Leakers keep leaking...

どうも。僕です。

我らがGuns N Rosesは秋のツアー初陣を無事に終えてくれました。

いつものセトリと新しいアクセルの髪型。

セトリのAlt枠(レギュラー曲ではないが演奏される可能性のある曲)に“Locomotive”や“Dead Horse”などのレア曲が追加されただけでもファンは大騒ぎなのに、さらにそこに未発表曲“Hard School”の名前も。

これはどう考えても同曲がリークされてしまった事の副産物でしょう。

まあ、蓋を開けてみれば、ツアー初日はレギュラー曲オンリーという結果だったのですが…。

ガンズの場合、Alt枠に入ったまま演奏されずじまいだった曲がたくさんあるわけで、あまり過度な期待を抱かずに待つというスタンスがいいのかもしれません。

でも、“Hard School”は聴きたいよナー。

 

 

ええ。本日もガンズのリーク音源の話題です。

今日現在で19枚のディスクのうち14枚がすでにリークされているという凄まじい状況。

特にここ数日はダダ洩れというレベルで音源がアップされていきます。

The Chairmanと名乗る人物がリークしているようですが、彼(彼女?)は何者なのでしょうか…。

いずれにせよ出てきた物は楽しんでしまおう、というわけで、未発表曲のみを対象として簡単なレビューをしていきたいと思います。

ヴォーカル入り音源とインスト音源に分けて紹介してまいりましょう。

f:id:R__Y__O:20190924123831j:plain

 (写真:誰かの家で撮られたロッカー音源の現物写真)

 

 

【ヴォーカル入り音源】

 

1. Atlas Shrugged

長年そのタイトルは知られており、世界中のガンズファンが発表を熱望していた1曲。タイトルはAyn Randの大ベストセラー『肩をすくめるアトラス』から採られているが、歌詞の内容は作品とはあまり関係が無い模様。曲調については「November Rainとグラムロックの中間」と評されており、アクセル節全開のピアノバラードだと考えていたファンも多かった。しかし、実際はミッドテンポのロック曲であった。Queenブライアン・メイが参加した3曲のうちのひとつである。一時的にNine Inch Nailsに復帰したロビン・フィンクに向けて書かれた歌詞であるという噂もあるが、その真偽のほどは不明…。

 

2. Perhaps

“Atlas Shrugged”と同じくQueenブライアン・メイ3部作のうちの1曲。(残りの1曲はアルバム『Chinese Democracy』収録の“Catcher In The Rye”だが、ブライアンのテイクは最終バージョンでは削られている。) 今回のリーク音源の目玉のひとつで、ヴォーカル入り音源の中ではこれを1番の良曲に推すファンも多い。印象的なピアノリフから始まる哀愁漂うミッドテンポのロック曲。サビで畳みかけるように言葉を連ねるヴォーカルスタイルはまさにアクセル・ローズ。お蔵入りになるにはあまりにも惜しい。

 

3. Hard School

以前から“Checkmate”というタイトルで断片的な音源が出回っていた曲。その後、アクセル・ローズ本人が“Jackie Chan”という仮タイトルの曲である事を明らかにしていた。そして、今回のロッカー音源流出により、その正式タイトルが“Hard School”である事が判明。スラッシュやダフ在籍時、ジャッキー・チェンの映画の主題歌用に書かれた曲のようである。いかにもアクション映画に使われそうなファストテンポのハードロック曲。曲の構成はいささか単調だが、世間一般が抱くガンズのイメージに近い楽曲だと言えそう。

 

4. State Of Grace

今までその存在すら知られていなかった曲。スローテンポのレイドバックした曲調に戸惑った人も多いのでは。しかし、聴けば聴くほど好きになっていくスルメ曲。サビで一気に熱を帯びてくるアクセルのヴォーカルは最高の一言。後半で聴く事の出来る“I still remember your name”という絶叫に胸が高鳴らないガンズファンはいないのでは。個人的には“Hard School”よりもこちらをライヴで聴きたい。

 

5. Eye On You

“State Of Grace”と同じく、今回のリークで初めて存在が明らかとなった曲。リークされる前は「アクセルがラップをしている」という噂だったが、さすがにそれは誤報であった。しかし、ロックとは一線を画した曲調であり、クラブなどで流れていそうな曲である。繰り返される“You think youre bad. But, whose the Mac Daddy”というラインは誰の声なのだろうか。ファンには評判が芳しくないようだが、個人的には曲調もメロディは嫌いではない。むしろ、こういった作風でアルバム1枚作っても面白いのでは、とさえ思ってしまうのは僕だけでしょうか。

 

6. Silkworms

2001年に数回ライヴ演奏されているインダストリアル風味のロック曲。去年リークされたバージョンとはかなり雰囲気が異なり、ドラムがメインで曲を引っ張る感じになっている。ライヴで演奏されたアレンジに近いが、“What can I do? With a bitch like you”という印象的なコーラスは収録されていない。去年リークされたバージョンにもそのコーラスは入っておらず、もしかしたらライヴだけで聴けるフレーズなのだろうか…。2001年のRock In Rio3のビデオで同曲を初めて聴いた時は「なんじゃこりゃ!?」だったが、スタジオバージョンはなかなかの出来だと思う。

 

7. Tommy Demo #1

トミー・スティンソンのヴォーカル曲。やさぐれた雰囲気のガレージロックっぽい佳曲。タイトルは不明だが、サビのフレーズから“Save Me”と呼んでいる人もいるようだ。

 

8. Tommy Demo #2

2013年にリークされた“Going Down”という楽曲のオリジナルバージョン。以前にリークされたバージョンと異なり、こちらにはアクセルは参加していない。しかし、サビではヴォーカルが重ねられており、トミーはアクセルとデュエットする事を想定して作曲していた可能性も考えられる。爽やかな雰囲気のサビを持つ楽曲で、ライヴの中盤などに演奏されたら一服の清涼剤になりそうである。

 

 

今のところリークされたヴォーカル入り音源は上記の8曲。

これからリークされる可能性があるのは

 

Nothing…同じ歌詞を延々と繰り返している音源らしい。

Quick Song…歌詞がついておらず、アクセルがメロディを歌っているだけの音源。ただし、かなり良いメロディだという話である。

 

 

 

【インスト音源】

 

1. Quick Song

タイトルは以前から知られていた楽曲。速めのギターリフから始まるロック曲。途中でNirvanaの“Smells Like Teen Spirit”を彷彿とさせるリフも登場する。単調なロック曲かと思いきや、色々なパートに展開していくため聴いていて飽きない。

 

2. Billionare

1分半程度の短いインダストリアル風ナンバー。CDにBLK/FLGと記されているが、これはどういう意味なのだろうか…。他の曲のパートの一部なのか、はたまたバケットヘッドがロボットダンスをする際のBGMなのか…。コメントに困る音源である。

 

3. Dub Suplex

こちらにも同じくBLK/FLGの文字が。こちらは“Billionare”と違い、曲としての体裁をなしている。映画『羊たちの沈黙』のレクター博士の台詞から始まるインダストリアル風ナンバー。ギターリフも聴く事が出来るが、ドラムビートやシンセによるリフなどがメインの1曲。スクラッチノイズのような音も入っており、当時のアクセルの趣味が垣間見える。


What is its nature?

 

4. Oklahoma

タイトルは以前から知られており、その後“Berlin”に改題された事がアクセル本人の口から明らかにされている。印象的なギターリフなどは登場しないが、歌メロが乗せやすそうなロック曲で、なかなか良いギターメロディなども聴く事が出来る。

オリジナルタイトルの“Oklahoma”は、1995年に発生したオクラホマシティ連邦政府ビル爆破事件にインスパイアされたもの。当時、前妻エリン・エヴァリーとの裁判に出廷中だったアクセルが、「あのビルの中では多くの人達が死んでいるのに、なんで俺はこんなくだらない裁判に出ないといけないんだ?」と怒りを覚えた事が同曲誕生のきっかけとなったようだ。

 

5. Zodiac 13

アクセルの愛読書のひとつであるニール・ステファンソンのSF小説『Zodiac』からインスパイアされた楽曲らしい。アメリカの有名な猟奇事件とは無関係。綺麗なピアノから始まるが、そこに少しずつノイズが絡んでいき、ヘヴィなリフがスタート。スローでヘヴィな曲調だが、印象的なギターメロディもふんだんに盛り込まれており、ドラマティックな曲になりそうな雰囲気を持っている。

 

6. Devious Bastard

随所に短いナレーションが入っており、ここにアクセルのヴォーカルがどのように乗るのか想像しにくい曲である。モダンな雰囲気ではあるが、ギターがバリバリに入っていて、インスト曲として聴いているだけでも楽しい。ロビン・フィンクによるものだと思われるファンキーなギターカッティングも非常に良い。

 

7. Dummy

綺麗なアコースティックギターの調べから始まる楽曲。アコースティック曲なのかと思いきや、そこからKornのような超ヘヴィなパートへ。スピーカーが音割れしようなほどのヘヴィさ。約6分半という長めの曲だが、基本的にはアコースティックパートとヘヴィパートが交互に登場するだけで、聴いていると多少退屈になってくるのも事実。各パートのクオリティは悪くないので、上手く作り直せば良曲になりそう。

 

8. Me & My Elvis

“Leave Me Alone”や“Elvis Presley & The Monster Of Soul”の仮タイトルで知られ、現在は“Soul Monster”と呼ばれている楽曲のインストバージョン。アクセル曰く「俺がやった曲の中で一番Black Sabbath的な瞬間が入っている」とのこと。ヘヴィなパートではギターとドラムがシンクロして攻め立ててきたかと思えば、ピアノだけになるパートもあり、静と動の対比が見事。特筆するべきはギターメロディで、泣きのギターと形容しても良いレベルである。インスト状態の楽曲の中で、1曲だけ完成形を聴かせてやると言われたら、僕は間違いなくこれを選ぶだろう。

 

9. Circus Maximum

これはかなり変わった曲。最初はビートすら無く、シンセ(?)がピロピロ鳴ったりしているだけ。「うわ。これは困ったなあ…」と思っていると、ようやくドラムが入って来るが、鳴っている音に特に変化は無い。しかし、2分半頃から曲が展開し始め、テクニカルなギターフレーズやピアノソロなどが聴けるようになる。ここに歌が乗る事はちょっと想像出来ないので、バンドメンバーのジャム用のインスト曲なのかも…。最初は退屈だけれど、後半はかなり聴きごたえあり。

 

10. D Tune

これは明らかに仮タイトルでしょう。音楽的な事はよくわからないけれど、キーがDだから、とかそういった理由なのでしょうか。ストレートではない拍子にギターやキーボードが絡んでいくというタイプの楽曲。テンポはそれほど速くない。聴いている側よりも演奏している側が気持ちよさそうな感じ。最後は少し“Better”の歌メロに似たピアノのフレーズが登場して終了。

 

11. Curly Shuffle

テンポは速くないが、先ほどの“D Tune”よりもアップテンポで生き生きとしたリズムの曲。これもギターメロディが良い。この時期の楽曲は、リフよりもギターメロディで引っ張っていくようなものが多い印象。アクセルの指示によるものなのだろうか…。メロディは悪くないが、特に展開らしい展開は無く淡々と終了。

 

12. As It Began

冒頭から鳴っている効果音はイルカが出す超音波か何かだろうか…。アクセル節丸出しのピアノ曲。もちろん演奏クレジットが無いので誰が弾いているのかは不明だが、これはアクセルが弾いているとしか思えない音使い。小指をキュッと折りたたんだアクセルの運指が見えてきそうな1曲だ。“As It Began”というタイトルだけで色々と想像をたくましくしてしまうのはガンズファンの性でしょうか。

 

13. Thyme (P.R.L.)

イタリアの作曲家マルコ・ベルトラミがアクセルに依頼されて作曲した4曲のオーケストラパートのうちのひとつだと思われる。“Thyme”は以前からタイトルが知られており、独立した楽曲だと考えられていたが、どうやら次に紹介する“P.R.L.”という楽曲の一部として作曲されたようだ。

 

14. P.R.L. (without Thyme) (no gtrs)

打ち込みっぽいリズムと電子音のリフによる曲。クレジットにもある通り、この音源にはギターは入っていない。わざわざ(no gtrs)とクレジットするくらいなので、最終バージョンにはギターが入るのだろう。実際、その余地は十分にありそう。

ちなみに“Thyme”と“P.R.L.”を同時再生してみたが、残念な事にイマイチしっくりこない。どのタイミングで再生するのが正解なのだろうか…。

 

15. The Rebel

インダストリアル風味は皆無のストレートな楽曲。もっさりとしたリズムに絡むギターリフがかっこいい。アクセルが「普通だなあ」とあっさりボツにしそうな雰囲気はある。

 

16. Prom Violence

こちらも“The Rebel”と同じくギターが引っ張るタイプの曲だが、かなりモダンでテクニカルな印象。途中の早弾きはバケットヘッドか? アクセルのアグレッシヴなヴォーカルが乗ったら良い仕上がりになりそう。

 

17. Inside Out

Robin/Tommy Demo』というディスクに入っている楽曲。おそらくロビン・フィンクの曲だと思われる。前半はムーディーな雰囲気だが、途中のギターソロのようなパートで少し雰囲気が変わる。かなり隙間のある音像で、各楽器が解釈する余地を大いに残してあるのだと思われる。途中で唐突に終わり、未完成感がすごい。アイデアのラフスケッチ程度の音源なのかも。ちなみに同じディスクに入っている“3 Dollar Pyramid”という楽曲は、後に“Better”になるもの。

 

ざっとレビューしてみましたが、冷静に考えてみるとすごい物量ですね…。

ガンズの未発表曲がこんなにまとめて聴ける日が来るとは思いませんでした。

我々ファンとしてはバンドにちゃんと課金したいので、近いうちに全世界待望のニューアルバムをリリースしてくれるといいのですが…。