俺はたしかにXジャンプをした

みなさま、うだるような暑さの中、いかがお過ごしでしょうか。

もうすぐサマソニックという事で胸を高鳴らせているロックファンの方も多いのではないでしょうか。

かくいうわたくしもその一人であります。

という訳で、今回のブログは過去のmixi日記よりサマソニック2011参戦記を転載いたします。

震災後だからか妙におセンチなところもあって恥ずかしいのだけれど、尊敬するTwitterのフォロワーさんが褒めてくださった日記なので、勇気を出して公開してみる。

あふっ。

 

【以下、mixi日記より加筆修正の上転載】

 

そう。今年も年間最重要イベントの季節がやってまいりました。

正確に言えば、「年間最重要イベントが終了しました」だけども。

毎年恒例Summer Sonicですよ、サマソニック。

今年は2日通し券を購入したのだけれど、諸事情により参加が難しくなり、チケットを手放したり予約した宿をキャンセルしたり…。

本当に直前の直前まで見送りの体勢でした。

が、愛すべき友人たちのラブコールにより急転直下の参戦決定。

Red Hot Chili Peppersがヘッドライナーを努める2日目だけ行ってきました。



ここからは極私的サマソニック日記。

興味の無い方はモバゲーに熱中してください。

もしくはエロサイトに飛んでください。

もしくは故郷のご両親に手紙でも書いてください。

もしくは近所のBook Offに鈴木あみのCDが何枚売ってるか数えてください。

もしくは私のお墓の前で泣かないでください。 



まあ、そんな戯言はどうでもいい。

いきますよ、サマソニック日記。

Never to return!!!



8月14日深夜3時前、神奈川県某所。

アラーム設定は午前3時にも関わらず、鳴る前に目を覚ましてしまった俺。

この遠足前の小学生を軽く凌駕するであろう浮かれっぷり。

我ながら微笑ましくなった。

このポジティブ具合を仕事に活かせよと自ら叱咤激励したくなった。 



二度寝してつまらない事になってもアレなので、風呂に入ったりTシャツやらタオルやらを準備して自宅を出撃。

午前3時半、当然の事ながら辺りは闇。

蝉の鳴き声だけが響く中、愛車に乗り込んで颯爽と幕張方面へ向かいました。 



帰省ラッシュ的な渋滞や訳のわからないハプニングに遭遇する事もなく、レッチリのCDかけて熱唱しているうちに幕張メッセ駐車場に到着。

所要時間約1時間。

自宅から1時間で行けるロックフェス。

これからもサマソニックは末永く続けて頂きたい。 



駐車場に着いてその車の多さに驚愕。

いくら2日目とはいえ、午前4時半とは思えない台数が停まっている。

まあミッドナイトソニックとかあったんだろうけど、完全に想像以上。

今年は本当にチケット売れたんだなー。

サマソニック史上初の東京大阪完全Sold Out寸前!」とか言ってたし。

結局のところ完全にソールドしたんだろうか。


思ったより台数が多かったとはいえ、そこはまだ午前4時半。

わりと幕張メッセ寄りの場所にスペースを見つけて駐車。

この時間なのに駐車場係の人が普通に仕事してました。

さすがサマソニック期間。非日常だね。


何はともあれ今年も無事に会場に到着した事をロックの神様に感謝。

そして数時間後から始まるであろう阿鼻叫喚の宴に備えるべく

自宅から持ってきた朝食を命の水ビールで流し込む。

あまりの開放感に「自由だー!」と絶叫。

そしてビールお代わり。

このビールと共に俺のサマソニックが開幕しました。

テンション上がってしまい友達に「着いたよー」とメールするも音沙汰無し。

そりゃそうですよね、まだ朝の5時だもの。

この件に関しては俺が全面的に悪い。


まだリストバンド交換開始まで時間もあったので、マリンスタジアムの周りをうろうろしたりした後で仮眠開始。

7時過ぎに目覚めた時にはビール2本飲んだせいで当直明けのだるさ。

このまま俺のサマソニックが閉幕しそうになりました。

が、コーヒー飲んだりして無理やり回復。

トイレ入って準備してリストバンド交換しに行こう。


幕張メッセ駐車場の男子用にトイレに入って驚愕。

前日からの参戦組だと思しき白ブリーフ1枚の男が水道を全開にして行水中。  

Garlic Boysの名曲『白ブリーフ悪いか?絶対悪くない!!』が瞬時に脳内再生された事をここにご報告申し上げます。 


生まれながらのブリーフ党
おろしたてを身につけろ
Fresh Fresh


ちなみに誤解の無いよう言っておきますが、わたくしはトランクス派です。

まあそんな戯言はどうでもいい。


メッセでリストバンドを交換したり、友達にグッズ購入をお願いしたり、 そんな諸々の作業をしているうちに午前10時。

(註…この時に購入したレッチリの「いっしょだよ」ティーシャーツは近年稀に見るダサTであり、のちにダサT祭りで脚光を浴びる事になります。)

サマソニック2011、オープニングアクトがステージに登場する時間。

俺が2011年の開幕に選んだのは…


○ Fear,and Loathing In Las Vegas / Mountain Stage


日本期待の若手バンド、Fear,and Loathing In Las Vegasですよ。

簡単に言えば「ユーロビートメタルコア」みたいなバンド。

「ダンスロック+メタル」みたいのは何年か前に流行ったけど、このバンドはデス声とか使っててメタル耳にも馴染みやすいです。

ちなみにMountain Stageは幕張メッセ内で最大のステージ。

すっげー巨大です。


アルバムが最高だったので期待してたのだけど、ライヴでは初見。

20歳そこそこの若いバンドだし、アルバムでは色々とエフェクト使ってるし、まだ朝イチで先は長いし、あまり過度な期待はしてませんでした。

イマイチだったら見限って他のステージに移動すればいいのだから。

ちなみに会場前にメッセ前を歩いていたら、このバンドのサウンドチェック中で、ヴォーカルがシャウトやスクリームを熱心に練習しているのが聴こえました。

他のバンドもデス声とかのチェックしてるのだろうか。


そうこうしているうちに会場内のスクリーンにバンド名が表示。

一気にテンションが高まるフロア。

ふと振り向けば、いつの間にか結構な人数に膨れ上がってました。

朝イチでこれだけ集客できたら大成功だ。

やっぱり注目株なんだな。


いよいよ始まりそうな予感に場内民族大移動。

一気に前方フロアに人が集まり始めました。

と思った瞬間、場内暗転。

SEと共にバンドがついにステージに登場。

本当に本当にサマソニック2011が開幕した瞬間であります。


んで結論から言えば、演奏良い感じでやってました。

俺も若者たちに混じって暴れさせてもらいました。

必殺曲「Burn The Disco Floor with Your 2-step」では年甲斐もなくダイヴ。

まさか午前10時半に宙を舞うとは夢にも思ってなかった。

無事にセキュリティに受け止めてもらい駆け足でフロアに戻ろうとしたら、「走って戻らないっ!」と明らかに年下のセキュリティに一喝される俺。

まさかこんな歳にもなってダイヴして叱られるとは。

情けなくて情けなくて「このライヴ終わったらビール飲もう」と強く誓ったん。


若者たち(俺含む)の熱狂の中、Fear,and Loathing In Las Vegas終了。

いやーオープニングに相応しい良いパフォーマンスだった。

意気揚々とメッセ駐車場に戻り、グッズをお願いした友達連中と合流。

長蛇の列に並んでくれた労をねぎらってビールを奢ったりしてたら

まだ午前中なのにビールを5本飲んだ汗だくのおっさんという一点の曇りも無い社会の屑が完成。

ホラー映画だったら開始5分くらいで間違いなく餌食になってます。

ビール片手にゲラゲラ笑っていると俺の携帯が鳴動。


電話の主は我が友人くり子さん。

ついに幕張駅に夫婦で降臨したとの事。

幕張メッセで合流して昼飯&乾杯しようという運びに。

友人達と別れて幕張メッセへ移動開始。


あ。余談ですが、朝からメッセ駐車場近くの通路に、「チケット1枚ゆずってください」のボードを掲げた男性がひとり。

何回通りかかっても同じ姿勢で立ってるので密かに心配してました。

昼飯時にもまだ立ってたので「見つからないですか?」と声をかけてみた。

俺よりも少し年上と思しきその男性、大して落ち込んでる様子もなく


「20人くらいに声かけてもらったんですが、希望価格が5000円なんでねー」


なぬっ! ご ご ご 5000円っ!

そんな都合のいい話があるわけないよー。

Sold Outだし定価14000円くらいだしー。

レッチリが観れればいい」って言ってたけど手に入ったのかな。

正直な話、心配して損したと思った。


まあ、そんな貧乏くさい話はさておき。

メッセのロビーに設置されたサマソニックオブジェ前で無事に合流。

このオブジェは待ち合わせ場所として非常にわかりやすくて素晴らしい。



メッセのホールに入ると、Mountain Stageに黒山の人だかり。

こんなにギッシリ人が入ったマウンテンは初めて見た。

そうか、ちょうどテレフォンズが演奏してる時間帯なんだな。

テレフォンズ客の間を縫ってフードエリアに移動しようとしたが…


ダメだっ!

ちょうど「Urban Disco」が始まるところだっ!

くり子さん夫妻に「ゴメン!行って来る!」と言い残してダッシュ。

再びMountain Stageに身を投じました。

俺が悪いんじゃない。

テレフォンズがいけないんだ。


The Telephones / Mountain Stage


今年4月以来のテレフォンズ。

理屈抜きで盛り上がれる素晴らしいバンドだ。

途中から観たのにあんだけ騒げるって凄いと思った。

「Monkey Disco」を後半に取っておいてくれて本当によかった。

死ぬほど踊り狂った。

でも、頭血だらけの子が退場してったの見たけど大丈夫か?

ピアスがちぎれたのかしら。

大事に至らなければいいのだけど。

ピアスの方は気を付けてくださいませ。



昼飯を目前に逃亡するという不義理を犯しつつもテレフォンズ終了。

即座にくり子さんに電話しました。

電話で話す限りは怒ってなかったので一安心。

それともビールが怒りを鎮めてくれたのだろうか。

そんな事を心配しつつも無事にくり子さん夫婦と合流。

命の水ビールで乾杯させて頂きました。


途中でくり子さんの親友ハヤサカ氏(なでしこ)も合流。

昨日からサマソニック参加中の彼女。

Kornがいかに神アクトだったかを語られ昨日に思いを馳せました。

ちくしょー。観たかったなー。

あのマイクスタンド観たかったなー。


ビールお代わりしつつダラダラしてると完全に午後。

くり子さん夫妻はメッセ内のどっかのステージへ。

俺とハヤサカ氏(妖精)はマリンスタジアムへ。

それぞれ旅立っていきました。


Zebrahead / Marine Stage


本日初マリンスタジアム

この時間になるとだいぶビールが回っておりまして、

酩酊の関係で、ライヴの内容については記述不可能であります。

でもゼブラらしい下品で楽しい感じのライヴだったわ。

前方で暴れたりしなかったけど楽しめた。

ビールが回ってて気付かなかったけどダンディ坂野が来てたの?

俺も一緒にゲッツ!やりたかったよー。

誰か俺と一緒にゲッツ!やってください。

そんな誰かを密かに募集しております。


ゼブラが終わりそうな雰囲気だったので再びスタジアムの外へ。

終わった後だと出入り口がごちゃごちゃするから嫌だったんでしょうね。

酩酊してあまり覚えてないけど。


メッセでなんか観てたくり子さん夫妻と再合流成功。

またビール飲んだりキュウリの一本漬け食ったり。

「飲みすぎだろっ!」と思うけれど楽しいからよしとします。

ビール祭り開催のため次のPanic At The Discoはパスすることに。

予習のためにCD買ったんだけどな。


ビール飲んでるといつの間にか飲みメンバーに黒人が増えてた。

アルコールが見せる幻覚とか思ったが、何度確認しても黒人がいる。

どうやらくり子さんの友達の友達か何からしい。

「おい!ブラザー増えてるだろっ!」と叫びましたよ俺は。

結局、どういう素性の人間なのかわからなかったが喧嘩は強そうだった。

くり子さんと飲んでると外人が乱入してくる事がたまにある。


そんな俺の携帯が再び鳴動。

今度の電話の主は職場関連の先輩。

某病院の某課長であります。

「どこにいるー?」と訊かれ、合流して乾杯する事に。

方向音痴な俺の「マルボロのテントの近くです」「宇宙船の前です」

「DJがKula Shaker流してるのが聞こえます」といった曖昧なナビにも関わらず、サマソニック2011で某課長と感動の再会。

課長とサマソニックで会うのは2006年か2007年以来かもしれん。


何故かテンガロンハットを被って登場した課長。

相変わらずクールで素敵なダンディでした。

実にけしからんのが我が友人くり子さん(元ソフトボール部

我が課長に「ねえねえ。課長なんでしょ。奢ってよ」とたかり出す始末。

俺の職場関係の人にビールをたかるのはやめれっ!


朝から飲み続けているにも関わらず、一向にビールおかわりのペースが落ちない我々。

気が付けばLoud Parkのブースでビールをあおっていました。

そういや、メッセのオフィシャルバーは店員が可愛くなかったな。

この点ではくり子さんの旦那と完全に意見が一致。

男の熱い友情が芽生えた。


ちなみに某課長はHouse Of Painを観るために幕張メッセへ。

同じくHouse Of Pain目的でハヤサカ氏(小さな巨人)もメッセ組。

なんでも「Jump Around」という曲がお目当てなんだとか。

メッセに行かないくせにくり子さんが「ジャンパラーンド!」と騒ぐ騒ぐ。

誰かこの酔っ払いを静かにさせれっ!


永遠に続くかと思われたビール祭り。

だが、不覚にもマリンではマキシマムザホルモンが始まってしまった。

俺のお目当てのバンドのひとつですよ。

まさか頭から観れないとは…。

入場規制かかったら最悪なのでマリンスタジアムへ急ぐ。


Maximum The Hormon / Marine Stage


スタジアム内に入ったが、すっごい人でなかなかグラウンドに入れない。

グラウンドへ続く通路をのろのろと歩く羽目に。

すげー遠くで演奏してるからこっちのテンションも上がらない。

ビールを飲み過ぎたくり子さんの旦那はトイレに行くために早々に列を離脱。

くり子さんとふたりでのろのろとグラウンドへ進んでました。

が、無常にも列に並んだ状態でホルモン名物「恋のおまじない」スタート。

初体験のくり子さんにレクチャーしつつ恋のおまじない完了。

グラウンドでやりたかったよー。


最後のメガラバ→握れ!の流れも列に並んで聴くことに。

握れ!はヤケクソで騒いだけどモッシュしたかったなー。

9月のAir Jam行けたら思いっきり騒いでやりたい。

包丁ハサミ聴きたい。


ホルモン終わりでようやく前方エリアへ到着。

くり子さんの旦那も無事に再合流できました。

お目当ては日本が誇るあのバンドです。


X JAPAN / Marine Stage


まさかサマソニックにエックスが出る日が来るとは…。

観たいけど観たくない禁断のバンド。

彼らのファンがサマソニックの空気を乱すのが怖かった。

でも俺が見た限りではそんな事なくて一安心。

逆に俺たちがYoshikiとHideのコスプレイヤーを見て大興奮してた。

そっくりだったなー。


始まる前、くり子さんの旦那が「ダリア聴きたい」と言ってたから

俺まで猛烈にダリア聴きたくなって困った。

けど、よく考えたら7分くらいあるんだよなあの曲。

俺が2日間観に行った去年の日産スタジアムでもやらなかった

俺にダリアを聴かせれっ!


まだ日差しが残る千葉マリンスタジアム

ついに日本が誇る異形のバンドX JAPANサマソニック降臨。

始まった瞬間から大騒ぎになるマリンステージ。

俺たちはRブロックだったので目の前にはSUGIZO様。

気が付いたらくり子さんの旦那と「スギィゾォー!」と絶叫してた。

この絶叫はガンズ来日時の「ロビィィーン!」以来。

さすがSUGIZO様。元ビビアン・スーの恋人。


ていうか俺はいつエックスジャンプが来てもいいように、1曲目から両手をクロスして待ってたんですよっ。

それなのにエックスジャンプの出番が一番最後とはっ!

あまりの焦らし具合に泣いた。


あ。すでにネット等でご覧になった方も多いと思いますが、マイクを握ったYoshikiが震災で亡くなった方、そして先日亡くなった元XのベーシストTaiji氏を悼んで黙祷を捧げてくださいと呼びかけました。

そしてあの「ヴォグドゥゥゥー!!(黙祷)」という絶叫。

いろんな意味でマリンスタジアムが沈黙に包まれました。

詳しくはまとめサイトあると思うんでそちらを見てください。

ただ、あそこで黙祷を捧げる事が出来るのは日本のバンドだけだと思うので、それはそれで非常に意味のある1分間だったと思っております。



俺たちの世代ってやっぱりエックスがドンピシャなんだな。

俺の前後3歳くらいは完全に世代だと思われる。

ライヴ中にふと横を見たら、くり子さんの旦那も完全に合唱してるしな。

「Endless Rain」なんて一字一句違わずに歌いきりますよ、そりゃ。


次に観るのがいつかわからないが、次こそはダリアやってください。

だーれーもがもつー こーこーろーのー きずあとーにー


日本代表X JAPANが名曲「Tears」の音源と共に退場した頃、千葉マリンスタジアムには夜の帳が。

いよいよサマソニック2011も最後のアクトを残すのみとなりました。

出演が発表になった瞬間、日本全国のロックファンが狂喜乱舞したバンド。


Red Hot Chili Peppers / Marine Stage


すっかり陽も落ちて頭上に夏の夜空。

アリーナもスタンドも超満員。

そりゃ観たいよな、レッチリだもんな。


時間はわからないけど、そんなに待った気がしないうちにライヴ開始。

1曲目から必殺のBy The Way。

これは騒がない方がどうかしてる。

ステージ前方はとんでもない騒ぎになってました。

くり子さん夫婦は早々に後方へ退避。

それも正解だと思われます。


前回の東京ドームより遥かに間近で観るレッチリ

フリーは漫画のキャラクターみたいだったなー。

新加入のジョシュはジョンにシルエットが似てるような気がした。


ギタリスト交代という大変動を経て来日したレッチリ

現代最高のギタリストの後任という事で大変だろうけど

ジョシュは是非とも定着して名曲を残してもらいたい。

今月出るアルバムがどうなってるか楽しみだわい。


やっぱりレッチリは日本人の琴線に触れるバンドだ。

音楽的にもバンドストーリー的にも。

特に今回は震災後の困難な時期だけに余計染みた。 

彼らじゃなかったら、2011年のサマソニックは成立しなかったかもしれない。


とにかく歌詞が染みる。

Californicationの歌詞なんて今の日本にピッタリじゃないか。


破壊は険しい道へ続くが

創造も育てている

そして地震は女のギターに

いいバイブレーションを与えるものだ

津波は世界を救うことができなかったよ

カリフォルニケーションから

(Californicationより)


そして名曲「Scar Tissue」。

俺はこの曲のPVが本当に好きで何度観ても泣ける。

ポンコツ車に乗って荒野を旅するレッチリメンバー。

みんなボロボロに傷ついている。

しかし、その顔には悲壮感は微塵も感じられない。

そしてネックの折れたギターでスライドソロを弾くジョン。


これは一度戦いに敗れたバンドが再び立ち上がる姿だ。

解散寸前だったOne Hot Minute期を経て再生したレッチリの物語。

一度逃げ出したバンドに再加入したジョンの物語。


甘い秋を俺たちはフォールと呼ぶ


俺はこのラインが大好きだ。

とても優しくて、そして少し残酷なライン。

この時期、この曲を聴けて本当によかった。


本編最後、俺が長年待ち望んでいた瞬間が到来。

前回の来日時、俺が観た日に演奏しなかった曲。


Under The Bridge


俺がレッチリを好きになったきっかけだった曲。

イントロが鳴った瞬間、もうもう感無量だった。

高校生の時からずっと聴きたかった一曲。

生きていれば失う物も多いけど、こんな風に念願が叶う時だってある。

こんな瞬間があるから、また明日も生きようって思えるのかもね。



レッチリは本当に優しい。

言葉じゃ上手く言えないけど本当に優しい。

歌詞カードの日本語訳はかなり酷いとは思うけど、それでも感動してしまう言葉の凄さがある。

歌詞の面で言えばCalifornication以降は理屈抜きに凄い。 

良い翻訳の詩集があったら絶対に購入したいレベルなのです。


ちなみにセットリストです↓(ひろいもの)


SUMMERSONIC 2011 Tokyo (Marine Stage) 8/14 '11

1. By The Way
2. Charlie
3. Can't Stop
4. Scar Tissue
5. Factory Of Faith
6. Dani California
7. I Like Dirt
8. Otherside
9. The Adventures Of Rain Dance Maggie
10. Throw Away Your Television
11. Ethiopia
12. Right on time
13. Californication
14. Higher Ground
15. Under the Bridge

= ENCORE =
Drum Solo
16. Sir Psycho Sexy
17. They're Red Hot
18. Give it away



今年のサマソニック、震災後だからかもしれないけど本当に心に染みた。

仕事が大変でも、家庭が大変でも、原発メルトダウンしても、友達とビール飲んでロック聴いて騒げる日っていうのはかけがえが無い。

この調子だと日本人にとって来年がやってくるかわからないけど、2012年も無事に開催してくれたらいいな。

また同じ場所で同じメンツと騒ぎたい。

今年の4月、テレフォンズのライヴで聞いた言葉でこの日記を締めくくりたい。

俺が生で聞いたMCの中で文句なしに最高だった。


音楽は目に見えないから自由なんだよ

だから、きっと東北にも届くよ



また2012年8月、マリンスタジアムでみんなと会えますように。

この思いが君に届くように

願いが叶いますように


なにこの日記。

すいませんね。

Felt Forum '88

おかげさまで当ブログも1000アクセスを達成いたしました。

亀のような歩みとはいえ、1000回もアクセスを頂けた事実に小躍りしております。

祝賀会を開きたい気分であります。

ちなみに前回アップした『Self Destruction Blues』についての記事ですが、当然触れておくべき事実をすっかり無視しておりましたので、その部分を加筆致しました。

ほんの数行の文章ですので、改めて読んで頂く頂く必要は無いかもしれませんが、とりあえずご報告まで。

 

ブートレビュー第2回目となる今回。

前回はブートCDを取り扱ったので、今回はDVD物をレビューしたいと思います。

という訳で、今回はこちら!

 

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えー。ジャケットには'92と記されておりますが、これは88年の間違いです。

盤面には'88と印刷されているのに、ジャケットで思いっきり間違ってしまうという非常に残念なパターンです。

まあ、これはこれでブートらしい味があっていいのですが。

 

これは1988年5月9日、ニューヨークのFelt Forumという会場で開催された公演のブートになります。

同公演はガンズがヘッドライナーとして全米を回ったツアーのうちの1公演で、日本のEZOなどがサポートして出演しました。

ヘッドライナーなので持ち時間はたっぷりありますし(104分収録)、前回レビューしたシアトル公演と同じく、Appetite For Destructionがチャートを席捲している頃なので、客席の盛り上がりは最初から凄まじいものがあります。

ちなみにFelt Forumというのはニューヨークにある超有名会場Madison Squere Garden(通称MSG)の中にある中規模の劇場だそうです。

 

このブートDVDは西新宿にある某A店で購入したものです。

某A店の判断基準では、画質はX評価となっております。

某A店ではプロショットの画質はA・B・Cの3段階で評価しており、オーディエンスショット(観客が隠し撮りしたもの)のそれはX・Y・Zとなっています。

つまり同作はオーディエンスショットとしては最高の部類に入る評価とされている訳であります。

 

その最高ランクのDVDを再生してみると…

最近のブートDVDと違ってチャプター分けがされていないのは許せるとしても、かなり劣化を感じさせる遠目からのオーディエンスショット。

これをX評価というのはかなり強いハートの持ち主でしょう。

…と思うのは最初だけで、他のオーディエンスに視界を遮られる場面もありませんし、音質はかなり良好。後述する斬新なカメラワーク以外はストレス無く観る事が出来ます。

では、早速肝心の内容に触れていきましょう。

 

オープニングナンバーはIt's So Easy。

のっけからアクセルの声はかなり出ていて調子が良さそう。

フロアの前方は観客がみっちり詰まっていて、ガンズに対する期待の高さを伺わせます。

ステージの一段高いところに座るスティーヴンの派手なドラミングが目を引き、やはり初期ガンズはいいナーと思ってしまいます。

終始スティーヴンの派手なドラミングを観れるというだけでも、スティーヴンファンは買うべきだと断言できます。

演奏が終わると、観客に向かって「遅くなって悪かったね」などと後年であれば口が裂けても言わないであろう気遣いを見せるアクセル。

どうやら開演前にインタビューをこなさなくてはいけなかった模様。

 

続いて演奏されるのはMove To The City。

メンバーは演奏しながらステージ上を好き勝手に動き回ります。

この秩序の無さが初期ガンズの魅力のひとつでしょうか。

この時点ではEP『Live Like A Suicide』でしか聴けない楽曲ですが、かなりオーディエンスに浸透している様子でIt's So Easyに引けを取らない盛り上がりを見せています。

 

アクセルの「君たちにまた会いたいから、踊りに行く時には気を付けろよ。俺と一緒に踊りたいか?俺の名前を知ってるか?俺の名前は…Mr.Brownstoneさ!」というMCに導かれてMr.Brownstoneがスタート。

この曲のイントロのリズムに合わせて、カメラがズームイン・ズームアウトを繰り返すという撮影者の小粋な演出が炸裂。

画面を直視していると酔って嘔吐します。ご注意ください。

曲のラストに同じ演出が再登場しますので、最後まで油断してはいけません。

 

心地よい横揺れの後は、思いっきり攻撃的なOut Ta Get Meへ。

イントロで足上げキックを連発するアクセルの若さに胸が熱くなります。

ギターソロを弾くスラッシュにまとわりつくようにして歌うアクセル。

そして曲のラストでは、イジーの腕ぐるーんが炸裂!

この腕ぐるーんを観るためだけでもイジーファンは買うべきだと断言できます。

 

アクセルがスティーヴンとダフを観客に紹介し、Rocket Queenがグルーヴィーにスタート。

リズム隊の活躍が鍵を握るガンズ屈指のダンスチューンであります。

曲の中盤でダフが堂々としたベースソロを披露。

このベースソロを観るためだけでもダフファンは買うべきだと断言できます。

曲が明るく展開するところで例のズームイン・ズームアウトのカメラワークが登場。

酔い止めは手元に置いておいてください。

ちなみに最後のパートのアクセルの歌唱は絶品です。

 

My Michelleのイントロアルペジオが2回ほど鳴りますが、アクセルの指示でバンドはPatienceを演奏し始めます。

ライティングが真正面からカメラに直撃し、画面全体が青っぽくなりかなり見辛くなります。

が、この状態は少しの我慢で改善するので安心してください。

スラッシュのギターソロはスタジオ盤とはかなり違う感じで面白いです。

Patienceは当時未発表だったので客席の盛り上がりはそれなりですが、終わった後は場内大歓声。

曲の良さは十分伝わったようです。

 

Patienceに続いて演奏されたのは、同じく『GN'R Lies』に収録予定のUsed To Love Her。

聴衆の多くにとっては馴染みの無い曲ですが、ノリの良い曲なので初めから盛り上がってます。

イジー&ダフはマイクスタンドの前から動かずアクセルと一緒に歌っていて、すごく楽しげな雰囲気が画面を通して伝わってくる演奏です。

 

馴染みの無い曲が2曲続いた後、My Michelleのスリリングなイントロが始まり場内の熱気が再び高まります。

やはりアペタイトの曲は人気がある。

非常に残念な事に、例のカメラワークがイントロで炸裂。

撮影者本人が非常に気に入っている技である事だけは伝わってきます。

さらに画面がゆっくりと左右に傾く新しいカメラワークまで登場。

「普通に撮ってよ!」と叫びたくなります。

 

そして観客が待ちに待った大ヒット曲Welcome To The Jungleで場内大爆発。

アクセルの動きは絶好調で、我々ファンが考える「アクセルらしい動き」というのがすべて詰まったパフォーマンスを披露しています。

ガンズのコピバンでアクセル役をやっている方は必聴です。

そしてスラッシュはノっているのか酔っているのか、この曲に限らず、スタジオ盤とは違うフレーズを随所で弾きまくっています。

ギターをやられている方には興味深いのではないでしょうか。

 

Welcome To The Jungleの後でテープチェンジがありますが、演奏にかぶっていないので視聴には問題ありません。

ジャングルに続くのがSweet Child O' Mineという超贅沢な流れ。

イントロのギタートーンが完璧にスラッシュしていて泣けます。これは凄いです。

ダフのメロディ弾きもきっちり弾けていて感激。

ここでもアクセルの歌は絶好調で、SCOM好きの方は必聴のバージョンです。

 

Only Women Bleedをイントロにして(アクセルの歌は無し)Knockin' On Heaven's Doorへ。

この曲のギターソロを弾き終わった後のスラッシュのやりきった感が素晴らしいです。

このやりきった感を観るためだけでもスラッシュファンは買うべきだと断言できます。

ここで何故か時刻表示が画面に一瞬だけ復活。午後10時55分だそうです。

 

アクセルのメンバー紹介でステージ前方に歩み出るスラッシュ。

「ニューヨークに戻って来れて嬉しいよ」とか挨拶した後、おもむろにギターソロを弾き始めます。

ひとしきり弾いたところでバンドが加わりBlues Jamへ。

いくつかのブートではThe Avengersという名前で知られているジャムですが、その由来はよくわかりません。まあ、単なるジャムです。

こういうBlues Jamをさらりとこなす辺りがアメリカのバンドらしいですよね。

が、この曲の演奏中にステージを横切る怪しい影が…。

なんと自転車に乗ったアクセルがステージを横断して行ったのです!

ここがこのブートDVD最大の見せ場。

このサイクリングシーンを観るためだけでもアクセルファンおよび自転車ファンは買うべきだと断言できます。

 

 「これは『GN'R Lies』に入る予定のオリジナルバージョンだ」というアクセルの曲紹介で始まったのはYou're Crazy。

観客に馴染みのあるアペタイトバージョンではなくアコースティックバージョン。

しかし、曲の途中でアクセルが「これでもくらいやがれ!」と絶叫すると、アペタイトバージョンへ変貌。

ごくたまーに披露するハイブリッドバージョンです。くそかっこいい。

これは勝手な推測なのですが、このアレンジはアクセルが敬愛するQueenWe Will Rock Youで同じ事をやっていたのがヒントになっているのではないかと思います。

後年、Brian Mayがガンズのライヴに飛び入りしてWe Will Rock Youを演奏した時、途中でFastバージョンになるアレンジだったので、この推測もあながち見当外れでは無いかと…。

 

スラッシュの「君たちに捧げるよ」というMCからNightrainへ。

ここまでの熱演で枯れ気味になった声を振り絞るようにして歌うアクセル。

最初のギターソロはイジーとスラッシュが背中合わせになって演奏。

これはぶっ倒れるくらいかっこいいです。

これを観るためだけでも背中合わせファンは買うべきだと断言できます。

アウトロのロングソロを弾くスラッシュの周りを嫌がらせのように踊り狂うアクセル。

最後はアクセルのアドリブシャウトで終わるという珍しいアレンジ。

ここで本編終了です。

 

アンコール1発目は88年では超レアなDon't Cry。

Don't Cryを叩く88年のスティーヴンを観れるだけでも幸せです。

演奏中は聴き入っていた観客も、曲が終わると未来のヒット曲に大喝采。

そして、バラードでしっとりした空気を打ち破るようにして始まったのは、Aerosmithのカバー曲Mama Kin。

デビュー前から演奏していた1曲だけあって流石の出来。

 

長い夜を締めくくる1曲として準備されたのはParadise City。

この時点ではガンズのライヴ不動の最終曲として認識されていた訳ではありませんが、観客が待ち望んでいた1曲だけあってフロアの揺れ具合が凄いです。

ちなみにここでも例のカメラワークが登場しますが、ここまで観て来た人であれば心が乱される事はないでしょう。

ここではスラッシュとアクセルのマイクシェアが観れますので、マイクシェア好きの人にとっては…ってもうしつこいですかね。

最後のキメに合わせて半回転したアクセル、客席に向けてお尻を出してライヴ終了。

この時点ではアルバム1枚だけの新人ですが、実に堂々とした100分超の熱演。

文句の付けようがないでしょう。

 

前述した通りカメラワークの問題などはありますし、ブートに慣れていない人には少し厳しい画質ですが、定番のプロショット映像を一通り手に入れた後にでもチェレンジしてもらいたい1枚です。

ガンズが好きであれば大いに楽しめると思います。

願わくば同公演のプロショット、もしくは画質の良いバージョンが発掘されますように…。

 

Self Destruction Blues

いよいよ8月になりました。

今月は年間最重要イベントであるサマソニックの開催月。

万が一にも夏風邪などひかぬよう細心の注意を払って生活しております。

みなさまにおかれましても風邪などひかれませんようご自愛くださいませ。

 

早速ですが、今回からガンズのブートのレビューなぞをしていこうと思っております。

記念すべき第1回目のタイトルはコレっ!

 

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Langleyレーベルからリリースされた『Self Destruction Blues』。

1988年6月1日、シアトル公演のオーディエンス録音物であります。

ちなみにLangleyレーベルは西新宿にあるDust an' Dreams(現Lighthouse)内のハードロック専門レーベルで、ガンズ関連作品でも優良音源を多数リリースしていました。

このシリーズのジャケットデザインを手がけたデザイナーさんをちらりとお見かけした事がありますが、非常に可愛らしいお嬢さんでした。

今でもブートのデザインなどを手がけているのでしょうか。気になります。

 

前述の通り、この公演は1988年6月1日に行われたもので、我らがGuns N' Rosesは英国のヘヴィメタルバンドIron Maidenのサポートアクトとして出演しました。

これはメイデンの『Seventh Son of a Seventh Son』アルバム(邦題『大家族』)に伴うツアーで、今はKey Arenaという名称になっている収容人数約2万人弱の大会場で行われた公演のようです。

前座とは言え『Appetite For Destruction』がチャートで急上昇している頃で、ガンズは最初から大歓声をもってオーディエンスに迎えられます。

この約2ヶ月後の1988年8月6日に同作は全米チャートの頂点に輝く訳ですが、このブートはその直前、バンドがまさに上昇気流に乗って破竹の快進撃で突き進んでいる様を見事に捉えています。

ちなみに裏ジャケに記載されている9月8日Concord公演というのは間違いで、セットリストやMCなどから6月1日のシアトル公演である事が確認されております。

昔のいい加減なブートならともかく、2000年代に入ってから日本の業者が作った物のしては珍しいミスだと思われます。

 

CDを再生して一番最初に気付くのは、演奏の荒さとテンポの速さでしょう。

メンバーの誰ひとりとしてスタジオと同じような演奏を心がけていないのがありありとわかります。

嵐のようなIt's So Easyが終わり、アクセルの観客に噛み付くような「踊りたいだろ?俺と踊りたいんだろ?俺の名前は…Mr,Brownstoneさ!」というMCで始まるMr,Brownstoneのかっこよさ。

チャート急上昇アルバムを引っさげて故郷に凱旋したシアトル出身ダフもイントロで「YO! YO!」と叫ぶなど、明らかにバンドがノっている様子がわかります。

 

そしてトラックリストではRapと記載されているのは、未発表曲のIt Tastes Good, Don't It?です。

ブート音源に馴染みの無い方でも、東京ドームのライヴビデオでRocket Queenの途中でアクセルが披露するラップといえばわかって頂けるのではないでしょうか。

ロングバージョンもあるのですが、ここで聴けるのはいわゆるショートバージョンとして知られている1分足らずのバージョン。

この勢いのあるラップからのRocket Queenの流れは脱糞するくらいかっこいいです。

 

ちなみにアクセルはこのIt Tastes Good, Don't It?の歌い過ぎで喉を壊し、この公演の少し後から休養を余儀なくされます。

そのせいで当初7月に予定されていた初来日公演は同年の12月へ延期される事となり、その間にアルバムがとんでもない事になったおかげで、ガンズは初来日にして日本武道館のステージに立つ事になる訳であります。

アクセルの不調の兆しはこのライヴでもすでに見受けられ、声が非常に荒れています。

ガラガラとまでは言わないまでも、いつも以上にざらついたエッジのある声質となっており、それが予期せぬ魅力をもたらしております。

 

アクセルも自分の声の異変に気付いているのか、Knockin' On Heaven's Doorの冒頭やSweet Child O' MineのWhere do we go?パートなどで意識的に喉を休めようとしているのですが、勢いにノっているバンドにつられてすぐに歌唱は激しい方向へ振れてしまいます。

その絶妙な静と動のコントラストがこの公演を特別なものとしていると言っては過言ではありません。

いつもの金切り声に頼らず意識的に中音域を使ったヴォーカルも新鮮だし、アクセル特有のシャウトも喉の不調のせいか壊れる寸前の危うさがあって妙に魅力的です。

 

特筆すべきは後半に演奏される大ヒット曲Welcome To The Jungleでしょう。

Sweet Child O' Mineはこの時点では「New video」と紹介されており、そこまで認知度はありませんが、Welcome To The Jungleはすでに大ヒットを記録しており、間違いなく観客に最も認知されている曲で、客席のテンションも一気に急上昇。

これまでの熱演でアクセルのテンションも上がりきっており、喉も裂けよとばかりに冒頭の「D'you Know where you are?」から大絶叫。

咆哮と呼ぶのが相応しいようなヴォーカルを聴かせてくれます。

数ある同曲のライヴバージョンの中でも最高の部類に入る名演でしょう。

 

持ち時間もわずかとなり、アクセルは最後の曲を観客の投票で決めます。

NightrainとParadise Cityのどちらを聴きたいか、観客の声援の大きさで決めようと言うのです。

歓声はどう贔屓目で見てもParadise Cityの方が大きかったように思うのですが、アクセルは迷う事無く「Nightrainの勝ちだ」と宣言し、最終曲Nightrainをコールします。

常識人であるところのスラッシュはParadise Cityのイントロを弾き始めますが、アクセルは「おい!待て待て待て!Nightrainの勝ちだっつーの!」と演奏を強制終了。

改めてNightrainの開始を宣言するのです。

Paradise Cityを聴けなかったオーディエンスのみなさんには申し訳ありませんが、「アクセル!単にNightrain歌いたかっただけちゃうん?」と言いたくなるような鬼気迫るNightrainの迫力の前には何も言えません。

冒頭から「Loade like a freight train WOO!!!」ですよ。テンション高過ぎでしょう。

 

スティーヴン脱退後、メンバーは「マットが入ってバンドが成長した。ガレージバンドからスタジアムバンドになれたんだ」と言っています。

たしかにそれもひとつの真実でしょう。

毎晩数万人単位の観客を満足させるためには、コンスタントに80点~90点を出せるバンドにならなくてはいけません。

しかし、オリジナルのガンズには計算できない凄さがありました。

30点の日もあれば150点の日もある。

マットを加入させる事によってガンズは安定を手に入れましたが、それと引き換えに魔法のような夜を手放してしまったような気がしてなりません。

ブートを収集するのも、そんな魔法のような演奏を探して求めているからなのかもしれませんね。

 

CDの最後にはボーナストラックとして伝説の88年Limelight公演から4曲を収録。

当時はLimelight公演を完全収録したブート『P.O.D.』はリリースされていなかったので、この4曲が聴けるだけでも驚愕でした。

Langleyレーベルのオーナーさんに聞いたところによると、当時イギリスで買ったカセットテープに入っていた音源のようなのですが、『P.O.D』が出回った今ではあまりありがたみを感じないかもしれません。

 

ガンズのブートには定番とされる音源が多数ありますが、もしも「定番以外ならどれが一番オススメ?」と訊かれたら、この『Self Destruction Blues』を挙げると思います。

そのくらい演奏の勢いが凄まじいです。

ライヴにスタジオ盤と同じクオリティを求める方には向かないかもしれませんが、ライヴの聖なる1回性に重きを置く方なら絶対にオススメです。

是非この荒々しい5人の若者の姿に触れてみてください。

絶対に損はしないと思います。

タワレコで買えないヤツ

どうもこんにちは。

相も変わらず更新を怠っているうちにブラジルW杯も終わり、7月も数日を残すばかりとなりました。

更新する意思は多大に持っていたのですが、それに行動が伴わないという…ネ。

まあ、社会の屑の言い訳であります。

 

そんな話は脇に置いておいて、みなさんはもう観に行かれましたでしょうか。

もしくは購入してご自宅で鑑賞されましたでしょうか。

アレですよアレ。例の。いや、脱法とかではなく。

ついに陽の目を見る事になったGuns N' Rosesの『Appetite For Democracy』の事であります。

 

ガンズのリリース物を手にする時はいつだって興奮しますが、今回は1992年の東京ドーム以来のライヴ映像。

これは興奮するなと言う方が無理な話でしょう。

劇場へも2度ほど足を運びましたが、自宅のしょぼいテレビで観ているのが馬鹿らしくなるほど素晴らしい3D作品でした。ぶっ飛びます。

Estrangedには特に感銘を受け、映画館で2回も涙する始末。まさに名演。

お客さんの口が歌詞をなぞって動くのがよく見えて感動的なんですよ。

ファンにとってEstrangedがいかに大きな意味を持つ曲なのかという事がよくわかる。

そして、倉庫で長いこと埃をかぶっていたこの曲を引っ張り出して、どこに出しても恥ずかしくないくらいに磨き上げてくれた現メンバーたちに感謝。

こんなに素晴らしいバンドに成長したにも関わらず、いまだに旧メンバーとの再結成を期待されてしまうアクセルの胸中を思うと非常に心が痛むのだけれど、そんな意見を封じ込めるには新しい音楽で世界をねじ伏せるしかないよね。

という訳で、今年後半もしくは来年早々に新作をリリースしてくれる事を大いに期待しております。

 

待望のライヴDVDリリースによりガンズ熱が高まっている今日この頃。

そのガンズ熱にさらに油を注いだのが、Twitterでのフォロワーさん諸氏のガンズ愛あふれる素晴らしいブログでした。

深い知識と洞察力に裏打ちされた「これぞ決定版!」と喝采を上げたくなるようなアクセル・ローズ論。

そして、時には少女のような、時には母のような、「これが愛だ!」と世界のまんなかで絶叫したくなるような暖かいブログ。

自分が逆立ちしようが100回生まれ変わろうが到底敵わないであろうと思える素晴らしい文章の数々。

 

同じ土俵で勝負する度胸は僕にありません。

しかしながらガンズについてのブログは書きたい。

そんな葛藤をすること数日。

ふと思いついたのが、ガンズのブートレグについて書いてみるのはどうだろう、という事でした。

いわゆる海賊盤というヤツです。

もちろん僕よりもガンズのブートに精通している人は山ほどいるでしょうし、大手を振って歩けない業界の事を書くのはどうかと一瞬思ったのですが、決して嫌いな話題ではありませんし、ブートの感想を勝手気ままに書き散らすヤツがひとりくらいいてもいいのかなあと開き直り、そのようなアプローチを採用させていただく事としました。

 

ブログの方針としては、毎回適当に選んだブート作品を独断と偏見に塗れながら紹介していこうと思っているのですが、今回は初回ですので、自分とブートとの出会いなどを思い出すがままに綴っていきたいと思います。

題して『ブートと俺』、カスみたいなタイトルですが、しばしお付き合いください。

 

 

今を遡ることウン年前、僕はいたって健全なロック好き高校生でした。

そんなロック少年がロックグッズを欲するようになるのは自然の摂理。

好きなバンドのティーシャーツを着用したり、部屋に好きなアーティストのポスターを貼りたくなったりした僕は、ロック関連グッズを販売しているお店を探す事にしました。

当時は現在のように誰でもインターネットを使えるような状況ではなかったので、音楽雑誌『Music Life』などに広告を出していたお店をチェックし、西新宿にあるディスクロードというお店がポスターや雑誌、ティーシャーツなどを取り扱っているようだったので、学校帰りに足を運んでみる事に。

 

生まれて初めて足を踏み入れた西新宿はウブな高校生にとっては少々いかがわしい界隈だったけれど、幸いディスクロードは大通りからさほど遠くない場所にあったので、それほどハードルが高いお店ではありませんでした。

今にして思えば、西新宿界隈でも随一と言えるほど健全なお店で(多少はブートCD、ブートビデオも扱ってましたが)、悪く言えばミーハーな雰囲気。

当時流行していたブリットポップが好きな女の子でも入れるようなお店だったと思います。

他のブート屋ではあまり扱っていない海外ロック雑誌が豊富だったので、閉店が惜しまれるお店であります。 

 

ディスクロードでの買い物を終え、その周囲を少し散策してみると、かなりの密度でCD屋やレコード屋が密集している事がすぐにわかりました。

いくつかお店に足を踏み入れてみると、そこで売られているのは変なジャケ写のチープな作りのCDの数々。しかも妙に高い。

お店のたたずまいとバンドのディスコグラフィーに載っていないCDの数々、それらを総合して考えれば、高校生といえども非合法の香りを嗅ぎ取らずにはいられません。

 

ここは立ち入ってはいけない場所だ

 

怖くなって逃げるように西新宿を後にしました。

その後、ロック雑誌などを愛読するようになり、どうやら海賊盤マーケットというものが存在するらしい事を薄々知るようになりますが、次々と発売される新譜のチェックやロック史に燦然と輝く名盤たちの復習に手一杯で、そのような世界に足を踏み入れている余裕はまったく無かったのです。

(当時はロック雑誌にブート店の広告が普通に掲載されていました)

 

そんな状況が少し変わったのは、自分にとってガンズが特別なバンドになってからしばらく経ったある日の事。

毎日のようにガンズの作品に触れ、雑誌の記事なども貪るように読んでいるうちに、Shodow Of Your LoveとWhole Lotta Rosieという2曲のアルバム未収録曲がどうしても聴きたくなってきました。

しかし、その2曲が収録されている日本企画盤『ライヴ・フロム・ザ・ジャングル』はとうの昔に廃盤となり、学生には手の届かないようなプレミア価格が付けられています。

今ならYoutubeなどでサクッと聴くところですが、当時はそんなものは影も形も無く、どうにかして現物を手に入れて聴くしかありませんでした。

 

なんとかしてガンズのアルバム未収録曲を聴きたい。

 

考えに考えた末、ふと思い出したのがあの西新宿の光景。

あそこなら手に入るかもしれない。

藁にもすがる思いで、あの怪しげな界隈に再び足を踏み入れたのです。

 

結論から言えば、西新宿で得たものは当初の目的を達成するどころか、それを遥かに凌駕するものでした。

スタジオデモと共に収録された前述の2曲はもちろんのこと、『Rumbo Tapes』と題されたCDには、ガンズの公式ディスコグラフィーをいくら確認したところでその存在すら確認出来ない未発表曲がてんこ盛り。まさに驚愕。

これで完全にブートレグの魅力に取り憑かれました。

 

当時はスラッシュがスタジオを追い出されバンドを脱退。

「誰それがメンバーらしい」「アクセルはテクノにハマっているらしい」「プロデューサーが交代したらしい」という噂話が断片的に入ってくるばかりで、新作のリリースどころかバンドの将来する不透明な状況でした。

そもそもガンズというのは公式音源の数が少なく、容易にディスコグラフィーをコンプリート出来てしまうようなバンド。

そして、関連記事などに目を通すと決まり文句のように書かれているのが「ライヴが凄い。なにが起こるかわからない」という事。

つまり、ガンズというのは非常にブートレグに手を出しやすい土壌を持ったバンドな訳であります。

 

それから少しずつブートレグを買い集めるようになりました。

当時は中古CD屋でガンズのブートレグを見かける事も多く(それだけ多くの枚数が流通していたという事でしょう)、比較的安い値段である程度の数を収集する事が出来たと思います。

また、グランジブームによりHR/HM人気が後退した事により、西新宿のブートレグ屋でも関連商品のワゴンセールを頻繁に行っており、お財布に優しいお値段で貴重な盤を手に入れたケースもありました。

 

が、やはりそこは非合法商品。当たり外れがあります。

中には隠し録り丸出しの酷い音質で「金返せ!」と叫びたくなる事もしばしばありました。(まあ、その手の音源に慣れてきて、ブートレグ耳を手に入れると聴こえ方も違うのですが、それはまた別の話)

特に当たり外れが顕著なのがブートビデオでした。

当時は現在のようにDVDではなかったので、元テープからダビングしたものが商品として販売されていました。

ビデオはダビングを重ねる度に劣化していきます。

なので、購入するお店でクオリティが違うのはもちろんの事、同じお店で購入したとしても個体差が発生してしまうのです。

某A店のように試写システムがあるところなら実際に確認してから購入できるのですが、そうでないお店で買う時はまさに博打です。

何度血の涙を流した事か…。

それに引き換え今はDVDなのでダビングによる画質の劣化はありません。デジタルコピー最高!と絶叫したい心持ちであります。

 

そんな手探りでブートレグを収集する日々に転機が訪れたのは大学に入学し、初めてのパソコンを手に入れた頃でした。

そう、インターネット環境の導入であります。

そこから一気に世界が開けました。

国内外に無数に存在するガンズのファンサイトを訪問し、自分が所有しているブートレグの詳細を知ると同時に、今まで見たことも聞いたこともなかった音源の存在も知る事になったのです。

特に好んで訪問したのが、セットリストやライヴ中の出来事などを詳細に記した海外サイトと、ブートレグのレビューを行っていた日本のとあるガンズサイトでした。

 

特に日本のサイトの管理人さんとは掲示板と通じて交流を持つようになり、お互いのコレクションをCD-Rに焼いて交換するようになりました。

いわゆる「トレード」というヤツです。

他にも何名かを交えて音源をトレードするようになり、収集のスピードが飛躍的にアップしました。

そうなってくるとブートレグ収集にほとんどお金がかからなくなり、たまに新規の音源を購入する時も、これはトレードに使えるかどうか、つまり他の人が所有していない音源かどうかが判断基準となりました。完全にマニアですね。

 

最初は活発だったトレードもひと段落し、音源収集のスピードが鈍り始めた頃、事態は新たな局面を迎えます。

今まではブートレグ業者が制作し、商品として市場に流通している音源を収集の対象としていたのですが、ネットで色々と調べていくうちに、未だブートCD化されていない貴重音源が海外マニアの間で取引されている事がわかりました。

マニア…いや、ガンズファンとしてそれらに手を出さない訳にはいきません。

そう。海外トレード時代の幕開けです。

 

つたない英語を駆使し、海外トレーダーにメールを送ります。

求める音源の条件としては主に以下の点を重視しました。

 

・ブート化されていない事

・音質が良好な事

・珍しい曲が演奏されている事(Coma、Locomotive、Breakdownなど)

・セットリストが特殊な事

 

海外トレーダーの間で日本製のブートCDの人気が非常に高く、日本製1枚に対して2~3枚の音源と交換してくれました。

綺麗なジャケットや盤面プリントが珍しかったようです。

これらの取引で、ブートCDとして出回っていなかったComa初演のリッチフィールド、Breakdownを演奏したMSG公演などが日本のトレーダーの間で出回る事になりました。

そして最大の目玉となったのが、ガンズ史上最高に奇妙なセットリストとされている88年のNY Lime Light公演です。

これはOne In A MillionやCornshuckerという超レア曲をプレイしているだけではなく、前半がアコースティックセット、後半がエレクトリックセットというガンズにしては非常に珍しい二部構成を持ったライヴなのです。

さらにアクセルの機嫌がすこぶる悪く(ライヴ当日、アクセルは完全オフ日だと思っていたそうです)、途中で消えたり現れたりし、メンバーは苦し紛れのジャムで繋いだり、ローディーにツェッペリンを歌わせたりして、なんとかライヴとしての体裁を保つという非常に興味深い演奏が聴けます。

前半の一部はLangleyレーベルから出ていた『SELF DESTRUCTION BLUES』というブートで聴けたのですが、完全版としてはこの海外トレード音源が初。

このライヴを通して聴いた時は本当に戦慄しました。

よく暴動にならなかったな、と…。

このライヴの2日後、あの伝説のリッツ公演という名演がある訳ですから、本当にムラがあるバンドですよね、ガンズって。

まあ、だからブートを集めてしまう訳ですが…。

 

そんな我々トレーダーのマニア魂はその筋のお方の目にも留まる事となります。

ついに業界人の登場であります。

その方は後にガンズ関連の超優良音源を多数リリースする某Aレーベルのオーナー様なのですが、非常に面白い話を色々と聞かせて頂く事が出来ました。

あまり詳しい話は自粛させて頂きますが、業界が景気の良かった頃は、ブート屋に某トレンディ俳優がふらっとやって来た事もあるそうですよ。

ちなみにお蔵入りとなったSlash's Snakepitの『Ain't Life Grand』のInterscope版を手に入れる事が出来たのは完全にこの出会いのおかげです。本当にありがとうございました。

 

そんなドキドキ海外トレード時代も長くは続きません。

某日本人トレーダーが、当時出回っていたガンズの全ライヴ音源を海外トレーダーから一挙に手に入れたのです。

これで完全に均衡が崩れました。

すでに全音源を所有している人にはどう考えても勝ち目はないでしょう。

お互いに持っていない音源をちまちまトレードする時代は終わったのです。

 

このトレーダーさんは某Aレーベルと手を組み、ガンズファンが驚愕するような超優良音源を次々にリリースしました。

僕も音源をいくつか無償に近い形で譲って頂き、コレクションが非常に充実したのを覚えています。

あんな音源やこんな音源を耳にする事が出来たのも、すべてその某トレーダーさんのおかげであります。

きっとみなさんのコレクションの中にも少なからずそのトレーダーさんの息がかかった音源があるのではないでしょうか。

ある時期を境にそのトレーダーさんとは音信不通になってしまいましたが、もしも何かの機会に再会する事が出来たら、その当時の思い出話を色々としたいと思っております。

 

その後、僕は就職して仕事に忙殺され、ブート事情に疎くなってしまいました。

また、某ガンズサイトの管理人さんは海外留学し、現地で観に行ったガンズライヴで暴動に巻き込まれてファンを卒業されたようです。

僕はここ何年かでまた新作ブートをチェックするようになりましたが、今はもうトレーダーさんとの付き合いも無いので、ごく普通に買わせてもらう立場となっております。 

最近は録音機材や撮影機材の進歩なのか、すごい良質な音源が多いですよね。

最近は「えっ。こんなレア音源が?」と驚くようなものは少ないですが、86年のAin't Goin' Down初披露のライヴ(これは間違いなくAin't Goin' Down以外音源も存在しているそうです)などが発掘されるのを気長にまってます。

 

まあ、マニアの戯言を色々と書き連ねてきましたが、今はちょこちょこブート音源のレビューなどをやっていきたいと思います。

「マニアが何か言ってるな」程度のスタンスで見て頂ければ幸いであります。

また、「これをレビューして欲しい」というリクエストがございましたら、コメント欄もしくはTwitterで呼びかけて頂ければ可能な限り応じさせて頂きたいと思います。

 

 

2007年、わたしはたしかにアレを聴いた

ブラジルW杯を直前に控え、みなさまいかがお過ごしでしょうか。

もうブブゼラの準備はお済みでしょうか。

今ならまだ間に合いますのでお早めのご購入をオススメいたします。

ブブゼラを肺活量の限りに吹き鳴らし、肺臓も破けよとばかりに日本代表を応援しようではありませんか。

 

さて、場末のスナックのように細々とやってきた当ブロクですが、前回のISEの記事をアップし、その旨をTwitterでつぶやいた直後から状況が一変。

2日連続で100アクセスを頂戴するという今までの閑古鳥ぶりからは想像もつかないような状況となりました。

僕を有頂天にさせて「はてなブログ Pro」を契約させようという策略でしょうか。

そんな疑心暗鬼に陥ってしまうような盛況ぶり。

なによりも嬉しかったのが、尊敬する文筆家 志村つくね氏が当ブログの読者になってくださったこと。

なにを隠そう数あるブログサービスの中からはてなブログを選択したのも、氏が同じはてなブログで「志村つくねの父さん母さんリヴァイアサン」を始められたからであります。

この場を借りて志村つくね氏、そして読んでくださったTwitterのフォロワー諸氏に御礼申し上げます。

 

相変わらず更新ペースの遅い当ブログですが、少しでも記事をアップ出来るよう新しいアイデアをひねり出しました。

それは僕がSNSサイト大手mixiで書いていたmixi日記に手を加えて当ブログに転載すること。

さすがにすべて転載するという訳にはいきませんが、中には気に入っているものもありますし、mixiではマイミクさんが数えるほどしかいなかったので、改めてみなさんが読める状態にするのもいいのではないかと思いました。

 初めての試みなので上手くいくかわかりませんし、もしかしたらこれが最初で最後になるかもしれませんが、とにかくやってみましょう。

第1回目としてアップさせていただくのは、2007年7月に開催されたGuns N' Roses日本ツアーの初日 幕張メッセ公演のライヴレポート日記でございます。

今と文体が違っていて恥ずかしいし、ギャグも盛大にすべっているものが多いのだが、よほど目も当てられないもの以外は極力そのままにしてお送りいたします。

どうぞっ。

 

【以下、mixi日記より加筆修正の上転載】 

 

2007年7月14日・15日、幕張には間違いなく神がいました 。

神=アクセル・ローズ、しかと目撃して参りました。

涙と感動の2日間、渾身のドキュメントを是非!
いや、そんな大層な物じゃないですが。

とりあえず長いです。

ていか日記というよりも記録です。自分自身のための。

まずは初日の様子からどうぞっ。

 

7月14日、Guns N' Roses実に14年ぶりの日本ツアー初日。

折りしも日本列島には台風4号が大接近中。

噂によると過去最大級だとか。こいつはついてないこと甚だしい。

バンドが既に来日しているのが不幸中の幸い。

天気予報によると関東に最接近するのは15日。

とは言え、14日の時点で既に結構な暴風雨。

正直、幕張まで運転していくのがちょっと怖いような心持ち。

ホテルのチェックインが14時からだったので、少し余裕を持って11時に自宅を出発。

当然の如く車内BGMはガンズ。道中は車内カラオケ大会開催となりました(ひとりです)。

が、雨風が半端じゃない。マジ半端ない。

普段は絶景であるところのレインボウブリッジでは視界が真っ白に。

これは死ぬでしょう。

ためしにワイパーをオフにしてみたところ、コンマ1秒で何も見えなくなる。

これは間違いなく死ぬでしょう。

千葉まで無事にたどり着けたのは奇跡としか言いようがない。

早くも運をすべて使い果たしたのではないでしょうか。

 

宿泊予定のホテルで友人のくりこさんと合流。

わりと高級なホテルのロビーにガンズティーシャーツを着込んだ社会の屑が2名。

明らかに場違い。すいませんね。

とりあえずチェックインして部屋で乾杯&昼ご飯。

外は相変わらずの嵐だし、とりあえず飲むことくらいしか出来ないのです。


会場の幕張メッセは目と鼻の先。

部屋でガンズのDVDを鑑賞しつつ、開場時間までひたすらにビールを飲む社会の屑2名。

ホントならば開場と同時に入ろうと思っていたのだけれど、 天気も悪いし、かったるくなって1時間遅れで開場入り。 なんたるやる気の無さ。

まあ、整理番号もイマイチだし、前の方で見れないしね。

傘を入り口付近に放置し、グッズ売り場へ突撃。

ツアT、タオル、リストバンドを購入。計6500円也。

Tシャツは仕方ないから2枚重ね。暑いよ!厚いよ!

グッズ売り場で気になったのが、ロビン・フィンクのオリジナルティーシャーツ。

着ていた人はおろか買ってた人も見ませんでした。

ギターソロの時とか「買ってね」って言えばいいのに。

あ。話は脱線しますが、メッセの案内嬢が凄い。

覇気という言葉はこの世に存在しないのではないかと思ってしまうようなテンションの低いおばちゃんがふたり。 

道を尋ねたのにボソボソ言ってて聞き取り不能。

さすが千葉。魔境ですよ。

今日はARブロック。平たく言えばステージ右手。

とりあえず、行けるとこまで前方へ潜入してみる。

わりとスイスイ進み3~4列目くらいを確保することに成功。

前に背の高い兄ちゃんがいるのが残念ですが、整理番号の悪さを考えればこの位置でも大ファインプレーですよ。

だって、この位置からアクセルが観れたら相当に近いよ。

テンション上がり気味。ドキドキっ子ですよ。

が、隣りのくりこさんは不満顔。

仕方ないのでその理由を訊いてみると…

 

理由1 兄ちゃんが邪魔でステージが見えない。

理由2 近くの男子が臭い。 

 

わがまますぎて助けてやる気にもならんが、とりあえずファブリーズ買ってきなさい。 

そんな女子のわがままよりも気になったのが、ライブ慣れしていないであろう人が 異様に多かった事。

多分、スタンディング形式が初めてなんだろうね。

でっかいカバン持ったままとかハイヒールとか。

挙句の果てにはカーディガン着ちゃってる女性とか。

始まったら死ぬよ!絶対!

まあ、年齢層が高いのは予測してましたが、

ここまでの惨状は完全に予想外。凄い。


そうこうしてるうちに場内暗転。

前座のバンドが登場。ムックですよ、ムック。

残念ながら子供たちに大人気の赤いキャラではなく。

いわゆるビジュアル系のバンドです。日本の。

わりと巷では人気があるらしくムック目当ての女子もいました。

が、大多数のオーディエンスはムックに興味なし。

この日は酷い野次こそなかったけど拍手もまばら。

一生懸命やってるバンドには気の毒だけど、明らかに場違い。

30分くらい演奏してステージを降りるムック。

オープニングアクトの役割は果たせなかったと言わざるを得ない。


さあ。ここからがガンズ名物アクセル待ち。

何時間でも待つ覚悟は出来てますよ。

と思ったら、わりと早く始まりました。

 

「わりと早く始まりました」とか冷静に書いてるけど、客電落ちた瞬間にテンション上がりすぎて絶叫してた。

あ。くりこさんはいつの間にかベストポジションを確保。

柵につかまっていらっしゃいました。

彼女は小柄な女子なので、その後ろにいる僕も自動的に観やすいポジションに。

ステージがダイレクトに見える。凄い。幸せだ。

聴いた事の無い怪しげなSEが流れる中、サーチライトが蠢くステージにメンバーが次々と登場。

ステージ右手、ロビン・フィンクが弾くのはもちろん名曲Welcome To The Jungleのイントロ。

場内には怒号。そして悲鳴。後方から押し寄せるオーディエンス。

半端じゃない押され具合。若干危険でした。

もうこの時の興奮は一生忘れない。

気がついたら大して好きでもないロビンの名を連呼。

僕の横でも同じようにくりこさんが「ロビィィィン!ロビィィィン!」と絶叫しておりました。

傍から見たら完全にロビンマニアふたり組ですよ、ええ。

「物販でティーシャーツ買ったんでしょ?」と決めつけられても仕方が無いくらいのロビン大好きっ子と化した我々。

人間テンションが振り切れるとどういう行動を取るかわからないという好例ですね。

 

ふとステージ中央を見ると既にアクセル・ローズ登場。

もうロビンの事は忘れて「アクセル!アクセル!」の大絶叫。

これだけ頻回に「アクセル!」って叫ぶのはガンズファンか教習所の教官くらいですよ。

どうでもいい話ですが。

 

もうそこからは何千回と聴いてきた名曲のオンパレード。

歌いっぱなしですよ。自然と歌詞が口から出て来る感覚。

あのアクセル・ローズが自分の目の前で歌い踊る。

まさに夢としか言いようがない。

そのルックスは大きく変わったけど、アクションと歌声はまぎれもなく僕らが知っているアクセル・ローズその人。

 

あまりの感慨深さに涙腺が崩壊寸前。

It's So Easyの「Fuck Off!!」も叫んだし、最高のグルーヴを持つMr.Brownstoneでは場内横揺れ。

「いつか見れるかもしれない」と漠然と夢見ていた風景が、自分の眼前に実際に広がっている。

これって本当にすごい事で幸せなはずなんだけど、まだ夢の中みたいな不思議な感覚。あんまり現実感が無いんだよね。

 

場内はオープニングから一瞬たりともテンションが落ちず、身の危険を感じてしまうくらい盛り上がりっぱなし。

そんな光景を見た目にしたアクセル、Mr.Brownstoneの後には「What a crowd!!! What a crowd(なんちゅーやつらやねん!)」というありがたいお言葉を。

しかも大事な事だから2回言いました的な。

アクセルからこんな言葉を引き出した事を日本人として誇りに思おう。

 

あ。新曲は他の曲に比べるとやっぱり受けが悪かったなぁ。

BetterとかMadagascarとかすげーカッコいいのに。

The Bluesではピアノの上にアクセルが飛び乗る!

一瞬ヒヤッとしたけど無事に乗れてました。

わりと身軽。だいぶやせましたね。


ライヴはいつものようにParadise Cityで終了。

ガンズのライヴ、不動の最終曲。

これが始まれば今夜はこれで終わりだと誰もが認識する、そんな1曲。

アクセルも最後の力を振り絞るかのように歌い踊り、吹き出された紙吹雪が場内を真っ赤に染めていく。

「Thank you!!! Good Night!!!」というアクセルの絶叫と共に初日のステージが終了。

あまりの素晴らしさに割れんばかりの拍手に包まれる場内。

 

観客の歓声に応える為、再びステージに戻ってくるメンバー達。

客席にお辞儀をして今度こそライヴ終了だ。

アクセルからは改めてオーディエンスを称賛する言葉が。

いやー。すげかった。今まで観た中で文句なしに最高でした。

みんな名残惜しかったのか、ダメ元で「Guns! N'! Roses!」コールを開始。

が、無情にも客電点灯。

まあ、仕方ないよね。Paradise City演ったんだからもう終わりだよね。

本当に素晴らしいライヴだった。今夜はビールがさぞかし美味いことでしょう。

 

が、ここで奇跡が!

再びステージに戻ってくるアクセル。

ステージ左手にはギタリストのロン・サールが。

ギターソロを弾き始めるロン。

この人は上手い。バケットヘッドの後任にふさわしいバカテク。

 

ひとしきり弾きまくった後、ロンが奏で始めたのは…

Don't Cry!!!!!!!!!!!!!!!

いや。この人が前のツアーでもこの曲をインストで

演奏していたのは知ってるんだけども…。

アクセルがステージにいるという事は…。

 

イントロのアルペジオに導かれ、「Talk to me softly…」と静かに歌いだすアクセル。

嗚呼、聴けてしまった…。

Don't Cryは93年のツアー以来、一度も演奏されていないはず。

それが日本で聴けるなんて…。

台風の中集まったファンに対するプレゼントなのか

4月から延期になってしまった事へのお詫びなのか

ただオーディエンスのリアクションが嬉しかったのか

理由は分かんないけど、大好きな曲だし、ホント泣けた。

 

海外サイトでも大騒ぎだったみたいだし。

このサプライズはガンズのライヴ史上、最大クラスの出来事じゃないかな。凄い。

東京ドーム公演がライヴビデオ化されたことやLive Eraの日本盤にボーナストラックが付いていたことを指して「日本人ばっかりずるい! Japanese can suck my dick!!!」とか海外のGunnerが怒っていたけど、これはたしかに怒られても仕方がない。

一生忘れられない夜になりました。

アクセルの気まぐれに感謝。

 

【以上、mixi日記より加筆修正の上転載】

 

いやー。お恥ずかしい。なによりも長い。

この次は幕張メッセ2日目のライヴレポなんだけど、転載をためらってしまうほどの文体の恥ずかしさ&内容の稚拙さ。

どうすべきか己に問いかける日々を過ごします。

では、みなさまにおかれましては良い日曜日をお過ごしくださいませ。

ニッケは「またすぐに会おう!」と叫んだ

 

暑いですね。暑い。

6月になったばかりというのにこの暑さ。

今年のサマーソニックも去年と同じかそれ以上の惨状になるのではないかと今から非常に心配しております。

 

こんなに暑いとブログの更新もままならず…という訳ではないのですが、またまた前回から間が空いてしまいました。

仕事から帰って来た後、少しは書き進める時間はありそうなものだけれど、すぐにビールを飲んでしまうのがいけないんですかね。

ビールを飲みながらテレヴィジョンを視聴したり、本を読んだりしているうちにいつの間にか気絶、気付いた時には朝になっているという日々です。

ビールとブログの両立ができるよう試行錯誤していきたい。

 

という訳で、もう先月の話になってしまうのですが、観て来たライヴについて書いてもよろしいでしょうか。

よろしくないという方がいらっしゃいましたら、実際に何かのライヴや酒席でご一緒した際にやんわりとお伝えいただけると幸いです。

ちなみに当方筋金入りの人見知りでございます。

 

 

5月26日(月)

Imperial State Electric@渋谷CLUB QUATTRO

 

北欧の暴走ロックンロールバンドとして人気を博したThe Hellacopters(R.I.P.)のニッケ・アンダーソン率いるImperial State Electric(以下、ISE)。

初来日となった2012年9月以来の待望の再来日。

前回の来日公演があまりにも素晴らしく、その前月に観たVintage Troubleの単独公演と合わせて「2012年夏の奇跡」と勝手に命名し、事あるごとにその思い出に浸っております。あの夏は熱かったナー。

 

会場は前回と同じ渋谷CLUB QUATTRO

前回は初来日の顔見せ公演という意味もあったのか3900円という破格のチケット代だったのだが、動員的には大惨敗。

東京はフロアの後方に丸テーブルを配置し、無理やり空きスペースを潰すという切ない状況に。

が、東京はまだマシで、名古屋はお客さんが100人いなかったとか。

初来日からそんな苦境の中、ISEの日本での所属レコード会社Trooper Entertainmentの宮本代表がライヴに先駆けてステージに立ち、東京のオーディエンス達に対して素晴らしい前説を披露してくれました。

記憶を辿って再現してみたいと思います。大筋では合っていると思います。

 

宮本氏:

僕が前の会社にいた時、解散するヘラコプターズを日本に呼びたかったけど、色々あって呼ぶことができなかったんです。

だから、自分の会社でImperial State Electricを絶対に呼びたいと思ってました。

で、今回来てもらう事になったんですけど、名古屋とかは本当に動員が厳しくて…。

だから、メンバーには正直に言ったんです。

「本当に申し訳ないけど、今日のライヴはお客さん全然いないかもしれない」って。

そうしたらニッケは「俺たちを観たいと思ってくれる人がいるんだったら、俺たちは客が何人でもやるよ」って言ってくれて。そういう奴らなんです。

今日もすごいライヴを観せてくれると思います。

インペリアル!ステイト!エレクトリック!

 

 

だいたいこんな感じだったと思うのだけれど、ニッケが登場する前から目頭が熱くなるとは思わなかったよね。

この前説とISEの熱演。忘れられない記憶として僕の脳みそに爪痕を残しております。

だから、今回も勝手に宮本さんの前説から始まるのではないかと予想しておりました。

 

動員的にアレだった初来日のリベンジで大入りになればいいナーと思っていたのだが、5月に入ってからチケット買ったのに整理番号170番くらい。

え…まだ200枚も売れてないの…?と背筋が寒くなりました。

少しでも動員の足しになればと思い、その日から公演当日までTwitterでISEをゴリ推しするという草の根運動を開始。

が、その甲斐無く開場直前のQUATTROは閑古鳥。

整理番号170番なのに楽々と2列目を確保できるという有様でした。

整理番号50番くらいのフォロワーさんと簡単に合流できたのは嬉しかったけれど、この動員はちょっと危険なのでは…。

でも、前回と違ってフロアにテーブル置かれてないしな…。

みなさんお仕事終わってから駆けつけるのであろうと信じて開演を待つ。

 

開演の19時直前、最終確認で後ろを振り返ると、GWに観たCarcassの大入りには程遠いが、超ガラガラと言わなくてもいい程度にはお客さんが散在していたので一安心。

さすがに2回連続で閑古鳥だとこの素晴らしいバンドに申し訳なさすぎる。

彼らはアルバムよりもライヴの方が7000倍くらい魅力的なので、ライヴレコーディングして『Live In Japan』でも出してくれた方が友達とかにオススメしやすいんだけどなあ…。

 

などと思っていると、ほぼ定刻通りにメンバー登場。

いきなりメンバーが出て来るところを見ると、今回は宮本さんの前説は無いのか。

ISE来日公演のお約束になったらいいナーと思っていたので少し残念。

 

全員黒ずくめの衣装で身を固めたISEのメンバー達。

ニッケは例によって軍人風の帽子をかぶっていて、これが死ぬほどクール。

ニッケLOVEな娘さん達はもう辛抱たまらんのではないでしょうか。

 

ステージに登場したメンバー達、まずはそれぞれの楽器を手に取り念入りにチューニング開始。

「1曲目:チューニング」とセットリストに書いてるのではないかと思うほど、それはそれは入念なチューニングでございました。

 でも、このチューニングする姿も絵になるっていいよね。

客席に背を向けているのにも関わらず背中ですべてを語る男、それがニッケ・アンダーソン。

 

チューニングを終えたバンドは、最新作『Reptile Brain』の1曲目に収録されているEmptiness Into The Voidで勢いよくセットをスタート。

前回の来日ではCheap TrickのHello Thereという変化球な幕開けで驚いたが、今回はアルバムのツアーらしく直球ど真ん中で勝負だ。

黒のレスポールを左利きに構え、ギターをかき鳴らしながら歌うニッケは生まれながらのロックスター。

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Emptiness Into The Voidから間髪入れず緊張感のあるイントロを持つUh Huhへ。

なんちゅー曲名やねん!というツッコミはさておき、名作2ndアルバム『Pop War』の冒頭を飾る名曲にオーディエンスはハンドクラップで大喝采。

「2分未満の名曲を挙げよ」というお題があったら迷わず推挙したい名曲であります。

 

渋谷CLUB QUATTROに集まったオーディエンスは、数は少ないけれど筋金入りのISEファンばかり。

どんな曲にも盛大に反応し、フロアの温度を沸点に向けて上昇させていく猛者ぞろい。

I'll Let You Downの前(だったと思うのだけど…)にギターのトビアスが物悲しいアルペジオと共に歌いだしたKISSのBlack Diamondにも完璧なコーラスを提供するくらいのロック好きが集まっているのだから、これはもう盛り上がらない訳がない。

 

ロックの神様による最高の創造のひとつであるニッケ・アンダーソン。

売り上げはロックレジェンド達の足元にも及ばないが、アクションのひとつひとつがかっこいい。

少年少女、紳士淑女、童貞処女、ボーイミーツガール、正社員派遣社員、ステータスはどうだっていいけど、ロック好きなら間違いなく気に入るバンドである事を保証しておく。

間違いなく彼はロックの神様のお気に入りだと思う。

アリーナで豆粒のような姿を観るのではなく、汗臭い場末のクラブで至近距離から観たいロックスター、それがニッケ・アンダーソンだ。

 

彼がKISSなどを聴いて育った事が大きく影響しているのだろうけど、とにかくかっこよさにこだわったステージに脳髄がゆさぶられる。

彼らの中で「かっこいい事はやる」「かっこ悪い事はやらない」という判断基準が絶対的に存在しているのだろう。

だって、ステージの上にはかっこいい事しか存在しないんだよ?

 

全員黒ずくめの衣装もかっこいいから。

ニッケがカールコードを使っているのもかっこいいから。

ガーンとコードを鳴らして、その間にポーズを決めるのもかっこいいから。

ピート・タウンゼントよろしく腕をぐるーんと回してピッキングするのもかっこいいから。

しつこいほどにキメのパートが出て来るのもかっこいいから。

メンバー全員歌が歌えるのはビートルズやKISSみたいでかっこいいから。

 

とにかくもうかっこいい事ずくめ。

ISEのライヴを観て胸が高鳴らない人がいたら、そいつはロックンロールを好きになる素養が1ミリも無いよ!と極論を唱えてしまいたくなるくらい圧倒的。

「音楽の好みは人それぞれでしょうよ」という意見はもっともですが、ISEとVintage Troubleに関しては、そのような正論が一切効力を失うのです。

嘘だと思うなら一度ライヴを観てご覧なさい。

それでもダメなら仕方がない。一生ご縁が無かったという事で…。

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熱狂に次ぐ熱狂のライヴ。

「今まで書かれた中で最高の曲」という紹介で始まったDead Boysの超名曲Sonic Reducerには発狂しました。

パンクロックの超定番にして超名曲。

ガンズファンのみなさまにおかれましては、2009年の大阪公演(伝説の0時越え)でトミー・スティンソンが歌った楽曲として認識されているのではないでしょうか。

この曲でヴォーカルを取ったのはベーシストのドルフ。

ニュージーランド出身の暴走ロックンロールバンドThe Datsunsのフロントマンであります。

The DatsunsはMF From Hellという超名曲馬鹿ソングを持つ素晴らしいバンド。

未聴の方は是非一度チェックしてみてくださいませ。


The Datsuns - MF From Hell - YouTube

 

そして最高のクライマックスは最後の最後にやってきました。

最後の曲のエンディングが近づいた時、

唐突にフロントの3人がステージに膝を着いたのです!

 

文字にすると「へー。そうなんだ」という感じでしょうが、これが本当に腰から崩れ落ちるくらいかっこいい。

今までの熱演のすべてがここに集結したんだ!と叫びたくなるくらい。

これぞカタルシス。

まさに魂の浄化がここで行われた訳であります。

 

Ozzfestで観たToolは崇高とも言える演奏の後、紙吹雪の発射というベタベタに手垢に塗れた演出をする事で、裏の裏をかかれた時に感じるような快感をオーディエンスに与えた訳だが、ISEの場合はもう直球ど真ん中、最後はまっすぐが来ると予想していたバッターがボールの下を空振りしてしまうような予想を超えた直球を投げ込んで来たんですよ。

あの瞬間、このバンドには一生付いて行こうと誓いましたよ、僕は。

この膝着きの話が文章じゃ伝わらないのは十分承知。

本当かどうか確かめるために次の来日は是非会場に足を運んでください。

絶対に絶対に損はしないと思いますよ。

好きなバンドがひとつ増える結果になると思います。

で、終わった後には美味しいビールを飲もうじゃありませんか。

1杯くらいならおごりますよ。

 

この日は珍しくバンドの出待ちなどをしてしまったわたくし。

新潟からはるばるISEを観にやって来たフォロワーのさきえさん(美女)の高速バスの出発時間があるのでハラハラしましたが、タイムアップになる前にバンドが外に出て来てくれました。

メンバーに殺到するファンのみなさまを押しのけるほどのバイタリティを持ち合わせていないので、順番が来るまでじっと我慢してニッケとドルフのサインをゲット。

ニッケはこちらから「また来てね!」と言った訳でもないのに、「またすぐに会おうぜ!」と大声で叫んでくれました。

これだけ素晴らしいバンドなので「フェスで大勢の人に観てもらう&単独公演のセット」だったら嬉しいナーと思っております。

 

そしていつかヘラコプターズの楽曲も解禁となりますように。

天使の羽根アルバムから演奏されたら泣きながら泣きます。

 

そんなこんなで雑なライヴレポートは終了。

みなさまにおかれましては体調など崩しませぬよう夏をお迎えください。

My ゴルデン週間 その3

えー。「言うは易し行うは難し」なんていうことをよく申しますが、それはブログにおいても同じですね。

マメに更新するぞ!などと放言するのは容易なのですが、実際に更新を続けるのは莫大な労力を伴うわけであります。

更新頻度についての言及は極力避け、更新した時には「莫大な労力を注ぎ込んで偉い!超人!偉人!」などとみなさまに褒めていただけるような方向に持っていきたいと考えております。

 

まあ、そんな言い訳はさておき、ゴルデン週間に観たライヴについてのブログでございます。

今回は第3弾にして最終回、5月6日の話を書き連ねていきたいと思います。

「5月下旬にもなってそんな古い話は聞きたくない」という方がいらっしゃいましたら、速やかにこのページを閉じていただき、奥歯でアルミホイルを噛む、電子レンジで生卵をチンする、などの小粋なお遊びをしてくだされば幸いです。

 

5月6日(火)

Carcass@渋谷Club Quattro

 

2014年のゴルデン週間を締めくくるのは、「リヴァプールの残虐王」こと英国の至宝Carcass。

今回の日本ツアーは大変な人気で、東京2公演は早々にSold Outとなる大盛況。

この人気ぶりならクアトロではなく、もっと大きな会場でも十分に埋まったのではないかと余計な心配をしてしまうほど。

 

開場時間の30分ほど前に会場に着くと、早くもかなりの数のメタラーがひしめいておりました。

整理番号の関係で僕は会場前の道路で待機していたのだが、おどろおどろしいデザインの黒ティーシャーツに身を包んだ怪しげな集団が道路の両端を占拠するような状況になり、ゴルデン週間で賑わう渋谷バスケットボールストリートは異様な雰囲気に。

どれほど異様な雰囲気だったのかは、会場の先にある吉本興業の劇場に行きたかったと思しき中学生女子2人組が、会場前に佇むメタラーの集団を目にした途端に足が止まり、しばし呆然とした後にUターンをして去って行ってしまった、というエピソードをご紹介すれば察していただけるでしょうか。

 

そして、何よりも驚いたのがメタラー驚異の黒髪率。

見渡す限りの黒黒黒。老若男女を問わず黒黒黒。

日本随一の進学校でもここまでの黒髪率ではないでしょう。

黒髪の大和撫子に会いたくなったら迷わずメタルのライヴに足を運ぶべし。

※ 個人の感想です。

 

そんなことを考えつつ待っているといよいよ開場。

期待に胸膨らませてフロアに入ると、そこにはすでにかなりの人数が。

最初は一段高くなった辺りから高みの見物を…などと考えていたのですが、せっかくなので下に降りて臨場感を味わう事に。

去年のLoud Parkで彼らを観た時は、前方でクラウドサーフやサークルピットを思う存分楽しんだので、今回は後ろでステージ全体をじっくりと観る事に決めました。

 

前のお客さんのティーシャーツのバックプリントなどに満遍なく眼を通したり、Twitterに戯言を投稿したりしているうちに待望の開演時間に。

血の色のように禍々しい照明に照らされたステージ上に、リヴァプールの残虐王ことCarcassの面々が登場。

一気に前方に押し寄せるオーディエンス。

そして、それによって生じたスペースを最大限に利用するかのようなピットが早くもフロアにぽっかりと口を開けておりました。

このモッシュという文化、いつから日本でも普及したのか定かではありませんが、眼鏡の子が混じっていると思わず見守ってしまうのは僕だけでしょうか。

 

セトリやライヴの詳細は専門誌や熱心なファンの方に譲るとして、とにかく楽しいライヴだった事だけはこの場を借りてお伝えしておきたい。

デスメタルの大御所、リヴァプールの残虐王という異名からは想像もつかないくらいメンバーがナイスガイ。

その楽曲は壮絶なまでに無慈悲なのだが、ひとたび観客に向けて語りかけるとそこはもうピースフルな世界。

ベース/ヴォーカルのジェフ・ウォーカーのいい人ぶりには萌えという感情を禁じえないレベルですよ。

 

「とっても古い曲をやろう。そう…まだ君が生まれる前だろうな」などと前方のファンに向けて語りかける姿はとてもデスメタルバンドのフロントマンとは思えません。

とある曲の途中では、突然「ウシ!モーモー!」「カネ!」などと意味不明な単語を絶叫。

気でも触れたかと心配になりましたが、ウシ=Cow、カネ=Bellで「この後はカウベルパートだよ」という事を伝えたかっただけだったよう。

普通にカウベルでも通じるのに、わざわざ日本語を調べてくれたおかげで余計に伝わりにくくなってしまったという悲劇。

誰かアドバイスしてやれよ。

 

セットの後半、熱い夜を名残惜しむように言葉を紡ぐジェフ。

 

「ありがとう、トーキョー。俺たちを忘れないでくれ。

たとえ世界中の奴らが忘れちまったとしても、俺たちはここにいるよ。

Carcassだ。」

 

俺は英語があまり得意ではないのだけれど、こういう内容の事を言ったんだと勝手に信じてる。

まさかデスメタルのライヴでMCに感動する事があるとは夢にも思わなかったけれど、こういう経験をすると、自分にとって特別なバンドがひとつ増えたりするんだよね。

ライヴは一期一会。

これからも会場に足を運んで宝物みたいな経験を少しずつ集めていきたい。

 

次のライヴはImperial State Electric。

前回の来日公演が素晴らしすぎたので、あれを超えるライヴは想像できないのだけれど、本当に本当に楽しみにしております。

ニッケ!