聴こえるんですよ。

 

いや。別に普段が良く聴こえないわけではないです。

でもね、とある時に気付いたのだけれど、トイレの中で聴くガンシャさんは、小さいクラブで若かりし日のガンズが演奏しているように聴こえるんですよ。

若きのガンズの演奏を聴いたことはおろか、音楽的な素養がまったく無いわたくしが言うのもアレですが、ガンシャさんが表面的な音だけではなく、ガンズの精神性までトリビュートしようとしている証拠ではないかなと思っております。

トイレが混んでしまうのは困るけれど、何かの折りに是非あの響きを聴いて欲しいと思います。

ガンシャさんのメンバーは絶対に聴けない音ですしね。

行儀が悪いのは承知ですが、どうかご容赦いただければ幸いです。

 

ここまで辛抱強く読んでくださって、ほんの少しでもガンシャさんに興味を抱いたあなた。

来年1月8日に2017年の初ライヴがありますよ。

詳しくはオフィシャルのサイトやTwitterアカウントをご参照ください。

 

http://www.gunmenshowers.com/info/top.html

 

ひとりでも多くのガンズファンが足を運んでくださることを願っております。

会場でお会いできたら盛大に乾杯いたしましょう。

楽しみにしております。

 

 

ナイトクラビング

お元気でしょうか。

わたくしはそこそこ元気です。

夜な夜な近所の公園に繰り出しては、ノルマ3000回などを自分に課して一心不乱に素振りをしております。

 

さて、春は別れの季節なんて事をよく申しますが、どうやら秋も別れの季節だったようです。

下北沢にGladiatorさんというロックバーがございまして、ガンズ関連イベントなどでいつも使わせていただいていたのですが、今月29日をもって惜しまれつつも閉店という運びとなりました。

新たな生活をスタートさせるマスターの今後の活躍をお祈りすると共に、素晴らしい思い出を残してくれたGladiatorに感謝いたします。

29日までは通常営業のようなので、興味のある方は足を運んでみてはいかがでしょうか?

ロック好きなら楽しめること間違いなしです。

 

Rock Bar GLADIATOR|下北沢に狂い咲く毒と華の桃源郷 - ロック・バー グラディエーター

 

まあ、わたくしは毎晩のように夜遊びに出るタイプではありませんが、やはり夜の街にはそこでしか経験できないような面白い事が潜んでいますよね。

つい先日、前述のGladiatorさんにお邪魔した時の話。

ふと気が付けば終電も逃してしまい、仕方ないので職場に戻って朝まで仮眠しようかと考えていたところ、居合わせた常連の方(とそのお友達)に「ラーメン屋さんがあるので一緒に行きませんか?」と声を掛けていただきました。

本来であれば日本一の人見知りであるわたくしですが、何度かお顔を見かけた事のある方だったという安心感もあり、図々しくもお言葉に甘えさせていただく事にいたしました。

 

よくよく聞けばそのラーメン屋さんには誰も行った事が無いらしく、お店に電話をして確認をすると、親切にも迎えの人を寄越してくれるとの事。

Gladiatorさんを出て、そのすぐ近くの通りで待っていると、向こうからスケボーに乗って疾走して来る白人男性が。

そのまま我々の横を華麗にすり抜け…と思いきや、 3メートルほど手前で急減速してスケボーを降りると、柔和な笑顔でこちらに近付いてくるではありませんか。

 

「サッキノ電話ノ人? 」

 

えー!

ラーメン屋さんがわざわざお迎えに来てくれるだけでも驚きなのに、それがスケボーに乗った外人さんだなんて事あります?

完全に予想の斜め上すぎて真夜中の下北沢でひとり身震いいたしました。

 

その外人さんの案内でたどり着いたのは、下北沢駅北口付近のバラックのような商店街。

その中にあるカウンター席が5席ほどの本当にこじんまりとした飲み屋。

お世辞にも綺麗とは言えない店構え。

見た目はラーメン屋には見えないけれど、案外こういうところが名店だったりするんですよね。

わたしにはわかります。

 

どうせ頑固な店主が「メニュー?うちにはラーメンしかないよ!」とか言うんでしょう。

わたしにはわかります。

わかってはいるけれど、一応ラーメンの品揃えを店主に確認する我々。

しかし、店主から返って来た言葉に我々は耳を疑いました。

 

「あー。うちはフード置いてないから。食べたかったらそこのコンビニで買って来て」

 

えっ。

フードの置いてないラーメン屋ってなによ。

あたしたちがベロベロに酔っているからって馬鹿にしているんでしょう。

あたしたちはね、わざわざ電話で確認してから来ているんですからねっ!

 

 

ふと横を見ると、さっき道案内をしてくれた外国人が店外で普通にビール飲んでる。

 

 

お前、客かよっ!

 

 

なんかもう訳がわからなくなってビールを一杯だけ飲んで店をあとにしました。

夜の街って素敵やん。

 

 

話は変わって、今度は夜の渋谷で体験した話。

友人のくりこさんとロックバーで飲んでいた時、ニコというフランス人と仲良くなりました。

どういうきっかけだったかは微塵も覚えておりません。

ロックバーを出て駅に向かう道中、「フランス人のナンパを見せてやる」などと挑戦的な事を言い出すニコ。

それは後学のためにも是非拝見したいと盛り上がる我々。

するとニコ、「一番有名なフランスの曲を知っているか」と我々に問い掛けて来ます。

 

正直な話、あまりフランスの曲は知らなかったけれど、なんとかいくつかの曲名を挙げる我々。

しかし、ニコは悲しげに首を振り、「いや、違う。一番有名なのはコレだよ」と歌いだしたのは…

 


ダニエル・ビダル オー・シャンゼリゼ

 

そう。フランスには縁の無い日本人でも知っている『オー・シャンゼリゼ』です。

これでナンパなんて出来んのかい、と訝しむ我々を尻目に「お。向こうから女の子来た。見てろ」と出陣するニコ。

お手並み拝見といきましょう。

 

女の子をぴったりとロックオンし、20メートルほど並走しながら「オー シャンゼリーぜー」と歌い上げるニコ。

当然の事ながら、辞書で「無視」という項を引いたら凡例として載っているのではないかと思うほどの完全無視。

その後も何人かの女の子に対してシャンゼリゼナンパを試みましたが、清々しいほどの前例玉砕。

「そりゃそうだよね」以外の感想が浮かばないほどの完封負けぶりでした。

 

みなさん、夜の街で『オー・シャンゼリゼ』を歌う外人に言い寄られても絶対について行かないでくださいね。

 

まあ、なんと言うか。

夜の街って面白いね。

 

 

冒頭でも触れましたが、下北沢Gladiatorさんは泣いても笑っても今週末が営業最終日。

興味のある方はこの期を逃す手はないですよ。

ナイトクラビングを楽しみましょう。