ぼくらが「Pixel Art Park 8」に行く理由

どうも。夏ですね。

「芸術の夏、日本の夏」などと申しますが、みなさまにおかれましてはいかがですか。

アートしてますか。

 

あ。申し遅れました。僕です。

今日はですね、素敵なアート系イベントのご紹介をさせていただきたいなと思っております。

思っているだけでなく、実際にご紹介していきたいなと思っております。

よろしくお願いいたします。

 

 

8月3日(日)に横浜の大さん橋ホールで「Pixel Art Park 8」というピクセルアートのイベントが開催されるのですよ。

「日本最大級のドット絵の祭典」と銘打たれたイベントで、国内外のクリエイター130組以上が参加する大規模なものだそうです。

 

わたくしの知り合いに武田清さんという方がおりまして、武田さんも同イベントに参加されるとのこと。

武田さんは音楽やゲーム、映画に造詣が深く(本人は「広く浅く」と自称しているが、真っ赤な嘘)、特にミュージシャンをモチーフにしたピクセルアートがアーティスト本人からも高い評価を受けている方です。

 

 

こちらが武田さんのTwitterアカウント。

本名が武田清なのでTAKEKIYOという名義を使用しているようです。

666は「余罪が666あるから」と言っておりましたが、たぶん本当はもっと多いと思う。

 

わたくしは武田さんとわりと親しくさせていただいておりまして、どのくらい親しいかと申しますと、お互いを「武田さん」「川崎さん」と上の名前で呼び合うくらいの親しさなのです。

そんなマブダチの武田さんからお声掛けを頂戴し、このたびゲーム制作のお手伝いをさせていただくことになりました。

「ピクセルアーティストがゲーム?」と訝る方もいらっしゃるかもしれませんが、武田さんは某有名ゲームメーカーの元社員で、現場でバリバリにゲームを制作していた経歴の持ち主なのです。

 

今回の「Pixel Art Park 8」に出品するのは『WARASIBE CHORGER HEAVEN(ワラシベ・チョージャー・ヘヴン』というタイトルで、いわゆるビジュアル・ノベル物のゲームになっております。

文章を読み進めていき、途中に出て来る選択肢によって先のストーリーが変化するシステムのゲームです。同ジャンルの有名作品としては『かまいたちの夜』などがございますね。

わたくしはですね、『WARASIBE CHORGER HEAVEN』のシナリオ部分を担当させていただきました。

小生意気なねこちゃんがしゃべりまくるハードボイルドな作品に仕上がっておりますよ、ええ。

 

 

得意気にゲームの内容を紹介しましたが、実はまだ完成に至っておらず、遊んでいただけるのは体験版の状態の物になります。

上記のツイートにある通り、武田さんの展示ブースで猫ちゃんポストカードをお買い上げいただくと体験版をプレイできるシステムでございます。資本主義社会ですね。

猫ちゃん以外にも犬ちゃんポストカードや犬ちゃんティーシャーツも販売される予定でして、犬ちゃん派の武田さんはむしろそちらに注力している感すら漂っております。

 

「WARASIBE CHORGER HEAVEN」タイトル画面

バーのカウンターに座る猫ちゃん

 

武田さんに会いたい方、武田さんグッズが欲しい方、猫ちゃんゲームをやりたい方、横浜中華街に行きたい方(すぐ近くです)、山のピクミンをゲットしたい方(近所に山扱いのエリアが存在すると聞きました)がいらっしゃいましたら、8月3日は横浜までお越しくださいませ。

わたくしも武田さんに挨拶をしに行く予定でおります。

ゲームのタイトルの元ネタがわかる方も大歓迎です。(武田談)

 

 

【開催概要】

イベント名:Pixel Art Park 8

日時:2025年8月3日(日) 11:00~18:00

会場:大さん橋ホール

入場料:1,600円(小学生以下無料)

公式サイト:Pixel Art Park 8 - 日本最大級のドット絵の祭典

オジー・オズボーン、半ズボン

オジー・オズボーンが亡くなった。76歳だったそうだ。

2025年7月23日の早朝、オジーのTwitter(現:Twitter)公式アカウントが投稿した他ならぬオジー本人の逝去を伝えるツイートを布団の中で目にした時、最初はその文章が意味するところをまったく理解することが出来なかった。

 

とにかく驚いた。こんなことがあるのかと驚愕した。

それに少し遅れてやって来たのは、悲しみとも少し違う微妙な感情。

これまでに経験したことのないその感情は、悲しみや驚き、感動などが入り混じった複雑なもので、「もしかしたら人間は奇跡を目の当たりにした時、このような感情を抱くのかもしれない」と思った。

まあ、そんな考えに辿り着いたのはオジーの死から一夜明けてからなのだけれど。

 

わたくしがオジー死去の報にこんなにも驚いたのは、ほんの2週間前の7月5日、彼が出生地であるバーミンガムで人生最後のステージを終えたばかりだったからだ。

“人生最後の”というのは結果論ではなく、「Back to the Beginning」と題されたそのイベントは、ライヴアクトとしてのオジー・オズボーンのラスト公演だと大々的に宣伝されたものだった。

オジーおよびオリジナルBlack Sabbath最後のライヴという貴重性、そしてMetallicaやGuns N' Rosesをはじめとするラインナップの豪華さによって4万枚のチケットは瞬く間に完売し、有料配信の視聴者数は全世界580万人にも達したという。そして、その580万人中の1人がわたくしである。

 

この説明だけ読んで「ステージに立てるほど元気だった人が2週間後に亡くなったのか。それは驚くよね、わかるー」と早合点する人もいるかもしれないのが、最後のコンサートにおけるオジーはまったく元気ではなかった。

この説明だけ読んで、デーモン小暮閣下の「吾輩は元気でなくなってしまった、急に」タイプの元気のなさ(詳細は調べてください)だと早合点する人もいるかもしれないが、オジーの元気のなさはそのようなアクシデントに起因するものでもない。

ここ数年、ずっと体調に不安を抱えていたのだ、オジーは。

 

脊椎の手術、肺炎、パーキンソン病の悪化など数々の怪我や病に苦しめられていたオジーは、2018年以来となるツアー復帰を希望していたものの、ついに復帰を断念。2025年7月5日に「Back to the Beginning」を開催し、そこを生涯最後のステージにすることを決意したのである。

 

パーキンソン病の進行によって歩行に制限があるため、オジーはこの日のために特注された漆黒の玉座に座ったままステージに登場、歌唱もその状態でおこなうスタイルであった。

マイクスタンドを掴まないと姿勢を保つことも難しく、落ち着きなく不安そうな表情を浮かべるオジーを見た時は、このような状態の老人をステージに上げることが正しいのか―本人が強く希望しているとしても―という思いが頭をよぎったが、歌い始めたオジーの声がそんな懸念を一気に吹き飛ばしてくれた。

その声は、僕らが知っているオジー・オズボーンの声そのものだったのだ。

数年にわたって健康不安に苦しみ、歩行すらままならなくなった老人が再びステージに上がるためにどれほどの努力を要したのか、このステージに懸ける想いと過酷な日々の爪痕がオジーの声から滲み出ているように思え、歌い出し1秒で涙腺が緩んでしまったのはわたくしだけではないだろう。

 

オジーが引退を口にしたのは今回が初めてではない。

1991年作『No More Tears』に伴うツアーを「No More Tours」と名付け、40代前半という現在の基準では考えられない若さで引退を宣言、約5年後にそれをあっさり撤回した前科があるのだ。

しかし、今回ばかりは本当の本当に引退だった。ライヴの2週間後にオジーが息を引き取ったという事実を抜きにしても、あの日のオジーの様子を観た人間であれば、「Back to the Beginning」が実現できたのは本当にギリギリのタイミングであったことが理解できるはずである。

 

オジーが亡くなったと聞いた時、最後のステージに立つための努力が結果として彼の寿命を縮めることになったのかもしれないと感じた。

そのことを本人に問うことはもう叶わないけれど、きっとオジー本人は後悔などしていないだろうし、自分のソロキャリアとオリジナル編成のBlack Sabbathに自らの手で終止符を打つことは彼の人生の締めくくりに絶対に必要なパズルのピースだったのだ。

陳腐な表現になるかもしれないが、たった1日だけパフォーマーとしてのオジー・オズボーンを取り戻すための命を賭した戦いに勝利したのだと思うし、その勇気を讃えたい。

だからこそ我々は、オジーの死を嘆くのではなく、あの日、あの場所に現れてファンに別れを告げてくれたことを喜び、彼の人生を祝福するべきなのだ。

 

「Back to the Beginning」最大のハイライトは、Metallicaでもなく、Guns N' Rosesでもなく、オリジナルBlack Sabbathでもなく、間違いなくオジーのソロセットにおける“Mama, I'm Coming Home”だった。申し訳ないが、この件について異論は認めない。

この曲はオジーの引退作になるはずだった前述の『No More Tears』に収録の名バラードで、人生という過酷な旅路を終えてついに故郷へと戻る男の心境が歌われている。つまり、波乱万丈のキャリアを歩んだオジーの人生を反映した歌なのだ。

しかし、オジーがあっさりと引退宣言を撤回して復帰を果たしたため、“Mama, I'm Coming Home”はその意味合いを失い、“ただの名バラード”のポジションに追いやられてしまった。「ただの名バラードってなんだよ」とは訊かないで欲しい。

 

それを踏まえた上での今回の“Mama, I'm Coming Home”である。

間違いなく生涯最後の機会になるであろうステージに上がったオジーの歌は、完璧なまでに楽曲が本来持っていた意味を体現していた。

オジーの声は時にひび割れ、不安定になったが、それこそが人生の過酷さに打ちのめされた末、ようやく安息の地を得ることが出来る男の歌声なのだとすら感じた。

感動の次元が違う、とでも言うのだろうか。これまでに聴いたどの歌よりも圧倒的に心に響いた。歌の内容と演者の人生がここまでリンクした瞬間がこれまでにあったのだろうか。

お恥ずかしい話だけれど、いい歳のおっさんが配信ライヴを観ながら号泣していた事実をここに書き残しておきたい。完全に泣き乱していた。

これまでの人生でオジーの言動に笑わせてもらったのと同じ分だけ泣いた。死去の一報では涙が出なかったのに、不思議なものである。

当日の模様は映画『Back to the Beginning: Ozzy's Final Bow』として来年初頭に公開されるという話なのだが、えらいレベルで泣き乱してしまう可能性があり、映画館で観るのを躊躇している自分がいる。「声出しOK上映」みたいな感覚で「泣き乱しOK上映」の回を設けていただきたい。よろしくお願いします。

 

オジーの邸宅近隣に住む人の話によれば、彼が死去した日には医療用のヘリコプターが来ていたらしい。おそらく救命が試みられたのであろう。

この事実からは、ご家族や医療者にとって予期せぬ死だったことが窺える。もしかしたら一番驚いているのはオジー本人なのかもしれない。

ライヴ活動から身を引いたとはいえ、あの声を保っているのであればスタジオアルバムをもう1枚か2枚出すことも可能だったはずだ。

 

それにしてもオジー・オズボーンがこんな“立派な死に方”をするとは誰が予想しただろうか。

万難を乗り越えて最後のステージに立ち、自分の姿と声をもってファンに別れを告げ、愛する仲間たちが一堂に会する機会を作り、日本円にして280億円もの寄付金を集めた後に愛する家族に見守られながら旅立ったのだ。

 

失礼を承知で言わせてもらえば、もっとトホホな死に方をする人だったはずなのだ、オジーは。

あの破天荒な生き方にふさわしい、ファンを「そりゃないぜ、オジー! あんたらしいけどさあ」と泣き笑いさせるような死に方、そんなクレイジー・トレインに乗ってしまった人生だったはずだ。

 

2003年、広大な敷地を持つ自宅の庭で四輪バギーを乗り回していたオジーは、何かしらの障害物に激突して全身の骨をバキバキに折る大怪我を負い、一時は人工呼吸器を装着するほど重篤な状態となった。

そう、こういうやつである。50歳を超えた大人が自宅の庭でバギーで事故って全身バキバキ、生死の境を彷徨う、ちょっと間抜けな感じすら漂う最期を迎えてしまうようなキャラの人だったのだ、オジーは。

 

しかし、現実は小説よりも奇なり。

オジーの人生を1000回やり直しても辿りつかないようなトゥルー・エンディングを迎えてしまった。迎えてしまった、は失礼か。

それまでのハチャメチャぶりを最後の1円まできっちり精算したかのような去り際。

悪魔として生き、聖人として死んだ男。

涙が出なかったのは、そのあまりにも美しすぎる最期のせいだったのかもしれない。

 

またどこかでオジーに会えた人はみんな口を揃えて訊くだろう。

「オジー、どうしてあなたの最後はあんなにも美しかったのですか? あなたはすべてがわかっていたのですか?」と。

オジーは少し困ったような、そして少し面白がっているような顔で答えてるだろう。

「Don't ask me, I don' know.」

ガンズ・アンド・ローゼズが来日したんですか? 【後編】(1)

毛の短い雑種の猫を両肩に乗せた状態で47都道府県を制覇するのが夢です。

達成率で言えば今のところゼロではありますが、まあその気になれば3ヶ月もあれば本州はすべて回れるのではないかと考えております。

勝手にね。

 

あ。申し遅れました。僕です。

もっと正確に言うならば、2025年5月5日に魂を置いて来てしまった僕です。

まあ、その日に何があったのかは言わずもがなではありますが、「言ってくれないとわからない」「察してちゃんはズルい」「もう何もわからない」というご意見がごく一部の方々から出ないとも限りませんので、ここはあえて言葉にして説明させていただこうと思います。

勝手にね。

 

2025年5月5日、横浜はKアリーナにて開催されたGuns N' Rosesの一夜限りの来日公演。

公演から半月以上が経った今もその余韻が色濃く残っておりまして、完全に“ガンズロス”といった精神状態が続いている関係上、「魂を置いて来てしまった」などという少々大袈裟な表現を用いてしまった次第です。申し訳ございませんでした。

 

記事タイトルをご覧になった方はおわかりかと思いますが、今回の記事は「後編」ということになっておりまして、後編というからには「前編」および「中編」が存在するわけです。

「存在するわけです」などと物知り顔で説明した今になって、「もしかしたら世の中にはいきなり後編というパターンもあるのでは?」という不安が頭をもたげ始めましたが、仮にそのような特殊なケースが存在する場合でもご報告は不要とさせていただきます。よろしくお願いいたします。

 

あ。念のために前編および中編のリンクを貼っておきますので、まだお読みになっていない方、読んだけど内容がしょぼすぎて忘れてしまった方、音読している途中で激しく咳き込んでしまった方、米を買ったことがない方、毛の短い雑種の猫といった方々はもしよろしければ前編から順繰りにお読みになってください。

読みたくないという方はとりあえずクリックだけしてすぐに画面を閉じてください。アクセス数だけありがたく頂戴いたします。

 

sasayaki-okami.hatenablog.com

 

sasayaki-okami.hatenablog.com

 

えー。前編・後編を使ってですね、物販およびGOLDラウンジの様子、そしてアリーナ席への入場までを軽い筆致でサクサクと迅速に遅滞なくご説明してきたわけですが、ここからはいよいよライヴ本編に触れていこうと思うわけです、わたくしが。勝手にね。

わたくしは単刀直入をモットーとしておりますので、1曲目から最後の曲までをバーッと一気に、そして簡潔に振り返っていければな、とまあそのように考えております。

読み終わった後に「いやー。シンプル過ぎるよー」「たまには脱線も必要だよー」というご意見・ご感想・ご不満・言いがかりを頂戴する可能性も大いにありますが、そのシンプルさ、極端なまでの潔さ、ミニマリストぶりがわたくしのブログの魅力のひとつだとご理解いただければ幸いであります。

 

さ、ここから先は2025年5月5日のKアリーナです。あの日、あの場所に置き去りにしてしまった魂を取りに行こうではありませんか。

 

続きを読む

ガンズ・アンド・ローゼズが来日したんですか? 【中編】

Guns N' Rosea来日公演ブログ第2回でございます。今回は中編ということになるのでしょうか。なるといいですね。

前回の記事内でもお伝えした通り、こちらはいわゆる“ライヴレポート”ではなく、わたくし自身のための備忘録という性格が色濃い記録でございます。

しっかりした素敵な内容のライヴレポートを読みたい方におかれましては、インターネット(ご存知ですか?)を上手に使って「ガンズ ライヴレポ しっかりした内容 おすすめ」などと検索していただければよろしいかと思います。

 

あ。ご挨拶が遅れました。僕です。本名です。

先ほど前回の記事についてちらりと触れましたが、いきなり中編にアクセスしてしまった方がいらっしゃるかもしれないので、念のために前編を貼っておきましょう。

いきなり中編から読むなんて、ドラマ『古畑任三郎』を2話から観るようなものですからね。1話から観ないと何もわからないよね、という話ですわ。はは。

 

sasayaki-okami.hatenablog.com

 

前回は手に汗握る心理戦が繰り広げられた物販周りでの出来事をご紹介しましたので、今回からはいよいよ会場となったKアリーナ内部へと潜入していくところから始めてまいりましょう。

約2年半ぶり、そして一夜限りのガンズ来日公演で何が起こったのか。わたくしの目から見た2025年5月5日の物語へとみなさまを誘ってまいります。

誘われたくない方におかれましては、タレントのヒロミさんのWikipediaなどに移動していただければ幸いです。よろしくお願いいたします。

 

GOLDチケットに付属する物販優先レーンという実に薄汚い金銭パワーによって想定よりも早く物販列を抜けることに成功したわたくし、会場周辺で遭遇したホロワーさんたちに挨拶をして回ります。

思えば2002年、2007年、2009年の来日公演では会場に知り合いなどほとんどいなかったのだけれど、Twitter(現:Twitter)をやるようになってからガンズファンのホロワーさんが少しずつ増えていき、2025年の今となってはあちこちに見知った顔を見つけることができるようになったのだから不思議なものです。

まあ、こちらが一方的に知り合いだと思っているだけで、先方は「誰やねん、こいつ」と訝りながら相手をしてくださっている可能性もあるので、その場合は「すみません。存じ上げないのですが」と正直におっしゃってください。よろしくお願いします。

 

わたくしが一方的に知り合いだと思っているだけかもしれない方々と歓談していると、時刻はいつの間にか14時半。

本来の開場時間は16時半からですが、GOLDチケット所有者を対象に「GOLDラウンジ」なるものが営業されることになっており、アルコールを含むドリンクが飲み放題という大サービスぶりで、まさに「これで8万円もしくは5万円の元を取ってください!」と言わんばかりの企画なわけであります。

ちなみにわたくしの計算によりますと、1杯700円のビールを飲んでチケット代8万円の元を取ろうとした場合、114杯ほど飲めば実質無料でガンズのライヴを観られることになります。約40リットルやね。

 

少し出遅れて入場待機列に加わると、わたくしの前にはGOLDチケットを所有した猛者たちがズラリ。少しでもチケット代の元を取ってやろうという覇気がひしひしと伝わってきて、気弱かつ虚弱のわたくしはこの時点ですでに怖くて泣いていました。わたくしのような意気地なしが本当にこのような歴戦の猛者ぞろいのラウンジに足を踏み入れても大丈夫なのでしょうか。

 

入口でチケットをもぎられ、「GUNS N' ROSES TOKYO GOLD 25.5.5」とプリントされたツートンカラーのリストバンドを左手に装着してもらって、いざ入場です。

 

GOLDラウンジ入場時に必要なリストバンド

 

ちなみにこのリストバンドは紙製のため、トイレで手を洗う時は非常に慎重にならざるを得ませんでした。手首まで洗えないのは感染対策の観点からすると大いに問題があるのだけれど、リストバンドを濡らして破損・毀損・全損させてしまった日には「すわ! GOLDラウンジに不審者が紛れ込んでいるぞ!」となり、刺又を手にした複数のスタッフに壁際まで追い込まれて制圧、硬い棒のような物で滅多打ちにされた上で警察に引き渡されることは避けられない見通しです。

そのような事実を踏まえ、今だから正直に言いますが、会場入りして以降のわたくしは両手首が汚いおっさんでした。大変申し訳ございませんでした。

 

すみません。わたくしの手首の話を延々としてしまいました。

GOLDラウンジの話題に軌道修正いたしましょう。

 

ラウンジはLEVEL5とLEVEL7の場内2箇所に開設され、LEVEL5の方は広いスペースに社員食堂のような長机やHUBにあるような背の高い丸テーブルが並べられており、印象としてはフードコートといった感じ。それに対し、LEVEL7は背の高い丸テーブルが適当な間隔で配置されている完全バー仕様。

わたくしは知り合いがLEVEL7に腰を落ち着けたということで、「このクソ階段がー!」などと大きめの声で叫んで自分を鼓舞しながら7階までの階段を踏破いたしました。座席がLEVEL7だった知人も席に着く頃には汗だくになっていたと供述しており、中年以上のお客さんのためにもチケットを販売する際には「両脚がパンパンになる可能性がある席です」などの注意書きをするべきだと思ったし、みんなもそう思ったと思うし。

 

LEVEL5のラウンジ前に設置されていたパネル

 

LEVEL5のラウンジには専任DJが配置され、ガンズ周辺アーティストの楽曲などが流されていたようです。わたくしが一度だけちらりと様子をうかがいに行った際には、マイケル・モンローの“Dead, Jail or Rock 'N' Roll”がかかっておりました。マット・ソーラムやディジー・リード、テディ―“ジグザク”アンドレディアスのソロアルバムが延々と流れ続けるような空間ではなくて安心した次第です。

 

片やLEVEL7はどうだったかと言いますと、たしかにガンズの音楽が流れ続けてはいるのだけれど、世界一安易な選曲のベスト盤として知られる『Greatest Hits』がひたすらにリピートされているだけだったので、その面白みのなさにだんだんと精神がやられてしまい、危うくバーカウンターを飛び越えてコンセントを手あたり次第抜くところでした。もしもそのような行為に及んだ場合、刺又を手にした複数のスタッフに壁際まで追い込まれて制圧、硬い棒のような物で滅多打ちにされた上で警察に引き渡されることは避けられない見通しだったので、常人を凌駕する強い自制心でどうにか思いとどまってよかったです。はい。

 

友人たちと適当なテーブルに腰を落ち着け、まずはビールで乾杯。2月下旬以降、減量のためにほぼノンアル生活を送ってきたわたくしですが、このようなお祭りの日くらいは飲んだっていいでしょう。気心の知れた人たちと飲むビールの味は格別というものです。

 

ふと隣りのテーブルに目をやると、14時半に営業を開始したばかりのラウンジだとは思えないレベルでビールのカップを積み上げているおじさんがえらく上機嫌で黄金の液体を胃袋へと流し込んでおりました。「これからライヴを観ようってレベルじゃねーぞ」と叫びました、心のなかで。完全に8万円もしくは5万円のチケットの元を取ってやろうという気満々です。飲めば飲むほど実質無料のガンズへと近付いていくのだから仕方ありません。

 

まあ、知らない人であれば「たくさん飲む人がいるなあ」で終わるのですが、不幸にも知っているおじさんだったので、少しだけ寄り道してビール大好きおじさんについて触れておきましょう。

このおじさんは埼玉県で会社を経営しているという設定の石井さん(仮名)という方で、プロ野球シーズンには足繁く球場へと通い、お気に入りの可愛い売り子さんに年間ウン十万円課金している超人です。そのあまりの課金ぶりはただの野球観戦の域を超越し、「野球付きキャバクラ」なる造語が誕生したほど。

 

破竹の勢いでビールを飲みまくり、8万円のチケットをかなりお値打ち価格へと導いたこのおじさん。どのような帰路を辿ったのか定かではありませんが、東京都と埼玉県を隔てる関所を越えることに失敗し、GOLDラウンジで浮かせたビール代をタクシー代に溶かしたとの報告が入ってきております。絶対にオチをつけてくれるこのおじさんのことが好きですよ、わたくしは。

 

ビール大好きおじさんに負けじとわたくしもビールを飲みまくったかというと実はそうではなく、最初の1杯のあとは烏龍茶を2杯飲んだだけ。せっかく無料なんだからもっと飲めばいいのにというご意見があることは承知しておりますが、最愛のバンドのライヴをアルコールの影響を受けずに余すところなく楽しみたいのと、最後まで尿意に襲われることなく快適に観たいのとで水分補給は最小限にとどめた次第であります。

 

8万円も払ったライヴを中座してトイレに行くことを考えてみてください。アリーナ前方からトイレに辿り着くまでは結構な距離があるでしょう。体内の水分を地球環境へと戻し、自分の席へと復帰するまでに何分かかるでしょうか。ガンズのライヴは約180分だったので、GOLD席8万円を買った人間にとって1分あたりの費用は単純計算で444円です。もしもトイレのために5分も抜けようものなら2,220円を払ったのと同じことになるわけです。「誰がそんな高いションベンするんだよッ! バカヤロー!」と叫びました、わたくしの中の梅沢富美男が。

 

おしっこの話に夢中になってしまいました。大変申し訳ございません。GOLDラウンジの話に戻りましょう。もうすぐ終わりますので、今しばらくのご辛抱を賜ることができましたら幸いです。

 

えー。わたくしのホロワーさんにfくんという方がおりまして、まだ若いのにBURRN!の白黒ページに載っているような場末の これからの飛躍が期待できるバンドを好んで応援している気の毒な 熱心な音楽ファンです。今回はファンクラブ枠でGOLD席を購入したとのことで、普段の場末感はどこへやら、「俺は有名バンドのGOLDだぞ」とでも言いたげな実に得意気な顔つきでラウンジへと姿を現したではありませんか。

 

ファンクラブ会員にはお馴染みの話なのですが、ガンズのライヴではバンド側のスタッフに会員であることを示すアイテムを見せると特製ギターピックがもらえるというサービスがあります。どこぞでその話を聞き及んだと思われるfくん、「これを見せれば大丈夫ですかね?」と取り出したのは、横4.5cm・長さ6cm・高さ3cmの小箱でした。

 

会員の方ならもうお気づきでしょうか。よりによってこの男、今年度の会員向け特典として制作された謎アイテム、Guns N' Rosesオルゴールを持参しやがったのです。造りのしょぼさ、当時の新曲“The General”という謎選曲、どのパートが演奏されているのか判然としないメロディの切り抜き方という三拍子そろったダメさ加減で、某氏に「捨てづらい不用品」とまで言いわしめた逆・殿堂入りアイテムです。

 

まあ、目的はあくまでも「ファンクラブ会員であることを証明する」なので、アイテムの内容の良し悪しについてはここでは議論しないことにしましょう。問題はそのサイズです。約2万人を収容する巨大アリーナにおいて、手のひらにすっぽりと収まるような大きさのオルゴールを何かの目印にしようというのは一体どのような了見なのでしょうか。かのゴルゴ13でもライフルのスコープを覗き込みながら「すみません。どれですか」と質問するレベルのサイズですよ。かなり大きなホテルの宴会場で開かれた職場の忘年会で、前方2列くらいの人たちしか見えないようなテーブルマジックを余興として披露したTくんという後輩がいたのですが、ダメさの程度で言ったらそれと同じくらいダメです。そういうところやぞ、f。

 

判断力が欠如していたfくん

 

すみません。結構な文字数を使ってfくんの悪口を垂れ流してしまいました。大変申し訳ございません。すぐに脱線してしまう癖を直さないとライヴの話までたどり着かずに終わってしまいますね。

 

8万円もしくは5万円という高額課金勢が集結したGOLDラウンジ。ありがたいことに初めての出会いもありました。信頼のおけるホロワーさんからご紹介していただいたのは、SNSは基本的に“見る専”だという方で、アルバム『Chinese Democracy』の大ファンだという男性。わたくしも大のチャイデモファンなので嬉しくなってしまい、ガンズのリユニオンは嬉しかったけれどアクセルはチャイデモ期のラインナップもキープしておくべきで、スラッシュ&ダフを含むラインナップでは黄金期のグレイテストヒッツ、チャイデモ期ラインナップでは新曲のリリースを続けて欲しかったなどの持論を垂れ流してしまいました。さぞご迷惑だったことでしょう。

 

物腰が柔らかく、音楽以外のジャンルについても知識が豊富な方でお話ししていて非常に楽しかったのだけれど、2008年の『Chinese Democracy』発売時のことに話が及んだ際に「7、8枚買いました」などと明らかに異常な行動をサラッと告白されたため、急に怖くなって嗚咽を漏らしてしまいました。わたくしのTwitterのTLにはガンズが好きすぎて様子がおかしくなっている方々が多数生息しているのですが、本当にガチな人はそのような浅瀬には浮上せず、陽の光が届かない深海にいるのだということを改めて思い知らされた次第です。ラウンジで話させていただいた方、とても楽しかったです。ありがとうございました。

 

いつものメンバーの平常運転ぶりや新たな出会いなどを満喫していると、VIPアップグレードチケットのバックステージツアー参加組がラウンジへと戻ってきました。VIPアップグレードチケットとはなんぞやと申しますと、バンドスタッフの質疑応答コーナーを含んだバックステージツアー、ステージ上での記念撮影、特製記念グッズなどのサービスを受けられるチケットのことで、そのお値段なんと143,200円。驚くべきことにこの料金にはチケット代が含まれておりませんので、ここにチケット代がさらにプラスされるわけです。セレブやね。

 

このVIPアップグレードチケットの詳細が発表された時、「この値段でミート&グリート付いてないの!?」という驚きの声が(主にガンズファン以外から)上がったのは記憶に新しいところですが、わたくしは金銭で会えるアクセル・ローズに会いたいと思わないので、むしろ「出るなよ。絶対にミーグリに出るなよ。絶対出るなよ」というダチョウ倶楽部の気持ちになったことをこの場を借りてご報告させていただきます。

ちなみについ先日最後の日本ツアーが発表されたCheap TrickのVIP GOLD パッケージなる商品は、2列目以内確約のチケット、バンドとのミート&グリート/記念撮影、直筆サイン入り写真、限定ギフトなど超太っ腹な内容で8万円ということでした。Cheap Trickみたいな立派な大先輩がこの値段でこれだけのサービスを提供してくださっているのに…という愚痴はブログに書いたりせず、飲み屋の席でビールの泡に溶かしたいと思いました。よろしくお願いします。

 

バックステージツアーに参加するホロワーさんが1名いらっしゃったので、とあるミッションを託しておりました。それは客席の様子を観察し、何列目が最前列にあたるのかを確認してもらうこと。「最前列は1列目に決まっとろうが。算数知らないんか、ボケ」とわたくしに石を投げたりする短気な人がいるかもわかりませんが、少しばかり落ち着いて、エビヤン水などを二口ほど飲んでリラックスしてわたくしの話を聞いてください。ライト?

 

sasayaki-okami.hatenablog.com

 

えー。詳しいことは上記の記事で説明しているのですが、まあ簡単に言えば、場内レイアウトの関係上、6列目あたりが実質的な最前列になっているのではないかと推測していたわけです。誰が。わたくしが。

「そんなん席に座る時にわかるだろ。どこで観るつもりだったんだ、ボケ」とわたくしに石を投げたりする短気な人がいるかもわかりませんが、少しでも早く知りたいのが人情というものです。そのあたりをどうかご理解いただきたい気持ちが強いです。よろしくお願いします。

 

143,200円をかけて潜入捜査に協力してくださった工作員、コードネーム“ドラゴン”さんによれば最前列は5列目とのこと。この時点でわたくしの「もしかしたら最前列かもしれない」という希望は儚く散った、無惨に弾け飛んだ、W杯の抽選で死のグループに入ってしまった時の日本サッカー協会の人くらい絶望した。なぜならわたくしのチケットには8列目と印字されていたからです。わたくしの前には少なくとも3人のおっさんが立ちふさがり、わたくしの視界を妨害しようとZOOの名曲“Choo Choo TRAIN”のような動きを繰り出してくるはずなのである。

 

しかし、わたくしには秘策があった。奥の手があった。楽器のケースに隠れて出国した日産の社長ほど破天荒な方法ではないが、このようなこともあろうかと窮地を脱する術を準備していたのである。わたくしを見くびらないでいただきたい。見くびっていない方は1を、それ以外の方は0とシャープを押していただきたい。

 

わたくしの秘策とはなにか? それはズバリ、身長の嵩増しである。低身長の民である我が身に下駄を履かせることにより、少しでも良い視界を確保しようというのが今回の作戦の主旨であり、わたくしが唯一準備していた秘策なのです。いわゆるシークレットブーツという商品には若干の抵抗があるため、バイク乗りの方が信号待ちで停まった時に地面に足が着かずにバランスを崩してしまうことを防ぐための厚底の靴、わたくしが今回購入し、Kアリーナまで履いてきた物がまさしくそれなのであります。ライト?

 

結論から言えば、この時にこの靴を履いていて本当によかったと思っております。もしもまったくの無策で来場していた場合、ドラゴンさんからの「最前は5列目でした。ウッス!」という報告に酷く動揺し、反射的にドラゴンさんをビンタしていたに違いないのです。わたくしの社会的信用およびドラゴンさんの身の安全を救った厚底靴に今一度大きな拍手をお願いいたします。

 

座席の謎も解けたところで改めて周りを見渡すと、すでに一般の入場が開始となっているようで、ラウンジ前の廊下はなかなかの人口密度となっておりました。フリードリンクが提供される時間帯も終わり、引き続き飲みたい場合は通常料金を支払う必要があるとのことで、これ以上ここに長居する理由はなさそうです。

 

ラウンジ内で空席を探していたカップルにテーブルを譲り、まだまだ飲み足りなそうなおじさんや、話に華が咲いているグループを残してアリーナ席へと向かいます。もちろんトイレに寄って身体から水分を徹底的に絞り出すことも忘れません。正面入口があるLEVEL3を通り越し、最深部のLEVEL1へと足を踏み入れた瞬間、いよいよガンズのライヴを観るのだという緊張感に身体が震えました。今回で17回目のガンズなのだけれど、何度経験してもこの緊張感がゼロになることはないでしょう。

 

入口ドア前に立つ係員にチケットを見せてアリーナへと足を踏み入れるわたくし。開演までまだ30分以上の猶予があるからか、席に着いている人は半分以下といった印象。自分の席が中央ブロックの8列目ということはわかっているので、そこを目掛けてずんずんと進んで行くと、ついに見えてきました、わたくしの席のあるブロックが。ていうか、この前方エリア内にいる人たちが全員8万円払ったのかと思うと恐ろしくなってきますね。客単価高すぎ問題。

 

座席の背もたれに書かれた数字を目で追い、自分の席を探していきます。11列、10列、9列、8列…。チケットに印字された列にたどり着いたところで、わたくしは戦慄し、驚愕し、呆然とし、「嘘だろー」と呻きました。

 

 

 

8列目が最前やないか、ワレ。

 

 

 

券面の「8列目」なる文字列と目の前に広がる光景、つまりわたくしの前に誰もおらず、ステージと客席とを区別する柵が設置されているだけのそれを頭のなかで結びつけることは不可能で、よろよろと席に座り、完全に無駄金となった厚底靴をしばし見つめておりました。監獄から連れ出されたのでいよいよ死刑かなと思ったら看守に「釈放だよー」と言われるくらいの急転直下ですよ。こんなん心臓に悪すぎるやろ。

 

いやー。発券開始当初、ファンクラブ会員先行組があまりの座席の悪さに絶望していたものだけれど、そらそうよな。だって中央3ブロックは8列目から、サイドは6列目からしか存在しないのだもの。こういうことなら最初から券面に「8列目(大人の事情でこのように書かざるを得ないだけであって、本当は1列目なので驚かないでください。)」などと書かないとダメよ。発券した時、心配になるくらい落ち込んでいたホロワーさんもいたので、せめてその人にはちゃんと頭を下げて謝って欲しい。

 

8列目からの視界。前に誰もいない

 

まあ、そんなこんなで座席レイアウトの謎は解けたのだけれど、それでもなお残る謎がありました。2022年来日時の公式ファンクラブ先行販売は完全に早い者勝ちで、受付順に良い席が割り振られていった印象を持ったのに対し、今回は必ずしもそうではなかったように感じました。ガンズの来日公演のチケット取りに関して公式ファンクラブに大きな信頼を寄せているわたくしのような人間にとっては、これは非常に大きな違いです。

 

我々ファンの間では購入完了時に届くメールの配信時間をひとつの指標としておりまして、2022年の時は発売開始から1分もかからずに購入できた12:00組は文句なしの最前列だったと記憶しております。それに対し、今回は12:01組(わたくしの周りには12:00組はおらず)でも場所がばらけてしまいました。まあ、12:01といっても最大で59秒の差があるわけで、結局は前回と同じく早い者勝ちだった可能性は否めないのだけれど、もしかしたら前回来日時には存在しなかった何かしらのファクターが座席の決定に影響を与えているのではないかと推測しております。それが何かはわかりませんが。

 

あ。ひとつ驚いたのは、伊藤政則氏のラジオ番組先行で売られたチケットのなかにも最前列が含まれていたこと。番組では30枚のGOLD席が準備されていたそうで、少なくともそのうちの4枚が最前列、つまり8列目のチケットだったことを確認しております。中央ブロックではないとはいえ、そのうちの2枚は極めて中央に近い良席だったので、これはなかなか夢のある話じゃありませんか、あなた。おそらく主催者であるCreativemanの有料会員先行でも最前列は出たはずだと思うので、今回は公式ファンクラブ、ラジオ番組、プロモーター会員の3箇所に最前列の可能性があったのではないかと考えます。いつになるかはわかりませんが、次回来日時の参考になれば幸いであります。

 

あ。またしても話が脱線してしまいました。大変申し訳ございません。もしも脱線しそうな時は「前見て運転してー」って言って欲しい。優しめの声色で。そうしないといちいち脱線して謝ってばっかりやから、僕。よろしくです。

 

思いがけぬ良席と巡り会ってしまったわたくし、開演までの時間をアリーナ席の見知った面々との歓談タイムとすることにいたしました。前編にも登場したダフ・マッケイガンの大ファンじょのさん(半畳のスペースがあればブレイクダンスを踊ることができる達人)はスラッシュ側だった席を最愛のダフ側と交換してもらい、この時点ですでに菩薩のような表情。

 

じょのさんは来日公演の2日前にFender Flagship Tokyoで開催されたダフの招待制プレミアムイベントに多数の応募のなかから当選しただけでなく、会場でおこなわれたダフ・マッケイガンモデルのベース即売会で24万円のベースを即決、晴れてダフ本人とのミート&グリートを勝ち取った(経済的な意味で)超人です。

 

このイベントの顛末に関してはじょのさんご本人がブログに書き残すつもりだとおっしゃっているので省略しますが、5月5日に会場でお会いしたじょのさんは完全に“ダフハイ”状態で、わずか2日前に24万円もの大金をはたいて弾けない楽器を買った人とは思えないハッピーオーラを全身から発散しておりました。ダフに会えた件について訊ねたところ、「ダフに会えた上に手元には24万円のベースが残ったので実質無料である」などと意味の分からない主張を繰り返すばかりで話にならなかったことをこの場を借りてご報告させていただきます。

 

ラウンジの話に登場した石井さん(仮名)はわたくしの席の近くで、最前列ではありませんでしたが、2列目の通路側という視界良好の超良席。石井さん(仮名)は異常に強いインターネット回線を引いた戸建てを数年前に新築されたばかりで、超高速回線とプロゲーマーばりのハイスペックPCを駆使し、前回の来日公演でも最前列を含む最高のシートを悠々と手に入れたインターネット強者です。

 

9列目が実質2列目だったことに気を良くした石井さん(仮名)、「僕はいい席のチケットを取るためにウン千万の家を建てたんですよ。こんないい席が当たった上に住む家まであるんですから、これは完全に実質無料ですよ」などとじょのさんに輪をかけて意味のわからないことを言い出してしまい、こんな人たちに関わっていたらこっちまで頭がおかしくなりそうだったので、わたくしは自分の席に戻って場内で流れていたDead Boysの“Sonic Reducer”に合わせて身体を激しく揺さぶったりしました。

 

あの、申し訳ございません。またしても本筋から脱線して様子のおかしいガンズファンの方々の話に興じていたら1万文字を超えてしまいました。中編という名のたわごと垂れ流し大会はこのあたりで終了とさせていただき、次回の後編でいよいよライヴの内容について触れていきたいと思っております。よろしくお願いいたします

ガンズ・アンド・ローゼズが来日したんですか? 【前編】

2025年5月5日、あなたはどこにいましたか。

 

あ。いきなりクイズみたいな感じになってすみません。

どうも。出題者の僕です。

 

もしもあなたがスーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥選手であれば「5月5日ですか? ラスベガスにいました」と答えるでしょうが、井上尚弥選手以外の方は口を揃えてこのように答えるはずです。

 

 

「5月5日? ああ、こどもの日やね。その日は間違いなく横浜におりましたわ。はは」

 

 

わたくしもそう答えますし、これを読んでいるあなたも同様でしょう。

わざわざ理由を説明する必要はないかもしれませんが、ほぼ唯一の例外である井上尚弥選手がお読みになった場合、「いやいや、説明してくれないとわからないですよ」とお怒りになり、わたくしに強烈な左ボディブローをお見舞いしないとも限りません。

日本が世界に誇る史上最高のチャンピオン、“モンスター”井上尚弥選手のために、5月5日に我々が横浜にいた理由を明確にしておこうではありませんか、みなさん。

 

 

 

横浜に来たから。

 

なにが。

 

Guns N' Rosesが。

 

 

 

そう。世界的ロックバンド、Guns N' Rosesの約2年半ぶりの来日公演が、横浜・Kアリーナで開催されたわけであります。

一夜限りの来日公演ということもあり、チケットは全席種ソールドアウトし、若干の注釈付き席が当日券として発売されるのみの大盛況。

わたくしもこの一大イベントに乗り遅れてはならぬと、決して安くはないチケットを吐血しながら買い込み、ムーンウォークで颯爽と横浜へと向かったのでした。(実際には前向き歩行かつ公共交通機関で)

 

あ。今回の記事はですね、2025年5月5日に開催されたGuns N' Roses来日公演の思い出についてですね、だらだらと書き連ねていこうと思っております。

これはガンズが来日するたびにやっていることでして、2017年・2022年の来日公演の思い出も公開中でございます。下記に記事を貼らせていただきますので、気が向いたらお読みいただけると嬉しいです。

 

sasayaki-okami.hatenablog.com

 

sasayaki-okami.hatenablog.com

 

この記事に関して言えば、いわゆる“ライヴレポート”ではなく、自分のための備忘録のようなものですので、わたくし以外にとってはどうでもいい枝葉の話もバンバン放り込まれております。しっかりした内容の良質なライヴレポを求められる方は、プロの音楽ライターが書いた記事や熱心なファンの方のブログなどをお読みになるのがよろしいかと思われます。

こちらは完全に場末のにぎやかしです。ご了承くださいませ。

 

わたくしの友人・知人、もしくは上記の記事をお読みになった方はご存知かと思いますが、2017年・2022年の来日公演時にはそれぞれ非常にドラマティックな出来事がありまして、一生忘れることのできない鮮烈な思い出として脳裏に焼き付いているわけです。

今回もそのようなドラマティックな、エキサイティングな、アンフォゲッタブルな、ナオトインティライミな出来事があったのではないかと期待する向きもあるかもしれません。いや、あるでしょう。あるに決まっています。

二度あることは三度ある、などと言いますし、「もう薬物には手を出しません」と涙ながらに裁判長に誓ったはずの犯罪者があっさり再犯で実刑を食らったりすることも珍しくない世の中です。

もしかしたら世の中というものは、過去の出来事を繰り返すことで成り立っているのかもしれません。

まあ、そのような話を踏まえて結論をお話ししますと、今回の来日公演はですね…

 

 

 

特に何も起こりませんでした。

 

 

 

そらそうなのよ。何も起こらないのが普通なのよ。

行くライヴ行くライヴで想像を絶するエピソードに遭遇していたら命がいくつあっても足りないのよ。

ま、そういうわけでして、普通に行って普通に楽しんで普通に帰ってまいりました。

好きなバンドのライヴを観に行って、幸せな気持ちで帰って来る。これ以上素晴らしいことがあるでしょうか。

まあ、探せば何かしらあるでしょうけど、それを考えているとキリがないのでやめておきましょうね。コメント欄に「もっと素晴らしいこと一覧」を延々と書き連ねるのもやめてくださいね。

 

などと何事もなく普通に終わったことを強調しておりますが、やはりそこは最愛のバンドの来日公演。世界にひとつしか存在しない推しバンドが自分の住む国へとやって来てくれて、お金と時間の都合さえつければ、同じ空気を吸える上に、何万回と聴いた名曲の数々を目の前で生演奏してくれる機会を得られるわけですよ。

冷静に考えてみればそれはとんでもないことであって、ビジネスとして利益を上げるためにやっていることであったとしても、このような機会を提供してくれるバンドとプロモーター、関係者のみなさまには感謝の念しか存在し得ないのです。

 

そんな奇跡のようなガンズ来日公演終了後には、とてつもない満足感を得られると同時に、喪失感やら疲労感やらがどっと押し寄せてきやがりまして、翌日以降はしばらく心身のバランスを大いに欠いた状態で過ごすのが恒例となっております。

いわゆる“ガンズロス”というやつでございます。

それを踏まえて考えますと、わたくしにとってのガンズ来日公演はエンターテイメントという枠を大きく逸脱し、冠婚葬祭と同じレベルにあるライフイベントの領域に足を踏み入れていると言っても過言ではありません。

その証左にわたくしなんかはガンズ来日に向けて5kgほど体重を落としてその日を迎えるなどしまして、完全に結婚式を控えたOLさんになっておりました、マインドが。

ということは、ガンズのために払うチケット代やグッズ代はご祝儀なのかもしれません、知らんけどね。

 

えー。あまり大きな声では言えませんが、この時点ですでに2,000文字を費やしております。

善良な読者のみなさまにおかれましては、「もしかしてこの自分語りが一生続くのでは?」と不安になってその大半がすでに離脱しているかと思われますので、ここから先はわたくしの可能性を信じて読み続けてくれた僅かな精鋭たちに向けて筆を進めていく所存です。

よろしくお願いいたします。

 

 

2025年5月1日の韓国公演で幕を開けたガンズの新ツアー『Because What You Want & What You Get Are Two Completely Different Things』。

彼らにとって約1年半ぶりのライヴ活動再開となるわけなのだけれど、2016年4月のリユニオン公演以降、約7年半にわたって断続的にツアーをおこなってきたことを考えると、今回のツアーにおけるアジア公演はリユニオン以降初めてとなる“長期の休暇明けのライヴ”と言い換えることもできるでしょう。

しかも、ツアー初日まで1ヶ月半を切った3月中旬には、19年の長きにわたってバンドを支えたドラマー、フランク・フェラーが脱退し、後任としてアイザック・カーペンターを迎え入れるという、タイミング的に不安が残るメンバー交代劇まで発生。

韓国に続く2番目の公演地に選ばれたのが日本で、果たしてどのようなセットリストになるのか、そして新ドラマーのアイザックの力量はいかほどのものなのか、大きな期待と多少の不安を抱えながら我々は会場へと集結したわけであります。

 

 

 

ちなみに、この長くてよくわからないツアータイトル『Because What You Want & What You Get Are Two Completely Different Things』は、LA界隈のクラブを根城にしていたデビュー前の彼らのフライヤーに書かれていた文言から取られたもの。

40年近くも前のフライヤーからツアータイトルを持ってきた理由はいまだ不明なのだけれど、2025年はガンズ結成40周年にあたる年ということもあり、原点である1985年にちなんだタイトルを…という理由なのかもしれない。

インターネットなどを上手に使って言葉自体の元ネタを調べてみたところ、どうやら映画『ビリー・ザ・キッド/21才の生涯』のなかの台詞に原型を求めることができるようで、同作のサウンドトラックにボブ・ディランの“Knockin' On Heaven's Door”が収録されていることを考えると、ガンズファンとしては点と点が線で繋がったような気分になるのではないでしょうか。なりませんか。どうですか。

 

ただ、1年半ぶりの、しかも結成40周年という節目の年に開催されるツアーに「欲しい物と手に入る物っていうのは丸っきり違うんだからさ」なんてタイトルを付けるセンスがよくわからない。

よくわからないのだけれど、よくわからないなりに色々と理由を推測してみました。誰が。わたくしが。

ここから先は完全にわたくしの推測なので、当たったら「まあ、なかなかの推測だったんじゃね?」と褒めていただき、外れたら「ばーかばーか」と笑ってやってください。ただし、わたくしはどちらかと言うと傷付きやすい方ですので、そのあたりについてもご配慮ください。よろしくお願いいたします。

 

この『Because What You Want & What You Get Are Two Completely Different Things』っていうのは、ズバリ言ってしまうと、実はこれから発売されるガンズのアルバムのタイトルなんじゃね? というのがわたくしの推測です。

「あー。昔のフライヤーにあった言葉ねー」と思わせておいて、「えっ。本当にこのタイトルの作品に伴うツアーだったんですか?」とファンを驚愕からの七転八倒させる仕掛けなのではないかと。

まあ、これだけだと完全にわたくしの妄想なので、その根拠となりそうなものをいくつか挙げていきましょう。

 

根拠1. 匂わせまくる新曲の存在

 

ツアー初日の韓国公演のセットリストに“ATLAS”(おそらく“Atlas Shrugged”のことだと思われる)という未発表曲が記載されており、実際には演奏されなかったものの、すでにライヴで披露できる状態となっていることがうかがえる。

 

さらには、5月3日に原宿のFender Flagship Tokyoで開催されたダフ・マッケイガンのイベントにおいて、ダフ自身が未発表曲“Nothing”で使用したベーストーンについて言及。さらに同曲について「もうすぐ世に出て、ライヴでも演奏するようになるかもしれない」とお披露目が近いことを示唆した。

 

根拠2. 関係者が持つ謎のアイテム

 

ガンズ公式アカウントが投稿した動画のなかで、ロードマネージャーのデル・ジェイムスが『Because What You Want & What You Get Are Two Completely Different Things』と書かれたCDサイズのアイテムを手にする場面が登場。

 

 

CDの盤面が見えているわけではないので断言はできないものの、これが新作発表の匂わせである可能性も否定できない。

 

根拠3. 1年半のブランク

 

それまで7年半にわたって世界中を飛び回って来たガンズが、いきなり1年半もの休暇を取っており、この期間にレコーディングを進めたのではないかという推測もできる。

 

スラッシュは2024年にソロ作『Orgy of the Damned』のリリースや、Slash featuring Myles Kennedy & the Conspiratorsとしてのツアーなど多忙を極めていたが、ガンズの新作に入る楽曲の多くが『Chinese Democracy』期のリメイクということであれば、ソングライティングにかかる期間はゼロになるため、ギターパートを差し替えるなどの作業をおこなう時間は捻出できるのではないだろうか。

 

根拠4. ドラマーの交代劇

 

前任ドラマーであるフランク・フェラーの脱退が伝えられたのは、2025年3月19日のこと。そして、アイザック・カーペンターの加入が発表されたのは、その翌日のことだった。

 

実は、一部のファンサイトやDiscordチャンネルにおいては、フランクの脱退が発表された直後から“バンドに近い筋からの情報”としてアイザックが新メンバーであることが明かされており、さらに「フランクはスタジオワークに貢献することができない」ことがドラマー交代に至った理由であることも説明されていた。

 

これがもしも本当に内部情報であった場合、スタジオで何かしらの作業がおこなわれていた事実があるわけで、それは新作もしくは新曲のレコーディングである可能性が極めて高いと思われる。以上、証明終わり。

 

 

「根拠ってそれだけかい!」と怒られそうで怖いし、「こんな妄想に付き合わせやがって」と硬い棒のような物で滅多打ちにされる可能性も危惧しているのだけれど、わたくしはこのような理由からガンズの新作が近いうちにリリースされるのではないかと考えておるわけです。

 

1985年6月6日はガンズが『Appetite For Destruction』期のメンバーになって初めてのライヴをやった日で、ここを結成日と考える人も多い記念日。

しかも今年の6月6日は、音楽作品のリリース日である金曜日にあたるという偶然も重なっておりまして、その日に電撃的にリリースされたとしても驚かないです、わたくしは。いや、驚くけれども。ガンズの新作リリースでみんなと一緒に盛り上がりたいよ、あたしゃ。リマスター物じゃなくて新作でキャーキャー言いたいんじゃ。

 

あ。随分と脱線してしまいましたね。この調子でやっていくと永遠に終わらない感じがいたしますので、会場であるKアリーナに到着したところから話を進めてまいりましょうか。そういたしましょう。

 

わたくしと友人たちが会場に到着したのは12時頃。Twitter(現:Twitter)から得た情報によると、現地では早朝からすでに物販待機列が形成されている様子だったのだけれど、我々が所有するGOLD席およびGOLDバルコニー席のチケットには物販優先レーンという「金こそ力なんじゃ!」な露骨すぎる特典が付属しているため、特に焦ることもなく「まあ、1時間前(販売開始は13時)から並んでおけば最悪でも14時には物販列を抜けれるんじゃね?」という安易な考えでこの到着時間が設定されたのである。

 

唯一の不安は、3月末に参加した“パン春”こと『PUNKSPRING』ではGOLDチケットの所有者が多すぎて優先物販システムが機能せず、物販列を抜けるまでにめちゃくちゃ時間がかかったということだった。GOLDチケットがあの有様だったので、一般チケットで物販に並んだ日には人権など存在しなかったのではないだろうか。

 

会場の様子が目視できる距離まで近付いたところで、わたくしは戦慄し、そして絶望した。「嘘だろー」と声が出た。

遠めから見てもわかるくらい並んでいるのだ。なにが。人が。

 

とりあえず最後尾の札を掲げるスタッフの元まで足を運ぶが、こんなとんでもない列に並んだが最後、生きて帰れる気がしない。そもそもこの列がどこから始まっているのか、その先頭すら確認することができない長蛇の列である。

 

ていうかアレだ、GOLDの優先レーンはどうなっているのか。こちとら高額チケット所有者やぞ。途中で列が分かれるシステムなのだろうか。それとも“パン春”こと『PUNKSPRING』と同じく、優先レーンなどというものは有名無実の儚い存在に過ぎないのだろうか。

 

我々の頭を駆け巡ったそのような思いは、ひとつのシンプルな質問として口から飛び出ることとなった。すなわち、「すみません。GOLDチケットもここでいいんですか?」である。

 

結果、物販優先レーンの待機場所は別にあるとのこと。よかった。安心した。胸からちんこまで一気に撫でおろした。

地獄のような一般レーンと違い、優先レーンの方は12時の時点ではそれほど列が伸びていないようで、これなら当初の見込み通り14時までには確実に物販購入を完了できそうな塩梅でございます。

あ。2025年のブティック「気が動転して買ってしまった」の様子はこちら。(同ブティックについては2022年来日時のブログをご参照ください)

今回は2022年時ほど色のバリエーションがない分、黄色ティーシャーツの異常性が際立っておりますね。

ブティック「気が動転して買ってしまった」

ちなみに物販列の先頭は午前1時から並んでいるらしく、その事実を確認した人は午前4時に現着したという話を聞き、ガンズファンの頭のおかしさ、年々エスカレートの一途を辿るロックファンの物販への執着が恐ろしくなって泣いてしまいました。みんな、完全に気が動転しすぎやろ、物販の話になると。冷静に生きていこう。な?

 

一番びっくりしたのは、16時から始まる“チケットを持っていない人でも買える枠”の待機場所に12時の時点で並んでいる人がいたこと。いやいやいや、6時間も待ってガンズの物販を買おうという根性がある人がなんでチケット買ってないのよ。物販は好きだけどガンズの音楽は好きじゃないの? なんかそういう修行の一環なの? 6時間後なんてどれだけのアイテムが売れ残っているのかすら定かではないのよ。行動原理が理解できなさすぎてその場で少し踊った。

 

わたくし自身はアクセル・ローズの手書き文字がプリントされたトートバッグくらいしか欲しい物がなかったのだけれど、やはり物販列が持つ謎の磁場というやつでしょうか、物販列における伝染する狂気というやつでしょうか。物販列を抜けた時にはこのようなアイテムを両手に抱えておりました。

完全に買った記憶の無いアイテムたち

買う予定だったトートバッグに加え、ティーシャーツ2枚、さらには飾るつもりもさらさらないポスターまで購入している始末です。何がわたくしの身に起こったのでしょうか。

ポスターなんてアレですよ。3体の妖怪がダチョウ倶楽部のようにはしゃいでいるだけのよくわからないデザインですよ。これで1万円ですよ。LSDでも染み込ませてるんか、紙に。

ダチョウ倶楽部風妖怪がはしゃぐ日本限定ポスター

しかし、こんなわけのわからないデザインのポスターであっても、“限定”の二文字に弱いのが日本人。200枚準備されたポスターは飛ぶように売れ、販売開始から20分も立たないうちに完売しておりました。

1人2点までの購入制限がかけられていたようだけれど、ポスターについては数をもっと増やしてもよかったのではないかと思うマイライフです。おそらくガンズの限定ポスタ―は「会場キャパ ÷ 100」を刷っているんでしょうね。2022年のさいたまスーパーアリーナは限定350枚だったと記憶しております。

ポスター完売のアナウンスが流れた直後、買えた人間の余裕と好奇心でメルカリのアプリを立ち上げ、「Guns N' Roses ポスター」と検索をかけてみたところ、なんと8万円での出品を発見。GOLD席のチケット代をこんな薄汚い方法で浮かせようとするんじゃないよ。マジで近いうちに人口統計から消える結果になって欲しいと思うし、みんなもそう思っていると思うし。

 

買い物が終わったので物販列を抜けようかと思っていると、友人から「ここでナイトレのパスポートシールもらえるみたい」という極秘情報が。

「ナイトレのパスポートシール」などと言われても何のことだかわからない方もいると思うのでいくつか補足すると、ナイトレとはガンズの公式ファンクラブNightrainのことで、飛行機をモチーフにしたGNAIRという大失敗に終わった企画と連動し、会員向けにパスポート風の冊子が入会特典として配布されていたのです。

 

配布されたパスポートの用途はと言えば、ライヴ会場に設置されたスタンプを来場記念として押すための台紙で、いつの頃からかスタンプではなくシール配布に形式が変わったというわけです。

公演ごとにデザインの異なるシールが用意されており、ファンクラブ会員にとってはライヴに参加する際のお楽しみのひとつなのだけれど、ファンクラブ運営のいい加減さに起因するものなのか、色々と問題があるのも事実。

 

 1. 今回の日本公演でパスポート企画が実施されるのか不明

 2. どこでシールがもらえるのか不明

 3. 数年前から会員特典にパスポートが含まれていない

 

パスポート企画が実施される予定の公演については、Nightrainのサイトに「Passport Location TBA (パスポート企画の場所は未定)」と実施される予定であることだけはわかる注意書きがなされるのだけれど、日本公演にはその記載がない状態でした。

しかし、どうやら友人はシールをもらっている人を見かけたらしく、シール配布をおこなう担当スタッフまで特定してくれたのです。有能すぎるやろ。

 

ていうか日本公演用にシールを準備しているのに何の告知もしないガンズ公式ファンクラブ、本当に大丈夫なんか。心配になってくる。

2022年の来日時も同じようなぐだぐだぶりで、ファン同士の口コミによってシール配布場所や方法が伝達されていった記憶があるので、そこから一歩も進化していないことに絶望いたしました。

んでもって、シール配布を担当したスタッフさん(日本人)の対応もめちゃくちゃ悪くて、わたくしの周りでもえらく不評でした。わたくしがもらった時も「何枚? いや、口で言わないでパスポート見せて」などと終始イライラしていて、こんな対応だとそのうち誰かにぶん殴られるんじゃないかと思ったほど。まあ、通常業務に加えてよくわからないシール配りまで押し付けられてイライラする気持ちもわかるけれど。

事前告知もなく、嫌な思いをして入手したNightrainパスポート用シールがこちらです。

 

日本公演特製シール

えっと…。すみません。なんですか、これは。

とりあえずテンプレのデザインに桜と日の丸、中華街の門?(お寺?)を盛り込んでおけば日本&横浜っぽいだろうという安易な考えが駄々漏れになった魂のないシールでございますね。

まあ、無料でもらえる物に文句を言うのもアレですが、ファンクラブ会費を払っている人たちに配布する記念品であることを考えると、「ああ。最愛のバンドが我々の国のためにこんな素晴らしいデザインを考えてくれたのか」と感動させる努力が明らかに欠如しているのではないかナーと思った次第です。こんなこと続けてると会員数が減ってしまうのでは。

 

そんなわたくしの傷付いたハート、そしてソウルを救済してくれたのは、才能あふれる友人が作ったオリジナルのナイトレパスポート用シールでした。百聞は一見に如かず。まずはご覧になってください。

 

 

武田清先生のピクセルアート

こちらは世界を舞台に活躍するピクセルアーティスト・武田清先生(千葉県の権力者)が制作した1枚。

正直なところ、こちらを公式にした方が絶対によかったし、他の国のファンが見ても「これは日本っぽいぜ!」って大好評だったと思う。

ちなみに公演当日に武田清先生に「おい! そこの眼鏡!」と声をかけるとこのシールをもらうことができました。

 

じょのさんのしろたん風シール

こちらはダフ・マッケイガンの熱狂的ファンにして超一流ブレイクダンサーとして知られるじょのさん制作のしろたん風ガンズ。

大好きなダフを真ん中に据えなかったあたり、ギリギリの線で理性を保っていたことがうかがえる1枚です。

既存のキャラのパロディなので公式化は難しそうだけれど、これは特に女子人気の高いアイテムになったのではないでしょうか。こちらも公演当日にじょのさんからいただくことができました。

 

はっ。公式ファンクラブの悪口を言っていたら、いつの間にか9,000文字を突破してしまいました。

ちょうど物販の話題も終わり、いよいよ会場内へと潜入していくところですので、ここから先は次回へ持ち越しといたしましょう。

筆不精のわたくしではありますが、楽しかった思い出をアウトプットすることにより、少しでもガンズロスを解消できればと思っております。

次回もよろしく哀愁でございます。

約束どおり 街のコンビニで 発券しようよ whm...

どうも。好きなキャベツは春キャベツ、僕です。

キャベツ太郎の関連商品として「春キャベツ太郎」が発売されることを切望しております。

 

ま、太郎の話はこれくらいにしておいて。

今日はスパッと本題に入っていきますよ。どのくらいスパッと話題を切り替えるかと言うと、テレビ東京系列の人気ゲーム番組「ゲーム王国」においてゲームメーカーの広報担当者が熱く紹介した新作ゲームに対して「はい、とても面白そうですね」のひと言だけで次の話題へと展開していく司会の江戸家小猫くらいスパッとやっていくということです。

 

ま、江戸家小猫の話はこれくらいにしておいて。

いやー。始まりましたね。

 

 

 

なにが。

 

ガンズの発券が。

 

 

 

そう。5月5日に開催されるGuns N' Roses来日公演の発券が、去る4月28日からついに開始となったわけです。カレンダーがお手元にない、カレンダーを買うお金がない、カレンダーの存在を知らない、毛の短い雑種の猫、そのような方々のために蛇足ながら説明しておくと、公演日のちょうど1週間前から発券開始ということになるわけです。

ちなみにチケット発売日の模様については下記ブログをご参照くださいませ。よろしく哀愁です。

 

sasayaki-okami.hatenablog.com

 

急に過去記事に誘導するような薄汚いやり口ですみませんね。露骨なアクセス数稼ぎが見え見えですね。お詫び申し上げます。

まあ、なにゆえに発券がそんな重要イベントなのかと申しますとですね、今回も2022年の来日公演同様、全席指定形式で開催されるため、発券した瞬間に己の運命があらかた決まってしまうわけですよ、奥さん。

どこで観てもいい(常識の範囲内で)スタンディング形式の公演とは違い、座席指定は「あんたの席はここね!」と決められてしまうわけでして、場合によっては会場の屋根を支える大黒柱が目に前にそびえ立ち、ステージを観ることはおろか、柱が邪魔すぎてパイプ椅子の上に正座をするより他にない、といった劣悪な席があてがわれてしまう可能性も否定できない厳しい世界です。

前回の来日公演においても、チケット発券日には悲喜こもごもの感想がSNS上を乱れ飛び、阿鼻叫喚の地獄絵図が描かれておりました。

その模様は下記ブログをご参照くださいませ。よろしく哀愁です。

 

sasayaki-okami.hatenablog.com

 

ご紹介させていただいた記事「Hakken Open Air 2022」のなかでも触れているように、2022年来日時はガンズの公式ファンクラブNightrainの会員向け先行販売が非常に優秀で、最前列を含む良席がバンバン飛び出して「会員向けグッズはカスみたいなくせに さすが公式ファンクラブだぜ!」と有料会員を大いに満足させたのでした。

プロモーターであるCreativeman有料会員で中央ブロック最前列が出た例もあったようですが、わたくしが調べた限りではNightrain枠が総合優勝だったと断言しても過言ではないでしょう。

 

そのような経緯もあり、わたくしの周りのガンズファンは今回のチケット発売に向け、その多くがNightrain会員となって準備万端。

1ミリでもステージに近い席を確保するべくファンクラブに課金した精鋭たちは、2月8日からスタートしたNighrain会員向け先行販売(先着順)において、eスポーツよろしく購入完了までのスピードを競う熾烈な闘いへと身を投じたのでした。

 

さて、その結果はいかなるものだったのか。

まずはわたくしがTwitter(現:Twitter)のアンケート機能を駆使して収集した満足度調査をご覧ください。

 

 

なんと「予想よりも悪かった」が31.7%という結果に。

この選択肢に投票した人のすべてがNightrain会員とは限りませんが、66人ほどの購入者が期待したほどの良席を手に入れることが叶わなかったと回答したのです。

これも推測になってしまうものの、おそらく期待値が高かったのは、Nightrain会員かつ8万円のGOLD席を買った人だと思われます。

“Nightrainしか勝たん”状態だった2022年とは打って変わり、TwitterのTLはお通夜の如き様相を呈してしまう始末。

ボブ・ディランが名曲“時代は変わる”で「今のトップっていうのはね、いつか最下位になるんだよ」と歌ったように、我々が信頼してやまなかったNightrainもこの2年半でその地位を明け渡してしまったということなのでしょうか。

 

ちなみに2022年の発券時にも同じ内容のアンケート調査をおこなっておりまして、その際の「予想よりも悪かった」はわずか14.5%でした。

同じく2022年時の「予想よりも良かった」は21.7%で「悪かった」を上回っている事実からも、前回のNightrain会員先行の満足度の高さを窺い知ることができるでしょう。

 

 

王者であった公式ファンクラブNightrainの凋落が事実だと仮定した場合、ひとつの疑問が生じます。

 

 

良席はどこに消えた?

 

 

そうなんです。Twitterで「ガンズ 発券」などのワードでサーチしまくったのですが、アリーナ席の一定エリア以前、具体的に言えば5列目以前を確保したという人が見付からないのです。

もちろん良席を確保した人がTwitterに投稿していないだけという可能性もあるでしょう。

それにしても知人・友人、友人の友人がアルカイダ、職場の同僚、チリ人妻アニータさん、毛の短い雑種の猫、そのような人々の誰ひとりとして良席が確保できていないのは不自然な感じもいたします。

 

そこでですね、Nightrain枠でGOLD席を確保した知人・友人の協力を得て、ごく少ないサンプル数ではありますが、その位置を座席表へと入力していったわけです。

ご協力いただいた方々のなかには発売開始から1分で購入完了までたどり着いた猛者が数名含まれていることも申し添えておきましょう。

 

 

わたくしの知人・友人では下手側ブロックの7列目が最高で、アリーナの中央3ブロックの7~12列目にNightrain枠が分布していることがわかります。

やはり今回はNightrain枠は良席が割り振られていなかったのでは…と結論を急ぎたくなるところですが、先ほど述べた通り、その他の販売ルートにおいても良席が出たという報告が見当たらないのです。

 

そこでわたくしの脳裏をよぎったのが、2023年11月に開催されたMötley CrüeとDef Leppardのツーマン公演でした。

ガンズの来日公演と同じKアリーナで開催された同公演は、ステージから客席側に向けて花道が伸びており、その先にセンターステージが設置されるというレイアウトになっておりました。

その関係上、中央ブロック(上記図表の61-80のエリア)は9列目が最前列という扱いになっていたのです。

 

それを踏まえるとどうでしょう。

小泉進次郎衆議院議員の大名言「おぼろげながら浮かんできたんです、46という数字が」よろしく、とあるレイアウトがうっすらと浮かんでこないでしょうか。

 

 

そうです。Mötley CrüeとDef Leppard来日公演と同じくステージ(の一部)が客席側へとせり出しているレイアウトです。

本来であれば良席が期待できるはずのNightrain先行販売で惨敗(というほど悪い席ではないですが)が続出した理由、それがこの仮説で説明できると考えました、わたくしは。

ただし、これはあくまでも“前方エリアのチケットを確保した人が存在しない”という前提に基づいたものなので、「あ。中央ブロックの1列目持っとるで」という方が登場した瞬間にあっさりと崩壊いたします。

 

まあ、今さらじたばたしたところで始まらない話ではありますが、この仮説が正しければチケット発券日に絶望したNightrain会員たちの魂が救われるわけで、わたくしはその瞬間を心の底から願っております。

どんなに遅くてもその答えは公演日当日におこなわれるVIPアップグレード組のバックステージツアーで明らかになるわけですし、それよりも先にメンバーや関係者がSNSに投稿した写真などで判明するかもしれません。

ちなみに5月1日に開催される韓国公演のステージにはせり出し部分はありませんでした。韓国は野外公演ということもあり、屋根がある部分までしかステージを設営できないのかもしれません。

 

これを書いている4月30日、来日公演で販売されるコンサートグッズおよびGOLD席・GOLDバルコニー席購入者向け専用ラウンジの詳細が発表され、いよいよ公演直前という空気が漂ってまいりました。

専用ラウンジはアルコールを含むドリンクが飲み放題という太っ腹ぶり。高額チケットの元を取るために開演ギリギリまで腹がはち切れる勢いで飲み続けるのがベストだと思われます。

 

まあ、わたくしも5月5日は行けたら行こうかなと思っておりまして、お伺いする場合はティーシャーツにズボン、スニーカーにコンタクトレンズという奇抜なファッションで馳せ参じる予定であります。

もしもわたくしの姿を見かけた方がいらっしゃいましたら、わたくしを大衆演劇の看板役者に見立てて1万円札で作ったレイなどを首にかけていただけると幸いです。

よろしくお願いいたします。

 

はじめてのガンズ・アンド・ローゼズ

どうも。薄々はお気付きでしょうか、僕です。

しっかり気付いていた方、まったく気付いていなかった方も含めてケアしていきたいと思っております。

 

ま、そういうわけで、来ますね。

 

 

なにが。

 

Guns N' Rosesが。

 

 

ま、来日記念というわけではございませんが、今回はせっかくガンズが来日するということで、ガンズについての記事にしようかと思っております。珍しくね。

 

2月初旬からチケットの販売が始まりまして、聞いた話によれば残りチケットはSS席をわずかに残すだけになったとかなっていないとか。知らんけどね。

 

ま、そういうわけで今回は、ガンズは好きだけどまだチケットを買っていない人、ガンズのことを知らないけどチケットを買った人、ガンズのこともチケットのこともわからない人、毛の短い雑種の猫、などといった方々にガンズのオススメアルバムを知っていただこうかなと思っております。僕がね、そう思っております。

 

題して「はじめてのガンズ・アンド・ローゼズ」といったところでしょうか。タイトルがね。

 

ま、気の利いたタイトルも決まったところでね、早速やっていきましょうか。暇じゃないのでね、僕もね。

 

 アルバムタイトル(発表年)

 評価(☆~☆☆☆☆☆の5段階)

 ひとことレビュー

 

こんな感じで各アルバムを説明していきますのでね、僕がね。独断と偏見でね。

「辛口すぎるだろ!」といったご意見はお控えくださいね。

今回はとりあえずアルバムだけを対象としますのでね、それ以外の聴いておくべき楽曲については最後に補足いたしますのでね。よろしくお願いしますね。

 

 

Appetite for Destruction (1987)

☆☆☆☆☆

 

ハードロックの金字塔的デビュー盤にして時代を変えた1枚。

現在までに全米で1,800万枚、全世界で3,000万枚以上のセールスを記録する怪物アルバムである。

メンバーたちの破天荒な言動から、粗野で野生的、技術的に稚拙な作品というイメージを持たれがちだが、Sex Pistolsのデビュー作と同様にそのサウンドは意外なほどに整理されている。

 "Welcome to the Jungle"や“Sweet Child O' Mine”、“Paradise City”といった誰もが知る代表作は本作に収録されており、来日公演の予習盤として欠かすことは絶対不可能。

本作が凡百のハードロック作品と決定的に一線を画すのは、アグレッシヴな咆哮から甘いウィスパーヴォイスまで自在に使い分けるアクセル・ローズの歌唱、そして独特のタイム感で絶妙にスウィングするスティーヴン・アドラーのドラミングという特異性があってこそ。

パンキッシュな"It's So Easy"、"Mr. Brownstone"や"Rocket Queen"に代表されるグルーヴ路線、王道ハードロック"Nightrain"もライヴの大定番。そしてのちに全世界を相手に繰り広げられることになる、アクセルの“世間 vs 俺”の構図は"Out ta Get Me"の歌詞などにすでに垣間見られる。

後年、「ガンズがつまずいた理由は?」と尋ねられたダフ・マッケイガンは「成功だね。それは間違いない」と回答しており、若き日の彼らの行く末を狂わせてしまった皮肉な1枚でもある。

 

 

GN'R Lies (1988)

☆☆☆☆☆

 

1986年にリリースされた4曲入り自主制作EP『Live ?!*@ Like a Suicide』に新録アコースティック曲4曲を追加した企画盤的アルバム。(これを2ndアルバムとするかどうかは意見が分かれるところ。個人的には“1.5枚目”としたい)

前半4曲はAerosmithとRose Tattooのカバー曲を含むライヴ音源で、小規模クラブでの下積み時代の彼らの演奏が聴ける…と言いたいところであるが、実際にはスタジオ音源に観客の歓声をかぶせた疑似ライヴ音源である。

最大の聴きどころは後半の新録アコースティック音源で、ここでは『Appetite For Destruction』で築き上げた“世界一危険なロックバンド”のイメージから意図的に脱却しようとするかのような彼らのソフトな一面に触れることができる。

全米4位を記録した名バラード“Patience”は現在もライヴの定番として演奏頻度の高い1曲。演奏頻度は落ちるが、「彼女を殺して埋めたけど、まだ愚痴ってる声が聞こえてくるんだよなあ」というブラックジョークが冴える"Used to Love Her"もファン人気が高い“隠れた名曲”である。

本作も当然☆5個で、『Appetite For Destruction』を補完する1枚としてセットで愛聴していただきたいと思う。

 

 

Use Your Illusion I (1991)

☆☆☆☆☆

 

『Appetite For Destruction』でハードロック界のトップランナーへと躍り出たガンズが、ついに全世界制覇を成し遂げた2ndアルバム。

本作からドラマーがマット・ソーラムに交代し、さらにキーボーディストとしてディジー・リードが加入している。

同時発売となった『Use Your Illusion II』と合わせると全30曲の超ボリュームを誇る作品で、『I』と『II』で特に収録曲のコンセプトが異なっているわけではないが、前者が“動”、後者が“静”という印象を持つファンが多いのではないだろうか。

"Don't Cry"と"November Rain"のバラード2曲が本作からのヒットシングルとして挙げられるものの、決してバラード一辺倒ではない作風の広さが『I』の最大の魅力である。

超攻撃的な"Right Next Door to Hell"と"Perfect Crime"があったかと思えば、イジー・ストラドリンのルーズさ丸出しの気怠い"Dust N' Bones"と"You Ain't the First"があり、さらには鍵盤やサックス、ハーモニカが映える華やかな"Bad Obsession"や"Bad Apples"まである。おもちゃ箱をひっくり返したかのような雑多感が本作の魅力だと言えるだろう。

そして“初心者殺し”かつ“究極のスルメ曲”と呼びたいのが、アルバム最後を飾る“Coma”である。スラッシュのペンによる10分超の大作で、聴くたびにジェットコースターのようなスリルと興奮を味わえるはずだ。その複雑さゆえに『Use Your Illusion』ツアーでは数えるほどしか演奏されなかった楽曲だが、2016年のスラッシュ復帰以降はレギュラー演奏曲化し、晴れて“レア曲”カテゴリーから外れることとなった。

『Appetite For Destruction』から音楽的に飛躍的な進化を遂げ、ブルーズベースのハードロックという殻をぶち破った本作も☆5個とさせていただく。

 

 

Use Your Illusion II (1991)

☆☆☆☆☆

 

『I』と比較するとややメロウな印象を受ける『Use Your Illusion II』は、先行シングル“You Could Be Mine”など既発曲が収録された関係か、『I』を抑えて全米チャート初登場1位を記録している。

その収録曲はといえば、いわゆるストレートなハードロック曲は“You Could Be Mine”くらいで、比較的シンプルな"Yesterdays"とボブ・ディランのカバーでライヴの定番"Knockin' on Heaven's Door"を除けば、残りは癖が強めの一筋縄ではいかない曲がズラリと並んだアルバムだ。

2022年の来日公演においてロシアによるウクライナ侵攻をオーバーラップさせた演出が大きな感動を呼んだ“Civil War”、細かいギターリフと浮遊感のあるヴォーカルラインが中毒性を生む"Locomotive (Complicity)"、明らかにアクセル・ローズへの当てこすり曲にもかかわらず当のアクセルが喜々としてコーラスを歌うイジー・ストラドリン歌唱曲"14 Years"など、『I』とはひと味違うスルメ曲が多数収録されている。

本作最大のハイライトとなるのが、サビにあたるパートが存在しないという特異な構成でありながら9分超にわたってリスナーを惹きつける大作“Estranged”だ。このアクセルによる大傑作は決してとっつきやすい楽曲ではないが、歌詞を読みながら忍耐強くその音世界に向き合ってみて欲しい。スラッシュのギターメロディは絶品だし、最後には「これ以上に完璧な楽曲はない」の境地へとたどり着くはずである。

本来であれば『Use Your Illusion』で彼らが音楽的に到達した地点は、次のアルバムへ向けた中継地点となるはずだったのだと思う。『Appetite For Destruction』時代からミュージシャンとして成長・成熟し、その好奇心のおもむくままに広げた枝葉の中でどれがもっとも大きく育ったのか、我々がその成果を目にするのは次の作品だったはずなのだ。結果的に彼らの音楽的冒険がここで途切れてしまったのが残念でならない。

『I』と並んでガンズの傑作として永遠に聴き継がれるべき本作も☆5個とさせていただく。

 

 

The Spaghetti Incident? (1993)

☆☆☆☆☆

 

ギタリストがイジー・ストラドリンからギルビー・クラークに交代してから初となる作品は、メンバーが影響を受けた楽曲を集めたパンクカバー集。一部の楽曲は『Use Your Illusion』のために録音されたが、同作には収録されず『The Spaghetti Incident?』で日の目を見ることになった。

ガンズ随一のパンクロッカー、ダフ・マッケイガンの貢献が特に大きい作品で、3曲で単独リードヴォーカルを務めている。中でもMisfitsの"Attitude"はライヴで披露される機会も多く、映像化された1992年の東京ドーム公演でも演奏されているため、ダフのソロタイムといえば"Attitude"のイメージが強い。また、2016年のリユニオン後はダフのソロタイムでThe Damnedの“New Rose”が演奏される機会も増えている。

同作の収録曲で実際にライヴで演奏されたものはそれほど多くはないが、アクセル・ローズが敬愛するNazarethの“Hair Of The Dog”は1988年に、U.K. Subsの"Down on the Farm"は1990年にそれぞれ披露されており、元々レパートリーの一部としていた楽曲も含まれていることがうかがえる。

今回の来日公演で演奏が期待される楽曲が、New York Dollsの"Human Being"だ。ガンズは亡くなったミュージシャンの楽曲を追悼の意味を込めてカバーすることが多く、今年2月に亡くなったNew York Dollsのフロントマン、デヴィッド・ヨハンセンの追悼として同曲が演奏される可能性は十分にあり得るのではないだろうか。

ちなみにアートワーク下部に記された謎の記号は、アメリカの有名な未解決事件「ゾディアック事件」で犯人が実際に使用した暗号を参照すれば解くことができる。

作品全体を通してガンズのカバーセンスの良さを楽しむことができる良作で、こちらも☆5個の評価とさせていただきたい。

 

 

Live Era '87–'93 (1999年)

☆☆☆☆☆

 

オリジナルメンバーがアクセル・ローズだけとなっていた1999年、『Appetite For Destruction』および『Use Your Illusion』期に別れを告げるかの如くリリースされた2枚組ライヴアルバム。そのタイトル通り、1987年から1993年にかけての公演で録音されたライヴ音源を集めたもので、ライヴアルバムとしてはもちろんのこと、ベストアルバム代わりに楽しむことが可能な1枚である。

興味深いのはアクセルのヴォーカルトラックの多くが録り直されていることだ。どのトラックがどこの公演で録られたものかは熱心なマニアたちの研究によってほぼ判明しており、元の音源と聴き比べればその違いは明らかである。わざわざヴォーカルを差し替えた理由はわからないが、ライヴ活動から遠ざかっていた時期のアクセルの声が聴ける作品として必聴の1枚だと断言する。内容の素晴らしさだけでなく、資料的価値も含めて☆5個を献上する。

 

 

Greatest Hits (2004)

☆☆☆☆☆

 

一向に完成の気配が見えないガンズの次作に業を煮やしたレコード会社が、アクセルや元メンバーたちの意向を無視して強行リリースしたガンズ初のベストアルバム。

発売差し止めを求めての訴訟沙汰にまで発展したいわくつきの1枚は、リマスターされているわけでもなければ、未発表曲が収録されているわけでもなく、何も考えずに既発シングルを並べただけの安直な選曲となっている。

しかし、そのカスのような選曲にもかかわらず、本作は全米で500万枚以上、全世界を合わせると1,000万枚以上の爆発的セールスを記録し、米ビルボードのアルバムチャートに700週以上ランクインし続ける快挙を成し遂げた。発売当初はリリースに猛反対していたメンバーたちだが、これほどまでの大ヒット作になると“金を稼いでくる子は可愛い”というメンタルになってしまうのか、近年では喜々として本作のアナログ盤をリリースするなど実に現金なところを見せている。

先に述べた通り選曲にはまったく魅力がなく、強いて利点を挙げるならば、本作を持っていればThe Rolling Stonesのカバー曲"Sympathy for the Devil"のシングル盤を買わなくても済むことだろうか。

所有していてもわざわざ聴くことは皆無の作品ではあるが、本作の大ヒットによってメンバーたちの経済的状況を支えたという意味において☆5個と付けないわけにはいかない。

 

 

Chinese Democracy (2008)

☆☆☆☆☆

 

世界一有名な未発表作品と揶揄され、その完成すら疑問視されていた“幻のアルバム”『Chinese Democracy』がついに世に放たれたのは2008年11月のこと。オリジナルアルバムとしては1991年の『Use Your Illusion』以来、アクセル・ローズ率いる新生ガンズの新曲としても1999年発表の“Oh My God”から実に9年の月日が流れていた。

膨大な予算と時間が注ぎ込まれたにもかかわらず、本国アメリカではチャート1位を逃すなどガンズにしてはセールスが伸び悩んだ印象のある本作ではあるが、その内容は衝撃のデビュー作『Appetite For Destruction』に勝るとも劣らない大傑作である。超絶キャッチーなインダストリアル・ハードロック“Better”は新生ガンズの代名詞となり得たはずの名曲だし、後半のギターパートの凄まじさに声を失う壮大な"There Was a Time"、アクセルのセンチメンタリズムが炸裂する"Street of Dreams"や"Catcher in the Rye"もこの時期を代表する人気曲である。そして、とりわけ素晴らしいのがアルバムに最後に収録された美しさと激しさを併せ持つ“Prostitute"で、71分に及ぶこの傑作アルバムを完璧に締め括っている。

このアルバムについて「アクセルだけのガンズなんてー」だの「スラッシュがいないガンズはー」だのといった愚にもつかない戯言を垂れ流す人間の言い分に耳を傾けてはいけない。無事にこの世に生み出されたことを神に感謝したくなるレベルの作品、それが『Chinese Democracy』である。

わたくしは今でも年間100回はこの作品を聴いている。星の上限を5個と決めてしまった自分を呪いながら謹んで☆5個を捧げさせていただく。

 

 

というわけで、初心者の方々に向けてガンズが発表したアルバムのレビューをおこなってまいりました。

全部で8枚ご紹介したわけなのだけれど、まずは☆5個が付いた作品を聴いていただければ間違いないかなと思っております。

「8枚? ちょっと多いぜ」と思ったそこのあなた。ガンズは今年で結成40周年ですよ。40年の歴史がアルバム8枚でほぼ網羅できると思ったらお手軽じゃないですか。

ここはわたくしの言うことを信じて☆5個のアルバムに耳を傾けていただきたい。

どうしても8枚は嫌だという人がいらっしゃる場合、仕方がないので『Greatest Hits』は除外することを許可します。仕方ないのでね。

 

あとはですね、オリジナルアルバムに収録されていない楽曲で予習しておくべきものもご紹介しましょう。

左が楽曲名、右が収録作品です。

 

・Oh My God…End of Days (soundtrack)

・Shadow Of Your Love…Appetite For Destruction Super Deluxe edition

・Absurd…Hard Skool

・Hard Skool…Hard Skool

・Perhaps…Perhaps

・The General…Perhaps

 

“Oh My God”以外の5曲は近年のライヴでは演奏頻度が高いので、こちらは確実に予習しておくことをオススメいたします。

 

2025年5月5日、Kアリーナで開催されるGuns N' Roses来日公演、わたくしも行けたら行くつもりです。

行くことになった場合、ティーシャーツにズボン、スニーカーにコンタクトレンズという格好でお伺いする可能性が高いので、見かけたら遠慮なくお声をかけてください。

よろしくお願いいたします。