僕の好きなガンズ 【前編】

すみません。少々お時間よろしいですか。

そうです。僕です。

久々にブログなんぞを更新してみようかと思い、パソコンを抱えて夕暮れの砂浜に来てみました。

波打ち際でクロールをするカップルを眺めながらキーを叩いております。

 

いやー。それにしてもアレですね、ロスですね。

ロサンゼルス、つまりLAじゃない方のロスですね。

ロス疑惑じゃない方のロスです。

わかりますよね。わかりませんか。

ズバリ言った方がよろしいですか。

 

そうです。ガンズロスです。

 

「そうです。わたしが変なおじさんです」みたいなノリで言ってしまいましたが、公演終了から10日以上が経とうというのに、いまだに酷いガンズロスに陥っております。

公演後は記憶を上書きしたくなくて音楽すら聴けない状態でございました。

それほどすごかった。楽しかった。面白かった。埼玉は遠かった。

 

というわけで、Guns N' Roses来日公演のブログを書いていきたいナーと思っております。

というか、「書いていきます!」とここに宣言させていただけたら嬉しいナーと考えております。

例によって導入部分が不必要に長くなってしまって恐縮ではありますが、ここから本題に入りますので読み進めてくださる方のみご登壇ください。

その他の方はタレントのヒロミさんのWikipediaへ速やかにご移動ください。

ちなみにライヴレポというよりは個人の忘備録となりますので、スタンダードなライヴレポを読みたい方は音楽誌や音楽ウェブサイト、熱心なファンの方が書かれたブログなどをお読みになるのがよろしいかと思われます。

そのあたりをご理解いただきますようあらかじめお願い申しあげます。

 

 

2022年11月5・6日の2日間にわたって開催されたGuns N' Roses来日公演。

アクセル、スラッシュ、ダフのBig3が揃ったラインナップとしては約24年ぶりの来日公演となった2017年1月の日本ツアー以来、約5年9ヶ月ぶりに彼らが戻って来たわけであります。

来日公演が近付くにつれて新型コロナウイルスの感染者数も増加傾向となっており、ちょっとばかり嫌な予感はしたのだけれど、予定通り開催されて安堵いたしました。

感染者数の発表を見るたびに心の中のアントニオ猪木R.I.P.)が「延期ですかー!?」と叫んでいたので、マジで気が気じゃなかったのよ、あたしゃ。

 

会場はさいたまスーパーアリーナ

埼玉県なる辺境の地まで足を運ばなければならない事情もあり、全国旅行支援制度を駆使して前日に現地入りすることにいたしました。

ちなみに埼玉県在住の某ホロワーさんは、自身の生活圏内の公演にもかかわらず3泊4日のスケジュールで臨むという小旅行スタイルを敢行。ガンズファン、いい感じに狂ってます。

 

ちなみにガンズのマネジメントを担当するチーム・ブラジルの面々は10月26日あたりに日本へ入国。

その中にはアクセルのパーソナル・アシスタントを務めるベータさんも含まれていたため、ファンの間では「アクセルも一緒に来ているのでは?」との憶測が浮上しましたが、そこはやはりアクセル。公演当日まで目撃談のひとつも出てきませんでした。

わたくしもチーム・ブラジルの来日を知ってからというもの、どこでメンバーに遭遇してもいいように『Appetite For Destruction - Locked N' Loaded Edition』を背負って生活しておりましたが、ただ体幹が鍛えられただけで終わったことをこの場を借りてご報告させていただきます。

 

(通称“箪笥”ことAppetite For Destruction - Locked N' Loaded Edition)

 

11月4日夕方、さいたま新都心駅に降り立ったわたくしを襲ったのは、南関東とは明らかに異なる冷たい空気。

厚手のパーカーを着てまいりましたが、それでも身体が震えるほどの寒さ。

これはマズいと思い、これからやって来る前泊組に「埼玉めちゃ寒い。キケン」と即座にメッセージを飛ばして二次災害を未然に防ごうとしたのがわたくしです。

そんなわたくしの気遣いにもかかわらず、ティーシャーツ1枚で震えながら登場した某ホロワーさんの姿を見たときは泣きそうになりました。

ふざけんな馬鹿 大切なライヴの前に風邪をひいてしまっては大変なので、人の忠告には真摯に耳を傾けてほしい。

 

とりあえずホテルに荷物を預けて会場の下見へ。

同じく前日入りのロッピンさん(名前の由来は、漫画『キン肉マン』の登場人物であるロビンマスクを成人するまでロッピンマスクだと思っていたことから)も合流し、ふたりで会場周辺をうろうろ。

小雨の降る中、スーパーアリーナの外周を散歩していると、なんと開け放たれた扉の向こう側に設営中のステージが確認できるではありませんか。

わー。本当にここで演奏するんやー。

当たり前すぎるほど当たり前の感想が頭をよぎりました。

 

会場設営と並行してステージ上では音出しがスタート。

このタイミングで扉を閉められてしまったので詳細は確認できませんが、どうやらメンバーではなくスタッフが音響の確認のために演奏しているようです。

Welcome To The Jungle”のワンフレーズや“Rocket Queen”を聴いてテンションが一気に上がる前日入りチーム。

わー。本当にここで演奏するんやー。

当たり前すぎるほど当たり前の感想が再び頭をよぎりました。

 

どうしてもアクセルに会って腕にサインをもらいたい(そして可及的速やかにタトゥーとして身体に刻み付けたい)ロッピンさんはそのまま会場外で粘りたそうな雰囲気でしたが、明らかにメンバーを待っていると思しきハイヤーの運転手さんが「まだまだ車を出せる状況じゃないらしい」などと言っているのが聞こえてきたため、会場の下見はここで終了。

下見途中で合流した前日入り組を交え、会場近くで夕飯を食べる運びとなりました。

乾杯の挨拶もそこそこに始まるのは、当然のことながらガンズの話。

今回の来日公演から噂レベルの小ネタまで話は多岐にわたり、さながら『ガンズ・アンド・ローゼズを語る会 in 埼玉』の様相を呈してきたほどです。

 

しかし、日本公演の物販ラインナップに話が及んだ途端、場の空気が一変。

みんな急に伏し目がちになり口数が少なくなりました。

選挙で落選が確実になった候補者の事務所みたいな雰囲気になってしまった理由は実にシンプル。

 

だってダサいんだもん。

 

いや、ハードロック系アーティストの物販はダサいもんだと相場が決まっているのは百も承知だし、発表前にはそれなりの覚悟をしていたわけなのだけれど、その覚悟を簡単に打ち砕くようなラインナップに愕然としたのよ、みんな。

Twitterで物販情報が解禁されたときには、それまで「さっさと情報出してくれー」って騒いでた人も黙ったもんね、完全に。

みんなで上司の悪口言ってるときに当の本人が入って来たときくらい黙った。

 

(勇ましい赤鬼)

 

赤鬼5,500円ですよ。

折からの円安でグッズの値段が上がるのは覚悟しておりましたが、胸の中央に赤鬼ドーンで5,500円はちょっと…。

まあ、このデザインのグッズがあるのは予想してた。日本公演のポスターと同じデザインだもんね。そりゃ作るよ、グッズ。

でも、これとは別に日本公演用のご当地グッズがあると思うじゃん。他の公演地ではそういうの売られてるじゃん!

2017年の来日時のグッズはそれなりにかっこよかったから、今回が余計にキツく感じられるわけです、2017年参加組としては。

 

誰かが漏らした「欲しい物が…ないんだよね…」という呻きに呼応し、ロッピンさんが「今回の物販はスルーやな」と非情なファイナルアンサー。

念のために補足しておくと、ロッピンさんの口から「欲しくない」という意味の言葉が飛び出すのは本当に異常事態なんですよ。

彼はガンズの熱心なコレクターで、普通の感覚からすると「えっ。それは要らんでしょう」という物まで買ってしまう人。

実際にモノを見てもらった方が早そうなので、ひとつご紹介しましょう。

 

(色使いがどうかしてるトレーナー)

ね。これを当たり前のように買ってしまう人なんですよ、ロッピンさんは。

黄色いやつなんて「夜道でも安心!」みたいな交通安全グッズですよ。

これを楽勝で購入するキチガイ 熱心なファンが「スルーでしょ」と言ってしまう今回の物販、マジで恐ろしいです。

ちなみにロッピンさんは上記のトレーナーを着て埼玉入りしようと思っていたそうですが、改めて現物をまじまじと見て冷静なメンタルとなり、「これは着ていったらアカンやつや」と寸前で回避したとか。

 

まあ、わたくしも内心では「今回は物販で散財する可能性ゼロ。ラッキー」などと思っておったわけですが、物販に対して消極的な態度をとるロッピンさんの姿を目の当たりにして意識が変容。

どうにかしてロッピンさんの食指を動かそうと、今回の物販ラインナップで一番の謎アイテムである九谷豆皿を猛プッシュ。

この時にはもうわたくしのメンタルは完全に売り手側になっていました。

 

(4枚も入っていてお得なガンズ九谷豆皿)

 

「ガンズの九谷焼ですよ! こんなの日本でしか買えないでしょう!」だの「かなり早いタイミングで完売するアイテムがあるとしたら九谷豆皿ですよ!」だの九谷焼の魅力を熱く語るわたくし。

そうすると不思議なもので、セルフマインドコントロールとでも言うのでしょうか。

それまで買うつもりなど微塵もなかったガンズ九谷豆皿が猛烈に素晴らしい商品に思えてきます。

店を出る頃には完全に「明日はガンズ九谷豆皿を買う」と固く心に誓うマイライフとなっておりました。

 

翌朝、ホテルのベッドで目を覚まし、寝ぼけ眼でTwitterをチェックして驚愕。

物販ガチ勢のフォロワーさんからの報告によると、午前5時前にもかかわらず物販目当てと思しき人がちらほら見受けられるとのこと。

12時開始の物販のために5時前から…。

その熱意にやられたせいでしょうか。

寝る直前まであんなに欲しかったガンズ九谷豆皿がまったく欲しくなくなっている自分がいることに気付きました。

 

まあ、前乗りチームはみんな物販欲しくないって言ってたし、とりあえずホテルの部屋でのんびりしますか。

などと思っていたら、8時前に続々と物販列に向けてホテルを出発していく前乗りチーム。

 

なぬー! 昨日のあの態度はライバルを油断させるための作戦かー!

 

相変わらず特に欲しい物はないけれど、このまま部屋にいるのも癪なので世界の武田清先生(パピコを使ってナンパをする偉人)と連れ立ってわたくしも物販列へ。

温かいコーヒー片手に物販列を冷やかしていると、列の後方に見覚えのある顔が。

そう。2017年ガンズ大阪公演で今なお語り継がれる「唇紫事件」を巻き起こした石井さん(仮名)です。

事件の詳細については控えますが、真冬の早朝から物販列に並び続け、ライヴ会場に入場した頃には疲労困憊。唇が紫になっていたという気の毒なおじさんです。

そんな石井さんですら気合を入れて並ばないわけですから、今回の物販への期待の薄さが透けて見えてしまうわけであります。

 

余談ですが、物販列の進みと日陰の動きが奇跡的に完全一致した結果、“石井さんがいるところだけ常に寒い”という現象が起こり、「逆・松岡修造」なる通り名が授けられたことをここにご報告しておきます。

 

買う気もないのに物販列付近をウロウロしていたところ、ふと気が付けば物販スタート時間が目前に迫っておりました。

ブースの近くにはティーシャーツやらパーカーやらを着せられたマネキンが並び、さながらブティックのよう。

普通のブティックと違う点を挙げるとしたら、マネキンが着ている衣服のデザインが明らかにどうかしていることでしょうか。

こんなにどうかしている商品なのに、いざ列に並んでしまうと自分でもまったく予想していなかった衝動的な購買行動に出てしまうのが物販列の恐ろしいところ。

足を踏み入れた人間の冷静な判断力を奪ってしまう謎の磁場が存在しております。

今回の物販ブースにつきましては、ブティック『気が動転して買ってしまった』と名付けました、わたくしは。

 

(ブティック『気が動転して買ってしまった』)

いざ販売がスタートすると気が動転してしまった人が続出。

「隣の人が買っていたから」という理由で九谷豆皿を追加で買ってしまったフォロワーさんまで登場する始末です。

わたくしはこの件について「物販列における伝染する狂気」として学会に報告する準備を進めております。

といいますか、わたくしも物販列の磁場にやられてしまいまして、最終的には九谷豆皿を筆頭に結構な額のグッズを購入してしまいました。

ガンズ九谷豆皿をお買い上げになったみなさん、近いうちに『ガンズ九谷豆皿ユーザーの集い』をやりましょうね。

 

そして一部で話題となったのが、サポートアクトの物販のお値段問題。

わたくしは初日に出演のLOUDNESSがこの日限定で販売する「LOUDNESS WAS HERE」ティーシャーツが欲しかったのだけれど、事前の告知段階では4,500円だったものが売り場では何故か5,500円の値付けになっていたのです。

「間違いじゃね? 教えてあげないと」と世界の武田清先生(パピコを使ってナンパをする偉人)が売り場のスタッフに指摘に行ったところ、あっさりと「お値段変わりましたー」との返答。

まあ、1,000円上がったから買わないってことはないけど、これも昨今の値上げラッシュの一環ですか…。あまり釈然としない。

 

理由のよく分からない値上げの謎。

それはLOUDNESSの物販ブースまで来たところで完全に解決いたしました。

 

 

ガンズの意向!!

 

それはもう何も言えないやつじゃないですか。

この「WAS HERE」っていうのはガンズの有名なデザインのパロディなので、もしかしたら意匠の使用料を支払うために1,000円値上げしたのでは?

いや、絶対そうだよ。だって急に1,000円値上げなんて不自然だもん。

ガンズへの上納金でファイナルアンサーだよ。

 

などと勝手な推測であーだこーだ盛り上がったのだけれど、翌日のサポートアクトであるBAND-MAIDの物販(ガンズオマージュ商品なし)も同じようにガンズの意向で1,000円値上がりしており、真相は謎のままであります。

ガンズは他の国でもサポートアクトの物販価格に口を出しているのだろうか。

それは誰にもわからない。

 

 

ていうか、前日入りから物販までで文字数使いすぎじゃないですか。

このままだとえらく長いブログになりそうなので、ここまでを前編とさせていただいて、ライヴのことは後半に持ち越しにさせていただきましょうかね。

 

まあ、赤鬼のティーシャーツを買った人は冠婚葬祭などでご活用くださいね。

よろしくお願いいたします。