行きはよいよい 帰りは怖い

どうも。2022年最初の僕です。

ブログを更新したいという気持ちだけは持っていた僕です。

“更新したい”と“更新する”の間に流れる深くて広い川に翻弄されておりました。

 

まあ、そんな戯言はどうでもいい。

今日はですね、映画の話をしていきたいと思います。

みなさん知ってますか、映画。

ムーヴィーですよ、ムーヴィー。

 

 

えー。今回ご紹介するのはですね、2015年公開の大ヒット映画マッドマックス 怒りのデス・ロードでございます。

劇場に10回以上足を運ぶキチガイ 熱狂的なファンを生み出した傑作ヴァイオレンス・アクション映画ですよ。

ご覧になった方も多いのではないでしょうか。

 


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(世界観のヤバさがひしひしと伝わってくる予告編)

 

なんで今さらこの映画を…と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、まずは未見の方のためにストーリーを紹介させてください。

ここから先はマッドマックス 怒りのデス・ロード』のネタバレが含まれますので、これから観る予定の方、観る予定はないがネタバレを踏みたくないという方、このブログ自体を読む気が失せてしまったという方は、とっとと離脱してタレントのヒロミさんのWikipediaなどを読みふけってください。

よろしくお願いします。

 

 

では、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』のストーリーをネタバレありでご紹介していきましょう。

細かい設定などを含め、うろ覚え or まったく覚えていない箇所が多々あるかと思いますが、素人のおっさんのブログなのでどうかご容赦ください。

ざっくりした流れを把握していただければ、今回はそれだけで結構でございます。

 

 

※ ネタバレを踏みたくない人はこれが最後のチャンス! タレントのヒロミさんのWikipediaへ飛ぼう!

ja.wikipedia.org


 

 

 

 

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物語の舞台は核戦争によって荒廃した近未来。

生き残った人間たちは環境汚染を免れた土地に逃れ、限られた資源を分け合い、時に奪い合いながら生活していた。

そう。まさに漫画『北斗の拳』の世界である。YOUはSHOCKである。

「えー。この技は北斗百烈拳と言いまして…いや、大体でいいんだよ。誰も数えてないんだから」の世界である。

 

主人公のマックス(だから『マッドマックス』なんだね!)がたどり着いたのは、イモータン・ジョーという独裁者が支配する土地だった。

見るからに悪役顔のイモータン・ジョーは、その土地における水の権利を独占しており、そこに住む人々は生存に必要不可欠な水を得るために彼に従わざるを得ない状況。

たぶん住民たちも「水分は大切だよナー。タレントの所ジョージさんもそう言ってた」などと囁き合いながらイモータン・ジョーに従うことを決めたんだと思う。

 


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(この人がイモータン・ジョー。IRON MAIDENのジャケットに出てきそうな人だね!)

 

しかし、そんな絶対服従の状況に待ったをかけたのが、よそ者であるマックスだった。

ここ以外にも水が豊富な土地があるらしいという情報を入手し、メンタルが完全にお昼休みはウキウキウォッチングになってしまったマックスとその仲間たちは、「そんな場所があるなら早く言ってヨー」などと軽口を叩きながらまだ見ぬ楽園へ向かって出発したのであった。

 

イモータン・ジョーが放った追っ手を巧みに撃退し、ついに目指す場所へたどり着いたマックス一味。

しかし、彼らが見たのは、環境汚染が進んで死の土地となった“元・楽園”であった。

普通だったら「いやいやいや。行く前に調べるべきでしょ。現状を確認もせずに出て来るのはマジ無能だわー」などと胃が痛くなるような嫌味を言われても不思議ではない大失態。

さらに誰かが現地の写真を「マジ時間返して欲しい」などというコメント共にインスタにアップして、チームの空気が最悪になったとしても全然おかしくない事態ですよ。

 

そんな仲間割れの危機を救ったのが、マックスのPMA(Positive Mental Attitude)。

よく考えたらイモータン・ジョーをぶん殴って水の権利を奪っちゃえば万事オーライじゃね?という安直な 根本的な解決案を思い付くわけです。

一時は絶望のどん底に突き落とされたマックス一味でしたが、これまで圧政により住人たちを苦しめてきたイモータン・ジョーに暴力を振るうというスカッとして楽しげな 目的が出来たことで再び一致団結。

「やるっきゃない!」とメンタルを土井たか子(RIP)にセッティングして来た道を引き返して行くのでした。

 

その後、イモータン軍団の猛攻やら仲間の死やらを乗り越え、見事にイモータン・ジョーの排除に成功。

手に入れた水をがぶ飲みしながら「最後はやっぱりパワーだよネ」という感じでエンディングを迎えたのであった。(この辺はかなり記憶が曖昧です)

 

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まあ、本当にざっくり説明するとこんな感じなんですよ、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』という映画は。

観た人には完全に納得していただける説明だと思うし、みんなもそう思っていると思う。

 

どこで読んだのか失念してしまったのですが、同作のストーリー展開を評したフレーズが非常に印象的で、すべてを完璧に言い表していると心底感服したので、それをここでご紹介いたしましょう。

2015年の大ヒット映画『マッドマックス 怒りのデス・ロード』は

 

 

行って戻って来ただけ

 

 

 

そうなんだよね。行って戻って来ただけなんだよ。

Uターン映画ですよ、端的に言ってしまえば。

 

じゃあ、行く前と戻って来た時では何が変わっているのか?

それは過酷な現実に向き合うための覚悟の有無。

 

そう、これは覚悟を獲得するまでの過程を描いた作品なんですよ。

 

さあ、ここらで僕の好きな音楽話を絡めていきましょうか。

この作品を観て僕の脳裏をよぎったのは、Guns N' Rosesの名曲“Paradise City”でした。

 


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(エネルギー爆発のライヴシーンが眩しい“Paradise City”のMV)

 

ハードロック史…いや、ロック史に燦然と輝く大金字塔アルバム『Appetite For Destruction』(1987年作)。

同作のハイライトのひとつとなる“Paradise City”では、楽園を思わせるおおらかなメロディに乗せてこんな歌詞が歌われている。

 

Take me down to the paradise city

where the grass is green and the girls are pretty

 

さて、これを英検準43級などと揶揄される英語力を持つ僕が直訳するとこんな感じになるでしょうか。

 

パラダイス・シティへ連れて行ってくれ

芝生は青く、可愛い女の子たちがいるところへ

 

まあ、なんていうか能天気ですよね。

きっと太陽も遠慮なく照り付けていて、みんなコカコーラか何か、場合によってはジョルトコーラなどを片手に楽しそうに街をぶらついている光景が浮かんでまいります。

インディアナという田舎街出身のアクセル・ローズ(Guns N' Rosesのヴォーカリスト)にとっては、バンドの活動拠点であるカリフォルニア州こそが憧れのパラダイス・シティだったのではないかナーとも思ったりもしました。

 

しかし、そんな牧歌的な雰囲気もヴァースに突入した途端に一変。

少しの油断が命取りにもなりかねない過酷なストリートで生きる現実が生々しく歌われるのです。

まさに理想と現実。

 

パラダイス・シティなど存在しないことをアクセルはどこかの時点で知ってしまったのでしょう。

この曲の歌詞を書いた時、アクセルはおそらく24歳くらい。

マッドマックス 怒りのデス・ロード』のストーリーになぞらえて言うならば、アクセルはその若さにしてすでに“行って戻って来た人”だったのです。

その根拠となるのは、とあるライヴで“Paradise City”を演奏する前にアクセルが発した言葉。

 

 

これは“Paradise City”って曲だ。

そんな場所はどこにもないんだけどな。

 

 

決定的なネタバレとも言える重要な告白。

おそらくアクセルがこんなことを言ったのは後にも先にも一度だけなのではないかナーと思う。

(などと書いておきながら結構定番の曲紹介だったら恥ずかしいので、その時はこっそりDMなどで教えてください)

 

 

ベーシストのダフ・マッケイガンの自伝によれば、“Paradise City”が楽曲としてほぼまとまったのは1985年6月の「ヘル・ツアー」の直前。

何かのインタビューで「ツアー中の車内で書いた」という発言もあったはずなので、「ヘル・ツアー」の道中で完成を見たと考えてもいいのではないかと思っております。

 

このツアーはガンズにとって初めてのツアーで、出発して早々に車が故障。ヒッチハイクで最終公演地のシアトルへたどり着き、結局その1公演しかおこなわれなかったという不運のツアーとして知られているもの。

LAまでの帰路も猿岩石ユーラシア大陸横断ヒッチハイクばりの過酷さで、その危機を乗り越えたことによってバンドの結束が強くなったとか。

 

勘の鋭い方はすでにお気付きかもしれませんが、「ヘル・ツアー」にもある意味では『マッドマックス 怒りのデス・ロード』で見られた“行って戻って来ただけ”の図式が当てはまるんです。

これは単なる偶然の一致でしょうか。(都市伝説を紹介する芸人風に)

 

さらに面白いのは“Paradise City”のイントロのコード進行。

ここで弾かれているコードは「G→C→F→C→G」(ガンズは半音下げチューニングなので、実際に鳴っている音は半音下? 知らんけど)となっています。

そう、Gのコードから始まった曲はCを経過してFへ到達、そこからCに向かって引き返し、スタート地点であるGに戻る進行なんです。

これは完全に“行って戻って来ただけ”じゃありませんか、奥さん。

 

このブログを書こうと思ったきっかけは、このコード進行に気付いたことだったので、「あ。こういうコード進行は当たり前だから」などと言われてしまうと非常につらい。

もし仮にそうだったとしても、音楽に詳しい方、どうか心の中だけに留めておいてください。

留めておいてくれたらビールの1杯くらいはおごります。

 

 

まあ、僕がみなさんに伝えたいこと、それは「夢破れたところで本番スタートだよ」ってことですよ。

良い事言いましたね。手帳にメモっておいてください。

 

 

あ。そういえば2022年2月6日にアクセル・ローズが60歳の誕生日を迎えましたね。

あのアクセルが還暦ですよ、還暦。信じられん。

なんでこの人にとって世界はこんなに生きづらいんだろう、と心配した時期もありましたが、最近は「これが本当にアクセルなん?」と思うくらい笑顔が多くて嬉しい限り。

 

せっかくなのでこの場を借りてアクセルにお祝いとお礼を言っておきましょうかね。

まあ、この場を借りようがどの場を借りようが、アクセル本人が読まないことには変わりがないんですけどね。

 

アクセル・ローズさん、還暦おめでとうございます。

僕が何よりもあなたに感謝したいのは、ガンズファンになった日からずっと僕にとって意味がある存在で居続けてくれたこと。

あなたの言動すべてが賛同できるものだったとは言わないけれど、ダサいもの、意味のないものに成り下がらないでくれて本当にありがとうございます。

これからも僕にとって意味のある存在で居続けてくれたら嬉しいし、あなたの健康と幸せを心より願っております。

(新作と来日もあったらさらに嬉しいです)

 

 

というわけで、今回のブログはこれにて終了でございます。

世界中が不穏な空気に包まれている今日この頃、また更新できる日がやってきますように。